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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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富士山の眺望と緑陰を楽しむ丹沢;塔ノ岳(今年20回目)

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                          <塔ノ岳山頂から富士山を望む>

    富士山の眺望と緑陰を楽しむ丹沢;塔ノ岳(今年20回目)
                     (単独山行)
          2017年6月10日(日) 晴れ

■朝から富士山が見える
 つい2~3日前,関東地方も梅雨入りをした.ところが,昨日辺りから梅雨の中休み.天気予報によると.今日は.日中,東京の気温は30℃を超え,蒸し暑い1日になると報道している.
 私は,熱中症に気を付けなければと思いながら,何時ものように4時10分に自宅を出発する.蒸し暑くなるのを想定して,早朝から薄着のまま家を出たが,さすがに夜明けの時間は,薄着ではちょっと寒い.こんなときは歩行速度を汗ばむ程度に速めるに限る.
 歩行速度を速めた結果,何時もより2~3分早めに大船駅に到着する.辺りはすっかり明るくなっている.
 何時ものように大船5時10分発東海道本線下り初電に乗車する.何時もの土曜日と比較すると,車内は少し空いているようである.
 小田原で小田急線新宿行急行電車に乗り換える.
 何時ものように,車窓から富士山と矢倉岳が重なる瞬間の写真を撮る.富士山の山麓に雲が湧いているが.上空は良く晴れている.
 6時11分,渋沢駅に到着する.すぐに大倉行バス停に並ぶ.前から4人目.先頭は常連のYSさんである.
 下り電車が到着する度に,バス待ちの行列が長くなる.
 6時40分,大倉行の臨時バスが出る.バスは満員.YSさん,毎日登山のTGさん,KMさん,AKさん,IIJさん,ISIさん,IWIさん,それに珍しく三角髭のTDさんなどの常連の顔も見える.

<富士山と矢倉岳>

■日の当たる坂道
 6時58分,大倉から歩き出す.気楽な独り旅.
 今日の目標は安全第一で登れるところまで登るに尽きる.ハイドレーションシステムを使っているので,15分に1回程度の頻度で1~2口の水を飲むように心掛ける積もりである.
 例によって歩き出しは超ノロノロ.歩き出しから9分掛けてやっと登山口に到着する.
 昨日の朝まで降っていた雨で,路面が濡れているのではないかと心配したが,まあ,まあ,良く乾いている.
 ”この状態ならば山ヒルは大丈夫そうだな…”
 山道に入って間もなく,TGさん,ISIさん,AKさんが私に追い付く.私がISIさんと雑談をしている間に,TGさんが私たちを追い抜いていく.
 7時12分,丹沢ベースを通過する.やがて石を敷き詰めた道が終わり,日の当たる坂道に入る.今日も木立の間から日が射し込んでる.
 7時28分,観音茶屋を通過する.

<日の当たる坂道>

■見晴茶屋からの眺望
 7時43分,見晴茶屋に到着する.
 茶屋前から相模湾を望む.水蒸気が湧き上がっているためか,風景が少し望洋としている.
 ”これから暑くなりそうだな…”

<見晴茶屋から秦野を望む>

■見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.ここで何時ものように坂を見上げた写真を撮る.
 今日も,点々と続く登山者の後ろ姿が見えている.
 坂道の右手から,眩しい陽光が射し込んでいる.頭上は木の葉の緑で覆われている.
 無風である.
 この坂を張り切って登ってしまうと,後でバテるのが自明なので,意識的に歩行速度を抑えながら登り続ける.
 見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.この坂も何時ものペースで登り続ける.
 7時59分,一本松を通過する.大倉からのラップは1時間01分.前回より1分余計に掛かっている.

<見晴階段>

■駒止茶屋
 やがて,駒止階段に差し掛かる.
 目の前に何人かの登山者が居る.凄い勢いで登っていく若者に追い越される.私は汗をかかないように注意しながら登り続け,8時12分に駒止茶屋を通過する.
 大倉からのラップは1時間14分.前回とぴったり同じラップである.

<駒止茶屋>

■緑陰の尾根道
 堀山の尾根道に入る.
 ここは大倉尾根で,一番楽しく歩ける場所である.ギラギラと輝く日の光を緑陰が適当に遮ってくれる.とにかく涼しい.何時の間にか汗も引っ込んでいる.
 毎度のことながら,ここは気分良く快調に歩き続ける.

