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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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秋の虫が鳴きはじめたが,まだ蒸し暑い丹沢;塔ノ岳(今年29回目)

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                               <馬瀬付近の秋の色>

   秋の虫が鳴きはじめたが,まだ蒸し暑い丹沢;塔ノ岳(今年29回目)
               (単独山行)
        2017年9月9日(土) 晴(山は濃い霧)

■真っ暗な朝,コーロギが啼いている
 ピレネー山脈の旅から帰国して,もう1週間にもなるのに,私はまだ時差惚けから完全には回復していない.このところ,真夜中の11時頃,目がらんらんと冴え渡る.もう少し眠らなければと焦るがどうにもならない,
 ”どうにも,仕方がないな…”
と観念して1時頃起床してしまう.
 ところが,5~6時頃になると無性に眠くなる.でも朝食のリズムを崩してはいけないので,何時もの通りの時間に朝食を摂る.ここまでは良いのだが,朝食後,暫く経つとまた無性に眠くなり,気がつくと10時頃から12時頃まで,居眠りをしている.そして,午後になっても頭がさえてこない.こんな毎日をこのところ繰り返している.
 さて,今日は土曜日.
 ここ数日,スッキリしない天気が続いていたが,今日の土曜日から月曜日までの3日間の天気予報は晴れというお墨付きである.もちろん,今日の天気予報は晴れ.ならば躊躇せずに塔ノ岳詣でだ.
 ところが,昨夜は21時頃やっと眠りについたが,23時半頃,目が覚めてしまう.”もう少し眠らなければ山へ行けないぞ…”ということで敢えて眠ろうとするが,どうもうまくいかない.そのうちに悪夢を見ながらほんの一時ウトウトとするが,2時半頃,堪らず起きてしまう.
 ”寝不足なまま塔ノ岳はちょっとまずいな…”
と思ったが,何時も通り4時10分に自宅を出発する.
 もうすぐ秋分の日である.このところ日ごとに夜明けが遅くなる.ついこの間までは,この時間でも薄明るくなっていたが,今日はまだ真っ暗である.
 今日は天気が良いはずだが,路面がベタベタに濡れている.見上げると一面の曇り空である.僅かな雲の切れ目から星が弱々しく見えている.足下の草むらからコーロギの啼き声が聞こえてくる.もう秋だなと思いながら,山を下って大船駅へ向かう.

■臨時バスが出る
 大船から小田原を経由して小田急線渋沢駅へ向かう.
 途中,富士山と矢倉岳が重なって見えるのを楽しみにしていたが,今日は分厚い雲がかかっていて富士山はおろか矢倉岳の山頂付近も雲の中である.天気予報では”今日は秋らしい晴れの一日になる”って言っていたのに…
 6時12分,渋沢駅に到着する.私が大倉行きバス停に一番乗りである.
 バス停で,暫く待つ間に,最初に現れた常連がYSさん.続いて毎日登山のTGさん,俊足のKMさんが列に並ぶ.小田急線の下り電車が到着する度に,バス待ちの行列がどんどんと長くなる.
 6時38分,臨時バスが出る.定期のバスの10分前である.10分でも早ければ,それだけゆっくり登山ができるのでありがたい.バスは6時53分に大倉に到着する.
 そそくさと準備を終えて,6時58分に大倉から歩き出す.もちろん単独行である.
 私は歩き出しのダッシュが利かないので,何時ものようにノソノソとごく低速で歩き始める.たちまちのうちに何人もの登山者に追い抜かれる.歩き出してまもなく,YSさん,TGさんに追い抜かれる.
 TGさんが追い抜きざまに,
 「今日はちょっと風が吹いていますね…」
という.
 確かに微風が吹いている.まだ蒸し暑いとはいえ,一時期の地獄のような蒸し暑さに比べれば大分マシになったようである・

■見晴茶屋
 7時24分,観音茶屋を通過する.路面が濡れている.一人旅が続く.
 沢山の若者に追い抜かれながら,ジャストマイペースで登り続ける.路傍の草むらから秋の虫の啼き声が聞こえてくる.
 雑事場ノ平の手前で,先ほど私を追い抜いていったYSさんに追いつく.
 「あれっ… もう追いついたの!」
とYSさんが言う.
 私から言わせれば,私は終始〃速度で歩いているに過ぎないのに…
 9時44分,見晴茶屋を通過する.何時のように見晴茶屋から秦野と相模湾を見下ろした写真を撮る.
 今日も余り天気は良くない.陸地も海も鉛色一色になっている.


■見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.
 何時ものように階段を見上げた写真を撮る.今日もまた,沢山の登山者の後ろ姿が写っている.この階段で頑張っちゃうと後が続かなくなるので自制しながらゆっくり,ゆっくり登り続ける.
 大倉付近では少し風が吹いているような気がしたが,見晴階段を上る頃には全くの無風になっている.だから結構蒸し暑い.

