<渋沢駅前コンコースから富士山を眺める>
蒸し暑くて,時間内に山頂まで登れず情けない丹沢;塔ノ岳(2109年18回目)
(単独山行)
2019年6月26日(水) 曇
<ルートマップ>
←クリック拡大
▇久々の塔ノ岳だ!
このところずっと週末,土日の天気が悪い.平日の天気が良い日に限って,どうしても家に留まらなければならない事情があって,なかなか塔ノ岳に出掛けられない.全く歯ぎしりしたくなるような毎日がこの所続いている.
今週に入って水曜日だけが天気が良さそうである.私は数日前から,
”・・・今度の水曜日は何が何でも丹沢に出掛けるぞ・・・この日には絶対何の用事も入れるな!! 絶対だぞ!!!”
と周囲の人達に宣言する.半ば怒号に近い口調で・・・
もうこうなると平素温厚な私でも絶対に譲らないほど頑固になる.
いよいよ今日は水曜日.私はやっとの思いで塔ノ岳に出掛ける.ただし多少の良心の呵責があるので,夕方15時には絶対に家に戻ろうと自主目標を決める.
”7時過ぎに大倉から登山開始するとして・・・大倉発12時52分のバスに間に合うように下山しなければならないな・・・これは大変.とても塔ノ岳山頂まで登る時間はないな・・・”
と端から弱気である.
4時10分,何時ものように自宅を出発する.今は夏至近く夜明けが早い.まだ4時を少し回った時間だというのに外はもうすっかり明るくなっている.ただ,外気は早朝だというのにそれほど涼しくない.
”この気温だと,随分と蒸し暑い最中の登山になるな・・・”
と覚悟する.
<薄明の台峯緑地>
▇夜明けの六国見山
山崎の住宅地を抜けて小袋谷跨線橋を渡る.橋の上から夜明けの六国見山が見えている.今日の天気は上々のようである.
<小袋谷跨線橋から六国見山を望む>
▇夜明けの大船観音
六国見山と反対側を見ると,大船観音が見えている.早朝の大船観音である.
跨線橋の欄干に貼られている金網の間にカメラのレンズを射し込んで,数枚の写真を撮る.
こんな道草で,少々,時間が遅れ気味になる.
<早朝の大船観音>
▇大船駅
大船5時10分発東海道本線下り初電に乗車する.前から2両目のボックス席のある車両に乗車する.
早朝の時間帯は,土日より平日の方が空いている.小田原まで4人掛け1ボックスを一人で占有する.
<早朝の大船駅>
▇富士山と矢倉岳
小田原駅で小田急快速急行新宿行に乗り換える.
新松田手前で,富士山と矢倉岳が重なる瞬間を待ち構える.湿気のためか霞んでいて富士山はあまり良く見えないが,残雪が少なくなった富士山と矢倉岳が重なる瞬間をデジカメに収める.
”今日は日中でも富士山が拝めるかな・・・”
<富士山と矢倉岳が重なって見える>
▇渋沢駅前からの富士山
藤沢駅に到着する.駅前のコンコースから富士山の写真を撮る.若干露出不足のためか,全体に薄暗くなった写真だが,富士山がシッカリ見えている.
渋沢駅6時48分発路線バスに乗車する.
明日から暫くの間スッキリしない天気が続くためか,平日にしては随分と沢山の登山客が乗車する.NGさん,KMさん,TGさん,AIさん,MTさん,KIさん,IWIさんなど常連さんも顔を揃えている.
<渋沢駅前コンコースから富士山を望む>
▇アジサイの大倉から歩き出す
7時02分,バスは大倉に到着する.
7時07分,三々五々,大倉から歩き出す.バス停付近のアジサイが見頃である.蒸し暑い.
歩き出して直ぐに,今日の体調はあまり良くないことに気がつく.前回塔ノ岳に登ってから10日間もの間が空いていることと,加齢による急速な体力減退が原因だろう.とにかく想像以上に体が重いのにちょっとビックリする.
7時13分,登山口を通過する.
<大倉付近のアジサイ>
▇日の当たる坂道
7時35分,丹沢ベースを通過する.足許の石ころを敷き詰めた道が濡れていて,少々歩きにくい.
やがて日の当たる坂道に入る.進行方向右手から朝日が緑陰を通して射し込んでいる.ここまで登るといくらか風もあって,少し気持ちが良くなる.それにしても今日は蒸し暑い.
<日の当たる坂道>
▇観音茶屋
7時40分,ようやく観音茶屋を通過する.すでに歩き始めから33分も経過している.今日もまるっきり超スローの歩行速度である.
ここから先,暫くはジメジメしたジグザグの登り坂が連続する.
”もうダメ!”
<観音茶屋>
▇朝日を浴びる見晴茶屋
7時54分,雑事場ノ平に到着する.ここからちょっとの間,水平な尾根道が続く.海風が吹き抜けて気分が良いところである.
7時56分,見晴茶屋に到着する.朝日を真正面から浴びている.大倉を出発してから既に49分も経過している.
