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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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紅葉とネコとリンドウの丹沢;塔ノ岳(今年32回目)

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                            <馬ノ背付近から蛭ヶ岳を望む>

      紅葉とネコとリンドウの丹沢;塔ノ岳(今年32回目)
              (単独山行)
         2017年10月8日(日) 曇り

■月影を踏んで…
 昨日(10月7日)は,明け方まで本格的な雨,残念ながら,毎週土曜日に登っている塔ノ岳は一日延期して,今日(10月8)登ることにする.
 何時ものように4時10分に自宅を出発して大船駅に向かう.昨日までの肌寒い毎日と違って,今日は朝から気温が高いようである.
 西の空に満月に近い月が煌々と輝いている.早速カメラを固定して月の写真を撮ってみる.電線が邪魔だ.
 何時ものように大船から東海道本線下り初電熱海行電車に乗車する.車内は何時もの土曜日より大分混雑しているようである.
 電車が小田原に到着する頃,ようやく辺りが白んでくる.
 小田原で小田急電車に乗り換える.
 6時11分,渋沢駅に到着する.
 大倉行きバス乗り場へ.前から6~7番目.何時もは1~2番目なので,今日は登山者が多そうである.
 6時45分,臨時バスが出る.乗り合わせた常連は毎日登山のTGさん,KMさん,YSさん,HMさん他.バスは6時55分頃,大倉に到着する.

<西の空の月>

■登山道が濡れている
 7時02分,大倉から歩き出す.
 歩き出しはやけに足が重い.歩き出してすぐにTGさん,YSさん,YDさんに追い抜かれるが,とてもではないが,追いついていけない.みるみるうちに皆さんとの距離が開いていく.とくに歩き出してすぐの坂道は舗装道路ながら私にはとてもきつく感じる.まるで喘息にでもなったかのように気管支辺りがゼエゼエしてくる.
 ”これはもうゆっくり歩くしかないな…”
ということで,体が馴染んでくるまで,歩行速度を極力落として,ゆっくり,ゆっくりと登る.
 7時09分,漸く登山口を通過する.前方には五山客が列をなしえいる.今日は何時もの休日より大分登山客が多そうである.
 9時14分,克董釜の前を通過する.そして礫が敷き詰められた登山道へ.昨日までの雨のために石が濡れていて滑りやすくなっている.一歩一歩足が取られるような感じがして,なかなか思うように歩けない.

<登山口>

■観音茶屋
 7時27分,観音茶屋に到着する.まだ茶屋は開店していない.大倉から歩き出して,もう25分も経過している.
 ”今日は調子が悪いな…”
と自己判断する.
 ここから先は濡れたジグザグ道である.まだ,山ヒルの生息地内である.なるべく登山道の真ん中を歩くように注意しながら登り続ける.

<観音茶屋>

■見晴茶屋
 7時32分,大倉高原山の家分岐を通過する.何時もならばこの辺りで調子が良くなるはずだが,今日はまだ体が重い.それに夏のように蒸し暑い.体はまだまだ重いままである.
 7時46分,ようやく見晴茶屋に到着する.
 2~3日前の天気予報では,今日は行楽日和だといっていたのに,実際は雲がとても多い.

<見晴茶屋からの眺望>

■見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.
 例によって,階段下から坂を見上げた写真を撮る.沢山の登山者が数珠つなぎになっている.これでは帰りの混雑が思いやられる.
 ここまで来ても私の体調はまだ重い感じが取れない.階段をゆっくり,ゆっくりと登り続ける.
 ”今日は山頂まで登らずに,途中から下山するかな…”
 私は何時もより消極的である.

<見晴階段>

■一本松
 見晴階段を何とか登り切って,モミジ坂に差しかある.ここも結構長い登り坂である.
 登山道周辺の木々が少し色づき始めている.紅葉が見頃になるのはいつ頃だろうか.
 8時07分,やっと一本松を通過する.大倉から歩き始めて,1時間05分経過している.
 ”こりゃ駄目ダ! 今日は3時間以内に塔ノ岳山頂に到着するのは無理だ…”
 
<一本松>

■駒止茶屋
 駒止階段を登る.
 何時の間にか,体調がまあまあの状態になっている.歩き出してから続いていた足の重さも感じなくなっている.やっと体が山に順応してきたようである.
 8時20分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間18分.最近の数回の兵刃所要時間より3分ほど余計に掛かっているが,やむを得ないなと思いながら堀山の尾根道に入る.
 尾根道から木々の間を通して表尾根の山々が見えている.透明感のある美しい風景である.

