<混雑する搭乗口>
ピレネー山小屋縦走トレッキング;第1日目(1);東京(成田)空港から飛び立つ
(アルパインツアー)
2017年6月18(金)~27日(日)
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第1日目;2017年8月18日(金)
<ルート地図>
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<いよいよ旅の始まりだ>
■出かけるまでドタバタ
諺に「怠け者の節句働き」というのがある.無計画で怠惰な生活をしていると,他の人がゆっくり寛いでいるときに,ドタバタと仕事をしなければならないということである.
今日はいよいよピレネー山小屋縦走の度に出かける当日である.こんなギリギリになっても,私はまだやり残したことをせわしなく片付けなければならない.
”もっと,すべてを計画的にしておけば良かったのに…”
私は天ならぬ天井を仰いでため息をつく.いくらやり残したことでも自分が困るだけで余所様に迷惑が掛からなければ,まあ,なんと言うことはない.自分だけ後でシンドイ思いをすれば済むからである.
先日の山旅スクール5期同窓会で,私は浅間山麓の旅を計画することになっていた.私はぎりぎりになって,やっとこさ資料類を集めて,取りまとめ役のKGさんに,
「私,これから旅に出るので,下打ち合わせの日時を決めてください…」
という趣旨のことを携帯メールでお願いする.
そのあと,2~3回,今度の旅に持参する荷物を出したり入れたりで,何がどこに入っているかを確かめながら慌てる.毎度のことながら全くイヤになる.
何時ものように,早朝3時に起床したが,ゴチャゴチャといろいろなことをしているうちに,あっと言う間に昼食の時間となる.
かみさんと2人で,そそくさと昼食を済ませる.
■東京(成田)空港へ
14時30分,家内に,
「…じゃあ,行ってくるよ…」
と一言だけ言い残して,自宅を出発する.
私は,無事に旅が終わらなければ,これが最後の別れになるかもしれないなとフト思う.
なにせ,旅行日程の最後の日には,つい先日テロがあったバルセロナのナントカという通りを訪れることになっているし,いくら夏山とはいえ,アイゼンを持ってこいと言われるほどの残雪の山道を歩くことになっている.大丈夫かなと心配になる.
本当は自宅近くのバス停からバスを利用して大船駅まで出たいが,なにせ小さななバスに大きな荷物をもって乗り込むのは気が引ける.そこで,自宅から約700メートル離れた湘南モノレールの駅まで,大きな荷物をゴロゴロと引きずって行く.湘南モノレールに乗って,14時49分に大船駅に到着する.
私は大船駅から成田空港第二ビル駅まで普通列車のエアポート成田で行くつもりである.生来ドケチな私は成田エクスプレスはなるべく使いたくない.どうせ時間は余っているんだから…その代わりに,グリーン券を買って,エアポート成田を利用することにしている.
大船15時23分発エアポート成田のグリーン車に乗車する.車内はガラガラ.でも東京駅を過ぎる頃にはグリーン車もほぼ満席になっている.
<大船から成田第2ビルまでの乗車券とグリーン券>
■美しい田園風景
16時12分,東京駅を発車する.
列車は江東地区の住宅密集地を抜けて千葉駅に到着する.ここから先,しばらくの間,新興住宅地が次々に現れる.
17時11分,佐倉駅に到着.後から来た成田エクスプレスに追い抜かれる.
その後,車窓から美しい田園風景が広がっているのが見える.正に瑞穂の国である.私はそれほど頻繁に海外へ出かけているわけではないが,それでも海外から帰国する度に日本の田園風景が箱庭のように美しいことに気づかされる.
”ひょっとしたら,これが見納めになるかもしれないな…”
と思いながら,車窓を流れる風景を見続ける.
<美しい田園風景>
■成田第2ビル駅到着
17時43分,成田第2ビル駅に到着する.
重い荷物を引きずってホームに降りる.ホームは東京方面へ向かう上り列車を待っている乗客で賑わっている.それも過半数が外国人のようである.
”もう,ここは日本ではないな…”
と緊張する.私は,
”ちょっと物騒だな…”
と構えるが,これはあくまで私の主観である.
<東京(成田)国際空港>
■円をユーロに交換
集合場所に行く前に,円を少しばかりユーロに換えておこうと思う.
手っ取り早く帰られる場所は,改札口を出たところにある両替所だが,今の時間帯が混雑するのか,10人ほどの待ち行列ができている.
”や~めたっ~と…!”
私は行列の後に付くのが嫌いなので,ここでの両替はパス.とりあえずは,エスカレーターを使って,3階(だったかな?)の出発ロビーまで上る,
予想通りに,3階の交換所はガラガラに空いている.
まあ,とりあえずは1万円だけユーロに買えれば十分だろう.
本日の円→ユーロの交換レートは,
1ユーロ=131.82円
従って,
9,886円→75ユーロ
だけ交換する.
内心では,
”交換レートは余り良くないな…”
と思っている.
でも,ヨーロッパに行ってから,円をユーロに交換すると,一段と悪いレートにしかならないのは自明である.
■まず夕食はネギトロ丼
集合時間は19時30分である.まだ時間は十分にある.
とりあえずは,どこかで夕食を済ませようと思う.それも余り高いところには入りたくない.空港内の商店街をぐるぐると回る.
牛丼屋がある.値段は手頃だし,丼物は好物でもある.でも,店先に外国人が沢山集まっていて,何となく鬱陶しい感じがする.せっかくの夕食なので,落ち着いて夕食を楽しみたいなと思う.
