<フラワーセンターのハンカチの木>
陽春の鎌倉;フラワーセンター大船・龍宝寺・谷戸池周遊
(山旅スクール5期「鎌倉トレッキング会」定例会)
2013年5月2日(木) 雨後晴
<ルート地図>
<大船駅から玉泉寺へ>
■朝の内雨,三浦アルプスは止めた!
もともとは三浦アルプス南尾根を縦走するつもりだったが,朝方まで雨が降っていたので,急遽予定を変更して,どこでも良いから鎌倉を歩くことになった.こんなに雨が降ったら,三浦アルプスの登山道は,多分ドロドロベタベタ.急坂のアップダウンが多い三浦アルプスは手こずりそうなので,近々リベンジすることにして,今日は止めたという次第.
9時30分,大船駅南口に集合する.参加者はノシイカさん,野菜漬物さん,makoさん,N本さん,ホッシーさん(大倉尾根のホッシーさんとは別の日と),それに私の6名.男性は私だけの怖い集団である.ただし,全員が山旅スクール5期で同じ釜の飯を食べた方々.それぞれの人となりや登山歴,登山技術などもお互いに分かっているし,何と言っても登山に関しては共通の文化を持っているので,一緒に山に登っていても,何とも言えない安心感がある.
さて,急遽,鎌倉散策に変更したので,これといって行きたい場所も定かでない.
「どこでもいいから,歩きましょう・・・」
と一同から言われてしまい,鎌倉案内役の私は困惑する.
「・・・ンじゃまあ,フラワーセンターへでも行って,花でも見ながら,その後のコースを考えましょう」
ということで,9時35分に大船駅から歩き出す.
まずは裏口のバスターミナルに向かう長い連絡橋を渡る.橋の途中から,大船観音が良く見えている.
連絡橋から地上に降りて,直ぐに裏道に入る.裏道への入口にある玉縄首塚に黙礼して,通過する.
<大船観音;別の日に撮影したもの> <玉縄首塚>
■気になって仕方がないレストラン
続いて,何時も気になって仕方のないレストランの前を通過する.「山猫料理店」である.
山猫料理店と言えば,言わずと知れた宮沢賢治の童話に出てくる「山猫料理店」を直ぐに連想する.この店の前を通過するとき,何時もこの童話と丹沢塔ノ岳尊仏山荘に住んでいる山猫華伊達美弥雄君(猫のあだ名)を連想する.
ただ,この店の前を通過するときは何時も朝か夕方なので,一度この店に入ってみたいなと思ってはいるものの未だに入ったことがない.
<大船駅近くにある山猫料理店>
■トンネルを潜って玉泉寺へ
藤沢方面へ数分歩いたところで右折して,小さなトンネルを潜る.トンネルの先は雪国ではなく,静かな住宅地である.住宅地の中の路地を道なりに進むと左手に玉縄小学校が見えてくる.さらに進むと直交する道路に突き当たる.そこで左折する.直ぐに玉泉寺の前に到着する.
<玉縄のトンネル> <玉泉寺参道>
■玉泉寺の布袋様
玉泉寺の境内には,いろいろと見所がある.
それはともかく,庭の片隅に布袋様らしい大きな石仏が安置されている.袋を持っていて大きな太鼓腹なので布袋様だと思う(間違いだったらご容赦).大きな太鼓腹を撫でて祈願する.
何時もの私のクセで,ここで玉泉寺について一くさり何か書きたくなるが,くどくなるので,今回は書くのを止めておこう.
<玉泉寺の布袋様>
<フラワーセンター大船植物園>
■フラワーセンタ大船に到着
10時丁度に玉泉寺を出て,フラワーセンター大船に向かう.
歩道橋を渡るのがシンドイので,駐車場の中を横断する.交通整理をしている係員に叱られるかと思ったが,横断道路では愛想良く自動車を止めて私たちを誘導してくれる.多分,女性群が多かったので,木を使ってくれたんだろうと思う.
