爽やかな緑陰と豆桜を楽しむ丹沢:塔ノ岳(今年14回目)
(単独山行)
2017年5月6日(土) 晴
*******本題の前に;何というドジ********
■下山したらすぐに洗濯だ
まず冒頭に,最近私がボケ始めて,バカみたいなポカをしたことから,今日の記録を書き始めなければならない.
今回は今年になって14回目の塔ノ岳往復である.後から触れるようにラップタイムは決して良くなかったが,それでも何とか無事に下山できたので気分上々のまま帰宅した.
私は,帰宅直後,登山で汗だらけになった着衣は,他の洗濯物と一緒にするのは忍びないので,自分ですぐに洗濯することにしている.
今日も塔ノ岳を往復したにもかかわらず,疲労感は全くなく,体調は至って快調である.勿論気分は上々.鼻歌交じりで,洗濯機に着衣一切合切を放り込んで,洗濯機を動かし始める.
着衣を新しいものに着替えると,気分がさらに良くなる.洗濯時間は47分.その間,私は新聞を読んだり,最近送られてきた某会の雑誌などを読みながら過ごす.勿論,今日,上演の皆様と賞味したミスタードーナッツのコーヒーには味は及ばないものの,インスタントコーヒーを賞味しながらである.
■”ありゃ~ぁ”白いゴミがいっぱいあるぞ!
さて,暫くすると洗濯機から「ピーピー」という音が聞こえてくる.
”洗濯が終わったようだな…”
私は洗濯済みの衣類を洗濯機から取り出す.
”おやぁ~っ…”
私は,洗濯機の中からボールペンが出てきたのに,まず,驚く.
さらに選択肢終わったばかりの洗濯物を取り出して,とんでもない異変にさらにビックリする.洗濯物全部に白いものが一面にへばり付いている.さらに洗濯機のドラムにも大きさ5~10ミリメートルぐらいの白いものの塊が何百となくへばり付いている.
勿論洗濯物に付着した白いものは,そう簡単には落ちない.もう一度洗っても落ちるわけはないので,後でこまめに手で払いのけるしかない.さらに困ったのは洗濯機のドラム一面にびっしちついてしまった紙の細かいダンゴである.同居人が目をつり上げて叱る顔が頭に浮かぶ.私は,洗濯物に付着した紙くずはさておき,ドラムに付いた紙くずを一生懸命に取り除く.でも,そうは感歎に全部取り除くことはできない.当然,次回の洗濯のときに,取り除けなかった紙くずは洗濯物に付着してしまうだろう.それを知った同居人の困惑顔を連想すると,思わず噴き出してしまう.
■山行記録帳を洗っちゃった!
私は慌てる.でも,そのときはこの白いものの正体が何かは分からなかった.多分,ポケットに入れていたちり紙だろうと思っていた.ところが,今回の登頂記録を纏めようとしたときに,ポケットに入れていた記録帳がどこにもないことにやっと気が付く.
”なるほど,それで,洗濯物の中からボールペンが出てきたんだ”
私は,この段階で,やっと自分のポカの真相が分かった.
そんなわけで,今回の記事はメモ帳なしで纏めなければならないトホホ記事である.
■デジカメで何とか記録は残ったが…
ただ,こんなこともあろうかという予感から,要所要所をデジカメで写真を撮っていたので,行動中のラップタイムはなんとか分かる…が,たまたま今日使用したデジカメは,先日,アメリカのグランドキャニョンの旅で使用したもの.このデジカメの時間表示はアメリカのまま.しかも,「時間」だけでなく「分」の方も狂っていて,実際の時間と13時間24分の狂いがある.
私は,この13時間24分を引き算しながら,実際の時間を割り出さなければならなかった.
そんなこんなで,今回の記事は,まさに,”ト・ホ・ホ”の記事である.
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■富士山と矢倉岳
さて,気を取りなおして今回の記事を簡単に纏めることにしよう.
まず,4時10分に自宅を出発したのはいつも通りである.朝から割合に気温が高いので,躊躇せずに家から外へ出る,日が長くなったので,もうすぐ夜明けである.薄明るくなった東の空に明けの明星がピカピカと光っている.
大船駅前で昼食用の食材を少しばかり購入して,東海道本線下り初電大船5時10分発熱海行に乗車する.小田原で小田急新宿行急行電車に乗り換える.
何時ものように新松田駅手前で矢倉岳と富士山が重なる写真を撮る.今日の富士山には纏わり付く雲が多いようである.
