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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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ウグイス・ホトトギス・ツツジ・富士山に癒される丹沢;塔ノ岳(今年17回目)

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                             <馬の背付近のツツジ>

 ウグイス・ホトトギス・ツツジ・富士山に癒される丹沢;塔ノ岳(今年17回目)
            (単独山行)
        2017年5月27日(土) 晴

■粛々鎌倉の山下り
 何時ものように,4時10分,自宅を出発する.
 この時期,ずいぶんと日の出の時間が早くなり,もうこんな早朝でも辺りはずいぶんと明るくなりはじめている.
 ”写真が撮れるかな…,まだ無理かな”
と思いながら,試しに写真を撮りながら大船駅に向かう.
 わが家の標高は69メートル.尾根の稜線上に建っている.まずは,尾根から近くの谷戸の底まで降りなければならない.階段道である.眼下に谷戸の集落が見えている.まずはここで最初の写真を撮る.相変わらず私のカメラは馬鹿だが,それでもナントカ写っている.
 この写真からも想像が付くかも知れないが,この階段道の高さは,大倉尾根の駒止階段ぐらいはあるだろうか.
 坂を下り終えて山崎の集落を抜け,途中,水道山を見上げながら,急ぎ足で歩き続ける.
 今日の私は朝からちょっと気分が良い.なんで気分が良いのかは自分でも分からないが,
 ”今日は電車に乗る前に,しっかり朝食を摂ろう”
という気になる.
 4時30分に大船駅前に到着する.早速駅前の某食堂に入って,ネギ塩豚丼450円也を平らげる.
 ”うん! 今日の体調は’まあ,まあ’のようだな…”
 
<標高69メートルを下る>                         <朝の水道山>

■バス停大倉から歩き出す
 大船5時10分発東海道本線下り初電熱海行の電車に乗車する.
 いつものように,小田原駅で新宿行急行電車に乗り換える.晴れていれば,電車が新松田駅に到着する少し前で,富士山と大倉山が重なって見ある所があるが,今朝の富士山は霧の中,残念ながら見えない.
 6時11分,渋沢駅に到着する.丹沢山塊には雲が掛かっている.天気予報では,今日は晴の筈だが?
 ストレッチをしながらのバス待ちである.小田急の下り電車が到着する度に,待ち行列が長くなる.その行列の中に毎日登山のTGさん,YSさん,KMさん,IwIさんなども居られる.
 6時43分頃,臨時バスが出る.6時55分,大倉に到着する.
 7時03分,何人かの常連さんと前後して,私も大倉から歩き出す.
 昨日降った本格的な雨で,路面はベタベタに濡れている.
 ”今日は山ヒルがはびこっていそうだな…”
とイヤな予感がする.
 例によって,歩き出しの私はノソノソ歩きである.7時08分,ようやく登山口に到着する.歩き出してから,登山口に到着するまでに,実に十数名の登山者に追い抜かれている.
 ”いいさ,いいさ…,ドンドン追い抜いてくれ…無事に塔ノ岳山頂まで到着できれば,オレは御の字だよ…”
と自分に言い聞かせながら,かたくなにマイペースを守ることにしよう.
 7時12分,克董窯を通過する.克董窯のすぐ先から,礫を敷き詰めた歩きにくい道になる.礫はベタベタに濡れていて滑りやすい.それにこの辺りから,暫くの間は”山ヒル天国”である.私も山ヒルは嫌なので,この辺りは早く通過してしまいたいが,歩行ペースを乱すわけにもいかない.まあ,山ヒルが居ないか足許を注意しながら歩くしか術はない.
 7時19分,丹沢ベースを通過する.丹沢ベースを過ぎて少し登ると,石ころ道から解放されて普通の土道に変わる.さらにもう少し登ると,朝日が当たる心地よい坂道になる.進行方向右手から,新緑の間を抜けて朝日が射し込んでくる.明るい日差しを身体に受けると,ちょっとホッとした気分になる.