10時10分,フラワーセンター大船に到着する.ほぼ全員が高齢者なので入場料は100円に割り引きしてもらう.シメシメ.元気で年を取っているのは実に好都合である.
※フラワーセンター大船植物園の詳細は資料1参照.
<入口近くの池>
■ハンカチの木
右回りに歩き始める.暫く歩くと,道路中央に,
「ハンカチの木の花が咲いています」
と書いた案内が置いてある.
「やっと,ハンカチの花にお目に掛かれた…」
と皆さんが興奮する.
木を見上げると,なるほど,ハンカチを広げたような白い花が咲いている.私も,とても綺麗な花だなと思う.
一同,暫くの間,この花に見とれている.
<ハンカチの花>
■おしば美術展
当然のことながら,フラワーセンターには春の花が沢山咲いている.
花オンチの私には,綺麗な花が沢山咲いているなと感銘を受けるが,どの花が珍しいかなどということは皆目分からない.
ところが,今日ご一緒している皆様は,私はそこらに咲いているありふれた花にしか見えないのに,
「あれ,あそこに○○が咲いている・・・ここにも! すご〜い!」
と興奮気味.
園内を右回りに,あちこちで引っかかりながら,超低速で歩く.そして,成り行きで第1展示場で開催中の「おしば美術展」を見学する.
何気なしに入った会場で,作品のあまりの美しさに驚愕.凄いのなんのって…
「あれつ! 絵じゃないの…」
と疑いの眼で作品に近付いて見ると確かに「おしば」である.とにかく精緻で見事である.随分と時間を掛けて,作品を一つひとつ見て回る.
<おしば美術展の会場> <場内の様子>
■作品の事例
どの作品も凄いが,1例だけこのブログに記録しておこう.
どなたの作品か忘れたが,この苺にはビックリした.
「まさか,この苺は本物ではないでしょうね…写真か何か貼り付けたんじゃないの…」
と誰かが言うと,近くに居られた掛かりの方が,
「いえ,これ本物ですよ…」
これにはビックリ.
いやはや,とにかく大したものである.
<おしば美術展にて>
■クレマチス展
続いて第2展示場に入る.ここではクレマチス展が開催されている.
私にはクレマチスなど全く分からないが,会場には色とりどりのクレマチスが展示されている.湘南クレマチスの会というところが主催の展示会らしい.ご年配の温厚そうな男性が説明している.
私は,綺麗だなと感銘を受けるが,ここに展示されている花は,全部,違う品種の花のように見えてしまうほど,一口にクレマチスといっても多様なようである.
<クレマチス展会場> <会場の様子>
■「○○が咲いています」
二つの会場を回ってから,外周道路に出る.
ところどころに,「○○が咲いています」という案内板が置かれている.
まずは,「ムサシアブミ」とかいう花.でも沢山の葉っぱの下を覗き込まないと見えないようである.花好きの皆さんは,興味深そうに覗き込む.私も釣られて.
「どれ,どれ…」
と覗き込む.序でに写真も撮る…が,私の写真の整理が悪いので,正確に撮れているかどうかは分からない.
続いて,カラシマソウとかいう花も,葉っぱの下を覗き込んで,同じように写真を撮る.さて,下の写真,合っているかな? 間違っていてもイイヤ.どうせ私は花オンチだから…
<ムサシアブミ> <カラシマソウ>
■花壇を散策
道なりに進むと,広い花壇の中に入る.シャクヤク園やバラ園が続く.バラはまだ時期が少し早いようで,咲いている花の数もまだ少ない.
それにしても,随分と沢山の花が咲いている.
<花壇を散策>
■花壇の中の休憩所で昼食
あっという間に時間が過ぎて,お昼になる.
私たちは花壇の中にある休憩所のベンチで,昼食を取ることにする.例によって野菜漬物さんやノシイカさんから,沢山のネーベンが提供される.
本音を言えば,これらのネーベンが楽しみだ.正に花オンチの私には“花より団子”なのである.でも,花も美しいなと急いで付け加えておこう.
<花壇の中のベンチで昼食>
■観賞温室
食後も,いろいろな場所をグルグルと回ったが省略する.
