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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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暴風雨の中をひたすら登る丹沢;塔ノ岳(2018年18回目)

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                                <塔ノ岳山頂>

         暴風雨の中をひたすら登る丹沢;塔ノ岳(2018年18回目)
                  (単独山行)
            2018年6月27日(水) 曇後雨強風
▇久々の塔ノ岳
 何やかやと用事が重なってしまい,前回,塔ノ岳に登ってから10日間も間が空いてしまった.こんなに間を空けた塔ノ岳には登れなくなるぞという恐怖感から,水曜日の今日,あえて塔ノ岳に出掛けることにする.
 ここ数日,天気予報が目まぐるしく変わるので,週間予報を見ながらスケジュールを組んでも,なかなか役に立たないのが困ったものである.
 今日の予報は終日曇,ただ所によっては雨がぱらつくかもしれないとのこと.
 ”ならば行くぞ…”
 何時ものように4時10分,自宅を出発.まだ夏至が過ぎたばかりなので,外はもう明るくなっている.東の空はもうすぐ日の出,雲が多めながら青空が輝いている.振り返って丹沢方面を見ると真っ黒な雨雲が広がっている.
 ”大丈夫かな…?”
 標高70メートル弱の尾根沿いにある自宅から,長い石段を平地まで下る.途端に,ムッとする湿気がベタベタと体にまとわりつく.今日も大分蒸し暑くなりそうである.

▇大倉から登山開始
 大船駅から東海道本線下り初電に乗車する.小田原で乗り換えて小田急線渋沢駅へ.乗り換えるときにホームの階段を登るのに息切れしそうになる.体がとても重く感じる.
 ”今日はダメだな”
と早々に悲観的になる.
 大倉行バス停には常連のNGさんがもうバス待ちをしている.雑談をしながら1番バスを待つ.NGさんはどうやら週に2~3回塔ノ岳に登られているらしく,相変わらずお元気である.
 バス待ちをしている間に,霧雨が落ちてくる.
 「ありゃ…,雨が落ちてきましたよ…,大丈夫かな」
 「まあ,大丈夫でしょう…大した雨には鳴らないでしょう…」
というこで,とりあえずはバスに乗車する.
 バスに乗り合わせた乗客は20人ほどか.NGさんの他にMTさん,IWIさん,TDさんなどが乗り合わせる.毎日登山のTG山が居られるかと期待したが残念.
 バスは7時00分にバス停大倉に到着する.
 既にバス待ちの時間にストレッチを十分に済ませているので,7時03分,すぐに登山開始.

▇アジサイを眺めながら…
 今日も独り旅である.
 雲行きはあまり良くなさそうだが,まあ,今の様子が続くんなら少しの間登り続けてみようと思う.
 例によって,歩き出しの体調は全く芳しくない.10日間のブランクも災いして,歩き出した直後から体が”重いな,重いな”と感じながら,鈍重な歩きに終始する.
 霧雨が降っているのに,舗装道路は案外乾いている.路傍に咲くアジサイも水気を欲しがっているように見える.
<路傍のアジサイ>

▇登山口を通過
 歩き出の舗装道路の上り勾配かきつく感じる.ノソノソと歩き続けて,7時10分,漸く登山口に到着する.土曜日の登山と違って,登山道は空いている.これならノンビリマイペースが楽しめる.
 7時16分,やっと克董窯を通過して礫や石が敷き詰められた登山道に入る.意外なことに礫や威信道路に入ると路面は濡れていて,下山のときには滑りそうである.
 相変わらず霧雨が降っている.雨具を着るほどではないが…

<登山口>

▇日の当たる坂道
 7時23分,丹沢ベースを通過する.
 強い風が当たっているのか,登山道周辺の杉林が梢を揺らせながら轟々と音を立てている.
 丹沢ベースを過ぎて程なく礫や石を敷き詰めた道路が終わり土道に入る.そのちょっと先で,晴れていれば朝日が真横から射し込む日の当たる坂道に差し掛かる.
 ここまで登ると風が一気に吹き込んで,肌にまとわりつく汗を一気に吹き飛ばしてくれる.相変わらず霧雨は降っているが,木の陰が薄らと見えている.ひょっとしたら雲が薄くなっているのかな…と,淡い期待をしながら登り続ける.
 7時32分,観音茶屋を通過する.この辺りで私の後ろを登っていたNGさんが私に追いつく.
 「どうぞお先に…」
とNGさんに先頭を譲る.ここから先,結果的に萱場平まで,NGさんの数メートル後を登り続けることになる.

