制作時間のタイムアップ;4枚の水彩画を搬入業者に引き渡す
2019年5月4日(土) 晴
趣味は楽しいが,同時にシンドイものだなとつくづく実感しながら,制作期間のタイムアップとなる.本日,搬入業者に作品を引き渡す.昨年秋から今年の春にかけて,何時もより少し張り切って4枚の水彩画を制作した・・・が,いずれも自分の意図したとおりにできないのが実に歯がゆい.思い通りに表現できないので,制作の途中で,
”こんな碌でもない絵なんか見たくない!”
と自暴自棄になりはじめる.
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日頃,美術館や美術書で,名画ばかり見ていると,さすがに凄いなと何時も感動している.そんな名作を引き合いに出すのも烏滸がましく,比較の対象にするには雲の上の宝物過ぎるのは重々分かっている.でも,どうしても気になってしまう.
そんな毎日が連続する.こんな居たたまれない気持ちから逃れるよう山に登ったり,近場の公園を散策したりしながらサンデー毎日を繰り返している.
・・・が,いよいよ今日がタイムリミット.
昨夜から半徹夜(でもないか)でゴシャゴシャやって,今朝方打ち止め.そして,紙が乾いてから額に収める.そして,額の裏や梱包箱に作品名と名前を書いて荷造りを終える.
”さあ・・これでお前達とは暫くお別れだ・・・”
作業場は2階.
梱包し終わった荷物を玄関まで運び降ろす.でかくてそれに重たい.額に填め込んだアクリル板がやたらに重い,怪我をしないように一つずつ運ぶ.
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今回制作した水彩画は以下の通りである.
▇某全国区の展覧会に初応募
『大峡谷の谷底を歩く』(F40)
※ここはレベルの高い団体なので,多分落選するだろう.
でも,トライするだけでも良いなと思って応募した.
▇組絵3枚;神奈川美術協会出展作品
1枚目;『北アルプス展望(1)』(F20)
2枚目;『北アルプス展望(2)』(F20)
3枚目;『北アルプス展望(3)』(F20)
※この協会の怪異になっているので,間違いなく展示される.
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実は・・・
某全国区向けの絵のことはさておき,神奈川美術協会公募展出展作品について,少々思うことを記録しておくことにしよう.
組絵3枚を画こうと思った動機は,たまたま見かけた(勉強した?),『新古今和歌集』に掲載されている「連歌」である.
浅学の私が引用するのは気恥ずかしいが・・
『新古今和歌集』後鳥羽上皇の本歌
”見渡せば
山もと霞む
皆瀬川
夕べは秋を
何思ひけん”
に宗新が,
”雪ながら
山もと霞む 夕べかな”
と発句する.
すると肖拍が,
”行く水遠く
梅にほう里”
という脇句を加える.すると梅の香る川辺の情景が浮かんでくる.
さらに宗長が,
”川風に
一むら柳
春みえて
舟さす音も
しろき明け方”
を付け加える.すると水の里へ去って行く様子が加わる.
このように句を加えることによって情景が変化し深化していく.
(以上は京都造形芸術大学通信教育教材を参考にした)
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この連歌に私はえらく感動した.
すぐに連想したのは,「絵で連歌みたいなことができないかな」ということである.そこで,
”まあ,お遊びで・・・”
という積もりで最初の試みとして,上記の「組絵3枚」を試みた.
この試みは,何れ稿を改めて投稿するが,単なる組絵ではつまらないということで,奇妙なことを思いついた.
すなわち,
見方1;それぞれを独立した絵として扱う(つまり3枚の絵)
作品1=1枚の絵
作品2=1枚の絵
作品3=1枚の絵
見方2;2枚を合わせて1枚の絵としてみる(つまり2枚の絵)
1枚目;作品1+作品2=1枚の絵
2枚目;作品2+作品3=1枚の絵
※残念ながら「作品3+作品1」は実現できなかった.
見方3;3枚を全部合わせて1枚の絵としてみる.
作品1+作品2+作品3=1枚の絵
結局,見方1で3枚,見方2で2枚,見方3で1枚,合計で
3枚+2枚+1枚=6枚
つまり実際に描いた絵は3枚だが,組み合わせることによって6枚の絵になるという計算になる.
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さて,理屈はともかく,この3枚の絵を会場に搬入してから,どのように展示をしたら良いかが問題である.
来る5月5日(月)に私も会場設営の雑用担当として展示作業のお手伝いをするが,自分の3枚の作品をどう展示して頂こうかと迷っている.
[私の夢]
どなたかが描いた絵の隣に連歌の要領で自分の絵を連ねる,あるいは自分の絵の隣に,どなたかが描いた絵を連ねることによって,絵の情景が変化し深化していくような遊び事が実現できないかな.
(おわり)
「趣味三昧;セピア色の画集」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/763a55f6d9cb365093475c1ed2f10161
「趣味三昧;セピア色の画集」の次回の記事
(なし)
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