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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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今年の締めくくりは「堀山の家」の丹沢;塔ノ岳(今年36回目)

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   今年の締めくくりは「堀山の家」の丹沢;塔ノ岳(今年36回目)
               (単独山行)
          2019年12月28日(土) 晴れ

<ルート地図>


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■早朝はやっぱり寒い
 昨夜の内から、”明日は塔ノ岳に出かけるぞ…!!!”と自分に強く言い聞かせる。そうしないと、厳冬期を迎えるこの頃は、とてもではないが早起きはできない。私はこのぐうたらな自分の性分に嫌気をさしながら、出かける前日の夜は、すっかり登山の服装に着替えてしまう。そして、20時頃、早々と就寝する。kのように、テント泊でもしているつもりにならないと、早朝3時にはなかなか起床できない。
 そして今朝。3時に起きなければ…と気が張ったせいか、夜中の1時に目が覚めてしまう。これでは寝不足。あと2時間は眠らなければダメだと思うのだが、今度は寝過ごすのではないかと気になって眠れない。結局、1時過ぎに起床してしまう。いくら何でも1時起床は早すぎる。仕方なく、PCを開いて、ルーチン作業を始める。その間も、面倒だから今日の塔ノ岳詣でやめておこうかなという怠惰な気分が何回となく沸き上がってくる。それでも、4時近くなると、やっと「その気になる」心の中で始動しはじめる。
 とはいえ今日は12月28日、もう晦日も目の前である。平素ズボラな私でも、正月に向けて、応分の仕事もしなければならない。それを押して、山に出かけるので、家族に対しても、少々気が引ける。それに、前回の塔ノ岳では疲労のため、下山のときにえらくシンドイ思いをした。今回はもうあのシンドさはコリゴリだ。まあ、そんなことから、今回は登山目標を小草平(堀山の家)までにしようと断固、心に決める。
 4時に自宅を出発する。もちろん辺りは真っ暗。そしてやけに寒い。犬が吠える家を避けるように回り道をして、大船駅までの2キロメートルあまりの道を急ぐ。
 4時30分、大船駅前に到着する。まずはコンビニで昼食用のおにぎり、飲み物を購入し、近くの牛丼店で朝食を掻き込む。そして、真っ暗な中、東海道本線下り初電に乗車する。電車は何時もの土曜日より混雑しているようである。

■大倉から歩き出し
 6時11分、小田急線渋沢駅に到着する。そのまま大倉行バス停へ。
 バス停に居合わせた常連は、KM夫妻、KIさん、TNさんなど。何時もより常連の数は少ないようである。
 バスは7時少し前にバス停大倉に到着する。早速身支度を調えて、7時07分、登山開始。もちろん、今回も気楽な一人旅である。歩き出した直後からすぐにたくさんの登山者に次から次へと追い抜かれる。
 ”情けねえった、ありゃあしない…”
 私は心の中で、自分自身の不甲斐なさに叱咤する。
 歩き出し直後は2車線の舗装道路で歩きやすいが、結構な上り坂である。ここを若い人と同じペースで登れば、登山口に到着する前に早々とへばってしまうに違いない。だから逸る気持ちを自制しながら歩かなければならない。この諦観と悟りに似た境地に達するのは、生来負けず嫌いの私にはとても難しいことである。
 舗装された坂道を少し登ったところかで後ろを振り返ってみる。朝日がちょうど射し込んでいる。朝日に反射した雲と海が金色に光っている。実に見事。思わず立ち止まり、デジカメを取り出して数枚の写真を撮る。

<大倉から光る空と海を眺める>

■克董竃を通過
 7時22分、ようやく克董竃を通過する。克董竃のすぐ先で、舗装道路が終わり、その先は皪を敷き詰めた道になる。礫の表面が濡れていて滑るので、何とも歩きにくい。若い登山者が、次から次へと私を追い抜いていく。私は絶えず道を譲りながら、ショボショボ歩きを続ける。

<克董竃を通過>

■丹沢ベース
 7時22分、ようやく丹沢ベースを通過する。ここで早々と衣服調整をしている登山者が何人か居る。これは、かなりハイペースで歩いている証拠である。そんなハイペースでも、彼らは軽く塔ノ岳まで登ってしまうんだろうな。なんだかんだ言っても「若さ」って実にうらやましい。
 丹沢ベースを過ぎると、”あともう少しで「日の当たる坂道」だ…”、”あともう少しの辛抱だ…”と自分を励ます。