<緑陰が嬉しい尾根道>

■富士山が見える
 やがて富士山が良く見える場所に到着する.
 ”富士山はどうせ写らないだろうな…”
と思いながらも,儀式として一応は富士山の写真を撮ってみる.
 ところが今日はどういう風の吹き回しかは分からないが,富士山がバッチリと写っている.私のデジカメは,写ったり,写らなかったり,本当に気儘である.

<大倉の尾根道からの富士山>

■影法師と戯れる
 8時21分,堀山の道標前を通過する.ここから暫くの間は下り坂である.
 フト路上を見ると,自分の影が映っている.面白い.早速デジカメで自分の影の写真を撮る.写真を撮りながら,自分の影の写真を撮るなんて,我ながら悪趣味だなと思う.
 ”オレの体内に巣喰って,何時もブツブツ言っているのはテメエか…?”
と自分の影に悪態をつく.
 でも,自分の影の写真撮りなんて…あんまり縁起の良い仕業とは思えない.どこかの神社を詣でて,お祓いをしなければ…

<自分の影と戯れる>

■小草平
 8時29分,小草平に到着する.
 堀山の家の温度計によると,今の気温は18.5℃である.やっぱり今日はかなり高温である.
 大倉からのラップは1時間31分.
 私は,小草平までのラップの目標は1時間30分ということにしている.したがって,今日は1分遅いと言うことになる.正に”多寡が1分されど1分”の心境である.この1分がなかなか縮められない.
 私は小草平でも休憩を取らずに,そのまま登り続けるが,余計な汗をかかないように細心の注意をしながらなので,歩行速度は一段と遅くなる.

<小草平>

■萱場平
 ユックリペースで登り続けて,8時54分にようやく萱場平に到着する.
 ”もう,ここで下山しても良いな”
と一瞬思う.
 何時ものように萱場平の写真を撮る.木道の両脇に繁茂する雑草がずいぶんと目立つようになっている.

<萱場平>

■久々のアザミ
 木道の間に繁茂するアザミがずいぶんと大きくなっている.例年,私はこのアザミから勇気をもらっている.例年通り今年もオニアザミがずいぶんと大きくなっている.このアザミを見て,私も嬉しくなる.早速,アザミの写真を2~3枚撮る.
 私がアザミの写真を撮っているときに,後ろから来た毎日登山のTGさんが,
 「アザミが大分大きくなりましたね…」
と私に声を掛けて,通過していく.
 私がモタモタしている内に,TGさんの後ろ姿は次第に遠ざかる.

<萱場平のアザミ>

■花立階段下からの富士山
 私を追い越して行ったTGさんから30メートルほどの距離を置いて,坂道を登り続ける.丁度良い登攀速度である.
 9時04分,後七分坂(花立階段のこと)に到着する.
 ここからの富士山の眺めは最高,
 私はデジカメを構えて,富士山の写真を数枚撮る.富士山はいくらか靄が掛かっていて,少し薄く見えるが,青空に溶け込むような富士山はなかなかなものである.
 私がちょっとの間,富士山の写真を撮りながらモタモタしている間に,TGさんとの距離が開いてしまう.
 ”もう,付いて行けない…”
 私はTGさんの後を追うのを諦める.

<見晴階段下からの富士山>

■花立山荘
 9時05分,花立階段を登り始める.
 階段を3分の1ほど登ったところで,2番バスで来られたMGが私に追い付く.
 「…TGさんが少し先に居られますよ…」
とMGさんに伝える.
 私を追い越したMGさんは凄い勢いで階段を登って行く.
 後七分坂を9分掛けて登って,9時14分に花立山荘に到着する.花立山荘はもう開店している.
 花立山荘から花立山に向かう階段道の上の方を歩いているMGさんの後ろ姿が小さく見える.
 ”ありゃりゃ~っ! もうこんなに差が付いてしまった…情けないな”
 山荘前からは,相変わらず富士山が良く見えている.
 大倉からのラップは2時間16分.小草平からは45分.ちょっと時間の画けすぎかな…
 花立山荘でも私は休憩は取らずに,そのまま登り続ける.

