Quantcast
Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2690

閑話休題;闘病は二人三脚

$
0
0

         閑話休題;闘病は二人三脚

2014年1月7日(火) 晴

 今日はまだ松の内.
 元旦から大分日が経ったとはいえ,まだ街中には正月の賑々しさが残っている.とはいえもう社会活動は昨日から平常通りに始まっている.私は傷病治療中の家内に付き添って,川崎市中原区にある某クリニックを訪れることになっている.
 今日は,このクリニックで,MRIを使って首付近の骨や神経の状態をチェックすることになっている.クリニックからは9時までに来院するように言われている.自宅のある鎌倉からの所要時間は約2時間,電車は丁度ラッシュアワーである.私はサラリーマン時代,東京まで通勤していた時期がある.混雑するラッシュアワーの電車に治療中の家内を乗せるのは到底無理.グリーン車を使うにしてもラッシュアワーでは座れる保証はない.かといってタクシーを使うにしても朝時の混雑する道路を走るのでは,何時間かかるか予想も付かないし,タクシーのフワフワなシートは患部に良くない.
 結局,6時頃大船を発車する東海道本線の電車を利用して,川崎まで行くことにした.勿論グリーン車で…さすがにこれだけ早い時間だとグリーン車も何とか座席に座ることができた.川崎までの短い距離をグリーン車に乗るのは実に勿体ない気がするがやむを得ない.
 川崎で南武線の電車に乗り換える.南武線は始発駅なので,1本電車を待って無事座ることができた.南武線に乗って約30分,やっとこのクリニックの最寄りの駅に到着する.
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 クリニックの入口が開くまで,まだ,1時間半ほどの時間がある.朝の寒い時間,外で突っ立っているわけにもいかないので,駅前のマクドナルドに入り込む.店内は意外に空いている.
 私たちは,100円也のコーヒーで1時間以上間を持たせる.私は内心で,
 “こんなに時間があるんだったら,ノートパソコンを持参すれば良かったナ…”
と思ったが,そんなことは口には出さない.
 何もすることがないので,久々に家内と四方山話をしながら時間を過ごす.考えてみると家内が負傷していなかったら,こんなに長い時間,二人だけで話をするなんてことはなかったかもしれない.
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 クリニックの入口が開く10分前にクリニックに到着するように時間を見計らって,マクドナルドを出る.
 クリニックに到着する.
 クリニックの前には30人ほどの行列ができている.これにはビックリ.私たちは勝手が分からずにドギマギしていると,近くに居た人が,
 「貴方たちはここですよ…」
と親切に教えてくれる.
 列に並んでいる方々の大半は70歳代以上と思われる年配者,その70〜80%は女性のようである.多くの方々は,平素からこのクリニックに通院しているのかお互いに顔見知りのようである.
 9時少し前にクリニックの入口が開く.たちまちの内に待合室は患者さんで満席になる.
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 家内はMRIの予約をしていたので,すぐにMRIの検査を受ける.
 検査後30分ほど待って,医師の診断を受ける.病状についてはプライバシーのこともあるので,ここでは書かないが,何が悪いのかがはっきりを分かったが,致命的なダメージはなく,高年齢者には普通の状態のようである.それが一寸した弾みで痛みが発生したとのこと.最初に痛みが出たときに,適切な治療をすれば,痛み止めの注射1本で完治した可能性があったが,初期の段階で,見当違いの治療をしていたために,残念ながら痛みが慢性化してしまったようである.これからは痛みを取る治療に専念することになる.
 とはいえ,痛みの原因がはっきりしたので,本人も納得したようである.
 医師は,家内と付き添っていた私の両方に視線を向けながら,
 「ひょっとしたら,ご主人の首の方が,奥さんの首よりもっと悪くなっているかもしれませんよ…」
という.
 医師の説明によると,人間の身体はとても良くできていて,多少首の骨に異常があってもそれを補償して痛みが出ないようにしている.でも,
 「一寸した切っ掛けで,痛みが出てしまうと,今まで「1」のレベルだった痛みが,急に「10」にも跳ね上がってしまう.だから,痛みをできるだけ早く,「1」のレベルまで下げることが大切です.そうなれば通院する必要はなくなります…」

 10 |    *←何かの弾みで痛みのレベルがポンと跳ね上がる
   |   |\ 
痛  |    | \|\
み  |         |      \      できるだけ早く「1」のレベルまで下げる
       |    |        \|\    慢性化していると時間が掛かる
       |    |             \
     1|ーーー*ーーーーーーーーーー*ーーーー日常生活に支障のないレベル           
       |   切っ掛け
     0 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
                          時間

 医師が私たちに言う.
 「一見健康そうに見えても,実は健康で居られるのは,丁度,幅の狭い平均台の上を歩いているようなものなんですよ…ご本人は幅の狭い平均台の上を歩いているのに,広くて平らな所をあるいているように錯覚しているんですよ.何かの切っ掛けで,何時,平均台から踏み外すか分からないです…」
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 私は,この医師の言葉に深く共感を覚えた.
 自分が,曲がりなりにも健康で過ごせる有り難さを知ると同時に,何時,痛みの閾値「1」を越えるか分からない.閾値を超えると,痛みがポンと10倍になる.だから,健康とは実に脆いものだということを再認識させられた.
 「丹沢塔ノ岳に登るときも,絶対に無理をしないようにしよう…」
と改めて自分自身に強く言い聞かせる.
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 医師の診断が終わった.そして会計を済ませたときは,もう12時近かった.
 「また,さっきのマクドナルドで中傷を摂ろう…」
ということになる.
 昼食後,また電車に揺られて帰宅する.
 首周辺を余り動かしては駄目な家内に代わって,洗濯,炊事など大半の家事を代行する.そんなこんなで,暫くの間は,私の自由時間は極端に少なくなる.とても,とてもブログ記事をユックリ画いている暇がないし,何とも妙な疲れが身体に残る.
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 というわけで,本日のブログはこれで終わり.



 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2690

Trending Articles