<塔ノ岳山頂からの眺望>
春霞で富士山も朧な丹沢;塔ノ岳(2019年11回目)
(単独山行)
2019年4月6日(土) 晴れ
▇夜が明けるのが早くなった
先週土曜日に続いて,今週の土曜日も塔ノ岳に登ることにした.
何時もの通り,4時少し過ぎに自宅を出発する.まだ真っ暗だが,気温はそれほど低くなく,やっぱり春だなを感じる.上空は雲に覆われているようだが,果たして今日の天気はどんななんだろうと少々気になる.
何時ものように大船5時10分発下り初電熱海行に乗車する.勿論座れることは座れるが,何時もの土曜日よりも大分乗客が多い感じがする.
電車が藤沢を過ぎる頃,夜が明けはじめる.一頃は渋沢に到着してからようやく辺りが明るくなっていたが,さすがに春分を過ぎると夜明けが随分と早くなるんだなを実感する.
小田原で小田急線電車に乗り換えてから,富士山と矢倉岳が重なる瞬間を写真に撮ったが,カメラぶれのためか随分とぼやけていて見るに堪えない写真になってしまった.いくら物好きが私でもこんな写真をブログに掲載するわけには行かない歩で.今回は掲載しないことにしよう.
▇渋沢駅からの富士山
6時11分,渋沢駅に到着する.
今日は珍しく富士山が良く見えるようなので,藤沢駅改札口を出て直ぐの所から見える富士山の写真を撮っておくことにする.
<渋沢駅コンコースから富士山を望む>
▇大倉から歩き出す
6時40分頃,大倉行臨時バスが出る.少しでも早く大倉に到着すれば,それだけ時間的な余裕ができて有難い.
臨時バスに乗り合わせた常連はKMさん,YGさん,IIJさん,IWIさん他.宅団の立ち席が出るぐらいに混雑している.
6時55分頃,臨時バスは大倉に到着する.そそくさと登山の支度を調えて,7時頃,常連の皆様と前後して,大倉から歩き出す.今回も全くの独り旅を楽しもうと思っている.
歩き出しから,少々気温が高いなと感じる.この気温だと塔ノ岳山頂まで3時間以内で登るのは無理だなと観念する.路面はカラカラに乾いていて,どうやらこの時期にしては湿度はそれほど高くなさそうである.
五山口近くのさくらか桃か私には全く区別が付かないが,まだまだ見事に咲いている.
<登山口近くにて>
▇日の当たる坂道
克董窯を通過して,玉石を敷き詰めた土道に入る.今日は土道も良く乾いているので随分と歩きやすいが,逆に土埃が立ちそうである.沢山の若者達が私を追い越していくが,7時15分,予定通りのラップで丹沢ベースを通過する.そして直ぐに日の当たる坂道に差し掛かる.
今日は天気も上々.進行方向右手から朝の眩しい太陽が射し込んでいる.何となく今日は気分上々で登れそうな感じがする.
<日の当たる坂道>
▇観音茶屋
7時23分,観音茶屋を通過する.
大倉からの所要時間は24分.最近の私のペースではちょっと速いかな・・・ちとマズイかなと思う.
ここからジグザグの山道になる.毎度のことながら,ここまで登ると今日に自分の体調がはっきりと分かるが,今日の体調はまあまあ普通という所だろう.駆けっこの若者にドンドン追い越されながら,ジャストマイペースで登り続ける.
<開店前の観音茶屋>
▇雑事場ノ平
7時28分,分岐を通過する.それほどきつい上り坂ではないが,それでにある国連れてどんどんと高度を増す.
7時39分,雑事場ノ平を通過する.ちょっと前に私を追い越していった人達がここで休憩を取っている.私はそのまま通過する.
<雑事場ノ平>
▇見晴茶屋
7時41分,見晴茶屋に到着する.