<見晴階段>

■駒止茶屋
 見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる,
 歩き出しが慎重だったためか,モミジ坂は案外楽に登り切って,8時丁度に一本松を通過する.今日の大倉から一本松までの所要時間は1時間02分.1時間は切れなかったが,この時期,この年齢では,まあこんなところだろう.多くは望まないことにする.
 一本松からの平坦路を終えて,駒止階段に差し掛かる.正直なところ,駒止階段を上るのはシンドイが,ナントカ登り切って,8時16分に駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間18分.せめて1時間15分ぐらいで通過したいところである.

<駒止茶屋>

■富士山は雲の中
 堀山の尾根道に差し掛かる.どうやら雲の中に入ったらしく,辺り一面に霧が掛かり始める.
 やがて,富士山がよく見えるはずの場所に到着するが,残念ながら富士山は雲の中.でも,性懲りもなく見えない富士山の写真を撮る.

<見えない富士山>

■小草平(堀山の家)
 8時25分,堀山の標識を通過する.ここからは下り坂.思い切り飛ばす.
 下り坂が終わって登り返しになる.私の歩行速度は急に遅くなる.そして,8時38分に漸く小草平に到着する.堀山の家はまだ開店していない.
 堀山の家の温度計は17℃.大きな温度計の下に丸い形の新しい温度計が取り付けられている.常連のKIさんが取り付けたのだろうか.
 大倉から小草平までの所要時間は1時間40分.遅い! 1時間30分で小草平まで登れれば御の字なのだが…
 小草平で4分ほど休憩を取る.

<小草平>

■萱場平
 小草平から先が長丁場である.焦らずにゆっくり登ろうと自分に言い聞かせる.
 今日は全くの一人旅.気楽である.せわしなく私を追い越していく若者もだんだんと少なくなる.のんびりゆっくりと登り続ける.
 8時59分,ようやく萱場平に到着する.私の前後に登山者は居ない.萱場平は静まりかえっている.

<萱場平>

■花立山荘
 いろいろと考え事をしながら,半ば自動運転のような状態で,低速かつ定速で坂道を登り続ける.もう何回も登っている道なので,足下の石ころの様子を見ているだけで,自分がどの辺りを歩いているかが分かる.
 のんびりとジャストマイペースを保てば疲労することもほとんどない.まるで機械のように同じ調子を保ちながら登り続ける.
 やがて花立階段に差し掛かる.
 花立階段を登り始めたところで,2番バスで来られたMGさんが私に追いつく.そして,ドンドンと早足で階段を登っていく.たちまちのうちにMGさんの姿は霧の中に消えていく.
 花立階段登り切る頃,階段の下の方から賑やかな女性の話し声が聞こえてくる.私は常連のNMさんだなと直感する.
 9時27分,花立階段を登り切って,花立山荘に到着する.気温14℃.
 大倉から花立山荘までの所要時間は2時間29分.
 ”こりゃあ~…! 駄目ダ! 掛かりすぎ.話にならん!”
 先ほど私を追い越していったMGさんが花立山荘のカナブン氏と雑談をしている.私は先に行かせて貰う.
 花立山荘を通過して,階段道に差し掛かったところで,NMさんが花立階段を登り切る.私の後ろ姿を見て,
 「あっ! FHさん」
と言っているのが聞こえる.もう一人の女性はどうやらTNさんのようだ.

<霧の中の花立山荘>

■花立山
 花立山荘から,暫くの間,荒れた階段道が続く.私にとって一番しんどいところである.こんなところ登るのイヤだなと思いながら登り続ける.
 階段道が終わるとザレ場になる,晴れていれば見晴らしが一気に開けるところである,でも今日は濃い霧が掛かっていて,隣の鍋割り山稜すら見えない.
 9時38分,やっと花立山山頂を通過する.ここで再びMGさんに追い抜かれる.

<花立山山頂;ごく近くの塔ノ岳も霧で見えない>

■秋の兆し
 馬の背に差し掛かる.
 周囲の木々が紅葉し始めている.いよいよ待望の秋の到来である(冒頭の写真).
 写真を撮りながら,9時43分に金冷シを通過する.

<秋の兆し>

■塔ノ岳山頂
 9時43分,金冷シを通過する.
 ここまで来れば,塔ノ岳山頂まであと僅かである.辺りの霧が一層濃くなり始める.
 金冷シから最初の階段が結構長い.続いて2番目の階段に差し掛かる.ここは大して長い階段ではないので,何となく登り切る.そしていよいよ最後の階段に差し掛かる.
 ここで下山してくるTGさんとすれ違う.
 さらに後数メートルで山頂というところで,下山してくるMGさんとすれ違う.
 「…ゆっくり下山しています…」
と私に言う.
 10時02分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は21℃.濃い霧が掛かっていて,何も見えない.写真を撮る気にならない.
 大倉からの所要時間は3時間04分.全く冴えない記録だが,致し方ない.
 山頂でリュックを下ろして一休みする.
 ちょうどそのとき,常連のNMさんとTNさんが賑やかに塔ノ岳山頂に到着する.
 お二方と立ち話をしているうちに,山頂での写真を撮る儀式を忘れてしまう.
 ”どうせ,霧で何も見えないから,まあ,イイカ”
でやせ我慢する.

