第114回2018年太平洋展を見学
2018年5月19日(土) 雨のち曇
今年の太平洋展に入選した私の絵仲間のお一人,KGさんから同展覧会の招待券を頂戴した.有難い.
今日は土曜日.本来ならば塔ノ岳に出掛ける日である.
幸か不幸か朝方は雨,どうやら昼頃までのお天気は思わしくない.いくら何でも雨の中登山するわけには行かないので,これは丁度良い.今日は太平洋展を見学することにしよう.
”では,早速,太平洋展を見に行くことにするか.”
ということで,東京まで出掛ける決心をする.
開催場所は国立新美術館である.遠くに出掛けることが億劫な私の日頃の行動範囲はせいぜい横浜辺りまでなので,東京の六本木とやらのオシャレな場所にある国立新美術館なんて,とてもではないが,敷居が高くて,そう簡単に行けるところではない.でも何時も親しくしている知人が,あの高名な太平洋展に入選したとなれば,これはもう”是非”拝見しなければならない.
”一体,彼はどんな絵を描いたんだろう…! 太平洋展に入選とは凄いな! 羨ましいな!・・・”
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”…で,国立新美術館って? 一体どこにあるんだ?”
頂戴した招待状には,国立新美術館の所在地が「東京都港区六本木7-22-2」と明示されているが,私には何処にあるのか,どうやって言ったら良いのか,どうもピンとこない.ただ六本木と聞くと,やけにモダンで,お金持ちやセレブが集まる場所というイメージがあり,薄汚い田舎爺の私にはそぐわない場所のような気がする.つまりちょっと敷居が高い感じの場所である.
…ま,それはともかくPCを使って国立新美術館の所在地付近の地図をプリントする(私まだスマホは使っていないので…).そして,大船から国立新劇場までの交通アクセスを調べる.
すると,大船から湘南新宿ラインの電車で渋谷まで行き,地下鉄銀座線の表参道で千代田線に乗り換えて乃木坂で下車するのが一番良さそうである.
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私は大船駅から湘南新宿ラインの電車に乗車する.まあ,この辺りまでは平素いつも利用しているので何の気苦労もない.
さて,電車が渋谷に到着する.今まで数え切れないほど渋谷には行っているが,湘南新宿ラインの電車に乗って,新宿で下車するのは下車するのは初めての経験である.下車した途端に,
”あれ~ぇ?…渋谷ってこんなに静かなところ?”
なにしろホームが1本しかない."そんなバカな…”
事情はすぐに分かった.
湘南新宿ラインの電車のホームは,従来の新宿駅とは,かなり離れた場所に,はみ出すような感じで造られていることを認識新たにした.
”なんでこんなところが渋谷駅なの…?”
これが私の第一印象である.
湘南新宿ラインのホームから,馴染みの渋谷駅構内まで歩くこと,歩くこと…通路の途中に本屋があるのでついつい道草をする始末である.
”さて,地下鉄銀座線は何処だ…”
床に書かれている黄色い線に従って移動する.案内板をキョロキョロしながら,斜め横にある階段を登って,漸く銀座線のホームにたどり着く.えらく高いところにあるホームだな.
電車が入線する.窓ガラスに雨粒が沢山付いている.
”あれえ?…地下鉄なのに,なんで雨に降られるの?”
この不思議は,電車が走り出してすぐに納得する.
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表参道で下車.
案内板に従って千代田線の六本木駅まで移動する.”これが一つの駅なの…?”と不思議になるほど離れている.連絡通路の両側には飲食店などのお店が建ち並んでいる.
千代田線に乗り換えてたった1駅,すぐに乃木坂駅に到着する.
案内板を注意深く見ながら,国立新美術館に到着する.
想像以上にモダンな外形で,馬鹿でかい建物である.田舎者の私は超ビックリ.
とにかく入口から館内に入る.入るとすぐに広々としたロビーがある.吹き抜けの高い天井とモダンな造形は,まるで空港ロビーのような雰囲気を醸し出している.ここでまた超ビックリ.
まずはともかく,展覧会を見なければ…ということで招待券を片手に,太平洋展の会場へ向かう.
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太平洋展の会場は1階のようである.
受付で,招待状を提示して会場に入る.