茶屋前から相模湾を見下ろす.眼下に秦野の市街地が見えている.その先に低い山並みが続いているのが見える.そのさらに先は海だが,春霞が立ちこめていて,海と空の境目が殆ど分からない.
冬の間は太陽の光が海で反射して,ここから光る海が見えるが,何時の間にか季節が進んで,今の海は全く光っていない.これもまた風物詩である.
<見晴茶屋から相模湾を望む>
▇見晴階段
見晴階段に差し掛かる.
何時もの通り定点観測の写真を撮る.毎度のことながら,沢山の登山者の後ろ姿が見えている.どうやらこの中に常連は居ないようである.
私は体を疲労させるような歩き方はしないように気を付けながら登り続ける.
<見晴階段>
▇駒止茶屋
何時ものペースでモミジ坂を登りつづける.
7時57分,後もう少しで一本松というところで正規のバスで来られたYDさんに追い抜かれる.
私も,7時59分,ようやく一本松を通過する.大倉からの所要時間は59分.たった1分とはいえ,今の私にはちょっと速いペースである.
何時ものように,駒止階段に差し掛かるところでAIさんに追い抜かれる.
駒止階段をユックリ登って,8時14分,駒止茶屋を通過する.
私より15メートルほど前をAIさんが歩いている.
<駒止茶屋>
▇小草平(堀山の家)
堀山の尾根道に差し掛かる.平坦なところは私も気楽に歩けるので歩行速度を増す.そして堀山の標識の手前で,
「平地だけ先に行かせて貰います・・・」
とお断りして,AIさんを追い越させて貰う.
8時23分,堀山の標識前を通過して下り坂に入る.私は歩行速度を一層速める.そして坂道を登り返して,8時31分,小草平に到着する.大倉からの所要時間は1時間31分.まあ今の私には上等なラップである.
堀山の家の音素計は12℃を指している.やっぱり今日は少々温度が高いようである.AIさんはここで小休止とのことだが,私はここから見える富士山の写真を撮ってただけで休憩を取らずにそのまま登り続ける.
<小草平からの富士山>
▇小草平上のビューポイント
短いヤセ尾根を過ぎると岩稜の山道が連続する.その山道を少し登ったところに富士山のビューポイントがある.当然,ここで立ち止まって富士山の写真を撮る.
丁度そのとき若い2人ずれがこの場所に到着する.
「わあ,富士山が綺麗・・・」
之を切っ掛けに一言二言雑談.
「富士山の写真は撮れるときに撮っておかないと・・・いつ雲に隠れてしまうか分からないので・・・」
と余計なことを伝える.でもこれ本心.
<小草平上から富士山を望む>
▇萱場平
8時53分,萱場平に到着する.
前方に青い空がくっきりと見えている.なんだか蒸し暑いが,まあ,我慢できないほどでもない.
”こんなときは,ユックリ登るに限るな…”
ということで,歩行ピッチをやや遅くする.そして黙々と登り続ける.
<萱場平>
▇花立山荘
長い階段道が連続する.あともう少しで大きな岩を迂回するところで,再びAIさんに追い抜かれる.残念だがとてもAIさんには付いていけない.私はいつも達観したようなことを言っているが,やっぱり思い踊りの速さで登れない自分が情けないし口惜しい.その情けなさや悔しさに絶えながら登り続けるところに登山を続ける意義があるんだと自分に言い聞かせる.
やがて花立階段下に到着する.ここからも富士山が良く見えている.勿論,ここでも富士山の写真を撮る.そして花立階段を登り始める.
正直なところ,この階段登りはシンドイ.へたれないように自薦しながら登り続ける.歓談を3分の2ほど登ったところで,一本後のバスで来られたMGさんに追い抜かれる.
9時21分,ようやく花立山荘にたどり着く.相変わらず富士山が良く見えているので,まずは山荘前から富士山の写真を撮る.山荘の温度計は18℃をさしている.やっぱり季節外れの高温である.
