<塔ノ岳山頂付近の紅葉>
霧の中の紅葉を楽しむ丹沢;塔ノ岳(今年27回目)
(単独山行)
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SSKさん復帰,
HMさん100名山登頂達成,
TGさん塔ノ岳3000回登頂
祝賀会出席
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2016年10月29日(土) 曇一時霧雨
<ルート地図>
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<深い霧の中を塔ノ岳山頂へ>
■出掛けるときは真っ暗
毎週土曜日には塔ノ岳に登ろうと思ってはいるが,実際はなかなかそうはいかない.先週は信越トレイルのセクション1からセクション3まで歩いていたので,土曜日の塔ノ岳詣ではお休みした,したがって今日は2週間ぶりの塔ノ岳ということになる.
それにしても,今週末も猫の目のようにクルクル変わる天気予報に振り回される.
つい前日の朝までの天気予報では,今日土曜日午前中は雨とのことだったが,夕方の天気予報では,早朝雨が残るが朝から晴れということだった.
もし雨だったら,塔ノ岳詣では止めて,祝賀会だけに出席するつもりだったが,天気予報が晴れと言っている以上,塔ノ岳に登らないわけにはいかない.
私は意を決して,何時ものように4時10分に家を出る.雨は止んではいるが,つい先ほどまで降っていた雨で,路面はビショビショに濡れている.外は真っ暗.つい先日まで啼いていたコーロギの啼き声もなく,辺りは静まり返っている.
家を出発して5分ほど歩いたところで,財布を持参するのを忘れたことに気が付く.一文無しではどうにもならない.私は仕方なくまた家に戻って,財布を持ってから改めて出直す,ロスタイム10分.でも,まあ,ちょっと急ぎ足で歩けば,予定通り大船5時10分発東海道本線下り初電に間に合い筈である.
大船駅前のコンビニで昼食用のオムスビ2個+αを購入して,電車に乗り込む.
10月も下旬ともなると行楽客の数も大分少なくなっている.このところ初電の乗客は随分と少なくなったような気がする.
■大倉から歩き出す
小田原駅で小田急新宿行急行電車に乗り換える.
つい先日までは車窓から富士山と矢倉岳が重なる様子を写真に撮ることができたが,今日はまだ夜が明けず辺りは真っ暗なままである.ちょっとの間に随分と夜明けが遅くなったなと実感する.
6時11分,渋沢駅に到着する.ほどなく下り電車も到着したらしく,常連のIIさん他何人かの常連もバス停に並ぶ.その後も瞬く間に乗客の列が長くなるが,臨時バスが出るほどの長さにはならないようである.列の中には常連の皆さんも沢山居られる.IIさん,TGさん,IIJさん,AIさん,YSさん,YDさん,HNさん,STさん他.
バスは7時丁度にバス停大倉に到着する.
7時10分,TGさん,IIさんと一緒に大倉から歩き出す.路面はベッタリと濡れている.前方の山には今にも雨が降り出しそうな雲が低く垂れ込めている.
”天気予報の晴れを信じて登ろう…”
である.
例によって,歩き出しの速度は私の経済速度よりちょっと速めである.
”これはまずいかな…”
と思いながらも,一緒に歩き続ける.
湿度が高くて蒸し暑い.瞬く間に汗ばんでくる.
■雨に濡れている雑事場ノ平のベンチ
7時37分,観音茶屋を通過する.まだ朝が早いので閉店したまま.観音茶屋で,TGさん,IIさんが衣服調整をする.私に先に行ってくれとのことだったので,私は観音茶屋をそのまま通過する.ただ,歩き出しの歩行速度が私には少々速すぎたので,もう汗ばんでしまっただけでなく,早々と疲労感に襲われる.この先が思いやられる.
7時42分,高原の家分岐を通過する.その後も調子が出ないまま,7時57分に見晴茶屋を通過する.早々と雲の中に入ってしまったらしく,辺り一面に濃い霧が掛かっている.