<表尾根の山々>

■残念ながら富士山は見えない
 8時27分,富士山が見える場所に到着するが残念ながら,今日も富士山は雲の中である.
 空にはいかにも秋らしいちぎれ雲が湧いている.今朝方の雨のために,雲の間の青空が実に美しく見えている.富士山は見えないものの,ここで数枚の写真を撮る.
 8時30分,堀山の標識を通過する.ここから暫くの間は緩やかな下り坂である.ここは快調に飛ばす.

<秋の空>

■堀山の家
 坂道を登り返して,8時39分,ようやく小草平に到着する.大倉からの所要時間は1時間37分.できれは1時間30分で登りたいところである.
 堀山の家のオヤジ殿が,ベンチに座っている.めざとく私を見つけて,
 「オハヨウ…」
と声を掛けてくれる.
 私より一足先に到着した三角髭のTDさんが,ちょっと離れたところに座っている.
 「今日はヘトヘト,(ここまで)1時間37分もかかっちゃいました…」
と愚痴る.すると,
 「速いよ…」
と意外な言葉がオヤジ殿から帰ってくる.TDさんはニヤニヤしておられる.
 TDさんに,
 「山頂まで行かないんですか?」
と伺う.
 「今日はここまでですよ…」
と笑っている.
 私はTDさんという目標を失ったようなガッカリ気分にちょっとなるが,
 「では,私,ゆっくり登ってきます…」
ということで,小草平から先の坂道を登り始める.
 堀山の家の寒暖計は19℃を指している.今日は夏を思わせるほど蒸し暑い.

<萱場平>

■萱場平
 急坂が連続する.蒸し暑い.
 せっかく正常に戻った体調を維持したいので,登る速度を抑えて一歩一歩丁寧に登り続ける.
 下を向いて登っていると,いきなり,
 「やあ,FHさん」
と呼び止められる.久々のKSさんである.
 「山頂の気温は11℃でしたよ…」
 一瞬止まって握手したら,私のすぐ後ろを歩いている男性から,
 「途中で止まるなよ…」
と叱られる.
 ごもっとも!
 でも,前の人とぴったり付いて歩かないで,もう少し間隔を開けて歩いてくれよ…とも言いたい.
 戸沢分岐手前の坂道で,後のバスで来られたMGさんが私に追いつく.何時もは花立山付近で追い抜かれるのに…こんなに早く追いつかれたので,少々ガックリ気分である.
 9時01分,ようやく萱場平に到着する.
 萱場平から塔ノ岳山頂までは,今の私には1時間で歩くのは無理.10時10分に山頂に到着することを目途にして,登り続ける.

<萱場平>

■花立山荘
 かなりゆっくり時間を掛けて,定速で登り続ける.そのうちに何となく涼しくなり汗も引っ込む.
 9時14分,花立階段の少し下で,下山してくるチャンピョンとすれ違う.
 「やあFHさんですね…写真撮るかい…」
ということでポーズを取ってくれる.
 「では…」
ということで,チャンピョンの写真を撮ったが,不特定多数の方が見に来られる可能性があるブログに投稿するのはちょっと…と思うので掲載は見送る.
 やがて花立階段に差し掛かる.ここも無我の境地,というか惰性で何も考えずにひたすら登って,8時29分に花立山荘に到着する.
 何時の間にか上空に黒い雲がかかっている.どうやら雲の中に入ったようである.もちろん富士山はおろか隣の鍋割山稜も雲の中である.
 花立山荘での気温は21℃.やっぱり夏並の高温である.
 大倉からの所要時間は2時間20分.4~5年前の私ならそろそろ塔ノ岳山頂に到着している時間である.
 山荘前のベンチは若い登山者で一杯である.

