<新しい派手派手の足底板を敷いた軽登山靴>
閑話休題;新しい足底板;多寡が1ミリ,されど1ミリ
2013年11月28日(木)
■1年半ほど前…
私の趣味の一つが軽登山.ここ15〜20年ほどの間,丹沢の塔ノ岳へ,週に1〜2回の頻度で,飽きもせずセッセと通っている.
ところが,2年ほど前から,加齢のためか,それとも不摂生のためか原因は分からないが,下山する頃になると,両足の足の裏が痛くなることが多くなった.
そこで,私は自宅近くにあるかなり大きな病院の整形外科を訪れた.今から約1年半ほど前のことである.
この病院では,診察前に,まずは両足のレントゲン写真を撮ってこいとのこと,その後,ドクターの診察である.
ドクターはレントゲン写真を見る.私ノ実際の足など見ないまま…
「…踵に小さな骨ができていますね.歩いている内に,この小さな骨に周りの筋肉が当たって炎症を起こしたんでしょう.湿布薬を出しますので,痛いときは貼って下さい…」
で診察は終わる.
診察の間,私の顔も足も殆ど見ないまま…あっけない!
その後,湿布薬を貼ってみるが,どうも効果が今ひとつである.
■1年半前に足底板を作る
以前,このブログの記事にしたことがあるが,そんなある日,偶然,大船駅前にある岩田整形クリニックを訪れた.このクリニックのドクターは,ご自身が百名山踏破,フルマラソン,トライアスロンなどに参加すると同時に,いろいろな障害もご自身で経験されている.私は,この先生の診断なら間違いないと思った.
案の定,このクリニックは評判が良いらしくて,大変混雑している.初回,訪れたときは大変長く待たされたが,診断結果には私も大満足だった.
約1年半前に,先生の指導で,足底板を作成した.費用は両足で22,660円.この費用は一旦自費で支払うが,診断書,領収書,保険証などを揃えて保険機関(私の場合は鎌倉市役所)で手続きすれば,費用の70%が戻ってくる.
■足底板を作り替える
足底板の使用期間は1年半.使用期間が過ぎると,保険適用で新しい足底板を作ることができる.
私の場合も,今年10月下旬で,使用期間の1年半が過ぎたので,新しい足底板を作ることにした.そして,再び岩田整形クリニックを訪れた.
先生の診断を受けた後,義肢装具士に足形を取って貰う.義肢装具士は,私がこれまで使用してきた足底板を見てビックリする.
「(この足底板は)随分,潰れていますね…一体,何時お作りになったんですか?」
「1年半前ですが…」
「えっ! 1年半前ですか! それにしては随分と潰れていますね.一体何をされているんですか?」
「何をって言われても…まあ,週に1〜2度,丹沢の塔ノ岳を往復しているだけですが…」
「そうでしたか! 登山ですか.道理で凄く潰れたんですね.足が痛くなりませんでしたか?」
「ええ,まあ,今のところ,痛くはありません」
毎日のように足底板を使っていると,足底板の潰れ方が少しずつなので,自分では減り具合が分からなかった.
■新しい足底板を履いてビックリ
1週間後の今日,新しい足底板が完成する.
義肢装具士が,新しい足底板の上に乗ってみるように私に勧める.新しい足底板の色は色鮮やかな赤.その赤が刺激的なのかどうか知らないが,ナルホド,これまで使っていた潰れた黄色の足底板とはまるで違う感覚である.
「あれ,まあ! 随分違うものですね」
と私は驚く.
「そうでしょう! 古いものと新しいものとの厚さの差は僅か1ミリメートルぐらいですが,これだけ違うんですよ」
確かに僅か1ミリされど1ミリである.こんな僅かな差で,こんなに安定感があるとは!!
人間の身体の微妙さに,改めて驚く.
「では,この後,先生の診断を受けて下さい…もし,何か不具合がありましたら,何時でも言って下さい」
改めて先生の診断を受ける.
「随分,山に登っているんですね.どこも痛いところないですか」
で診断が終わる.
次回,保険適用で新しい足底板に換えられるのは,1年半後の2015年5月28日である.大切に使わなければ…
<派手派手;まっ赤な足底板>
■古い足底板にパッドを貼る
義肢装具士が,
「足底板何枚お持ちですか?」
と私に聞く.
「古いのと今度の新しいものだけです…」
「もし,古い足底板をこれからもお使いのようでしたら,パットを貼っておきますよ」
私は即座にお願いする.
「スポーツ選手など,皆さんパットを貼って使っていますよ…」
私は即座にパットを貼ってもらう.そして,パットを貼った古い足底板を靴に敷いて歩いてみる.
「ありゃ…! 随分違うものですね」
「そうでしょう! 皆さん,そう仰いますよ」
「ところで,パット代,いくらですか?」
「これはタダで結構です.また,足底板が不具合になったら,ドクターを通じて仰って下さい.調整します」
<パットを貼った古い足底板>
■多寡が1ミリ,されど1ミリ
ところで,このパットの厚さはたった1ミリメートルに過ぎない.それでも,この1ミリメートルのお陰で,足底の安定感が天と地ほど違う.正に“多寡が1ミリ,されど1ミリ”である.靴の敷物などどんなものでも大した差がないとばかり思っていたが,これは飛んでもない間違いだとやっと気がつく.
広い世の中には,私と同じように足の裏に違和感や痛みを感じたことがある人も多いと思う.このような経験をお持ちの方には,是非,専門医の診断を受けて,自分の足ピッタリの足底板を作られることをお薦めする.靴屋で適当な敷物を買ったのでは,足底の痛みは解消されにくいことを知って頂きたいなと思う…私の体験から.
2013年11月29日(金) 晴
■市役所で手続き
私は,専門医の診断書,足底板の領収書,健康保険証などの書類一式を揃えて,鎌倉市役所の保険窓口を訪れた.窓口で書類に住所,氏名など諸事項を書いて医療費支給手続きを済ませた.
私の場合,3割負担なので,足底板作成費用の7割は戻ってくる.ただし,3〜4ヶ月先になるという.でも,まあ,少々時間がかかっても,応分の費用が戻ってくるのは有り難いことである.
TPPとやらの難しいことは,私ごときロートルには良く分からないが,こんなに有り難い保険制度だけは是非存続して貰いたいと思っている.
■ならば,やっぱりコーヒーだ
市役所での手続きが済んでホッとする.
市役所を出る.今日は上天気.日射しが眩しく暖かい.鎌倉駅周辺は沢山の観光客で賑わっている.そういえば,ここ半月ほど鎌倉駅周辺には来ていない.
このまま帰宅するのもちょっと勿体ないので,鎌倉駅の建物の中にあるBeck'sで200円也のブレンドコーヒーを賞味しながらひと息入れる.
…という訳で,昨日と今日の足底板の話はこれでおしまいである.
<鎌倉駅Beck'sのコーヒー>
(おわり)
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(なし)