<塔ノ岳山頂からの眺望>
富士山と南アルプスの展望を楽しむ丹沢;塔ノ岳(今年42回目)
(単独山行)
2017年12月23日(土) 快晴・穏やかな一日
■朝が寒い
暮れも大分押し迫ってきた,
昨日は冬至.言うまでもなく一年で一番昼間が短い.何時ものように4時10分に自宅を出発する.
真っ暗!
寒い!
”何でこんなに真っ暗で寒い日に出掛けなければならないの…”
私は自分自身に真面目に問いかける…が,その答えが分からない.でも,現実にはフリースの上にヤッケ代わりの雨具を羽織って,冬用の帽子をかぶるなど大変な出で立ちである.
今日の塔ノ岳詣では,今年になって42回目.例年は年間60回ほど塔ノ岳に登っているので,今年は大分回数が少なかった.でも,今年も色々あったのでこれまたやむを得ないなと思う.
このところ,土曜日に色々な行事が入っていたので,今日の土曜日登山は実に数週間ぶりのことである.
師走のためか,それとも土曜日のためか,東海道本線の初電は,先週金曜日に乗ったときに比較するとかなり乗客が多い.
いつものように小田原で小田急電車に乗り換える.車内は寒い! 外はまだ真っ暗!
6時11分,渋沢駅に到着する.まだ真っ暗.
バス停に並ぶ.先頭.
その内に,下り電車が到着するごとに行列が長くなる.行列の中に常連のYSさん,IIJさん,KMさん,IWさんの顔が見える.今日は毎日登山のTGさんの姿はなさそうである.
8時45分,臨時バスが出る.
バスに乗車中に,東の空から太陽が顔を出す.辺り一面に”パアー”っと広がる感じで朝日が射し込む.
”今日は素晴らしい天気になるぞ…”
■やや速い速度で歩き始める
7時02分,まだ寒いので,フリースを着たまま,バス停大倉から歩き出す.
前後して,常連のIZさんが歩いている.IZさんは最初からピッチが速いが,とにかく寒いので,IZさんとほぼ同じ速度で歩き始める.後になって,これがいけなかったと気が付く.
ここ数日,雨が降っていない.足下はカラカラに乾いている.
空気がいかにも乾燥しているのが歩いていてもすぐに分かる.私はハイドレーションシステムを使っているので,歩きながら絶えず水分を補給している.ところが,口の中がすぐに乾いてくる.こんなに乾燥していることは滅多にない.
7時18分,丹沢ベースを通過する.
”こんなに速い速度で歩いていたら,途中で失速するぞ…”
と気になり,幾分歩行速度を落とす.
丹沢ベースを過ぎて程なく日の当たる坂道に入る.
真横から透明な朝の日差しが射し込んでいる.実に良い気分で朝日を浴びながら登り続ける.
<日の当たる坂道>
■朝日を浴びる見晴茶屋
7時25分,観音茶屋に到着する.まだ朝が早いので閉店したまま,ここで衣服調整.一番上に羽織っていたフリースを脱いで,リュックに押し込む.ここで2分のロスタイム.でも,大倉から小草平までを何とか1時間30分程度で歩きたいなと思う.
観音茶屋からのジグザグの上り坂に差し掛かる.
7時32分,高原の家分岐を通過する.
7時42分,雑事場ノ平を通過.
7時44分,見晴茶屋に到着する.見晴茶屋は朝日を真っ正面から浴びている.見晴茶屋もまだ開いていない.
<朝日を浴びる見晴茶屋>
■光る海
毎度のことながら,見晴茶屋前から相模湾を望む.太陽の光が海に反射して,光って見えている.素晴らしい風景である.これも冬の風物詩である.
私は足を止めて数枚の写真を撮る.
<見晴茶屋から相模湾を望む>
■見晴階段
すぐに見晴階段に差し掛かる.
ここでも,何時ものように階段を見上げた写真を何枚か撮る.
今日は土曜日.登山者が多い.階段には登山者の後ろ姿が列になって見えている.
右手から林の中を朝日が射し込んでいる.
<見晴階段>
■駒止茶屋
もみじ坂を何とか登り切って,8時01分,一本松に到着する.
大倉からの所要時間は59分.たった2~3分とは言え,今の私の脚力ではちょっと速すぎる.このままでは,多分,後で失速するぞ…不安が過ぎる.
一本松からしばらく平坦道が続く,この平坦道を歩いている間に,余計な疲労がなくなれば良いのだが…
やがて駒止階段に差し掛かる.
「ここが難物なんだよ…」
と思わず愚痴る.
丁度このとき私のすぐ後ろを登っているMTさんが,
「(大倉尾根は)どこも難物ですよ…」
と笑いながら言う.正にその通りである.
9時16分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間12分.この頃の私の平均的ラップより4~5分速いようである.