<日の当たる坂道>

▇見晴茶屋からの眺望
 7時52分,見晴茶屋に到着する.
 茶屋の前から相模湾を見下ろす.すぐ頭上を分厚い雲が覆ってはいものの相模湾や秦野の市街地はまあまあ良く見えている.
 ”この分だと,霧雨も上がるだろうな”
と期待する.

<見晴茶屋からの眺望>

▇見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.
 恒例の階段を見上げた写真を撮る.写っている登山者の後ろ姿は1人だけ.平日はやっぱり空いていて良いなというのが率直は感想である.
 もう登り始めてから,随分と時間が経っているのに,体調はまだ本調子ではない.困ったものだ!
 それにまだ必要に雨が降り続いている.どこか途中で下山しちゃおうかなと思いはじめる.

<霧雨降り続く見晴階段>

▇無くなられた方に合掌
 見晴階段を登り切ったところで,階段道が二手に分岐する.その分岐点からほんの少し左に入った土手に献花がある.
 つい2週間ほど前に,70歳代の男性がここで心筋梗塞で亡くなったと聞いている.立ち止まって合掌.
 明日は我が身,
 ”安全登山に一層留意しなければ…”
と自分の気持ちを一層引き締める.

<献花>

▇駒止階段
 モミジ坂をユックリ登って,8時13分,ようやく一本松を通過する.大倉を歩き出してから1時間10分経過している.遅い!
 霧雨は止むどころかますます強くなっている.周囲の木々が強風を受けて轟々と尾を立てながら揺れている.
 ”こりゃあ~駄目ダ! 小草平まで登ったら引き返そう…”
と決心する.

<駒止茶屋>

▇霧の堀山の尾根道
 堀山の尾根道に差し掛かる.
 完全に雲の日に入ったらしく,雨が一層強まる.衣服は多少濡れるが涼しくて気持ちが良い,到底雨具など着る気になれない.というのも速乾性の衣類を着ているので,例え濡れてもすぐ乾いてしまうから…
 辺りは濃い霧に覆われている.道路は泥濘んでいる.たちまちの内に靴は泥んこになる.
 ”なんで,こんなひどいところを歩かなければならないの…”
と自分自身を恨みながら惰性で歩き続ける.
 途中に晴れて言えば富士山が良く見える場所があるが,今日はそれどころではない.
 8時40分,堀山の道標を通過する.

<風雨の尾根道>

▇小草平(堀山の家)
 8時48分,漸く小草平に到着する.すぐ目の前を歩いているNGさんに,
 「ここでお天気の様子をみて,登るか下山するかを決めます…」
ということでお別れする.
 大倉を歩き出してから1時間45分経過している.いくら風雨の中の登山とはいえちょっと時間が掛かりすぎだが,これも寄る年波の仕業である.謙虚に受け入れるしかなかろう.
 堀山の家の温度計は18℃を指している.
 風雨がまずます強くなっている.当面,止みそうもない.でも,もう少し…萱場平まで登ろうかなと思い返す.
 8時50分,小草平から歩き出す.

<小草平>

▇萱場平
 風雨の中の登り坂は気勢が上がらない.ただ,黙々と登るだけ.登っていて,ちっとも愉しくないが,止める気にもならない.まるでロボットにでもなったかのように,無表情な歩行動作を繰り返しているだけ.
 ”こんな悪天候のときに,一体何のために登っているんだ…”
 時々正気付く私は胸の中で愚痴っている.
 それでもノソノソながら登っている内に,9時15分,萱場平に到着する.何時の間にか,私のすぐ目の前にNGさんが居られる.知らぬ間に追いついたようである.
 萱場平の周囲の木々が強い風を受けて激しく揺れている.轟々という風切り音が激しく聞こえてくる.
 ”さて,どうしたものか…”
 私は,ここまでで下山しようか,それとも登り続けようかとまた迷う. 