<花立山荘前から富士山を望む>

■花立山
 花立山荘から11分掛けて花立山に到着する.実は,ちゃんと歩けば9分で花立山まで登ることができるが,なんだか気が進まないので,ダラダラ歩きになる.
 ”この軟弱者め! 何をダラダラしているんだ…”
と体内に潜むもう一人の私が私を叱咤する.
 ”ハイ,ハイ,分かりましたよ…でも,山登りは頑張っちゃ駄目なんだよ.そんなこと御前さんだって十分に分かっているだろう!”
 私は私に言い返す.
 花立山山頂の少し手前で,鍋割山稜と富士山の写真を撮る.私がモタモタしている間に,常連のIIZさんに追い抜かれる.
 花立山を通過して,馬の背に差し掛かる頃,チャンピョンとすれ違う.
 「おや…FHさんですね」
と何時ものように,チャンピョンが話しかける.
 チャンピョンにポーズを撮って貰って,写真を撮る.良い写真が撮れた.ただ,ブログに掲載して良いかの了承を取るのを忘れたので,ここで紹介できないのが残念である.

<花立山から富士山と鍋割山稜を望む>

■塔ノ岳山頂
 9時29分,金冷シを通過する.
 周囲の森から,「ジージー…」と啼く蝉の声が聞こえてくる.これも貴重な風物詩である.この蝉は何という名前の蝉だろう? 以前,蝉の名前を教えて貰ったことがあるが,すっかり忘れた.
 蝉の声に混じって,ウグイスやホトトギスの啼き声も聞こえてくる.毎年繰り返される丹沢の風物詩に,ともすれば荒んだ気分になりそうな私の心を,穏やかに癒してくれる.だから,繰り返し,繰り返し,塔ノ岳に登っているんだなと改めて思う.
 金冷シまで登れば,塔ノ岳山頂まで後僅かである.
 今,9時29分,これから,どんなにユックリ歩いても10時前には,必ず塔ノ岳山頂に到着できる.こうなったら,山の”気”をジックリ味わいながら,気楽にのぼろう.私は両手を方の上まで挙げて深呼吸を南下もする.爽やかな丹沢の空気が,私の体内から私を癒してくれる.
 私の前後にとりあえずは登山者の姿は見えない.私は,山の”気”を味わいながら,独り登山の醍醐味を味わっている.道草をしながらノンビリ登山ほど心地の良いものはない.同時に,今日もまた塔ノ岳山頂もうすぐ確実に到着する…この喜びは何物にも代えがたい.
 山頂直下のジグザグの階段が,私にとって特にシンドイ.超スローでユックリ登って,山頂手前の木道で息絶え絶えにならないようにする.無理は禁物である.
 ”最後までスロー・バット・ステディだぞ! 頑張るな! ユックリ行け!”
 9時46分,やっと塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は18℃.無風.ずいぶんと高温だが,体感的には涼しくて実に心地が良い.
 早速,山頂の儀式を行う.まずは,富士山の写真を撮る(冒頭の写真).
 今日の大倉からのラップは2時間48分.花立山荘からの所要時間は33分,金冷シから葉17分.この調子だと,秋になって涼しくなれば,もう5~6分は速く歩けそうである.
 山頂には,私より先に到着したMGさん,TGさん,YSさんが居る.

<塔ノ岳山頂>

■早々に下山開始
 私と入れ替わるように,TGさんが一足先に下山を開始する.
 数分遅れて,9時55分,私もYSさん,MGさんと一緒に山頂を出発する.
 山頂から最初の坂道を降りているときに,登ってくる韋駄天女王のNMさんとすれ違う.
 「…あれっ! 今日はずいぶんとユックリですね…」
とNMさんに挨拶する.
 どうやら,MNさんは,途中まで,ISIさんと一緒にユックリ登ってこられたようである.その後,金冷シ手前の坂道でISIさんとすれ違う.
 10時12分,花立山を通過する.ここで登っているときには気が付かなかった真っ赤な花が咲いているのを見つける.早速立ち止まって写真を撮る.
 
<花立山山頂>

■ノンビリ下山
 10時20分,花立山荘に到着する.花立山荘のちょっと手前で,TGさんに追い付く.TGさんが先に降りてくれと言われるので,そのまま下山し続ける.
 花立階段を過ぎてからの階段道で,登ってくるTBさんとすれ違う.TBさんは山旅スクールの同期生である.
 10時38分,萱場平を通過する.
 10時51分,堀山の家の前を通過.堀山の家のベンチに,KIさんが座っている.私の顔を見て,
 「(まだ時間が早いから)…もう一度登り返したら…」
とけしかける.
 堀山の登り返しがきつい.ここで先頭を行くYSさんに置いて行かれる.MGさんは私の後ろ.ここからは何となく独り旅になる.
 11時09分,堀山の家を通過する.モミジ坂を下っている間に,YSさんの後ろ姿が近付く.
 11時37分,見晴山荘を通過する.
 途中で,ノンビリと下っているAKさんとIIJさんに追い付く.
 「…13時11分のバスに乗るんでしょう…速く降りても仕方がないですね」
とどなたかが言う.
 ”なるほど! そうだな”
ということで,グッと速度を落とす.
 12時15分,バス停大倉に到着する.
 12時40分のバスをわざと見送って,13時11分のバスに乗車する.