<見晴茶屋>
▇相模湾を望む
見晴茶屋の前から相模湾を望む.
海だけでなく眼下の市街地も霞んでいて良く見えない.ただ上空は青空である.
<見晴茶屋から相模湾を望む>
▇見晴階段
見晴階段に差し掛かる.何時ものように定点観測の写真を撮る.前方には数名の登山者の後ろ姿が見えている.常連のAIさんらの後ろ姿も見えている.
私も常連さん達とほぼ同じ速度でユックリと登り続ける.
何時の間にか足許は乾いている.山裾からウグイスの啼き声が聞こえてくる.
<見晴階段>
▇一本松
8時13分,やっと一本松を通過する.相変わらず常連お二方の後ろ姿が見えている.
大倉からの所要時間は1時間06分.本来ならば1時間2~3分で通過したいところだが,この蒸し暑さでは仕方がないなと,勝手に解釈する.
一本松を過ぎると,また暫くの間ほぼ平坦な尾根道が続く.歩いていても気持ちが良い場所である.
<一本松を通過する>
▇駒止茶屋
駒止階段を超スローで登り続けて,8時25分,漸く駒止茶屋前を通過する.大倉からの所要時間は1時間17分.蒸し暑いから仕方がないが,できれば1時間13~14分で通過したいところである.
駒止茶屋から先の平坦道に入る.
<駒止茶屋を通過>
▇堀山の尾根道;富士山は雲の中
堀山の尾根道に差し掛かる.気分最高.時間さえ許せばユックリのんびり歩きたいところである.
やがて,富士山が少しばかり見える場所に到着する.ところが富士山は何時の間にか沸き上がる雲の中.残念! がっかり! 意気消沈!
8時41分,堀山の標識を通過して下り坂に入る.
<堀山の尾根道から富士山が見える方向を写す>
▇小草平(堀山の家)
少し登り返して,8時51分に小草平に到着する.大倉からの所要時間は1時間44分.いくら蒸し暑いとはいえ少々遅すぎる.私は頭の中で素早く計算する.
”この調子で登っていると,塔ノ岳山頂到着は10時40分頃になるな・・・山頂で10分休憩を取るとして,下山開始は10時50分頃.下山には2時間15分ほど掛けたい・・・となると,大倉発12時52分のバスに乗車するのはちょっと無理だな・・・”
と即断.
”ならば急ぐこともない.今日の終点は花立山荘にしよう!!”
情けないったらありゃしないが,これが老境に入った私の現実の姿である.
私が堀山の家に到着してから程なく,AIさん達が堀山の家に到着する.
「私,今日は10時半までに塔ノ岳山頂に到着しなければ途中で下山します」
ということでお二人を見送る.
堀山の家の温度計は18.5℃を指している.登山には高温すぎる温度である.
<堀山の家に到着>
▇綺麗な白い花
堀山の家での休憩を終えて.8時55分,再び歩き出す.
随分とゆっくり歩いているのに,だんだんと足がしんどくなる.花立山荘を終点とすれば,花立山荘から塔ノ岳を往復する1時間一寸の時間が省略できるのが有難い.そのため時間は気にせずに超ユックリ,老人速度で登り続ける.
途中で可憐に咲く白い花を見付ける.当然花オンチの私には花の名前など分からないし,覚える気もしないので教えて貰いたくもない・・・が,綺麗な花は,名前など知らなくても綺麗である.勿論,ここで立ち止まって何枚かの写真を撮る.
そうこうしているうちに,ますます余計な時間が経過する.
”でもいいさ・・・! どうせ今日は花立山荘が終点だから・・・”
<可憐な白い花>
▇萱場平
のそのそと登り続けて,8時23分,萱場平を通過する.本当はちょっと休憩を取ろうかと思っていたが,気がついたら通過していた.
ここまで来れば花立山荘まであと僅かである.これから木の階段道を登ってからガレ場を過ぎると,ほどなく見晴階段だ.10分掛けて見晴階段を登ったとしても,花立山荘まではあと僅かである.
”このまま登っちゃうのもシンドイばかり,どこかでちょっと風を入れよう・・・”
ということで,萱場平の平坦道から木の階段を登ったところで,少しの間,立ち休憩を取る.
私が休憩を取っている間に,既に塔ノ岳に2000回以上登っているMT女子が,私にちょっと声を掛けて通過していく.見る見るうちに小さくなっていくMTさんの後ろ姿を見送りながら,
”そろそろ登ろうか・・・”
と自分自身に渇を入れる.
<萱場平>
▇花立山荘
止まってしまいそうなノロノロ速度で登り続けて,9時54分,やっと花立階段に到着する.もう蒸し暑さでヘロヘロ.
”どうせ急ぐ旅ではないさ・・・”
ということで,階段脇の岩に腰掛けて2~3分休憩を取る.そして,やおら立ち上がってフラフラと階段道を10分ほど掛けて登る.
10時09分,なんとかやっと花立山荘に到着する.大倉からの所要時間は休憩時間を含めて3時間02分.最低最悪! 老人病だ!