<花立山荘>

■花立山
 花立山荘から先は,暫くの間,段差が大きくて,半ば壊れたような階段道が続く,私にとって,大倉尾根でこの辺りが一番嫌なところである.とにかく,ひたすら階段を上り続けるしかない.階段が終わりとザレ場になる.ここまで登ると見晴らしが開けて,風通しも良くなり,辺りの風景が一変する.ホッとする瞬間である.
 9時40分,花立山山頂を通過する.鍋割山稜方面は濃い霧がわき上がっていて,何も見えないが,塔ノ岳山頂だけは浮島のように雲の中に浮かんで見えている.
 ここまで登るとさすがに涼しくなる.したがって気分も爽快になる.

<花立山>

■馬瀬付近の紅葉
 馬の背に差し掛かる.
 登山道周囲の木々が紅葉し始めている.雨上がりで空気が透明なこともあって,実に美しい.
 こうなったらラップタイムもヘッタクリもない,紅葉し始めた風景を気が済むまで撮りながら,そぞろ歩きを続ける. 私が写真を撮っていると,後ろから来た人が立ち止まって,
 「綺麗ですね…」
と言いながら,私と並んで写真を撮る.

<馬瀬付近の紅葉>

■一瞬の光景
 一瞬霧が晴れる.霧の向こうに鍋割山稜の山腹が見える.
 すかさず写真を撮る.その直後,ふたたび霧が掛かって,鍋割山稜も見えなくなる.

<霧の中の鍋割山稜>

■金冷シ
 9時47分,金冷シを通過する.あと山頂まで約15分だ.
 最初の長い階段を上り続ける.体調は回復している,いつも通りの歩行速度で登り続ける.
 9時52分,山頂直下で視界が開けるところで,霧と紅葉の向こうに蛭ヶ岳が見えている.もちろんここで立ち止まって何枚かの写真を撮る(冒頭の写真).

<金冷シ>

■塔ノ岳山頂
 金冷シから2番目の階段を上り切ったところで下山してくる女性韋駄天のYDさんとすれ違う.さらに山頂の木階段の下で,TGさんとすれ違う.
 10時06分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は22℃.ただし,山頂のポールの裏に取り付けられている温度計は幾分高めの温度を示しているようである.いずれにしても真夏顔負けの高温である.
 萱場平手前で私を追い越していったMGさんが丁度下山しようとしている.もう一人,YDさんも…
 山頂は分厚い雲の中である.辺りの風景は全く雲の中.残念.
 大倉からの所要時間は,案の定,3時間03分.たった3分だとはいえ,3時間が切れなかったのは残念だが,今日の体調を考えたら,まあ,こんなものだとあきらめるしかない.

<塔ノ岳山頂>

■早々に下山開始;リンドウに癒やされる
 10時12分,下山開始.一人旅である.
 途中で同じ臨時バスに乗っていた人達と次々にすれ違う.今日は登山者が多いので,登ってくる人とすれ違うのに苦労する.
 途中で写真を撮りながら,気ままに下山し続ける.
 花立山を通過して,花立山荘に向かう.途中,岩の割れ目に咲くリンドウに気がつく.いくら花オンチの私でも,リンドウのかわいさには敵わない.立ち止まって,数枚の写真を撮る.

<岩の割れ目のリンドウ>

■花立山荘を通過
 10時28分,花立山荘に到着する.念のため,花立山荘の温度計をもう一度見る.18℃である.
 花立山荘前の広場はあふれんばかりの登山者である.大げさに言えば登山者をかき分けるようにして花立階段に差し掛かる.連続して登っている登山者とすれ違いながら(すこしイライラしながら),下山し続ける.
 萱場平の手前で先に下山開始したYSさん,TGさんに追いつく.
 お二人より先に行かせて貰う.
 10時55分,萱場平を通過する.