電車は6時11分に渋沢駅に到着する.大倉行バス停には,私より前に5~6人の登山客が列を作っている.程なく,常連のYSさんが現れる.やがて下り電車が到着する.駅から吐き出されるように沢山の登山客が現れ,たちまちの内に長蛇の列になる.その中に毎日登山のTGさん,KMさん,IWIさん,YDさんなどの常連も居られる.
<富士山と矢倉岳>
■歩き出しは超ユックリペースで…
7時06分,バス停大倉から歩き出す.今日も,是非,完全独り旅,マイペースで登ろうと思う.
例によって歩き出しのペースは超スローである.気温も少し高そうなので,熱中症に要注意である.
7時03分,登山口を通過する.ここから塔ノ岳山頂まで6.4キロメートルである.
歩き出した直後,沢山の登山客に追い抜かれたが,登山口を過ぎる頃から,追い抜いていく人も一段落,静かな雰囲気の中で,いよいよこれからである.
<登山口>
■日の当たる坂道
7時09分,丹沢ベースを通過する.礫を敷き詰めた道を抜け出して,日の当たる坂道に出ると,ホッとした気分になる.足許は今までの礫道から普通の土道になる.それに進行方向右手から新緑の林を抜けて朝日が射し込んでいる.本当に気分の良いところである.
幸いなことに,今日はデジカメを構えても,登山者の後ろ姿が全くない,良い写真が撮れたぞと喜ぶ.
<日の当たる様道>
■観音茶屋
7時25分,観音茶屋を通過する.まだ時間が早いので観音茶屋は開店前である.相変わらず独り旅が続くが,今のところ,いつも通りのラップである.
観音茶屋を過ぎると,ジグザグの山道になる.路面は礫が散乱する石ころだらけで,幾分歩きにくい.途中,数名の若者に追い抜かれるが,この頃,悟りができたのか,追い抜かれても,コノヤローという気分は起きなくなった.あるがままに任せて,ジャストマイペースでゆっくり,ゆっくり登り続ける.
今日は幾分気温が高いらしく,ユックリ登っていても汗ばんでくる.
<観音茶屋>
■駒止茶屋
7時30分,大倉高原山の家分岐を通過する.
ここからは比較的緩やかな坂道を登り続けて,7時42分に雑事場ノ平に到着する.雑事場ノ平に到着した途端に尾根を吹き抜ける海風が身体の周りに纏わり付いている熱気を払いのけてくれる.
”涼しい! 天国だ!”
暑さから解放されたような気分で尾根道を歩いて,4時44分,駒止茶屋に到着する.駒止茶屋もまだ開店前である.
駒止茶屋から相模湾方面を望む.相変わらず素晴らしい眺めである.
<駒止茶屋>
■見晴階段
見晴茶屋を通過してすぐに見晴階段に差し掛かる.何時もの通り,階段を見上げた写真を撮る.
今日は幾分人数が少ないようにも思えるが,何人かの登山者の後ろ姿が見えている.
ここをあまり力んで登ると後が続かなくなるので,抑えに抑えてユックリ,ユックリと登り続ける.そんな藁師を尻目に,若い人達が何人もすごく軽い足取りで私を追い抜いていく.
”若い人には敵わないな…”
これは私の率直な感想である.
見晴階段を登り終えて,モミジ坂に差し掛かる.まさに”エッチラ,ホッチラ”という感じで登り続ける.坂の途中で,汗ビッショリの赤き顔でハアハアと荒い息をしながら立ち止まっている中年男性を追い越す.
見るに見かねて,”もっとユックリ歩きましょうよ…”と,ついつい余計なアドバイスをしてしまう.正直なところ,こんな歩き方をしていたら熱中症になりかねない.でも,余計なことを言ってしまったかなと反省する.
<見晴階段>
■新緑のトンネル
7時56分,1本後のバスで来られたMGさんに追い抜かれる.
”ありゃりゃ~っ! もう追い付いたの!”
何時もは花立山付近で追い抜かれるのに…今日の私は途轍もなく遅いに違いない.
8時00分,下山してくるKSさんとバッタリ.
「やあ,やあ,FHさん!」
と私に挨拶,お互いに手を取り合って挨拶する.
「今日は最高.登山者も少なくて,とても良かったですよ…」
私は今回もKSさんから元気を頂戴する.
