<泉光院裏山からの眺望>
師走の鎌倉;独り寂しく深沢・上町屋の社寺を巡る
(独り散策)
2018年12月28日(金) 晴・寒い一日
<ルート地図>
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<あっと言う間の平成だった>
▇今年は短かったなあ
平成最後の年末が押し迫った.
昭和の一番最後の年,つまり平成元年に,私は長年勤務していた会社を定年より1年早く退職して,横浜の某大学にトラバーユ,うん10+3歳まで勤務した.そしてハッピーリタイア.今振り返ると,実にあっと言う間のことである.
長いようで短かった平成の時代である.
恐れ多いことだが私は陛下より1歳年上,いよいよ矛を収めなければと思いはじめた年末である.
▇頼りは長男
平成に入った頃,長男はまだ高校生.それがもう一丁前のサラリーマン,なにかと長男を頼りにしている今の自分が情けない.平成の30年は短いようで長い歳月である.今日も,私達老夫婦のの仕草を見かねたのか,わざわざ長男が手伝いに来てくれる.実に有難いことである..
長男が自分の車で,老妻が大型マーケットでの買い物に付き合ってくれる.私も老妻も,もちろん,つい2~3年前までは自動車の普通免許証を持っていたがもう返上した.実に不便.
老妻は息子と2人で歳末の買い出しに出かける.
私は…
「足手まといになるから,付いてこなくて良い…」
とのご託宣.相手にされないのが.嬉しいような,悲しいような…
”…ん,なら…2人が買い物をしている間に,近場の深沢,寺分の社寺を一回りしてこよう…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<さあ,お散歩だ>
▇まずは大平山公園
まあ,こんな次第で,今日もまたその辺りをちょっとだけお散歩だ.
私は何時ものように鎌倉中央公園淸水塚口を起点に,足任せお散歩に出掛ける.ただ,何気なく歩き出してしまったので,今回はラップタイム記録は少しあやふや.…
…で,私の足殿は,最初にお気に入りの大平山公園へ行こうとする.勿論私に異論などない.
西に傾きかけた太陽が梢に反射している.
”わあ~…綺麗だな,美しいな”
美しいものを見ると気分が高揚する.
<大平山公園>
▇山道に入る
緩やかな下り坂を道なりに歩く.
最初の十字路で,私の足は何処へ行こうかと迷う.
”下り坂の次は登り坂が良いだろう…”
ということで,十字路を左折して坂道を登る.
13時12分,建築関係の事務所と思われる建物の脇にある細い道に右折して入り込む.土地勘のない方にはちょっと分かりにくいかも知れない.でもここは駒形神社の裏参道入口である.ちなみに私はこの神社の氏子になっているようである.
ここからは,鬱蒼とした山道である.
<ここから山道に入る>
<駒形神社と大慶寺>
▇紅葉が残る山道を下る
一歩山見に入ると,近くに住宅地があるのが不思議に思えるほどの山道である.しかし,さすがに駒形神社の裏参道である.山道はきちんと手入れされ,下草も綺麗に刈り取られている.名残の紅葉が逆光の中で輝いている.
<逆光に映える紅葉>
▇駒形神社本殿
13時15分,駒形神社に到着する.
『かまくら子ども風土記』(p.267)によると,千葉県にある安房神社を移して祀った神社らしい.祭神は駒形大神.平安末期に大場影親が天候不順の折にこの神社で祈願したという.寺分の鎮守である.なおこの社殿は天保14年(1843年)に再建されたものとのこと.
境内は綺麗に掃き清められていて,新年の準備も万端整っているという感じである.
<駒形神社本殿>
▇立派な参道
駒形神社を参拝後,表参道を下る.
下の写真のようにちょっと急な階段が続く.参道入口に立派な鳥居がある.鳥居を潜ると,全階山裾を一回りした等覚寺,大慶寺など3寺院の裏山に突き当たる.
<駒形神社の表参道>
▇大慶寺前を通過
鳥居の前の道を右折する.
13時17分,大慶寺山門前を通過する.ここは臨済宗の寺.
ここは,室町時代,鎌倉五山に次ぐ大寺院だった(同上書.p.266).大休正念が弘安年間(1278~1387年)に建立.大休正念は円覚寺や浄智寺の住職を務めた渡来僧.戦国時代に戦火に遭い,残された塔頭の一つが仏殿になったという.
境内のビャクシンが有名だが,今日は通過.
<大慶寺>
<深沢から上町屋へ>
▇泣き塔
13時20分,信号富士塚小学校入口を渡る.そして,旧国鉄大船工場跡地沿いの道を上町屋方面に向かう.
13時23分,泣き塔が安置されている小さな丘の裏を通過する.泣き塔はこの丘の反対側にある.前掲書p.265によれば,この辺りは,元弘3年(1333年),新田義貞鎌倉攻めの古戦場(須崎の合戦)である.合戦の23回忌(1356年)に供養塔が造られた.これが泣き塔である.
この泣き塔には,いろいろな伝説があるようだが,冗長になることと,私のような素人が本から孫引きするのも苦痛なので先を急ぐことにしよう.