”こりゃ…まずいな,後で失速するぞ”
<駒止茶屋>
■富士山が見える
大倉の尾根道に差し掛かる.
8時23分頃,富士山が良く見える場所に到着する.この頃手前の気が大きく育ってきたので,以前に比較すると富士山が良く見えないが,それでも枝の間から雪を抱いた富士山が見えている.早速個々でも写真を何枚か撮る.
<大倉尾根からの富士山>
■小草平(堀山の家)
8時26分,堀山の標識を通過する.
ここからしばらくは下り坂である.気持ちよく歩ける唯一の場所である.下り坂が終わってから,少しの間,登り返しがある.この登り返しに入ると,とたんにしんどくなる.
上り坂をあえぐように登って,8時33分,小草平に到着する.小草平にある堀山の家はまだ開店していない.堀山の家の軒に吊してある温度計はプラス0.5℃を指している.
大倉からの所要時間は1時間31分.たった1分とはいえ,目標の1時間30分は実現できなかった.
小草平からも富士山が良く見えている.早速,ここからの富士山の眺めデジカメに記録する.
小草平でも休憩は取らずに,そのままゆっくりペースで登り続ける.
<小草平からの富士山>
■萱場平
やっぱり,体が疲れているようである.
小草平を通過してから,今日の私の体調が優れないことを再確認する.とにかく足が重い.沢山の登山者に追い越されながら,8時56分,ようやく萱場平に到着する.
冬の柔らかい日差しが,萱場平に降り注いでいる.ここで後から来たKIさん,MTさんに追い抜かれる.私が萱場平の写真を撮っている間に,お二人の後ろ姿は視界から消える.
<萱場平>
■花立階段下からの富士山
9時06分,階段道を登っているときに,1台後のバスで来られたMGさんが私に追いつく.
「…後ろにには常連は居ないですよ.途中で下山するみたいです…」
とのこと.
MGさんの後ろ姿がだんだんと遠くなっていくのを見ながら,重い足を引きずって登り続ける.とはいえ,途中で登山を打ち切って下山しようという気持ちはさらさらない.足取りは遅いながらも,もちろん塔ノ岳山頂までは登るつもりである.
9時16分,花立階段下に到着する.
ここからも,富士山が良く見えている.当然写真タイムである.ここで富士山の写真を何枚か撮る.
<花立階段下からの富士山>
■花立階段
9時16分,花立階段を登り始める.
つい数年前までは,花立階段を7分程度で登っていたが,今はとても,とても,…7分では無理.何人もの登山者に追い抜かれながら登り続ける.
もっとも,階段道で追い越して行った大半の方は,花立山荘前で休憩を取るので,花立山荘で休憩を取らない私とどっちが速いかは良くわからない…が,とにかく沢山の方に追い抜かれる.
とにかく花立階段にはウンザリ.
<長くて単調な花立階段>
■花立山荘
花立階段を要止む登り切って,9時25分,ようやく花立山荘に到着する.後七分坂(花立階段のこと)を9分掛けて登ったことになる.
大倉からの所要時間は2時間23分,我ながら冴えない所要時間である.なお悪いことには小草平から52分も掛かっていることである.これは明らかに後半バテの典型例である.
花立山荘の気温はプラス5℃.
富士山の写真を撮っただけで休憩は取らずに登り続ける.
<花立山荘からの富士山>
■鍋割山稜と富士山
花立山荘から先の階段道が,私にとって一番嫌なところである.そこを何とか登り切って,見晴らしの良いガレ場にはいる.ここまで来ると富士山,越前岳,鍋割山稜などの風景が開ける,実に素晴らしい眺めである.この眺めに接すると気分も最高になる.
ここまで登るとラップタイムなどは二の次.素晴らしい風景を何枚となくデジカメに収めながら登り続ける.
<鍋割山稜と富士山>
■花立山山頂
写真を撮りながら登り続けて,9時37分,花立山山頂に到着する.
富士山だけでなく南アルプスの山々もとても良く見えている.この風景こそ冬の季節の貴重な贈り物である.なんとも表現できない壮大さ,気高さ,この景色に接すると苦労して登ってきた階があったなとつくづく思う.
花立山山頂で,しばし写真タイムである.
<富士山と南アルプス>
■金冷シ
9時44分,馬の背で下山してくるチャンピョンとすれ違う.
「やあ,やあ,FHさんですね…」
と何時ものように挨拶.
9時44分,金冷シを通過する.
”急げば10時前に塔ノ岳山頂に到着できるな…”
と一瞬思ったが,
”何も無理をすることもないな,…オマエ,自分の年を考えろ…”
という天の声がどこからともなく聞こえてくる.
それに今頑張ってしまったら,下りが大変である.”自重だ”,”自重.”