<雑事場ノ平のベンチは濡れている><深い霧の中の見晴山荘>
■見晴階段
見晴階段に差し掛かる.
恒例の定点観測用の写真を撮るが,濃い霧のために殆ど何も見えない.視界が利けば,多分,何人かの登山客の後ろ姿が見えているはずだが,今日は薄ボンヤリと周囲の木立が見えるだけである.
今日はどうも気勢が上がらないので,ゆっくり,ゆっくり,喘ぎながら坂道を登り続ける.
ようやく見晴階段を登り切って,モミジ坂の上りに差し掛かる.相変わらず気勢が上がらない.ノソノソと登り続けて,もう少しで一本松というところで,2番バスで来られたMGさんに追い抜かれる.
7時15分,ようやく一本松を通過する.大倉からの所要時間は,1時間05分.やっぱり今日の登攀速度はちょっと遅いようである.
<見晴階段>
■駒止階段
一本松を通過して尾根道に入る.相変わらす濃い霧が掛かっている.なかなか幻想的な風景である.
”うん! 幻想的な霧の風景も絵になるな…”
私はすぐに来春の展覧会に出展する絵のことが頭を過ぎる.
9時26分,駒止階段に差し掛かる.階段は雨でベットリと濡れている.滑りやすそうである.
<幻想的な尾根道> <駒止階段に差し掛かる>
■駒止茶屋から堀山の尾根道へ
失速気味の低速度で,やっと駒止階段を登り切って,8時31分にやっと駒止茶屋に到着する.
”やれやれ,やっとここまで来たか!”
大倉からの所要時間は,1時間21分.せめて1時間15分程度で歩きたいところである.今日は,6分分だけ不調ということになる.
堀山の尾根道に入る.この頃から,幾分,空が明るくなり,薄らながら日が射し始める.
”塔ノ岳山頂で富士山が見えるようになるかな”
堀山の尾根道で富士山が良く見える場所に到着する.残念ながら富士山は全く見えない.ただ,上空には分厚い雨雲が掛かってはいるものの雲間から鍋割山の山裾が少し見えている.
<霧の中の駒止茶屋> <富士山が見える場所>
■小草平(堀山の家)
堀山の家の手前で,次のバスで来られたFTさんと,AIさんの2人に追い抜かれる.
8時51分,小草平に到着する.
私の前を歩くFTさんとAIさんが堀山の家に立ち寄っている間に,私はそのまま小草平から先の急坂を登り続ける.
堀山の家の玄関に取り付けられている温度計は15℃を指している.やっぱり,今日は登山にはちょっと気温が高いかなと思う.
<小草平の堀山の家>
■萱場平
小草平から先の長い坂道を登るのは,何時もながら本当にシンドイ.
小草平を出ると,暫くの間,岩礫が転がっているジグザグの上り坂が続く.この上り坂を少し登ったところで,また,FTさんとAIさんに追い抜かれる.
私は私流,ノソノソ,ダラダラと登り続ける.
蒸し暑くてシンドイが,9時15分,ようやく萱場平に到着する.辺り一面に,まだ,霧が掛かっている.萱場平には全く人影がない.
木道の間で,すっかり萎れてしまったアザミを眺めながら,萱場平を通過する.
<萱場平>
■花立山荘
9時34分,やっと花立階段に到着する.相変わらず霧が掛かっている,さすがにここまで登ると気温も下がったのか,蒸し暑さは余り感じなくなる.
今日は階段を登るのが随分とシンドイナと感じるが,無理をせずに登り続けて,9時44分に漸く花立山荘に到着する.
残念ながら,富士山は全く見えない.
大倉からの所要時間は,実に2時間24分も掛かっている.それに小草平からの所要時間も52分.調子が良いときは40分で登れるところを52分も掛かっている.
