<レストラン”ファントムランチ”>
グランドキャニオン谷底往復;第4日目(4);トレッキング2日目(4);
ファントムランチのレモネード;4日目の纏め
(アルパインツアー)
2017年2月28日(火)~3月7日(火)
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第4日目;2017年3月3日(金) (つづき)
<夕食前のひととき>
■暇潰しにプロフィールマップを作る
現地ガイドのADMさんの案内でリボン滝トレッキングを終えた私達は.16時52分に無事キャンプ場に戻る.
リボン滝の途中で戻った4人とツアーリーダーのHDさんは,すでにキャンプ場のテーブルに座って雑談をしている.
夕食までにはまだ時間がある.
私は空いている時間を利用して,テーブルの片隅で,明日,谷底からリムに向かう行程のプロフィールマップ作りに専念する.ただ作るといっても方眼紙も定規もないので,メモ帳に古-ハンドで書き込むしか方法がない.
昨日,リムの事務所で頂戴した地図を広げて,水平距離と標高を読み取る.そして,X軸(m)に標高,y軸に歩行距離(km)を取る.そして,地図から読み取った数値をプロットするだけという簡単な作業である.
実は,若い頃(…といっても60歳代中頃),登山学校で,「プロフィールマップを必ず作ること」と教わっていたこと惰性的にやっているだけである.
テキトーに作った図面(下の写真)を現地ガイドのADMさんのところに持参して,このルートの様子を伺いながらかき込む.例えば坂の状況,泥んこ道やジグザグ道は何処か,残雪が現れるのはどの辺りか,どこで昼食を取る予定かなど.
<明日のコースのプロフールマップ(ドラフト)>
■机の片隅で日記を付ける
私が暇潰しにプロフィールマップを作っていると,興味を持った皆さんが私のノートを覗き込む.これも毎度のことだ.
ついでに,私がいつも持ち歩いているノートを覗き込む.ノートにはポンチ絵みたいな物が書いてある.これらはほんの5~30秒ほどの時間で書いたものである,私としてはこれらはスケッチではなく,象形文字みたいなものである.だから断じてスケッチではない.
それにもかかわらず,
「…へえ,スケッチ上手ですね…」
と妙な誉められ方をすることがある.
私は,内心では,
”こんなのをオレのスケッチだと勘違いしないでよ…”
と頭にくる.
「いえ,これはスケッチではありません.我流の象形文字ですよ…」
と必死に成って抗弁する.それでもなお,
「…だって,スケッチでしょう!」
といわれてしまうことがある(今回の旅ではないが…).
正直,私は自分のノートを覗き込まれるのが本当にイヤ.
”ほぉっといて,くれ~い!"
余談になるが…
昨年秋,国内の山旅で,同じようにセカセカとメモ帳を広げて記録を取っていると,同行のオバサンが覗き込む.そして私の象形文字を見て,
”…この絵,本人でないと何が書いてあるか分からないね…”
という.
私は,"そんなの当たり前じゃないか…我流の象形文字なんだから”と思うが,同時に,
「あなたのスケッチの腕前は,大したことないね」
と軽蔑されているようにも取れる.もちろん,私には上手に鬆ケチする能力などないが,そうかとしても,貶されるいわれもない.
ついつい愚痴が長くなったが,そんな割り切れない気持ちを抱えたまま机の片隅で,今日一日の出来事をメモ帳に記録し続ける.だって,ここにしか座るところがないんだから…
”でも,まあ,イイカ…克明に日記など付けているのは俺様だけだよ”
<夕食>
■主食はポテトスマッシュ
17時35分頃から夕食が始まる.
ADMさんが一生懸命作ってくれた夕食である.日本人の好みを考えて,工夫してくれた目Uである.
勿論有り難く頂戴する,
今日の主食はポテトスマッシュである.お湯を沸かしてゆがいたものである.ネーベンは,種々の野菜や肉をシチュー風に煮込んだもの.
連日のテント泊で,これだけの食事ができれば大ご馳走である.
ADMさんに感謝しながら,夕食を美味しく頂戴する.
<今日の夕食>
■食後の懇談
夕食後,暫くの間,雑談に耽る.
話題はごくごく日常的なことばかり.これが実に良い.妙な自慢話や上から目線の話が出ないのはさすがだなと思いながら,会話に入るような入らないような曖昧な時間をやり過ごす.
その内に,ヤングのKTさんが,レモンスカッシュを飲みにレストランへ行くとのこと.KTさんは,私と一緒にリボン滝を往復した男性である.
KTさんによると,案内書に,リボン滝まで往復してから飲んだレモンスカッシュが美味しかったという記事があったので自分も味わってみたいとのこと.
私も大いに気になるので,KTさんと一緒にレストランまで行くことにする.そしてADMさんも一緒に行くとのこと.