探し回った結果,ROYALというお店に入って,ネギトロ丼,1,080円也を注文する.
お店の静かな雰囲気が気に入った.ゆっくり落ち着いて食べられるのが何よりである.私のはす向かいに某大国の方が3人,先客として居られる.彼らは食事が終わると,食器類を乱雑に散らかしたまま店を出てしまう.店内には,
「用済みの食器はこちらの棚に返却してください」
と大きな字で注意書きが出ているのに…
”郷に入ったら郷に従え”
些細なことだが,私は内心でちょっと憤慨する.
<私が注文したネギトロ丼>
<搭乗手続きとイミグレーション>
■まずは搭乗手続き
18時50分,夕食を終える.
まだ集合時間まで大分余裕があるが,そろそろ集合場所へ行こうかと思う.
集合場所の手前で,今回のツアーリーダーのHDさんとばったり出会う.今回のツアー参加者の男性を1人伴っている.
「…丁度良いところで会いました,搭乗手続きをしてしまいましょう…」
とのこと.
私もこの男性と一緒にHDさんの後に続く.
窓口はそれほど混雑していないので,スムーズに搭乗手続きを終える.ドバイまでの航空券,およびドバイからバルセロナまでの航空券の2枚と,預け入れた荷物の引換券を貰う.
■結団式
搭乗手続きを終えて集合場所へ戻る.
集合時間までには,東京(成田)から登場するメンバーの搭乗手続きがすべて終える.
HDさんから改めて挨拶がある.
「…今回のツアー参加者は全部で11名です.東京からの参加者は皆様7名です.トランシットするドバイで大阪から来られる4名の方と合流します.全員が揃ったところで,もう一度結団式をしますが,とりあえずは,東京出発の方々の初顔合わせとして,住所とお名前程度で自己紹介をお願いします…」
とのこと.
東京(成田)からの参加者は名簿順に,
UDさん 女性 埼玉県
UMさん 〃 静岡県
EMさん 男性 神奈川県 (ガルホネッケンで一緒だった)
FH 〃 〃
IBさん 女性 埼玉県 (グランドキャニョン谷底で一緒だった)
MKさん 男性 千葉県
参加者6人のうち,2人が旧知の間柄だったとは,これには驚いた.
■セキュリティチェックと出国審査
20時頃,セキュリティチェックを受ける.年々,セキュリティチェックが厳しくなるように思えるが,このご時世だから致し方ないだろう.
続いて,出国審査.
これも,あっさりと通過する.
トランシットするドバイ行飛行機の搭乗口は66番ゲートである.搭乗開始は21時15分.まだ,まだ時間があるが,特に買い足したいものもないし,いろいろと歩き回るのも面倒なので,搭乗ゲートへ直行する.そして,登場時間が来るまで,椅子に座ってぼんやりと過ごす.
登場時間が近づくと,待合室がだんだんと混雑してくる(冒頭の写真).それにしてもおびただしい人数の人が待っている.何百人か知らないが…
これだけ沢山の人を一度に運んでしまうとは…全くもって驚きである.
ドバイ行の飛行機に搭乗する人は概して大柄で浅黒い.私ごときひ弱な体格の人間は,辺りの雰囲気に何となく威圧されてしまう.正直,怖い.
<東京(成田)空港を離陸>
■漸く搭乗
私の席は59E.後ろの方である.従って搭乗の順番もビリッカス.
搭乗待合室がガラガラになりかける頃,漸く搭乗の順番が回ってくる.飛行機の一番前から乗り込む.ゆったりとしたファーストクラスを抜けると,ゴミゴミとしたエコノミークラスの客室になる.座席番号を眺めながら,
”もっと後ろだ,もっと後ろだ…”
と思いながら,やっと自分の席にたどり着く.
幸いなことに私の席は通路側である.私の隣の席は幸いなことに空席になっている.ラッキー.この空席の隣には若い日本人が座っている.私は何となく”良かった…!”という気分になる.
■居眠りをしているうちに飛び立つ
私たちが搭乗した飛行機は22時00分に東京(成田)空港を飛び立つことになっている.ところが時間になっても一向に動き出す気配がない.
”どうしたんだろう…”
この頃,飛行機のアクシデントを良く耳にするので少々心配になる…が,何となく眠くなり,何時しかぐっすりと寝込んでしまう.それもそのはず,私はほぼ毎日20時30分頃には就寝してしまうからである.
どれほど時間が経ったのだろうか.22時35分,私は,「…ゴウゴウ」という遠くの他機のような音が突然聞こえだしたので,ビックリして目を覚ます.すでに私たちを乗せた飛行機は,東京(成田)空港を飛び立って,まもなく水平飛行に移るところのようである.
自称,「メモ魔」の私も,ついつい居眠りをしていて,肝心のテークオフの時間を記録することができなかった,ちょっと悔しいがやむを得ない.
座席の前のモニターを弄ってみる.最初はどこをどう操作すれば良いのか混乱するが,すぐに馴れる.パネルをゴチャゴチャと押していると,モニターに地図が映る.この地図を見ると,飛行機は名古屋上空を飛んでいるようである.
まだ空の旅が始まったばかりである.
これからドバイまで,実に長い空の旅が始まる.
<モニター画面;駐機中の画面>
(つづく)
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(執筆中)
「ピレネー山小屋縦走トレッキング」の目次
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「ピレネー山小屋縦走トレッキング」の索引
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