<日の当たる坂道>

■見晴茶屋
 7時26分,観音茶屋を通過する.観音茶屋前の広いデッキは雨露で濡れている.
 観音茶屋を過ぎると,勾配がやや急なジグザグの登り坂になる.この辺りまで登ると,同じバスに乗り合わせた足の速い方々の大半は私を追い越してしまったらしく,完全な独り旅になる.
 7時32分,大倉高原の家分岐に到着する.ここで立ち止まってノートに到着時間を記入しているときに,常連のAIさんが静かに私を追い抜いていく.ここから,暫くの間,AIさんと平行して歩いていたが,雑事場ノ平を過ぎる頃から,だんだんと間隔が開いてしまう.
 7時45分,見晴茶屋に到着する.
 見晴茶屋前から相模湾方面の写真を撮る.上空は晴れているが,前方には分厚い雲が湧いている.夏の到来を予感させる雲である.

<見晴茶屋から相模湾方面を望む>

■見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.
 何時ものように階段下から階段を見上げた写真を撮る.
 ”この階段を力んで登ったら後でバテるぞ…”
と自分に言い聞かせながら,ユックリ,ユックリと登る.
 見晴階段を登り終えてからも,極力体力の消耗を抑えながらモミジ坂を登り続けて,8時03分,一本松を通過する.
 大倉から一本松までの所要時間はピッタリ1時間.このラップは今の私には丁度良いと言えよう.

<見晴階段>

■駒止茶屋
 8時13分,下山してくるKSさんにバッタリ.
 「やあ,やあ,…FHさん…!」
と私に話しかけながら握手.
 「…今日の山頂は風が強くて…3分と居られなかったですよ…でも富士山がとても良く見えましたよ…」
とのこと.
 「…で,山頂の気温はどのくらいでしたか?」
 「気温は見なかったけど,寒くはないですよ」
 私は何時ものようにKSさんから勇気をもらって,さらに登り続ける.
 駒止階段をユックリ登って,8時19分,駒止茶屋を通過する.
 大倉からの所要時間は,1時間16分.何時もの通りの平凡なラップである.今から数年前までは,大倉から駒止茶屋まで約1時間で登っていたのに比較すると,いかにも哀れなラップだが,まあ,ここまで登れただけで良しとしておこう.
 つい先ほどまで後ろ姿が見えていたAIさんは,もう姿形も見えなくなっている.
 周囲の谷間からウグイスの啼き声が絶えず聞こえてくる.

<駒止茶屋>

■雲を纏った富士山
 8時28分,富士山が良く見える場所に到着する.今日の富士山は白い雲に覆われている.
 私は仮に富士山が見えなくても,この場所から富士山方面の写真を必ず撮ることにしている.勿論,今日の富士山も余り良く見えないが,とにかく写真を撮らなければ気が済まない.
 私が立ち止まって写真を撮っていると,後から来た登山者が怪訝そうな顔をして私を追い越して行く.

<堀山の尾根道からの富士山を眺める>

■小草平(堀山の家)
 堀山の標識を過ぎると,暫くの間,緩やかな下り坂になる.ここは何時ものように快調に通過する.そのあとちょっとイヤな坂道を登り返して,8時36分に小草平に到着する.
 大倉からの所要時間は1時間33分.ここまで1時間半で登りたいなと思っているが,この3分の差がなかなか縮められない.
 堀山の家はまだ開店していない.堀山の家の軒に吊り下げてある温度計は17℃を指している.今日もこの時期にしてはずいぶんと暑い.
 小草平のベンチで数名の登山者が休憩を取っている.その中には先ほど私を追い越して行った登山者も居る.
 ”折角,オレを追い越したんだから,こんなところで休憩を取っていないで,サッサと登ったら…”
と心の中だけで悪態をつく.そして私は休憩は取らずにジャストマイペースで,引き続き登り続ける.

<小草平>

■萱場平
 小草平から先は急坂が連続する.
 礫や石がゴロゴロと転がっているガレ道を通り過ぎると,長い階段道に差し掛かる.ちょっと気を緩めると,どうしても階段道は歩行速度が速くなりすぎる.その結果,すぐに息遣いがハアハア…ということになりがちである.そのために,階段道は特に自制が必要になる.オーバーペースにならないように絶えず気を使いながら登り続ける.
 8時57分,萱場平に到着する.ここまで来れば花立山荘ももうすぐだ.
 萱場平の入口で定点観測の写真を撮る.偶然にも萱場平に人影はない.
 近くの森からホトトギスの甲高い啼き声が聞こえてくる.
 ”そういえば,この頃,ツツドリの啼き声が聞こえなくなったな…”

<萱場平>

■後七分坂(花立階段)下からの富士山
 萱場平から先も,ずっと独り登山を続ける.だれにも気兼ねせずにノンビリ独りで登るのもなかなか良いものである.そのためか,全く疲労感なしで,9時16分,後七分坂(花立階段)の下に到着する.
 花立階段下からの富士山の眺望がとても良いので,塔ノ岳に登るときは,毎回,ここからの富士山を楽しみにしている.今日の富士山の山頂には,いくらか雲が巻き付いてはいるもののなかなか見応えがある.さっそくデジカメを取り出して,富士山の写真を撮る.