<丹沢ベース>

■日の当たる坂道
 ほどなく、皪道から、普通の土道に変わる。それと同時に、右手の視界が一気に開ける。いよいよ日の当たる坂道である。今日は快晴。眩しい冬の日光が右手から水平に射し込んでいる。
 ”…待ってました!”、ここまで登ると、一気に気分が晴れる。

<日の当たる坂道>

■観音茶屋
 7時39分、観音茶屋に到着する。茶屋前の休憩所は衣服調整の登山客で賑わっている。私は観音様に軽く会釈してから、休憩を取らずにそのまま通過する。私は、下山の途中で、観音茶屋に立ち寄って、「おしるこ」を賞味しようと思っている。
 しばらくすると、観音茶屋で休憩取っていた人たちに追い越される。

<観音茶屋>

■見晴茶屋
 観音茶屋を過ぎる頃になると体調が整って、快調になりはじめるのが毎度のパターンだが、今回は全く調子が出ない。相変わらずのノソノソ歩きをするしかない。これも老化がなせる業。仕方のないことである。
 8時01分、ようやく見晴茶屋に到着する。大倉を歩き出してから、すでに54分も経過している。

<朝日を浴びる見晴茶屋>

■光る海
 見晴茶屋の前に立ち止まって、眼下に広がる眺望を楽しむ。相変わらず朝日を反射する海が光っている。洋上には寒々とした雲が棚引いている。なんとも冬らしい展望が広がっている。
 ここで立ち止まって、数枚の写真を撮る。

<見晴茶屋前からの眺望>

■見晴階段
 見晴階段に差し掛かる。何時ものように階段下から階段を見上げた写真を撮る。今回もたくさんの登山者の後ろ姿が見えている。
 ここは大倉尾根の最初の難所である。ここを勢いよく登ると後でバテてしまう。そこで止まりそうなくらいの極々ユックリペースで階段を登り続ける。

<見晴階段>

■一本松とKSさん
 見晴階段をやっと登って、モミジ坂に差し掛かる。ここも単調で長い上り坂である。私は相変わらず超ユックリペースで登り続け、8時22分、ようやく一本松を通過する。大倉から一本松までの所要時間は1時間15分。つい2~3年前までの所要時間は1時間だったが、これが現実。
 前回、塔ノ岳へ登ったときには、この辺りにまだ紅葉が残っていたが、今はもう紅葉は終りになっている。
 一本松を通り過ぎると、暫くの間、水平道が続く。これがまた嬉しい。
 もうすぐ、駒止階段に差し掛かる8時37分、下山してくるKSさんとバッタリ。KSさんが、何時ものように、
 「やあ、やあ、…FHさん」
と私に話しかける。
 KSさんと握手。何時ものようにKSさんから元気を頂戴する。
 「…(塔ノ岳の)山頂の気温はマイナス6℃でしたよ…」
 「残雪はありますか? アイゼン必要ですか?」
 「凍結しているところはあるけど、アイゼンなしで歩けますよ…」
とのこと。
 ”ああ、そうだった! 今日、オレは堀山の家で引き返すんだった…”
とKSさんとすれ違った後、会話の内容に、ちょっと違和感を覚えた。
 すかさず私の体内に巣くっているもう一人の私が、
 ”山頂まで行く気がないくせに、山頂の様子を聞くなんて…おまえ! 気取っていたな…”
と私を嘲笑する。
 ”違うよ…何となく、何時ものように、惰性で山頂の様子を聞いただけだよ…”
と苦しい言い訳をする。

■駒止茶屋
 いよいよ、駒止階段に差し掛かる。この階段も結構きついので、ユックリとしか登れない。
 8時44分、やっと駒止茶屋の前を通過する。大倉からの所要時間は1時間37分。多分、本年度最悪記録を更新しただろう。その代わり…と言っては何だが、疲労感は全くない。
 大倉から駒止茶屋まで1時間10分位なら、塔ノ岳山頂まで2時間40~50分台。