■霧の中下山開始
 10時10分,下山開始.
 山頂直下の木道で,登ってくるTTさんとすれ違う.さらに,山頂直下の階段で,常連のKIさんとすれ違う.
 「何だ! 速すぎるよ」
とKIさんが言う.
 ”いえ,今日は臨時バスが出たので,何時もより10分早いんですよ”
と説明したかったが,その暇もなくすれ違う.
 相変わらす辺り一面が濃い霧の中である.

■順調に下山
 山頂から萱場平までは,浮き石の多いザレ場や危険な階段道が連続するので,特に注意して下山し続ける.萱場平まで下山すると,何時ものことながらちょっとホッとした気分になる.
 11時10分,小草平に到着する.
 堀山の家にちょっとだけ立ち寄ろうかと思って,中を覗くと,中に居たHNさんが,
 「…今,私も出ます」
という.
 堀山の女主人に,
 {スミマセン.今日は立ち寄らずに,(HNさんと一緒に)このまま下山します}
と挨拶する.
 出発間際に女主人からあめ玉1個頂戴する.
 私は,もし可能なら大倉12時39分発のバスに乗車したい.HNさんには申し訳ないが,下山速度を少し早くする.
 途中,モミジ坂でTGさんに追いつく.さらに下って,雑事場ノ平を過ぎたところでYSさんに追いつく.そして12時19分,無事,大倉に到着する.下り所要時間は2時間09分.平凡.
 山の中は濃い霧が掛かっていたが,観音茶屋付近から下では,秋のさわやかな日光がまぶしく降り注いでいる.どうやら下界は良い天気だったようである.

■一足先にミスタードーナッツへ
 大倉の待合室を覗く.
 早々と下山したMGさんが一人で食事をしている.
 MGさんにお断りして,皆さんより1本早い12時39分発のバスに乗車する.12時55分,渋沢駅に到着する.
 駅前に書店に立ち寄って,店内を一回りする.何かめぼしい本でもないかなと思いながら…
 その後,駅ビル1階のミスタードーナッツに入って,270円也のコーヒーを所望する.コーヒーを賞味しながら,30分後の次のバスで来られる常連の皆さんを待つ.

<ミスタードーナッツでホットコーヒー>
 
■今日一日も楽しかった
 次のバスでTGさん,MGさん,YSさん,HNさんがミスタードーナッツに合流する.今日は男性ばかりで静かである.コーヒーを賞味しながら,
 「そろそろ,浜ちゃんと行く大人の遠足」の秋バージョンをやろうと言うことになる.これまた楽しみである.
 私は渋沢発13時49分の小田原行急行電車に乗車するために,皆さんより一足先にミスタードーナッツを後にする.今日はコーヒーを3杯お代わりしたので,1杯当たり90円である.快感.
 今日もジャストマイペースで登山したので疲労感は全くない…が,東海道本線に乗り換えて平塚を過ぎる辺りから睡魔が襲ってくる.眠ってはいけないと思いながらも,何回も何回も眠ったり起きたりを繰り返した.でも,乗り越すこともなく無事大船で下車する.
 帰宅してからまずはシャワーを浴びてさっぱり気分になる.
 PCの電源をONにして,着信メールをチェックする.箱根をハイキングするグループのリーダーから秋のハイキング計画が届いている.
 いよいよ行楽の秋到来である.楽しい計画が次から次へと舞い込んでくる.
 今年の秋も,マゴマゴしていられないなぁ~…

<ラップタイム>

 6:58  大倉歩きだし
 7:08  観音茶屋
 7:42  見晴茶屋
 8:16  駒止茶屋
 8:38  堀山の家(8:42まで休憩)
 8:59  萱場平
 9:27  花立山荘
 9:43  金冷シ
10:02  塔ノ岳山頂着
10:10    〃    発
10:23  金冷シ
10:36  花立山荘
11:10  堀山の家
11:27  駒止茶屋
11:48  見晴茶屋
12:00  観音茶屋 
12:19 大倉着

[山行記録]

■水平歩行距離        7.0km(片道)

■累積登攀下降高度     1,269m

■上り所要時間(休憩時間込み)
  大倉発             6:58
    塔ノ岳山頂着        10:02 
    (所要時間)         3時間04分(3.07h)
  水平歩行速度      7.0km/3.07h=2.28km/h
  登攀速度         1,269m/3.07h=413m/h

■下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳発            10:10 
    大倉着            12:19
   (所要時間)         2時間09分(2.15h)
 水平歩行速度      7.0km/2.15h=3.26km/h
  下降速度         1,269m/2.15h=590m/h
                                                                                  (おわり)
「丹沢の山旅」(塔ノ岳)の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3982ac007e9ea7d38cce72f332c307a3
「丹沢の山旅」(塔ノ岳以外)の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/95d3e79ad524852d94f46fbd8949289e
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

お断り;
 これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
 また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します.




 


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