<泣き塔のある丘>
▇石塔群
泣き塔の丘から暫く先へ進んだところにある三叉路を右折して,ちょっと急な坂道を登る.
この辺りが上町屋の集落である.ここは古くからある集落で,曲がりくねった複雑な路地が交差していて,何回か歩いて見ないと,良く道が分からないところである.
坂道を登り切ると,そこに石塔群が並んでいる.何が祀られているのか良く分からないが石の祠や,早退道祖神らしいものや五輪塔の欠片,それに…何だろう? 道祖神かな? それとも馬頭観音? 良く分からない石塔が建ち並んでいる.
ここで道が左右に分かれる.私の足は勝手に左側の道を選ぶ.
ここからは下り坂になる.
<路傍の石塔群>
▇上町屋天満宮
坂道を下り終えると三叉路に突き当たる.この三叉路の脇に上町屋天満宮がある.
平安時代の天慶年間(938~946年),平良文が天神を祀ったのが始まりである(前掲書,p.358).もともとは泉光院が管理していたという古い神社である.
この神社の境内もとても綺麗に管理されている.
<上町屋天満宮>
<泉光院>
▇泉光院本堂
上町屋天満宮から少し歩いて.13時31分,泉光院に到着する.真言宗大覚寺派の寺.山号は天主山,本尊は阿弥陀如来(『鎌倉観光文化検定公式テキストブック』p.87).本尊は阿弥陀如来.本堂は関東大震災で大きな被害を受け,第二次世界大戦後再建されたもの(『かまくら子ども風土記,p.258』).
まずは参拝.
<泉光院本堂>
▇裏山に登る
墓地に入るのは褒められたことではないが,墓地探しではないが,そっと登らせていただく.
一番高いところから,藤沢の弥勒寺の裏山と思われる小さな山が見えている.その左手には鎌倉山が見えている(冒頭の写真).
眼下には畑地が広がっている.
”そうだ! この畑中の道を歩いてみよう…”
<眼下に広がる畑;その先に見えているのが天神山>
<長島ふな公園から湘南町屋駅へ>
▇長島ふな公園
泉光院の裏山から下りて,先ほど見えていた畑中の道をノンビリと歩く.
13時44分,畑を横切って,長島ふな公園に到着する.ベンチで二人連れが何か話をしている.邪魔をしないように気を遣いながら写真を撮って,すぐに退散.
湘南モノレールの湘南町屋を目指して,上町屋の曲がりくねった道を急ぐ.
<長島ふな公園>
▇湘南町屋駅
三菱電機鎌倉製作所近くの坂道を登って,13時55分,湘南町屋駅に到着する.ちょうど,下り電車が到着する.三菱電機の関係者と思われる人達が沢山下車したようである.
<湘南モノレール湘南町屋駅>
<仕上げはコンビニコーヒーで>
▇コンビニコーヒーで一休み
湘南町屋駅と道一つはさんで反対側にあるコンビニに立ち寄る.
もちろんお目当ては100円コーヒーである.
カップに「7i」という字が印刷してある.椅子に座って,外の景色を眺めながら,ユックリとコーヒーを賞味する.
コーヒーを飲みながら.
”あれぇ~…,おれって,独りぼっちなのかな…”
と奇妙なことを考え始める.
”一体,なんで毎日のように,独りでウロウロしているんだろう?”
<コンビニでコーヒーを賞味する>
▇振り出し地点へ戻る
コーヒーブレークを終えて,14時07分,コンビニから歩き出す.
”そろそろ,買い出しに行った息子達が家に戻る時間だな…”
と思いながら…
町屋の坂道を登って,14時15分,出発点の鎌倉中央公園淸水塚口へ戻る.
ここからは自宅までの道順は内緒.とにかく,ここから数分歩いて自宅へ戻る.
まだ息子達が戻っていない.
”良かった…!”
明日も天気が良さそうだ.
”そうだ! 明日は塔ノ岳に登るぞ…!”
…という訳で,今日の内に,明日の覚悟を決めておこう.
私が帰宅してから,小一時間後,買い出し部隊が戻ってくる.
”いよいよ年末も押し迫ったな…”
を実感する.
<ラップタイム>
13:05 鎌倉中央公園淸水塚口歩き出し
13:07 大平山公園
13:12 駒形神社裏参道入口
13:15 駒形神社
13:17 駒形神社表参道入口
13:17 大慶寺
13:20 信号富士塚小学校入口
13:23 泣き塔のある丘
13:27 路傍の石塔群
13:30 上町屋天満宮
13:31 泉光院
13:44 長島ふな公園
13:55 湘南町屋駅(14:07までコンビニでコーヒーブレーク)
14:15 鎌倉中央公園淸水塚口着
[散策記録]
▇水平歩行距離 3.4km
▇沿面歩行距離 3.4km
▇累積標高(+) 68m
▇累積標高(-) 68m
▇所要時間(休憩時間込み)
鎌倉中央公園歩き出し 13:05
〃 着 14:15
(所要時間) 1時間10分(1.17h)
水平歩行速度 3.4km÷1.17h=2.91km/h
(おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/71cc06f6bc973470279b14cf68a4f452
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
(なし)
お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します.
(おわり)
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