私は邪念を振り落とすように,さらにユックリと登ることにする.
何人かの登山者に追い抜かれながら,シンドイ思いで登り続ける.
金冷シから2番目の階段を3分の2ほど登ったところで,下山してくるMGさんとすれ違う.
「…山頂は素晴らしい天気ですよ.是非,見てらっしゃい」
という励ましの言葉を受けて登り続ける.
山頂直下の木道で下山してくるHIさんとすれ違う.私は,
「…シンドイですね.やっとここまで来ました…」
と半ば愚痴りの挨拶,
「くれぐれも気を付けて…」
というお返事を頂戴する.
■塔ノ岳山頂
10時06分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は3時間04分.ついに2回連続して3時間をオーバーした…が,これが今の私の現実の姿だ.過去の記録ばかり追う勿れ.
”ありゃまあ…金冷シから19分も掛かっているぞ…これはいくら何でもだらしなかったナ”
とチョッピリ反省.
山頂は沢山の登山客で賑わっている.
尊仏山荘には私より先に山頂に到着したKIさん,MTさんが居られるだろ,私もちょっと立ち寄ろうかとも思ったが,下山にも時間が掛かるので,立ち寄らずに早々に下山することに決める.
山頂の気温はプラス3℃.ほとんど無風なので心地が良い.
相変わらす富士山や南アルプスの山々が良く見えている.
周囲の風景を一通り写真に収める.
<塔ノ岳山頂>
■バスの時間に合わせながら下山
10時14分,塔ノ岳山頂から下山開始.
今日は素晴らしい天気なので,あまり急いで下山するのももったいない.そこで,最初から大倉発13時10分のバスに乗車することに決めて,時間が許す限りユックリ減算することにする.
山頂から2番目の階段を下っているときに,何時も日曜日に登ってくるMSさんとすれ違う.
「あれ…」
私は土曜日にお会いするので一瞬驚く,
「今日は例の祝日なので…」
とのこと.
”ああ,そうだ!”
毎日が日曜日の私は,今日が天皇誕生日で祝日なことを失念していた.
10時35分,花立山山頂を通過する.
ガレ場で,登ってくるSIさんとバッタリ.3~4分雑談.
「…冬の寒い日に登ってくるのはFHさんだけ…」
とSIさんが愚痴る.
その後もごくゆっくりペースで下山し続ける.加齢とともにバランス感覚が鈍くなるという実感がある.私は転倒しないように注意しながらソロリソロリと下山し続ける.
11時25分,ようやく堀山の家に到着する.今日は堀山お家には立ち寄らずにそのまま下山し続ける.
堀山の尾根道は,気分が良いので,雰囲気を味わいながら,さらにユックリと歩く.
■予定通りのバスで帰宅
12時52分,予定通りの時間にバス停大倉に到着する.
私のすぐ後,KMさんがバス停に到着する.今日のKMさんは鍋割山山頂から北尾根を下って,塔ノ岳に登り返したとのこと.上り下りが厳しいコースである.その難コースを歩いて,この時間に下山するとは…
「FHさんは,塔ノ岳に登るの週に1回ですか?」
「いまのところ,週に1回です」
「1回では体調を維持する之困難ではないですか.私,週に2回登らないと調子が悪いです」
とのこと,
私も同様である.週に1回では,登りはじめの30分ぐらいが,とても辛く感じるのは事実である.UMさんと話をしている内に,私も早く週2回のペースにしなければダメだなと思い始める.
予定通り渋沢13時10分発のバスに乗車する.バスはそれなりに混雑する.
渋沢発13時32分快速急行小田原行に乗車する.小田原での接続も良く14時30分頃,大船駅に到着する.
8日ぶりの塔ノ岳詣では,少々シンドかった.
<ラップタイム>
7:02 大倉歩き出し
7:25 観音茶屋(7:36まで衣服調整)
7:42 見晴茶屋
8:16 駒止茶屋
8:33 堀山の家
9:37 花立山荘
9:45 金冷シ
10:06 塔ノ岳山頂着
10:14 〃 発
10:28 金冷シ
10:42 花立山荘
11:25 堀山の家
11:46 駒止茶屋
12:14 見晴茶屋
12:31 観音茶屋
12:52 大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1,269m
■上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:02
塔ノ岳山頂着 10:06
(所要時間) 3時間04分(3.07h)
水平歩行速度 7.0km/3.07h=2.29 km/h
登攀速度 1,269m/3.07h=413m/h
■下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 10:14
大倉着 12:52
(所要時間) 2時間38分(2.63h)
水平歩行速度 7.0km/2.63h=2.66
下降速度 1,269m/2.67h=475/h
(おわり)
「丹沢の山旅」(塔ノ岳)の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ed82925bfe31ede47c71b6b7aa85e36c
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
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