<萱場平;後ろ姿はNGさん>

▇花立階段
 …で,結局の所,花立山荘まで登る気になる.
 9時17分,萱場平から歩き出す.
 木の階段を登ってから,長い階段道に差し掛かる.30~40メートル先に,NGさんの後ろ姿が見えている.
 濡れた丸太の階段道を登り続ける.登りながらも,誰に頼まれたわけでも亡いのに,何でこんな風雨の日に登るんだと思い続ける.
 あともうひと登りで花立階段というところで,下山してくる超韋駄天のNMさんとすれ違う.
 「…このところ水曜日はいつもこんな天気ですよ…山頂は物凄い風が吹いていますよ」
とのこと.
 花立階段に差し掛かる.この階段を登るのは本当に嫌だが登らなければ先へ行けないので,しかたなく超ユックリ,ノソノソと登り続ける.10数段先の階段にNGさんが居られる.
 階段の途中で下山してくるチャンピョンとすれ違う.さらに階段を4分の3ほど登ったところで,次のバスで来られたTTさんに追い抜かれる.

<風雨の花立階段;後ろ姿はチャンピョン>

▇花立山荘
 9時45分,やっと花立山荘に到着する.風当たりが一層強くなる.
 ”ここが,今日の終点かな…”
 大倉からの所要時間は2時間45分.笑っちゃうほどスローペースである.”何をか況んや”
 花立山荘の温度計は15℃を指している.
 花立山荘のベンチは雨でグショグショに鳴ってる上に,強い風が吹き抜けている.こんなところでは誰も休憩を取れないんで,辺りには人影が全くない.私は花立山荘の風下に立ちすくんだまま,
 ”さて,下山しようか…”
と思う…が,折角だからせめて丹沢山まで登ろうかと,心が揺れる.

<風雨の中の花立山荘>

▇花立山
 結局,花立山までは登ろうという気になる.
 花立山荘から暫くの間,荒れた階段道が続く.この階段道を登り切って,その先のガレ場に出るまでが一苦労である.
 ようやくガレ場に出たまでは良かったが,風が一層強くなる.足許の谷間から,轟々と音を立てながら雨混じりの強風が吹き上がってくる.
 9時58分,風に煽られながら花立山山頂に到着する.
 強風の中,立ち止まるわけにもいかずに,そのまま山頂を通り抜ける.ゴウゴウと絶え間なく襲ってくる風音の合間に,どこからともなくウグイスの啼き声が聞こえてくる.

<強風吹き荒れる花立山>

▇強烈な風雨が吹き荒れる塔ノ岳山頂
 その先のヤセ尾根,馬ノ背は写真を撮る間もなく通過して,10時04分,なんだかんだ言いながら金冷シを通過する.もうここまで来たら途中で引き返すという手はない.ここから先は,ノンビリ山頂まで歩くしかない.もうラップタイムは度外視である.
 金冷シから最初の階段をユックリと登る.強風の雄叫びだけが聞こえてくる.それほど強い雨ではないが,小さな雨粒が笑まなく加温当たる.実に嫌な気分である.雨粒が顔に当たらないようにひたすら下ばかり見て歩き続ける.でも通い慣れた道である.下だけ見ていても,今どの辺りを歩いているかは”蛍の尻”である.
 やがて山頂近くの木道に到着する.ここから山頂までの距離は僅かだが,この僅かがとてもシンドイ.
 10時27分,やっと塔ノ岳山頂に到着する.
 山頂は猛烈な強風が吹き荒れている.立っていられないほどの強い風が山麓から吹き上げて来る.すぐ近くに立っている尊仏山荘濃い霧の中で,殆ど見えない.
 山頂の気温が何度か知りたかったが,温度計が壊れていて分からない.多分,15℃くらいではないかと思う.リュックから期待電話を取り出して,温度を測定できるのだが,あまりの強風で,そんなことする気になれない.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は,3時間24分と哀れな結果である.特に金冷シから23分も掛かっているのが情けない.