■堀山の家でちょっと休憩
 11時11分,小草平に到着する.大倉発12時40分のバスにはまだ時間の余裕がある,ちょっとだけ堀山の家に立ち寄ることにする.
 「あ~ら…FHさん!」
と堀山に家の女主人が私を迎え入れる.
 「何か冷たいものをお願いします…」
ということで,250円也のサイダーを頂戴する.
 おまけに冷たいゼリーが入ったもの(写真参照)を頂戴する.
 「…今日は,山頂まで3時間03分も掛かっちゃいました…3時間をオーバーしちゃいましたよ」
と愚痴る.
 すると,女主人とオヤジ殿が,すかさず,
 「速いよ…」
と言う.意外な反応出る.
 「私なんか4時間かかりますよ…」
と女主人.
 要するに所要時間なんで人それぞれなんだなと改めて思う.毎年所要時間が3分ずつ遅くなり私には,3時間も掛かるのは耐えがたい屈辱なのだが…
 私が道草をしている間にYSさん,TGさんが堀山の家の前を通過する.
 11時17分,堀山の家を出発する.

<堀山の家で休憩> 

■克董釜のネコ
 どうやら,大倉発12時40分のバスには悠々間に合いそうである.
 ”ならば,そう急ぐこともあるまい…”
ということで,ごく普通の速度で下り続ける.
 堀山の尾根道で,再びTGさんに追いつく.
 11時31分,駒止茶屋を通過する.駒止階段を下ったところで,YSさんに追いつく.
 その後も,全く一人旅を続ける.
 12時10分,観音茶屋に到着する.本当はちょっとだけ立ち寄りたかったが,時間がないので,
 「…スミマセン,今日は失礼します…」
と観音茶屋の女主人に挨拶して通過する.
 12時21分,克董釜で飼いネコに会う.何年ぶりかの再会である.毛並みの良い可愛いネコである.
 ”克董釜のネコに会えるなんて,ラッキーだ…”
 私は大急ぎでデジカメを取り出して,ネコが逃げないうちに写真を撮る.写真を撮るタイミングが悪かったのか.ネコの表情がちょっと硬くなってしまった.でも,何年ぶりかで会ったネコが元気なのが分かっただけでも嬉しい.

<克董釜のネコ>

■無事下山
 12時30分,予定通りの時間にバス停大倉に到着する.
 水道で登山靴の泥を洗い落とした頃,バスが到着する.すぐにバスに乗車する.
 渋沢発13時01分の急行電車小田原行に乗車する.小田原で上の東京ライン篭原行の電車に乗車する.席に座って程なく,睡魔が襲う.ウトウトしながら,寝過ごすこともなく大船で下車する,自宅近くを通るバスも接続が良くて.14時30分頃,無事,帰着する.
 私が帰宅すると,ほぼ同時に,長男が孫娘を伴ってわが家にひょっこり現れる.今夜は孫娘と一緒の夕食である.ばあさんが張り切っている.
 夕食が終わる頃,不意に次女一家が,どこかからの帰りだということで,ひょっこり立ち寄る.我が家の駐車場が満杯になり慌てる.
 こうして賑やかな内に今日一日も終わりである.”良かった,良かった”である.

<ラップタイム>

 7:03  大倉歩きだし
 7:27  観音茶屋
 7:47  見晴茶屋
 8:20  駒止茶屋
 8:39  堀山の家
 9:01  萱場平
 9:29  花立山荘
 9:47  金冷シ
10:06  塔ノ岳山頂着
10:12    〃    発
10:22  金冷シ
10:38  花立山荘
11:11  堀山の家(11:17まで雑談・休憩)
11:31  駒止茶屋
11:56  見晴茶屋
12:10  観音茶屋 
12:30   大倉着

[山行記録]

■水平歩行距離        7.0km(片道)

■累積登攀下降高度     1,269m

■上り所要時間(休憩時間込み)
  大倉発             7:03
    塔ノ岳山頂着         10:065 
    (所要時間)         3時間03分(3.05h)
  水平歩行速度      7.0km/3.05h=2.30km/h
  登攀速度         1,269m/3.05h=416m/h

■下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳発            10:12 
    大倉着            12:30
   (所要時間)         2時間18分(2.30h)
 水平歩行速度      7.0km/2.30h=3.04km/h
  下降速度         1,269m/2.30h=551/h
                                                                                  (おわり)
「丹沢の山旅」(塔ノ岳)の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/72b1ce7b44ccb7d200d6e8335e79f409
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)


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