8時08分,一本松を通過する.大倉から一本松までの所要時間は1時間02分.ちょっと遅いペースである.
<新緑のトンネル>
■駒止階段
一本松からのほぼ平らな尾根道をユックリ歩いて,8時12分頃,駒止階段に差し掛かる.私は気を引き締めて,オーバーペースにならないように注意しながら登り続ける.毎度のことながら,勢いよく私を追い抜いていく若手の登山者や,息も絶え絶えに止まりそうになっている登山者などさまざまである.
階段を登っていると,ツツドリの”ボー,ボー”という啼き声が,谷筋から聞こえてくる.
私は何とか階段を登り切って,8時18分にようやく駒止茶屋に到着する.
大倉から駒止茶屋までのラップタイムは1時間12分.至って普通のラップである.
<駒止階段>
■堀山の尾根道からの富士山
堀山の尾根道に差し掛かる.
毎度のことながら,堀山の尾根道まで来ると,今回も大倉尾根を登って良かったナと思う.大倉尾根の平坦道をノンビリと歩き続ける.
やがて富士山が良く見える場所に到着する.今朝方の富士山には笠雲がかかっていたが,今は山頂付近に雲が纏わり付いていて,残念ながら山頂付近は雲の中,でも裾野の残雪は見えている.
取りあえずは数枚の写真を撮っておく.
8時28分,堀山の道標前を通過する.
<堀山の尾根道からの富士山>
■小草平
堀山の尾根道の下り坂を登り返して,8時36分,小草平に到着する.堀山の家はもう開店している.
堀山の家には下山のときに立ち寄ることにして,登りでは休憩を取らずに,そのまま登り続ける.これからの長い坂道が如何にも登山らしくて,シンドイながら実は楽しみでもある.
<小草平の堀山の家>
■萱場平
小草平からの長い登り坂は,マイペースを維持することに細心の注意をしながら登り続ける.有り体に言えば連続10時間の登山でも継続できる歩行速度を維持するということである.
今回は1人勝手な登山なので同行者のこちを考えなくても良いのが気楽である.
8時58分,萱場平に到着する.萱場平には日がタップリ当たっていて,ちょっとムッとした暑さを感じる.
”今日はずいぶんスローテンポで歩いているが,それでも9時前に萱場平に着いたな…”
と一安心.これで,塔ノ岳山頂には10時前後に到着できるだろう.
<萱場平>
■花立山荘
萱場平から先の坂道は半ば惰性で登り続ける.
9時10分,後ろから来たTTさんが私に追い付く.1~2分,雑談しながら一緒に登るが,一緒に登るのは無理なので先に行ってもらう.
9時14分,後七分坂(花立階段)に到着する.
階段の下で富士山の写真を撮ってから,9時15分,後七分坂を登り始める.8分掛けて階段道を登って,9時23分に花立山荘に到着する.山荘脇の豆桜が見頃である.
相変わらず富士山の廻りには雲が纏わり付いている.山荘前のベンチでは数名の登山者が休憩を取っている.
大倉から花立山荘までの所要時間は2時間17分.いやはや…
小草平からのラップは47分.これは明らかに時間のかけ過ぎである.
花立山荘でも休憩は取らずに通過する.
<花立山荘>
■花立山
花立山荘まで登れば,後は楽勝である.とはいえ,花立山荘から花立山までは結構きつい.とくに階段を抜けるまでが大変である.
ガレ場手前の豆桜は今が見頃である(冒頭の写真).
階段を抜けてガレ場に入ると視界が一気に開ける.この感じが実に良い.
9時34分,花立山山頂を通過する.
<花立山から富士山と鍋割山稜を望む>
■金冷シ
9時39分,ようやく金冷シを通過する.
金冷シから最初の階段の途中で下山してくるYDさんとすれ違う.
「…先に下山しています…」
と私に挨拶して,軽々としたフットワークで階段道を下っていく.YDさんの俊足にはただただ驚嘆.正直なところ羨ましい.
山頂直下の階段の取りかかるところで,下山してくるMGさんとすれ違う.
私は,今日,下山途中で,どうしても堀山の家に立ち寄らなければならない.そこで,MGさんに,
「…今日は,私,(大倉発)12時40分のバスには間に合わないかも知れません…」
とエキスキューズを入れる.
「良いですよ,(ミスタードーナッツで)待っていますよ…」
<金冷シ>
■塔ノ岳山頂
9時58分,何とか塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は10℃.ちょっと強めの風が吹いているが,冷たい風ではないので心地よい.