大倉からの所要時間は2時間21分.ちょっと遅いかな.でも間違いなく10時前には塔ノ岳山頂に到着できそうである.
”ならば,ここから先,そんなに急ぐこともないな…”
と直ぐに「ぐうたら虫」が頭をもたげる.
<花立山荘前から富士山を望む>
▇花立山のチャンピョン
花立山に差し掛かる.暫くの間,段差が不規則で歩きにくい階段道が続く.この階段道を通過すると見晴らしの良いガレ場になる.
ガレ場で見通しが良くなるところで,上からチャンピョンが降りてくる.チャンピョンは人気者である.若い男性グループが近づくチャンピョンの写真を里ながら,何かチャンピョンと一言二言立ち話.
続いてチャンピョンは私を見付けて,
「・・やあ,FHさんですね・・・」
と何時もの慣用句を言いながら握手する.
<人気者のチャンピョン>
▇鍋割山稜と富士山
花立山山頂近くで,鍋割山稜と富士山の写真を撮る.春霞のため富士山は幾分望洋としているが,良く晴れている.
その辺りに漂う空気に春らしさを感じる.
<鍋割山稜と富士山>
▇塔ノ岳遠望
8時31分,花立山山頂に到着する.目の前にこれから登る塔ノ岳が見えている.ここから塔ノ岳山頂までは約20分余りの行程である.
”蒸し暑いから,もうゆっくり歩くぞ…”
私は何となく気落ちした感じで,ノソノソ歩きを続ける.
<花立山山頂から塔ノ岳を望む>
▇塔ノ岳山頂
9時36分,金冷シを通過する.ここから先は,ちょっと長い階段と短い階段,それに木製の階段を登れば塔ノ岳山頂である.
”金冷シまで登れば塔ノ岳山頂に登ったのと同じようなものだな”
ということでちょっと気が緩む.
気が緩むと歩行速度にも影響する.あとは消化試合のような感覚で登り続ける.
金冷シから最初の長い階段を登っているときに,後ろから,いきなり,
「FHさん,おはよう!」
と声を掛けられる.MTさんである.
続いて,KIさんが私に追いつく.
「・・・なかなか追いつけなくて・・・」
と言いながら私を追い越していく.
2番目の階段を半分ぐらい登ったところで,下山してくるYDさんとすれ違う.
そして・・・
最後の実にシンドイ木階段を登って,9時58分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.
大倉からの所要時間は実に2時間58分.3時間を切ったとは言えたった2分.誤差の内である.でもまあ,仕方がないな.
山頂の気温は6℃.
早速,山頂からの風景写真を何枚か撮る.
丁度そのとき,MGさんとAIさんのお二人が下山しようとしている.
「・・・私も直ぐに下山します」
と挨拶してお二人をお別れする.
<塔ノ岳山頂>
▇沢山の常連さんとすれ違いながら下山
10時02分,そそくさと下山開始.
下山し始めてすぐに登ってくるONさんとすれ違う.さらに下って,金冷シ手前でカメラマンのMMさんとすれ違う.
10時29分,花立山荘に到着.山荘前のベンチは溢れんばかりの登山者である.花立階段をほぼ下りきるところで,登ってくるTBさんとバッタリ.3~4分立ち話.TBさんから里山に登らないかというお誘いを受ける.勿論,異論はない.お声を掛けて貰うだけでも有難い,楽しみである.
10時54分,萱場平に到着する.小腹が空いてきたので,ここで食事をしようかと思ったが,ベンチには沢山の人が座っている.ここでの食事は諦める.さらに階段道を降りているときに,登ってくるNNさんとバッタリ.また4~5分立ち話をする.
▇堀山の家で一休み
11時16分,堀山の家に到着する.たまには立ち寄らなければ・・・と思って小屋に入る.女主人が愛想良く私を受け入れる.
少々蒸し暑いので,コーラを所望する.