<駒止茶屋>

■心地よい尾根道
 駒止茶屋から先は、心地よい尾根道が続く。進行方向右手に表尾根の山々が見え隠れしている。
 今の気温がどの程度か分からないが、無風。寒さは全く感じない。実に気分良く歩けるところである。
 8時56分、堀山の標識を通過する。ここから下り坂がちょっと続く。何時もならこの下り坂を一気に飛ばすが、今日は小草平が終点なので飛ばすのは勿体ない。私は写真を撮りながら、余韻を楽しむようにユックリと歩き続ける。

<心地よい尾根道>

■本日の終点;小草平
 下り坂が終わって、ちょっとした登り返しを通過し、9時06分、小草平に到着する。小草平の気温は2.5℃。やっぱり今日は寒いようである。
 大倉からの所要時間は1時間59分。5年ほど前の私は大倉から2時間で花立山荘を過ぎて、花立山中腹位を登っていたのに…”加齢は華麗”なんてのんきなこと言っている場合じゃないよ。全く!

<小草平に到着>

■堀山の家の甘酒
 ユックリ登ってきたので、疲労感は全くない。 
 ”このまま、続けて登っちゃおうか…”
という誘惑に駆られるが、午後、長女と会う約束がある。
 いくら身内とはいえ、約束を破るわけにもいかないので、当初の予定通りここが今日の終点と決める。
 「堀山の家」に入る。まだ、女主人や「おやじどの」は居られないようである。塔ノ岳常連のKIさんが小屋番をしている。先客は若い女性お二人。その内のお一人が鎌倉のハイキングコースに興味があるとのこと。鎌倉住民の私は裏道小道を案内しますよということで、ショートメールのアドレスを交換する。

<堀山の家の甘酒>

■小草平からの富士山
 雑談をしている内に、堀山の家に大分長居をしてしまった。
 9時44分、重い腰を上げ、下山することにする。
 帰りしなに、KIさんから、
 「途中で女主人に会ったら『道草していないで早く登ってきなさい』と伝えて…」
と伝言をたのまれる。私、内心で、
 ”参ったな! 言いにくいな…”
と思う。
 下山開始直前に、小草平から見た富士山の写真を何枚か撮る(冒頭の写真)。

<小草平からの富士山>

■観音茶屋のお汁粉
 堀山の家を出発、下り坂を過ぎて水平道になったところで、登ってくる堀山の家の女主人にばったり会う。
 「…先ほど小屋に立ち寄りました。KIさんが『道草しないで早く登ってこい』って言っていましたよ」
とKIさんの伝言をストレートに伝える。そして、年末の挨拶を交わす。出会ったついでに女主人は私の写真を撮る。私は中途半端な万歳の姿勢で写真に収まる。この写真、多分、堀山の家のHPに掲載されるだろう。ハズカシイがまあいいか。
 その後、順調に下り続ける。
 今回は、塔ノ岳山頂までの半分、小草平まで登っただけ。だから疲労感はない。そのために前回あんなに苦労した下り坂も、今回は楽しく下山できる。やっぱり余裕を持った登山が何よりだなと改めて思う。
 順調に下って、10時56分、観音茶屋に到着する。ひょっとしたら常連のIMIさんが居るかなと思って、茶屋の中をのぞき込むが、女主人だけ、先客は居ない。
 店の中に入る。そして、今年度最後のお汁粉300円也を所望する。寒いときは、このお汁粉に限るなと思いながら、おいしく頂戴する。
 女主人が、
 「…さきほど、NMさんがお友達と一緒に登っていきましたよ…」
と教えてくれる。
 言われてみれば、先ほどNMさんとよく似た服装の方とすれ違ったなと思い出す。お互いに足下ばかり見ていて、顔まで確認しなかったようだ。精力的にリハビリされているNMさんの執念に感服する。