”でも,まあ,ここまで登れたことで良しとするか…”
花立山荘でも休憩を取らずにそのまま登り続ける.
<花立階段> <花立山荘>
■花立山
花立山荘からの階段道を抜けるまでが,私にとって大倉尾根の中で一番辛いところである.
段差がヤケに大きい階段を,一段ずつ確かめるように登る.幾つもの階段を登り切ってガレ場に出ると,正直なところホッとした気分になる.晴れていれば,ガレ場に入ると一気に視界が開けるが,今日は視界が全くない.ただ黙々と花立山山頂を目指すしかない.
花立山荘から13分も費やして,10時00分,やっと花立山山頂に辿り着く.
今日は花立山山頂から富士山や南アルプスの山々が見えないのは覚悟していたが,紅葉は素晴らしいに違いないと期待していたが,実際は写真の通りである.つい先日,信越トレイルの綺麗な紅葉を見たばかりの私の眼には,残念ながら塔ノ岳の紅葉は今ひとつである.
<花立山山頂>
■金冷シを通過
馬の背付近から紅葉の写真を撮りながら,さらにユックリペースで登り続ける.
10時04分,下山してくるチャンピョンとすれ違う.チャンピョンは,何時ものように,
「…FHさんですね.」
と確かめるように私に挨拶をする.
10時06分,漸く金冷シを通過する.ここで下山してくるMGさん,YDさんのお二人とすれ違う.
「…折角,ここまで来たので,山頂まで行ってきます…」
と二人に挨拶する.
相変わらず霧が掛かっているが,周囲の紅葉をデジカメに収めながら登り続ける.
<金冷シを通過して最初の階段を登る>
■塔ノ岳山頂付近の紅葉
塔ノ岳山頂手前の階段に差し掛かる.ここで下山してくるIwIさんとすれ違う.
山頂付近の紅葉は,見頃と言えば見頃だが,落ち葉も随分と多いようである.今年の秋は紅葉に関する限り,あまり出来が良いとは言えないようである.
もう塔ノ岳山頂は目の前である.ここからは急いでも,ユックリでも所要時間に2~3分の差しかつかないので気楽である.周囲の紅葉を楽しみながら,ずいぶんとユックリのペースで登り続ける.
<塔ノ岳山頂付近の紅葉>
■塔ノ岳山頂
10時25分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.山頂は濃い霧に覆われていて,周囲の風景は全く見えない.
これから尊仏山荘に寄っていたら,下山が遅くなるので,外で軽く食事をしてから,すぐに下山する積もりである.
山頂の気温は16℃.やっぱり登山をするには,ちょっと気温が高いようである.
大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は3時間18分.とんでもなく遅い記録である.花立山荘からの所要時間は31分.金冷シからの所要時間は16分.どちらも私の標準時間より1分ほど余計に掛かっている.
<霧が深い塔ノ岳山頂>
■塔ノ岳山頂のネコ
山頂で休憩を取っていると,野良猫が近付いてくる.未だ若いネコで,最近,ネットで有名になり始めた新参者である.登山者から食糧を貰うようで,毛並みも良くて,太り気味である.
今日は華伊達美弥雄さんいは会わずに下山するが,このノラちゃんに会ったら十分ということにしておこう.
<塔ノ岳山頂の野良ネコ>
<濡れた登山道を慎重に下山>
■ノンビリと下山
山頂で軽く昼食を摂ってから,10時35分に下山開始.
山頂から最初の階段を下っているときに,大倉を一緒に歩き始めたIIさんとすれ違う.その後は,ジャストマイペースで下り続ける.
"要するに大倉13時10分発のバスに乗れば良いんだな…”
ということで,ときどき時計を見ながら下山し続ける.
11時02分,花立山荘を通過する.
絶え間なく霧雨が降っている.足許が濡れているので,転倒しないように一歩,一歩,注意しながら下山し続ける.
11時35分,小草平に到着する.小草平のベンチには珍しく登山客が居ない.