ついでに,神奈美公募展のポスターをお渡しして,小屋の掲示板に貼りだして貰う.暫くするとKM夫妻が堀山の家に立ち寄る.夫妻からお菓子を頂戴する.
コーラとお菓子の写真を撮るが,ご覧の通りのへんてこりんな写真になってしまった.
<堀山の家>
▇観音茶屋ではしご
11時27分,堀山の家を出発する.急ぐ旅でもないので,バスの時間に合わせてゆっくり歩くことにする.
歩き出してすぐに堀山の登り返しに差し掛かる.ここが気分的にも一番苦しいところである.ここでKM夫妻にあっさりと抜かれてしまう.
11時45分,駒止茶屋を通過する.大倉発13時10分のバスには十分に時間がある.ちょっと急げば12時38分のバスにも間に合いそうだ.
”でも,早く帰ってどうするの”
どうせ昼寝するだけだろう.ならば急ぐこともない.
・・・と言うわけで,ユックリ下山して12時25分,観音茶屋に到着する.
今日の天気は暑いがかき氷を食べるほどの暑さでもない.そうかといってお汁粉を食べるほどの寒さでもない.
”どうしよう・・・”
と迷った末に無難なプリンを所望する.
女主人と雑談しながら,10分ほど休憩を取る.
<観音茶屋のプリン>
▇無事下山
12時29分,観音茶屋から出発.相変わらす独り旅である.順調に下って,12時45分,バス停大倉に到着する.
バス停大倉付近で,また綺麗に咲く花の写真を撮る.
今日はなにやらお祭らしく,バス停付近にも沢山の出店が軒を連ねている.辺りは大変な人出である.
<バス停大倉>
▇ミスタードーナッツでコーヒーブレーク
大倉発13時10分渋沢行の路線バスに乗車する.バスは混雑.
何時ものように,渋沢駅ビルのミスター℃ナッツで一緒のバスに乗り合わせた常連MGさん,YSさん,AIさん,ONさん達と一緒に,暫くの間,コーヒーブレーク.ただし,コーヒーの写真は撮り忘れた.
雑談をしている内に,4月17日に中央沿線の某山に登ろうと言うことになる.声を掛けて頂くだけでも有難いなと思う.
▇無事帰宅
他の皆さんと乗る電車の方向が反対の私は一足先にミスタードーナッツを出る.何時ものように電車の中で睡魔と戦いながらも,上機嫌で帰宅する.
今日も横浜の息子が来訪している.もう十分に高年齢の両親を気遣ってのことだろう.あまり口には出さないが有難いことだと思っている.
今日も無事に塔ノ岳を往復することができた.この満足感は何とも表現のしようがない.
<ラップタイム>
7:00 大倉歩き出し
7:23 観音茶屋
7:41 見晴茶屋
8:14 駒止茶屋
8:31 堀山の家
8:46 萱場平
9:21 花立山荘
9:37 金冷シ
9:58 塔ノ岳着
10:54 〃 発
10:02 金冷シ
10:22 花立山荘
11:16 堀山の家(11:27まで休憩)
11:45 駒止茶屋
12:08 見晴茶屋
12:25 観音茶屋(12:29まで休憩)
12:45 大倉着
[山行記録]
▇水平歩行距離 7.0km(片道)
▇累積登攀下降高度 1,269m
▇上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:00
塔ノ岳着 9:49
(所要時間) 2時間58分(2.97h)
水平歩行速度 7.0km/2.97h=2.36 km/h
登攀速度 1,269/2.97h=427m/h
▇下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 10:02
大倉着 12:45
(所要時間) 2時間43分(2.72h)
水平歩行速度 7.0km/2.72h=2.57 km/h
下降速度 1,269m/2.72h=467m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
(塔ノ岳)
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6d19dc514814093308fec9f097a4cf8a
(塔ノ岳以外)
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2c12f90bcda4e40fffed88c7d2ccc7c3
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
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