<塔ノ岳山頂>

▇途中まで独りで下山
 余りの強風雨のため,久々に尊仏山荘に立ち寄ろうかと思ったが,立ち寄ったら,立ち寄ったで.また,嵐の中に出て下山するのが辛くなる.そこで,山頂でたった8分休憩を取っただけで,10時35分,下山開始.
 強風が吹き荒れている上に,足許が濡れていて滑りやすくなっている.
 ”怪我をしたら百年目…!”
 慎重な上にも慎重に下山し続ける.
 10時48分,金冷シを通過する.そして,11時03分,花立山荘に到着する.山荘前のベンチでかなりの登山者が休憩をとっている.つづいて花立階段を慎重下る.その先のザレ場と丸太の階段を通過して,11時22分,萱場平を通過する.相変わらず強風雨が吹いている.山頂ほど強烈な風ではないにしても…
 私は大倉発13時22分のバスに乗車する積もりである.このバスに乗れれば小田原から快速アクティに乗れるからである.
 時計を見ながら,11時40分,小草平に到着する.丁度そのとき,TTさん,MTさん達が私に追いつく.
 「ありゃ~っ! じゃあここからは私もでれでれ歩きは止めましょう…」
ということで,堀山の家からはお三方の歩行速度に合わせ下山し続つづける.

▇雑事場ノ平で昼食
 11時49分,堀山の様式を通過する.
 ここから先は下り坂だけ,それに妙な岩稜もない.私のトップギヤーがスイッチオン.
 11時56分,駒止茶屋を通過して,駒止階段慎重に降りる.
 12時07分,一本松を通過する.そしてモミジ坂を快調に下って,見晴階段に差し掛かる.ここは慎重に下る.下り終えt後ろを振り返るとお三方の姿が見えない.
 12時11分,見晴茶屋を通過する.
 12時13分,雑事場ノ平に到着する.独りだけ早く下山してもつまらないので,雑事場ノ平のベンチに腰掛けて昼食を摂る.
 牛乳パックを飲み干して,オニギリ1個をたべ終えたところで,お三方が現れる.

▇無事下山
 12時16分,雑事場ノ平を出発する.ここから先,バス停大倉まではお三方とご一緒する.この辺りから,だんだんと蒸し暑く感じるようになる.
 12時33分,観音茶屋を通過する. 
 その後もゆっくり歩いて,12時51分,無事,バス停大倉に下山する.
 下り所要時間は休憩時間込みで2時間16分であった.
 大倉から渋沢まで常連さんの車で送って貰う.有難い.

▇睡魔と戦いながら無事帰宅
 渋沢13時13分発新松田行急行電車に乗車する.新松田から先は各駅停車の電車に乗り換える.
 小田原からは特別快速高崎行に乗車する.何れの電車も,座席に座った途端に眠くなる.睡魔との戦いは一苦労である.睡魔で何となく麻酔が掛かったような感じで14時33分,大船に到着する.
 帰宅してすぐにシャワー.
 乾いた衣類に着替えてから,
 ”さあ,昼寝だ…!”
 夕方6時までグッスリ.夕食後風呂に入ってから,すぐに就寝,翌朝6時までグッスリ.翌朝の目覚めは最高だった.
 ”これだから,登山は止められないな~ぁ…”

<ラップタイム>

  7:03   大倉歩き出し
  7:32  観音茶屋
  8:02  見晴茶屋
  8:30  駒止茶屋
  8:40  堀山の家
  9:48  花立山荘
10:04  金冷シ
10:27  塔ノ岳着
10:35     〃 発
10:48     金冷シ
11:03    花立山荘
11:40  堀山の家
11:56  駒止茶屋
12:11  見晴茶屋
12:33  観音茶屋(途中,雑事場ノ平で昼食)
12:51  大倉着

[山行記録]

▇水平歩行距離        7.0km(片道)

▇累積登攀下降高度        1,269m

▇上り所要時間(休憩時間込み)
 大倉発           7:03
   塔ノ岳着              10:27   
    (所要時間)         3時間24分(3.40 h)
  水平歩行速度       7.0km/3.40h=2.06 km/h
  登攀速度         1,269/3.40h=373m/h

▇下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳発         10;35  
  大倉着            12:51
   (所要時間)         2時間16分(2.27h)
 水平歩行速度         7.0km2.27h=3.08 km/h
 下降速度          1,269m/2.27h=559m/h
                                   (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/feea5f257d29dbc3f3360439f5c67934
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

お断り;
 これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
 また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します.


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