<花立階段下からの富士山>

■花立山荘
 私が富士山の写真を撮っていると,2番バスで来られたMGさんが私に追い付く.
 「やあ,…今日は13時10分のバスに乗りましょう」
と私に言い残して,超速で後七分坂を登っていく.
 階段を見上げると,余りの長さにため息が出てしまうが,とにかく登るしかない.ロートルの私にはきつい階段である.
 階段をノソノソ登り続けて,3分の2ほど登ったところで,常連のNMさんに追い抜かれる.
 「やっぱり,(FHさんは)来られていたんですね…」
と言いながら,私をスイスイと追い抜いていく.
 私もシンドイ思いをしながら階段を登り続けて,9時25分,ようやく花立山荘に到着する.このとき,さきほど私を追い越して行ったNMさんの後ろ姿は花立山に向かう階段とずっと高い所に見えている.
 花立山荘前のベンチは沢山の登山者で賑わっている.
 大倉から花立山荘までの所要時間は2時間22分,小草平からの所要時間は49分.いずれも極めて芳しくない.なお,後七分坂を9分掛けて登っている.
 花立山荘の温度計は15℃を指している.

<後七分坂(花立階段)を登る>

■花立山
 花立山荘からの階段道がきつい.私はノソノソとした亀歩きを続ける.
 それでも,歩いていればいつかは階段道が終わり,ガレ道に入る.とたんに眺望が開ける.富士山はほぼ雲の中.残念! でも折角だから鍋割山稜と富士山をデジカメに収める.
 9時35分,漸く花立山山頂に到着する.
 ”アレレ,…花立山荘から花立山まで10分も掛かったな…”

<鍋割山稜と富士山>

■ミツバツツジが見事
 花立山山頂を過ぎると,沢山のミツバツツジが丁度見頃を迎えている.
 宇ナの瀬に差し掛かる頃,下山してくるチャンピョンとすれ違う.
 「やあ,やあ,FHさんですね…気を付けてね…」
と私を確かめるような挨拶をして下っていく.
 登山道の両側に自生するミツバツツジが丁度見頃を迎えている.
 もう,こうなったらラップもへったくりもない.私は何回も立ち止まって,ツツジをデジカメで写す(冒頭の写真).

<馬の背付近のツツジ>

■塔ノ岳山頂からの眺望
 9時41分,金冷シを通過する.ここまで来れば,10時前に確実に塔ノ岳山頂に到着できる.内心でちょっとホッとする.
 相変わらずツツジの木を見かけるので,その都度写真を撮りながらユックリ登り続ける.
 金冷シから最初の階段を登り切ったところで,後から来られたIIZが私に追い付く.ここから先は,IIZさんと一緒に登り続ける.
 塔ノ岳山頂直下の階段道に差し掛かるところで,下山してくるYDさんとすれ違う.さらに,山頂近くの木道でMGさんとすれ違う.
 9時58分,IIZさんと一緒に塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は11℃.さきほどすれ違ったKSさんから「塔ノ岳山頂は強風が吹き荒れている」と聞いていたが,今は風も収まっている.
 山頂のポール手前で,私より先に山頂に到着したYSさんとAIさんが休憩を取っている.私もこのお二人と一緒に,暫くの間,昼食を摂りながら休憩.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間55分.わずか5分だが辛うじて3時間を切っている.ちなみに花立山荘からの所要時間は36分.これは掛かり過ぎである.もっともツツジの写真を沢山撮ったので,多少余計に時間が掛かったのは仕方がないのかな.
 今日の山頂からの眺望はマアマアというところだろうか.
 富士山は良く見えているが,なんとなく空気の透明度が悪いような気がする.春霞か? それともPMナントカというヤツの仕業かな.