私よりちょっと先に到着したと思われるYSさんが,下山しようとしている.
「…私,途中で堀山の家に立ち寄るので,12時40分延ばすには間に合いませんのでよろしき…」
とYSに伝える.
今日は心なしか山頂で休憩を取っている登山者が少ないようである.
私は尊仏山荘には立ち寄らずに,山頂のベンチに座り,そそくさと握り飯をほおばる.
今日の大倉から塔ノ岳山頂までのラップタイムは2時間52分,図らずも前回と同じラップである.
<塔ノ岳山頂>
■下山開始
長居は無用なので,10時12分に塔ノ岳山頂から下山開始.
下山口からの眺望が素晴らしいので,立ち止まって写真を撮る.
山頂から2目の階段を降りているときに,日曜登山のMSさんとすれ違う,1~2分,立ち話をする.その後はジャストマイペースで下山し続ける.
←クリック拡大
<塔ノ岳山頂からの眺望>
■豆桜が見頃
10時35分頃,花立山荘を通過する.山荘前のベンチは登山者で溢れんばかりである.休憩を取っている登山者をザッと見廻すが,どうやら知人は居ないようである.
後七分坂を下り始める.沢山の登山客が疲れた表情で数珠繋ぎに登ってくる.
坂の途中の豆桜が丁度見頃である.豆桜の後ろには雄大なパノラマが広がっている.
私は坂の途中で立ち止まって.この桜の写真を撮る.
<後七分坂の途中で咲く豆桜>
■堀山の家に到着
下り坂を順調に下って,11時13分に小草平に到着する.丁度そのとき堀山の家の女主人なっちゃんが山荘の外で,お二人の中年の女性と立ち話をしている.私を見付けたなっちゃんが,
「…こちらの方も,(堀山の家に)よく立ち寄って下さるお客様で絵をお描きになられるんですよ」
と私に紹介する.
私が,
「…実は,先日の(神奈川美術協会公募)展覧会に出展した絵の絵はがき版がやっとできあがりましたのでお届けに参りました…」
とお話しする.
「それでは…」
ということで,帰り掛けたお二人も一緒に堀山の家に立ち寄る.
<私が持参した絵はがき>
■冷たい甘酒
堀山の家で冷たい甘酒を所望する.
先ほどのお二人の女性にも,私の絵を見て貰う.丁度,居合わせた男性客も絵が趣味だとのことで,スケッチブックに画かれている2枚の絵を拝見する.
堀山の家で,二人の絵を趣味にされている方に偶然お会いするとは…とても嬉しいことである.
男性が私に,
「(絵の大きさが)40号ですか! ずいぶん大きいですね」
と質問する.
私,ちょっと戸惑う.私が所属する神奈美展では40号の絵はむしろ小さい方である.
それはともかく,私はこの絵はがきを作るのに一苦労している.まずはオンボロデジカメで撮影して,安いプリンターで印刷しているのでなかなか現物の色が再現できないのが悩みである.
そうこうしているところへ,HNさんが堀山の家に到着する.
<堀山の家の甘酒>
■ミスタードーナッツでお茶
12時43分,無事大倉へ下山する.
渋沢駅ミスタードーナッツで,上演と合流してお茶を楽しむ.
<ミスタードーナッツでお茶>
<ラップタイム>
7:06 大倉歩きだし
7:25 観音茶屋
7:44 見晴茶屋
8:18 駒止茶屋
8:36 堀山の家
9:23 花立山荘
9:39 金冷シ
9:58 塔ノ岳山頂着
10:12 〃 発
10:24 金冷シ
10:35 花立山荘
11:13 堀山の家(11:26まで休憩)
11:30 駒止茶屋
12:05 見晴茶屋
12:28 観音茶屋
12:43 大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1,269m
■上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:06
塔ノ岳山頂着 9:58
(所要時間) 2時間52分(2.87h)
水平歩行速度 7.0km/2.87h=2.43km/h
登攀速度 1,269m/2.87h=442m/h
■下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 10:12
大倉着 12:43
(所要時間) 2時間33分(2.55)
水平歩行速度 7.0km/2.55h=2.75km/h
下降速度 1,269m/2.55h=498m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/58bb376f4d16998aa8c4367f513c928c
「丹沢の山旅」の次回の記事
なし
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爽やかな緑陰と豆桜を楽しむ丹沢:塔ノ岳(今年14回目)
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