入った途端に巨大で優雅な絵がずらりと並んでいるのに圧倒される.また会場が巨大で,実に沢山の作品が展示されているのにも驚かされる.私が所属している某協会とは色々な面で雲泥の差があるなと実感する.
とにかく会場を見て回る.
数え切れないほどの沢山の作品が展示されているので,全部見るのも大変である.
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会場入口から,奥の方に進むと,20コーナーという場所にたどり着く.「20」が何を意味しているのか門外漢の私には分からないが,このコーナーには20号から50号程度の小型の作品が並んでいるので,「20」は多分20号の略称だろうと勝手に想像する.
ようやく,KGさんの絵が展示されているコーナーに到着する.
KGさんの絵は農機具を題材にした水彩画である.多分,50号ほどの大きさであろう.
KGさんの絵は,何時も色彩が鮮やかで意表を突く題材の絵を描いておられるのが印象的である.KGさんの絵をここで披露して,いろいろと感想を記述したいところだが,ご本人の了承を得ていないのでやめておこう.まあ,一言で表現すれば,平凡な農機具を緻密に描かれた絵である.
”何だ…オレの実家にも同じ物があるぞ…これが絵の題材になるとは…”
率直に驚きである.
同じ物を見ても,私は絵の題材になるとは気がつかなかった! ここがKGさんと私の”勘”の差だなと感心させられる.
私はKGさん絵の前で,暫くの間,立ち止まりながら,そっと写真を撮らせて貰う(公表しません).
”KGさんを見習って,オレも太平洋展に挑戦してみたいな…”
と到底無理な雑念が,心の中にフト沸き上がる.もちろん,そんな夢物語が実現するはずもないが…
”…でも,来年ぐらいには,太平洋展の20号コーナーに挑戦してみたいな…”
という情念が私の心の中に沸々と湧きだしてくる.
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会場を一回りする間に,瞬く間に慈顔が過ぎて,もうとっくにお昼を過ぎている.何時までも会場に居るわけににもいかないので,一旦,ロビーへ戻る.
ロビーの一角にビュッフェスタイルの軽食が摂れるようになっている.あちこちレストランを探し回るのも面倒なので,ここで遅めの昼食を摂ることにする.
”ちょっと高いな…”
と思いながらも…
…で,選んだのが下の写真のメニューである.サンドイッチとオレンジジュース.
お勘定は千円札1枚でお釣りがくるだろうと勝手に思い込む.レジで千円札を出すと,
「…合計で1015円です…」
私,ビックリ,
”おやおや,随分とお高いな…こういうのを六本木価格っていうのかな?”
でも,今更,”や~めたっ”は不可能なので,高価なサンドイッチを美味しく頂戴することにする.
<贅沢な昼食>
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昼食を終えてから,地下1階のミューゼアムショップのウインドウショッピングを楽しむ.一風変わった風合いの品物が沢山並んでいるので,見て回るのもなかなか愉しい.
ショップの奥に簡単なレストランがあるのに気がつく.メニューを覗くと数種類のカレーライスが1000円以下で食べられるようである.
”しまった! 昼食はこっちで摂れば良かったなあ…”
後の祭り.
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昼食を終えて,国立新美術館の外へ出る.
外は相変わらず清々しい初夏の気候である.今朝方まで雨が降っていたとは思えないほどである.
折角,六本木などというオシャレな場所に来たんだから,この辺りを少し散歩しながら,東京タワーにでも立ち寄ろうかと思ったが,何だか疲れ気味である.展覧会巡りは登山とは違った疲れがトッと出てくる.”都会疲れ”とでも言ったら良いのかな.とにかく,もう真っ直ぐ帰宅したい.
私は庭園風によく整備されたプロムナードを経由して,近くの地下鉄乃木坂駅に向かう.
乃木坂駅から新橋方面に出ようか,それとも往路を引き返そうかと迷うが,何だか草臥れたので,往路をそのまま大船までもどることにする.
<乃木坂駅へ>
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乃木坂駅から.往路を辿ってJR新宿駅に戻る.そして迷路のように複雑で長い連絡通路を経由して湘南新宿ラインのホームへ.待つほどもなく熱海行の電車に乗車する.
こうして,貴重な今日一日を,絵画鑑賞だけで終える.
何だか疲れた感じの一日であった.
(おわり)
「閑話休題;日々雑感」の前回の記事
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「閑話休題・日々雑感」の次回の記事
(なし)
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