<観音茶屋の名物「お汁粉」>

■渋沢駅前から仰ぎ見る富士山と丹沢
 女主人に年末の挨拶をしてから、11時07分、観音茶屋から歩き出す。
 今日は大倉発11時38分のバスに乗車するつもりである。まだ30分ほどの時間があるので、余裕綽々である。急がずわざと遅くならずのジャストマイペースで下り続けて、予定通り、11時30分にバス停大倉に到着する。
 最近、バス停大倉に開店した飲食店で、300円也のコーヒーの初飲みしてみようかとも思ったが、一人でコーヒーを飲んだのでは味気ない。コーヒーはまたの機会ということにして、予定通りのバスに乗車する。この時間バスは空き空きである。
 11時54分、渋沢駅に到着。
 すぐさま渋沢駅のコンコースに登って、富士山の写真を撮る。何時の間にか雲がわき始めている。雲間に雪を被った富士山の山頂だけが見えている。これもまた味わいのある風景である。
 ついで視線を右の方に転じると、青空の下に丹沢の山並みがくっきりと見えている。どちらもすばらしい風景である。


<渋沢駅前から富士山と丹沢を眺める>

■こうして今年の丹沢の旅は終わった
 今年の丹沢塔ノ岳詣では、今回が最終回である。今年丹沢塔ノ岳に登った回数は途中まで登った回数も入れて、36回で終わった、数年前まで年50~60回登っていたことと比較するとずいぶんと回数が減っている。
 予定通り帰宅する。
 娘との約束時間までまだ時間がある。帰りの電車の中で眠くて仕方がなかったので、まずは、ちょっとばかり昼寝だ。
 自室で横になる。すぐに深い眠りに入る。
 しばらくして、
 「…おとおさ~ぁん…」
という娘の声に起こされる。
 「少しも動かずに寝ているので、死んだのかと思っちゃった」
とのこと。なるほど15分ほど昼寝をするつもりが1時間半も寝てしまった。
 用件は、娘が書いた紀要原稿を見て欲しいとのこと。原稿の中身のことはさっぱり分からないが、論文の書き方や作法ぐらいは分かるので、”ああだ、こうだ”で1時間半ほど始動する。そこは”昔通った杵柄”である。
 ついでに夕食も一緒。一緒に食事は毎度のことだが…賑やかなことは良いことだ。
 明日の日曜日は布団干しと窓ガラスふきなど、年末を控えての雑務がワンサである。それに、明日は孫娘が泊まりがけで我が家に来ることになっている。もちろん大歓迎である。
 まあ、毎年のことだが、つつがなく年が越せるのが、今の私の最大の願いである。
 さて、果たして、来年、塔ノ岳山頂まで登れるだろうか。来年は塔ノ岳とお別れの年になりそうな予感がしている。
 今回の記事は、ちょっと愚痴っぽくなっちゃったなあ~…

<ラップタイム>

  7:07  大倉歩き出し
  7:15  登山口
  7:22  克董竃
  7:22  丹沢ベース
  7:39  観音茶屋
  7:58  雑事場ノ平(7:59衣服調整)
  8:01  見晴茶屋
  8:22  一本松
  8:44  駒止茶屋
  8:56  堀山標識
 9:06  小草平(堀山の家)着
  9:44     〃        発
  9:54  堀山標識
10:04  駒止茶屋
10:21  一本松
10:37  見晴茶屋
10:39  雑事場ノ平
10:56  観音茶屋 (11:07まで休憩)
11:15  丹沢ベース
11:20  克董竃
11:24  登山口
11:30  大倉

[山行記録]

■水平歩行距離                4.3km(片道)

■累積標高(+)              695m(往路)        48m(復路)  

■累積標高(-)             48m(往路)       695m(復路)

■上り所要時間 (休憩時間込み)
 大倉歩き出し                 7:07
 小草平着                    9:06
 (所要時間)                                      1時間59分(1.98h)
 水平歩行速度                4.3km÷1.98h=2.17km/h
 登攀速度                   695m÷1.98h=351m/h

■下り所要時間 (休憩時間込み)
 小草平発                   9:44
 大倉着                    11:30
 (所要時間)                                    1時間56分(1.93h)
 水平歩行速度               4.3km÷1.93h=2.23km/h
 下降速度                  695m÷1.93h=360m/h
                                              (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f0d75578b7786101652478a1d950ad9e
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

お断り;
 これらの記事は,私のボケ防止と趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
  また,当ブログ記事を読んで,
 不快になられた方は,以後,当ブログへのアクセスはご遠慮下さい.
 なお,古い記事には顔写真が掲載されていますが,すべてご本人の了承を得た上で掲載したものです.


 


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