<テント脇のテーブルで夕食>
<ファントムランチでレモンスカッシュ>
■3人でファントムランチへ
レストラン”ファントムランチ(Fantom Ranch)”がオープンするには20時からである.
雑談をしている内に,ようやく辺りが暗くなる.
19時45分頃,ADMさん,KMさんと一緒に,ヘッドランプの光を頼りに.キャンプ場から歩き出す.レストランはファントムレンジャーステーションの奥にある.私達のテント場からは徒歩で15分ほどの距離である.
レストランが開店する20時丁度にレストランに到着する.
レストラン入口には20人ほどの登山客が行列を作っている.
数分並んで,カウンターでレモンスカッシュを注文する.3.25ドル.日本円で350~400円ぐらいか.大きなプラスティック容器を貰う.そして,カウンターの近くにある自動給湯器のような機械にこの容器を置いてボタンを押す.レモンスカッシュが流れ出す…日本のドリンキングバーと同じ仕組みである.
<自動給茶機のような機械を使って自分で容器に入れる>
■大きなコップにタップリのレモンスカッシュ
脚セクはほぼ満杯(冒頭の写真).
ADMさんが目ざとく空席を見つけて,オイデオイデをしている.えらく大きなブラスティック容器にレモンスカッシュをタップリいれて席に座る.
なるほど,長距離を歩いた後のレモンスカッシュは確かに美味しい.ゆっくりレモンスカッシュを味わいながら,3人で取り留めもない雑談に興じる.
<ファントムランチのレモンスカッシュ>
<今日も無事終わった>
■テント場へ戻る
明日の朝が早いので,そろそろ引き上げようということで,20時37分,ファントムランチから外へ出る.KMさんはトイレに寄ってから帰るとのこと,また,ADMさんもちょっと寄り道して帰るというので,ファントムランチで解散する.
私は特に何もすることがないので,そのまま真っ暗な道を1人でテント場まで戻る.
今夜も相変わらず夜空が見事である.数え切れないほどの星がビッシリと輝いている.先ほどより気温が大分下がっている.昼間の初夏のような気温がウソのように寒い.
20時55分頃,テント場に戻る.
もう全員が寝ているらしくテント場は真っ暗で静かになっている.聞こえてくるのは川の水の音だけである.
■今日も良かった,良かった.
そっと自分のテントに入る.
同じテントで寝起きしているツアーリーダーのHDさんは,もう眠っているようである.私は音を立てないように細心の注意をしながら,自分のシュラフに潜り込む.勿論,着の身着のまま.これで,足掛け3日間にわたり下着は全く着替えていないことになる.
物音を立てるのもまずいので,今夜は歯も磨けない.
着替えもせず,歯も磨かないというバッチイ姿のままの就寝である.
相変わらず床が硬くて辛い.マットレスを敷いているにもかかわらずである.それに近くを流れるブライトエンジェル川の音が,まるで飛行機のエンジン音のように”ザーザー”と絶え間なく連続音で聞こえてくる.小川のせせらぎとは言いがたい音である.
まだ時差が残っているのか,それとも川の音が耳障りなためなのか良く分からないが.なかなか寝付けない.寝転んでいると硬い床に面したところが痛くなる.そこで絶え間なく寝返りを繰り返す.それに随分と寒い.
寝付かれないまま,今日は一寸無理をしてでもリボン滝まで行って良かったなと今日一日を振り返る.もしリボン滝まで行かなかったら,臍のない一日になってしまったろう.
なかなか寝付けないなと思いながらも,何時の間にか眠ってしまう.
…ということで,今日一日も何とか無事だった,だから”良かった,良かった”である”
<4日目のラップタイム>
9:30 テント場歩き出し
9:45 水場(9:55まで準備休憩)
10:12 橋を渡り右岸へ
10:22 橋を渡り左岸へ
11:02 標高968メートル地点(11:10まで休憩)
11:25 橋を渡り右岸へ
11:30 橋を渡り左岸へ
11:42 標高1,037メートル地点(11:47まで休憩)
12:18 標高1,125メートル地点(12:42まで休憩)
13:17 橋を渡る
14:07 リボン滝着
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14:58 リボン滝発
16:52 テント場着
[4日目の行動記録]
■水平歩行距離(往復) 20km(往復)
■累積登攀高度(概算) 450m
■累積下降高度(概算) 450m
■所要時間(休憩時間込み)
テント場発 9:30
〃 着 16:52
(所要時間) 7時間22分(7.37h)
水平歩行速度 20km/7.37h=2.71km/h
(4日目終わり)
(5日目に続く)
つづき(5日目)の記事
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(執筆中)
「グランドキャニョン谷底往復」の目次
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「グランドキャニョン谷底往復」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c18667bacc5d6d7634fb6ebe265177b2
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