■渋沢駅ミスタードーナッツでコーヒーブレーク
 13時25分,渋沢駅に到着する.何時ものように,渋沢駅1階のミスタードーナッツでコーヒーブレークを楽しむ.
 270円也のコーヒーを所望する.1回お代わりして,単価135円になる.私,心の中で.
 ”ミミッチイナ!”
と思う.
 参加者はTGさん,MGさん,ISIさん,AKさん,NMさん,IIJさんなど.
 お集まりの皆さんは,とても元気だが,この中で一番若い方が60歳代後半,後は70~80最大である.あらためて高齢者製揃いに,”ありゃ~まあ”と思う.
 無理せずに,ノンビリと山歩きを楽しむのが,プラチナエージングにどれだけ有効かが実証されているなと,つくづく思う.

<ミスタードーナッツでコーヒーブレーク>

■今日も無事だった
 13時47分,私は一足先にミスタードーナッツを出る.13時52分の下り電車に乗車するつもりである.ところが,ホームに行ってみると,そんな時刻の電車はない.13時49分の電車が出たばかり.結局,14時02分発の電車まで待つ.
 小田原駅で運良く快速空くティーに乗車できる.この電車はいくつかの途中駅を通過するので快適である.
 結局,15時前に帰宅.
 夕方,橫浜に住む娘一家がわが家に立ち寄る.
 ”さて,明日は,研究員を仰せつかっている某大学のミーティングがある.もちろん,山登りの傍ら(?),せっせと作業を続けているが,これから少し夜なべして,資料作りを完成しなければならない.
 ”こういうのを一夜漬けって言うんだろうな…”
 私は苦笑しながら,もうひと頑張りするつもりである.
 ”山歩きのときは,’頑張らない’って言っているくせに,デスクワークでは頑張るなんて矛盾していないんかね…”
 口の悪いもう一人の私が,私を揶揄する.
 ”まあ,そう言いなさるな…私も矛盾しているのは処置しているよ…でも,今回はどうにもならなかったんだよ…”
ともう一人の私に弁解する.
 さすがに,この年になると,脳内回路の時定数が大きくなっていて,そう簡単には回路が入れ替わらない.何時までも,山モードを引きずっていて,なかなか執筆モードに切り替わらないのである.
 ”そういうのを,年を取ったって言うんだよ,ハ,ハ,ハ,…”
と,またもやもう一人の私が混ぜ返す.
 ”ほっといてくれ,オマエはもう引っ込んでいろ!”
 でも.まあ,今日もなんとか無事に塔ノ岳を往復できたので,”良かった,良かった”ということにしておこう.

<ラップタイム>

 6:58  大倉歩きだし
 7:25  観音茶屋
 7:43  見晴茶屋
 8:12  駒止茶屋
 8:29  堀山の家
 9:14  花立山荘
 9:29  金冷シ
 9:46  塔ノ岳山頂着
 9:55    〃    発
10:07  金冷シ
10:26  花立山荘
10:51  堀山の家
11:12  駒止茶屋
11:34  見晴茶屋
11:50  観音茶屋 
12:15  大倉着

[山行記録]

■水平歩行距離        7.0km(片道)

■累積登攀下降高度     1,269m

■上り所要時間(休憩時間込み)
  大倉発             6:58
    塔ノ岳山頂着         9:45 
    (所要時間)        2時間47分(2.78h)
  水平歩行速度      7.0km/2.78h=2.51km/h
  登攀速度         1,269m/2.78h=452m/h

■下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳発            9:55 
    大倉着            12:15
   (所要時間)        2時間20分(2.33h)
 水平歩行速度      7.0km/2.33h=3.00km/h
  下降速度         1,269m/2.33h=545m/h
                                                                                  (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/520e78c0a490643209f6a6a3fb1dde3f
「丹沢の山旅」の次回の記事
なし


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