<熱弁のチーフガイド>
[復刻版]
ルアペフ山・エルバート山登頂記:第5日目(1):タマレークトラック(1)
(山旅スクール5期同窓生)
2006年1月27日(金)〜2月4日(土)
第5日目;2006年1月31日(火)
雨の中ホテルから歩き出す
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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e923155cc08d6d2fe964411235803109
<ルート地図>
<5日目の朝>
■良く眠れないまま朝を迎える
夜半,12時40分頃,目が覚める.
それから明け方まで,半分目が覚めたようなウツラウツラ状態で,ベッドに静かに横たわったまま,ひたすら長い夜が明けるのを待つ.
こんな時,私一人の部屋ならば,勝手に起き出して好きなことをやり出すのだが,この旅ではTさんと相部屋である.Tさんに迷惑を掛けるわけにはいかないので,ひたすら「忍」の字でジッとしている.
暗い部屋の天井で,何かが周期的に「ピカッ,ピカッ」と点滅する.ごく弱い光だが,気になって仕方がない.この光,多分,火災報知器のセンサーから出ているものだろうが,どうも目を覚させる作用があるようである.
時間つぶしにトイレに行く.明るいトイレの電気の下で暫く過ごす.
再びベッドに横になり天井の「ピカッ,ピカッ」を凝視しつづける.その内にいつの間にか寝入ってしまう.
いい気分で寝ていると,いきなり電話のベルで起こされる.6時30分のモーニングコールである.今度はやたらに眠いが,起きなければならない.
窓外を眺める.
辺り一面に霧が立ち込めている.どうやら余り天気は良くないようである.
尾籠な話だが,やたらにバックウインドが出る.ニュージーランドへ来てから食べ物の種類が違ったために,今日あたりで,体の中が,すっかりニュージーランド風に変化してしまったらしい.そのため,ウインドの香りも,何となくニュージーランド風に変わっている.
7時少し前にロビーへ降りる.
定刻前に全員が集まる.そこへ添乗員のSさんが今日の新聞を片手に持って現れる.新聞の天気予報の記事を見ながら,
「・・・今日の天候ですが,日中は晴れ,午後曇り後雨,所によっては雷雨という予報です」
と,紹介する.
ややこしい予報である.要するに晴れたり曇ったり雨が降ったり雷が鳴ったりで何でもありの天気である.
「午後って,大体何時頃のことでしょうか・・・」
と誰かが質問をする.もちろん,誰も正確なことは分からない.
■朝食はバイキング
朝食のために,いつものレストランに入る.席も何時もと同じである.やや離れたところに,登山家のTさんグループのおばさん達も座っている.
もちろんバイキング形式である.
私は太らないように注意しながら食べ物を選ぶ.
たまたまTさんも近くで食べ物を選んでいる.添乗員のSさんが,かしこまった仕草でTさんに挨拶をする.
「わたくし,・・・もう,お忘れのことと存じますが,2年ほど前にアルパインツアーの人間としてインタビューさせていただいたことのあるSと申します・・・」
Tさんは気さくにSさんと,二言,三言,話をしている.
後で伺うと,Tさんのグループは,今日,ルアペフ山へ登るそうである.
私は,リンゴ,トマト,椎茸など,なるべく低カロリーのものを選んで朝食にする.しかし,牛乳,ヨーグルト,ジュースなど高カロリーのものを沢山飲んでしまったので,全く元の木阿弥である.
<朝食はヘルシーに>
■出発準備
7時45分,朝食を済ませて3階の自室へ引き上げる.
階段の途中,2階でテラスへ出てみる.霧が山裾を這い上がるように,すこしずつ上っているのが分かる.私がテラスに居ると,後から上ってきたフクロウ,スケルトン,ビアンコ,消防署員,バーダーも釣られてテラスへ出てくる.
眼下にゴルフ場が見える.グリーンの中を,数羽のサギが,トコ,トコと歩いている.朝方の雨で洗われた木々や芝生の緑が,みずみずしく見える.雨は緑に良く合うなと心の中で合点する.
8時丁度に,やっと自室へ戻る.そして,リュックの中の荷物を整えて,集合時間を待つ.
<ホテル玄関にて>
<ホテル前から歩き出す>
■猛スピードで歩き出す
8時16分,再びロビーへ降りる.そして,玄関で今日のランチボックスを受け取る.
8時34分,いよいよ「歩き出し」である.
今日のガイドはスコッティさんとレッズさんのお二人である.
歩き出すと,いきなり早足である.
“これは…マズイナ.これでは10分と続かないぞ…”
と直感する.
猛スピードで,ホテルの前の自動車道を上る.出発してすぐにインフォーメーションセンターの建物を通過する.この道は舗装されているが,かなりの上り勾配である.そこを速い速度で登っていくので,たちまちの内に息苦しくなる.
私は後ろにいるマダムビアンコに,
「・・・ゆっくり行きましょうよ・・・」
と声を掛けて,前と間が空くのを承知の上で,遅いテンポに切り替える.
<舗装道路だがいきなりの急坂>
■路傍の花
路傍に白い小さな花をビッシリと咲かせた灌木が自生している.ガイドが,この花の前で立ち止まる.
「・・・この花,マヌカって言うんだよ。この花には抗菌作用があるよ・・・隣の黄色い花はロータスアルファという花です・・・・」
<マヌカの花>
■山道に入る
この辺りで,舗装道路が終わる.ここから先は未舗装の山道になる.この遊歩道も昔は幹線道路だったようである.そのために,遊歩道にしては道幅がかなりゆったりとしている.
道の両端にニュージーランドフラックスが咲いている.この植物の繊維は衣料にも使われていたという。また花には甘い蜜が一杯詰まっているらしい.
私達は,先ほどまでの猛スピードが嘘のように,なだらかな散策路を,ゆっくりと歩いている.やがて残念なことに霧雨が降り始める.
<長閑な散策路に入る>
(つづく)
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(編集中)
「目次および索引」
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