花立山荘の気温は21.5℃.堀山の家よりも高温である.挙げ句の果て,富士山は雲の中である.谷間からツツドリ(かな?)の啼き声が響いてくる.ジージーと蝉のような鳴き声が連続して聞こえてくる.これも風物詩である.
これから花立山ぐらいは往復している時間があるが,どうせツツジは終わりだし,見晴もないに決まっているので,予定通りここ花立山荘を今日の終点とすることに決定.でも何となく山頂まで行けないむなしさのようなものが私の脳裏を過ぎる.
<花立山荘>
▇そろそろ下山
ユックリと昼食を摂る.
そろそろ下山しようかと思っているときに,背後から
「・・・FHさぁ~ん・・・!」
と声を掛けられる.韋駄天のTTさんである.
「暫くぶりですね・・・お会いできて良かったです・・・」
このところ土日は雨ばかり,それに長時間家を留守にできない事情もあって,私自身,塔ノ岳にはすっかりご無沙汰である.
3週間ぶりの再会を互いに喜び合う.
10時34分,花立山荘から下山開始.
塔ノ岳山頂まで登らなかったので,何だかずるをしたような後ろめたさが付きまとうが,やむを得ない.
大倉発12時52分のバスには十二分に時間があるし,今日は平日なので途中の山小屋も開いていないので真っ直ぐ下山するしかない.
”ならば急ぐことはないな・・・”
途中,道草しながらユックリのんびり下山し続ける.
<白い花を写しながら道草だ>
▇ビンボウソウ
11時40分,駒止茶屋を通過する.丁度良い時間である.
駒止階段を下り始めたところで,立ち止まっている女性に呼び止められる.
「・・・ここにビンボウソウが咲いていますよ・・・とても珍しいですね」
私は「猫に小判」状態だが,薦められるままにこの花をデジカメに収める.
この女性とお別れしてからも,
「・・・あれ! ここに”%&`*$”が咲いていますよ・・・」
と同行の女性にうわずった声で教えている.
”花に詳しい人には,私ごとき花オンチには分からない楽しい世界があるんだなあ・・・”
私は花に詳しい人のことがとても羨ましく思う.
”だって・・・オレは花の名前が覚えられないんだもの・・・!”
なお,この花が本当にビンボウソウというのかどうか,私は図鑑で調べる気にもならない.だから何時まで経っても花の名前が覚えられないんだな!
<ビンボウソウ(?)>
▇無事帰宅
予定通り12時44分にバス停大倉に下山する.
水場で靴の泥を洗い直してからバスに乗車する.バスの中で三角髭のTDさんとバッタリ.今朝の1番バスでも一緒だったが,今日のTDさんはどちらの山に登ったんだろう.
バスは空いている.
渋沢発13時13分の快速急行小田原行に乗車する.この電車は新松田で名称が急行電車に変わって隣の開成にも停車する.
”まあ,何処に停まろうと,とにかく早く小田原に到着すれば良い・・・”
毎度のことながら,眠気と格闘しながら,小田原経由で大船へ.大船からの路線バスの接続も良くて,14時40分頃,無事帰宅する.
▇鎌倉アルプスに始まり鎌倉アルプスに終わる
今回の登山で,自分の脚力が最近著しく衰えているのを実感する.
”もう,そろそろ塔ノ岳は無理だな・・・”
と思いはじめる.残念だがこれも加齢により自然の成り行きである.仕方がないこと.
私達ご近所の山仲間の間には,
「登山は丹沢に始まり,丹沢で終わる」
という言い伝えがある.私もそろそろ丹沢も終わりである.そこで鎌倉に住んでいる私には,
「登山は鎌倉アルプスに始まり鎌倉アルプスで終わる」
というのが相応しいなと思い始めている.
<ラップタイム>
7:07 大倉歩き出し
7:35 観音茶屋
7:56 見晴茶屋
8:17 一本松
8:29 駒止茶屋
8:51 堀山の家(8:55まで休憩)
9:53 萱場平(9:58まで休憩)
10:20 花立山荘着
10:34 〃 発
10:58 萱場平(11:00まで休憩)
11:19 堀山の家
11:40 駒止茶屋
12:10 見晴茶屋
12:25 観音茶屋
12:44 大倉着
[山行記録]
▇水平距離 5.4km(片道)
▇沿面距離 5.5km(片道)
▇累積標高(+) 1,059m
▇累積標高(ー) 50m
▇上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:05
花立山荘着 10:20
(所要時間) 3時間15分(3.25h)
水平歩行速度 5.4km/3.25h=1.66 km/h
登攀速度 1,059/3.25h=326m/h
▇下り所要時間(休憩時間込み)
花立山荘発 10:34
大倉着 12:44
(所要時間) 2時間10分(2.17h)
水平歩行速度 5.4km/2.17h=2.49 km/h
下降速度 1,059m/2.17h=488m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b26d4b3aedc3da6a11843baabeb9646f
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します.
↧
蒸し暑くて,時間内に山頂まで登れず情けない丹沢;塔ノ岳(2109年18回目)
↧