最後に観賞温室に入る.私たちの前に30人ほどの小学生が賑やかに温室に入っていく.今回は見馴れない花が沢山咲いている.
入口近くにあるカリステモンフォルモススという舌を噛みそうな名前の花が特に目に着く.ふわふわとした薄い黄色の花である.
さらに中に入ると,少々グロテスクな感じがするヒスイカズラの花が目を引く.
<カリステモン フォルモスス> <ヒスイカズラ>
■蓮の池の畔で小休止
蓮の池のコーナーに入る.明るくて心地よい場所である.
池の縁に腰を下ろして,ほんの2〜3分,休憩を取る.
<蓮の池>
<龍口寺からお伊勢山神明神社へ>
■龍宝寺
14時11分,ようやくフラワーセンター大船から外へ出る.実に4時間余りもフラワーセンター大船で過ごしたことになる.
いくらなんでも,今回の散策はこれでオシマイというわけにはいかない.私はいろいろ考えた末に大船北西部の山を一回りして,16時頃,大船駅に戻るという計画を立てる.そして,まずは龍宝寺隧道を潜って龍宝寺に向かう.
隧道を抜けると直ぐに龍宝寺山門に到着する.山門脇の幼稚園では,沢山の幼児賑やかである.幼児達が,実に可愛いい.
素晴らしい石畳を踏んで,まずは本堂を詣でる.
石畳の両側には花畑が広がっている.まだ,季節が早いのか,咲いている花の数は少ないようである.
<龍宝寺本堂>
■新井白石碑とおびただしい数の石塔
再び幼稚園近くまで戻り,山門から見て左側の狭い道に入る.突き当たりに新井白石碑がある.碑の表面はすっかり風化していて,多分,字が彫ってあったんだろうと思うが,その痕跡すらない.
崖縁の細い路地を経て裏山に登る.崖沿いおびただしい数の墓石や石塔が並んでいる.
石塔の列が終わると,急な階段道になる.この道を登り詰めると高圧鉄塔の下に出る.ここからは完全な山道になる.
<新井白石碑> <おびただしい数の墓石・石塔>
■尾根道を辿って竹林へ
尾根沿いの山道を辿る.途中諏訪神社に下山する路を分岐する.
尾根の山頂付近に,北条供養塔跡がある.ここにあった供養塔3基は,1年ほど前に龍宝寺本堂脇に移されている.
さらに尾根道を辿る.進行方向左手には栄光学園のグラウンドが木陰に見え隠れしている.
やがて,急な下り斜面になる.特段の道も付いていないので,適当に斜面を降りると,竹林に突き当たる.そして,竹林沿いの道を北の方向に向かう.
<北条供養塔跡> <竹林に降りる>
■岡本神明神社
やがて路は切通になる.路面には枯れ葉がうずたかく降り積もっていて,まるで分厚い絨毯を踏んでいるような感じがする.素晴らしい切通である.ここは伊勢山の参道でもあったようである.
やがて,切通も終わって視界が開ける.
15時03分,立派な石段を登ってお伊勢山神明社に到着する.境内は狭いが,立派な社殿が建っている.周囲にはベンチが置いてある.ここで暫くの間休憩.
目の前の山の向こうには大船観音の横顔が見えている.
気温は暑くも寒くもない,ベンチに座っていると柔らかい春の日射しが実に心地よい.時間さえ許せば,何時までもジッとしていたい心地よさである.
<お伊勢山神明社>
<矢戸池から黙泉寺へ>
■矢戸池
何時までも日向ぼっこをしているわけにもいかないので,15時18分,重い腰を上げて,神明社から歩き出す.
まずは階段を下って,住宅地内の狭い路地を通り抜けてバス通りに出る.丁度下校時なのか栄光学園の生徒が,三々五々,大船駅方面に歩いている.
バス通りを横切って,15時27分,矢戸池に到着する.
ここはサクラの名所である.つい先日,サクラが咲いていた頃は,観光客で賑わっていたが,今は閑散としている.