<塔ノ岳山頂からの眺望>

■常連と一緒に下山
 10時08分,YSさん,AIさんと一緒に塔ノ岳山頂から下山し始める.丁度,そのとき,1番バスで来られたMTさんが塔ノ岳山頂に到着する.
 山頂直下の木道を半分ほど下ったところで,KIさんとすれ違う.
 10時17分,金冷シを通過する.
 カメラマンのMMさんとすれ違う.
 10時28分,花立山荘に到着する.山荘前はベンチに座りきれない登山者も沢山居て大混雑である.今日も登山者が多いようである.
 11時57分,小草平に到着する.ここのベンチもこれから登る人達で鈴なりである.
 同行の二人に,駒止茶屋に立ち寄るかどうか聞いたところ,通過ということなので,私も通過する.
 大倉の尾根道から駒止茶屋に差し掛かるところで,先に下山を開始したMGさん,YDさんに追い付く.
 「わぁ…速いですね」
と意外そうな感じである.
 ここからは5人揃って下山する.
 11時48分,観音茶屋を通過する.その先で,下山中のTGさんに追い付く.その後も順調に下って,12時09分にバス停大倉に無事下山する.
 下り所要時間は,2時間01分.
 12時11分発の渋沢駅バスに十分に間に合うが,あえて見送る.
 バス待合室で,昼食の残りを摂る.
 12時41分発のバスに乗車する.今日これまでお会いしなかったHNさん,STも同じバスに乗車する.

■渋沢駅でお茶
 例によって渋沢駅1階のミスタードーナッツに立ち寄ってコーヒーブレークを楽しむ.
 参加者はTGさん,STさん,YSさん,YDさん,AIさん,YSさん.270円也のホットコーヒーを所望する.1回お代わりをして,135円/杯.
 しばし雑談.
 私は渋沢13時32分発小田原行快速急行に乗りたかったので,14時26分,一足先にオサラバする.私と入れ代わりに1本後のバスで来られたNMさんが,お店に入ってくる.

<ミスタードーナッツでお茶>

■富士山と矢倉岳
 渋沢14時32分発小田原行快速急行に乗車する.
 途中,新松田を過ぎてから,富士山と矢倉岳が重なっている写真を撮る.
 ”シメ,シメ,…まあナントカ撮れたぞ…”
 小田原で,東海道本線14時52分発上り電車に飛び乗る.車内は空いている.すぐに眠くなる.小田原で乗り過ごして,また新松田まで戻らないように一苦労する.

<富士山と矢倉岳>

■無事帰宅
 眠くなるのを必死に堪えて,14時430分頃,電車は大船駅に到着する.
 駅前には爽やかな風が吹いている.このままバスに乗って帰宅するのは勿体ないなと思ったが,無理は禁物ということで,路線バスを利用して15時前に,無事,帰宅する.
 早速,着衣を脱ぎ捨てて新しいものに着替える.そして汗が付いた着衣はすぐに洗濯してしまう.
 一段落したら眠くなる.
 ベッドに横になって,ついついウトウト.
 「ほら,○○ちゃんが来たよ.ジイチャンを呼んでいるよ…」
とたたき起こされる.
 横浜在住の娘一家が,突然,わが家に立ち寄る.
 …と,いうことで今日一日も無事過ごせた,”良かった,良かった”である.

<ラップタイム>

 7:03  大倉歩きだし
 7:26  観音茶屋
 7:45  見晴茶屋
 8:19  駒止茶屋
 8:36  堀山の家
 9:25  花立山荘
 9:41  金冷シ
 9:58  塔ノ岳山頂着
10:08    〃    発
10:17  金冷シ
10:28  花立山荘
10:57  堀山の家
11:12  駒止茶屋
11:23  見晴茶屋
11:48  観音茶屋 
12:09  大倉着

[山行記録]

■水平歩行距離        7.0km(片道)

■累積登攀下降高度     1,269m

■上り所要時間(休憩時間込み)
  大倉発             7:03
    塔ノ岳山頂着         9:58 
    (所要時間)        2時間55分(2.92h)
  水平歩行速度      7.0km/2.92h=2.40km/h
  登攀速度         1,269m/2.92h=435m/h

■下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳発           10:08 
    大倉着            12:09
   (所要時間)        2時間01分(2.02h)
 水平歩行速度      7.0km/2.02h=3.46km/h
  下降速度         1,269m/2.02h=628m/h
                                                                                  (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3c593af8e6f25767533b54dfab650b21
「丹沢の山旅」の次回の記事
なし


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