閑話休題;たまにはこんな日々も…
(二人三脚闘病記)
2013年1月15日(水) 晴・寒い1日
本来ならば,水曜日の今日は,天気が良いので,私は,当然,塔ノ岳に出掛ける筈だが,今週は怪我で闘病中の家内を気遣って,家事全般をセッセと過ごすことにする.それにしても,今日は朝からずっと気温が上がらず,今年一番の寒波が関東地方にも下ってきている.その上,天気予報では関東地方沿岸では雪が降る可能性があるとしきりに言っている.
私は家庭サービスのために塔ノ岳に行けなくて残念な気もするが,反面,こんな寒い日に,わざわざ塔ノ岳に行かなくて済む理由ができたことを,心のどこかで喜んでいる節がある.
家内がフトした弾みで怪我をしたのは,昨年10月末のことである.これまですこぶる元気だったので,一寸した怪我であっても,気が滅入ってしまうのは,同じように平素元気な私には,とても良く分かる.
健康のことはプライバシーにかかわる事項なので,詳細に記述することはできないが,怪我をシアタ初期の段階で診断を受けた複数の病院やクリニックで,痛みの原因が分からず,約1ヶ月半にわたり,ボタンを掛け違った治療を受けていたために,痛みがすっかり慢性化してしまった.
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怪我は不意に転倒したことから始まった.最初,某整形外科に通ったが一向に痛みが取れない.ついに頭のMRIまで摂る始末.結局は,
“年のせいだから仕方がない”
というご託宣だった.
“年のせい”などという漠然とした原因が告げられても,患者としては納得がいかない.
原因が分からない痛みほど気分が悪いことはない.その後,某一般内科で診断を受けた.レントゲンを撮って骨に異常がないし,血液検査をしても異常がない.でも痛みは取れない.ついに某大病院で診療を受ける.
ここでは,1泊入院で,心臓のカテーテル検査を受ける.その結果,異常なし.
“もし,胸が痛いときは,この薬を飲んで下さい…”
と処方されたのが,狭心症の薬だった.
心臓カテーテル検査の結果を持って,再び内科医を訪れる.
“痛みを抑えるのには血液クリーニングが有効です…”
とのことだった.
“血液クリーニング…!?”
何だか美容じみた印象を受けたので,私は故郷の信州で医師をしている親戚の内科医に血液クリーニングって何? と聞いてみる.親戚の内科医は,受けない方が良いと言う.
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いろいろと迷った結果,ツテを頼って,川崎にある某整形外科医の診断を受けた.
ここで,痛みの原因がハッキリと判明した.応急手当を受けながら,年を越して,新年早々に首のMRIを撮って,原因がハッキリした.
“痛みが慢性化しています…とにかく,この痛みを解消することが一番です…”
ということだった.
仮に痛みが続いているにしても,その原因が明らかになったので,気分的には,ずいぶんと楽になった.その後も,こまごまとした経緯があったが冗長になるので省略するが,今は投薬を続けながらではあるが,随分と痛みも軽減された.
医師からは痛みが解消されるには,3ヶ月ほどかかるという示唆を受けている.現状では一進一退を繰り返しながらも,確実な手応えを感じている.
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そんな経緯があって,私は家内の代わりに,食料品の買い出し,掃除洗濯,食事の手配後片付けなどを,ずっと続けてきたが,今週になって,ようやく,家内も少しずつ動けるようになってきた.今は余り無理をしないように手綱を引き締める方に回っている.
今日も,塔ノ岳に行く代わりに,リュックを背負って,大船まで買い出しに行く.10キログラム程度の重さの買い物なら,日頃の登山で馴れている私には,特に苦になる荷物ではない.
家内に書き出して貰ったメモを頼りに,スーパーの店内をウロウロしがながら買い物をする.買い物をしながら,さて今夜の食事は何にしようか…こんなことを考えながらの買い物.これが結構楽しい.
家内は痛み止め(かな?)の薬を定期的に服用している.同時に,1日2回ほど背中に薬を塗布する.背中は自分の手が届かないので,私が塗ってやる.もう何年ぶりかで家内の上半身裸の姿を見る.
“ほほう…年の割にはすべすべした肌をしているな…胸の格好も中々だ…”
ついつい私はニヤニヤ.
でも,こんな日常も,あと数週間で終わりになりそうである.いや,終わりになって欲しい…別に買い出しがイヤだというわけではないが…
今度の土曜日は近くの病院に検査結果を聞きに行く.主治医から近くの内科の病院で念のため検査を受けるように言われていた検査である.その検査結果を持って来週火曜日に川崎の主治医の診断を受ける予定である.
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まあ,そんなわけで,私ノ塔ノ岳復帰は,早くても来週水曜日ということになる.そんなわけで,仮に塔ノ岳詣でを再開しても,10日ほどのブランクがあるので,まあ無理をしないで,ユックリ登るつもりである.
私は家内の怪我を通じて,高齢者の場合,一見健康そうに見えても,実は極めて脆い見せかけの健康であり,些細な切っ掛けで脆くも崩れてしまうことを目の当たりにした.
人によっていつからとは言えないが,ざっくり言って.60歳代後半になったら,何の根拠もなく自分の健康に自信を持つのが如何に危険なことかをシッカリ自覚すべきだと警鐘を鳴らしたい.
私の周りには,
“オレは自分の健康に自信がある…”
と言いながら早死にした方が何人も居られるから…
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最近思うことは,家内が怪我をしたのが切っ掛けになって,何時もより夫婦間の会話が濃厚になったと実感している.病院通いの帰途,病院近くのレストランやマックで,二人だけで食事をする…こんなこと,家内が怪我をしなかったら,まずなかったに違いない.
怪我は困りものである.でも,怪我にも一寸ばかり良い面もあるなと思いながら,成り行きに任せた日々を送っている.
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閑話休題;たまにはこんな日々も…(二人三脚闘病記)
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