池の周りに張り巡らされた金網越しに池を眺めていると,数羽のアヒルが私たちの所へ寄ってきてガアガアとうるさく啼き続ける.多分,エサをくれと言っているに違いない.
<矢戸池>
■子育て地蔵
矢戸池近くの越建て地蔵を詣でる.
どなたかが,
「もう子育ても終わったから,用事はないな…」
と原意実的なことを言う.ま,そりゃそうだけど・・・
<子育て地蔵>
■黙泉寺
クネクネと曲がりくねった旧多口の中の路地を辿る.複雑に枝分かれする坂道を登る.最後に急な階段道を登って,高台にある岡本の住宅地に出る.さらに,黙泉寺の境内に入る.
境内の墓地の廻りを半周ほど歩いて,黙泉寺本堂の脇に出る.
木の間から,大船の街が見下ろせる.電車の音,自動車の音など,大船の喧噪が,とても良く聞こえてくる.私の日常が,直ぐ下で待ち構えているような感じである.
黙泉寺本堂前の広場で,ちょっとの間,立ち休憩を取る.
<黙泉寺本堂付近から大船を見下ろす>
<再び大船駅>
■大船駅前のガストで懇親会
16時丁度に大船駅に戻る.私が胸の中で計算していた通りのピッタリの時間である.私は心の中で,
“ドンピタッと予定通りの時間に戻るなんて,正に芸術的だな…”
と一人悦に入っている.
このまま解散するのは勿体ないので,大船駅前のガストに入る.店内は結構混雑していて,6人が一箇所に座れる席は取れなかったが,近くの2箇所に分かれて座る.
ビール党,甘党それぞれ.私はホットコーヒーの積もりだったが,その場の雰囲気に押されて,
“じゃあ〜っと! たまには,何か冷たくて甘いものでもトライしようか・・”
ということで,名前も良く分からないベタベタ物を注文する.
やがて,注文したものが運ばれてくる.
一口食べてみる.特に冷たいわけでもなく,ベタベタしていて猛烈に甘い.
“うへっ…! こラ,オレにはダメだぁ〜・・・・”
■最低の歩行速度記録
皆さんの雑談は何時まで経っても尽きないようなので,17時12分に,
「お先に失礼します…」
ということで,店を出る.何しろ,皆さんは,2時間ぐらいは平気でお喋りしている方々だ.
まだ外は明るいので,いっそのこと家まで歩いて帰ろうかとも思ったが,明日(5月3日),塔ノ岳を往復する積もりなので,あまり遊びほうけているわけにも行かないので,バスを利用して帰宅する.
帰宅後,今日のハイキング記録を纏めて驚いた.
何と水平歩行速度が,0.81キロメートル/時である.1時間かけて800メートルしか歩いていないことになる.多分,私がお付き合いしたハイキングの中で最低記録である.しかも,この最低記録が登山を勉強した仲間が出した記録という所が,とても面白い.
さて,明日はお天気さえ良ければ,塔ノ岳に行くぞ!
<ラップタイム>
9:35 大船駅から歩き出し
9:43 玉縄首塚
9:44 トンネル
9:52 玉泉寺(10:00まで参拝見学)
10:10 フラワーセンター大船(14:11まで昼食・散策)
14:19 龍宝寺
14;47 旧北条3代墓所
15:03 お伊勢山神明神社(15:18まで展望休憩)
15:27 矢戸池
15:31 子育地蔵
15:49 黙泉寺本堂(15:51まで休憩)
16:00 大船駅着
[ハイキング記録]
■水平歩行距離 5.2km
■累積登攀高度 159m
■累積下降高度 159m
■所要時間(休憩時間込み)
大船駅発 9:35
〃 着 16:00
(所要時間) 6時間25分(6.42h)
水平歩行速度 5.2km/6.42h=0.81km/h
(おわり)
[参考資料]
資料1;http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f598/p7182.html
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bf695ac2e77b77762bec8400fb4dd590
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
(なし)
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陽春の鎌倉;フラワーセンター大船・龍宝寺・谷戸池周遊
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