堀山の家の軒先で,女主人なっちゃんにバッタリ会う.ちょっと立ち話をしてから,
「すみません,今日は(カク,カク,シカジカ)の祝賀会に参加するので,立ち寄らずに下山します」
と挨拶して,そのまま下山し続ける.
周囲の霧はますます濃くなっている.前後の見通しは殆どきかないが,通い慣れた大倉尾根である.足許の数メートルが見えれば,何処を歩いているのかが分かる.相変わらず時計を眺めながら下り続ける.
11時52分,小窓家茶屋を通過して,滑りやすい下り坂の駒止階段を通過する.
12時05分,一本松を通過する.モミジ坂を通過して,見晴階段を下り終えたところで,IIさんが私に追い付く.
「どうぞお先へ…」
12時31分,観音茶屋に到着する.
茶屋の奥から女主人が,
「お帰りなさい…」
と私に挨拶する.観音茶屋もカク,カク,シカジカで通過すると挨拶して先を急ぐ.
<霧の大倉尾根>
■今日も無事登山を終えた
12時50分,予定通りの時間にバス停大倉に到着する.
バス停には10人ほどのバス待ちの列ができている.並んでいる大半が今日の祝賀会に参加する常連である.山頂まで登らなかった方々も沢山居る.今日,山頂まで登ったのは,結局,MGさん,YDさん,IIさん,YSさん,それに私の5人のようである.珍しくONさん,山旅スクール同期のTBさんも居られる.
何人かの方々から,
「FHさんは(塔ノ岳の)山頂まで登ったんですか.やっぱりモンスターですね.レジェンドですね…」
とからかわれる.
私,内心では,何となくダラダラと塔ノ岳を往復したに過ぎない.それに,山頂まで登った連中の中では一番遅い方だったので,悄げた気分で居るのに…まあ,いいか.
大倉13時10分発のバスは数名の立ち席が出るほどの混雑である.
13時25分,バスは無事渋沢駅に到着する.
こうして,私の今年27回目の塔ノ岳は無事終わった.今回はちょっとシンドイ登山だった.
<ラップタイム>
7:10 大倉歩きだし
7:37 観音茶屋
7:57 見晴茶屋
8:31 駒止茶屋
8:52 堀山の家
9:44 花立山荘
10:02 金冷シ
10:28 塔ノ岳山頂着
10:35 〃 発
10:47 金冷シ
11:02 花立山荘
11:35 堀山の家
11:52 駒止茶屋
12:17 見晴茶屋
12:31 観音茶屋
12:50 大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1,269m
■上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:10
塔ノ岳山頂着 10;28
(所要時間) 3時間18分(3.30h)
水平歩行速度 7.0km/3.30h=2.12km/h
登攀速度 1,269m/3.30h=385m/h
■下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 10:35
大倉着 12:50
(所要時間) 2時間15分(2.25h)
水平歩行速度 7.0km/2.25h=3.11km/h
下降速度 1,269m/2.25h=564m/h
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[祝賀会出席]
■会場へ
祝賀会参加者は,渋沢駅から同じ新宿行上り電車に乗車する.集合場所の東海大学前駅へ向かう.
集合場所には,塔ノ岳には登らずに,祝賀会だけに参加する人達も沢山集まっている.その中に山旅スクール同期生の動く冷蔵庫さんも居られる.集合場所の中央には無事退院されたSSKさんがニコニコしながら立っている.
「退院お目出度う.良かったですね…」
一同,駅から5分ほど歩いたところにあるお馴染みの会場の中華料理店へ移動する.参加者は総勢35人.
<小田急電車に乗車> <祝賀会会場>
■盛り上がる祝賀会
定刻に祝賀会が始まる.
司会は,今日,塔ノ岳山頂まで登られたIIさん.
暫く懇談した後で,
無事退院されたSSKさん
このほど100名山登山達成のHMさん
塔ノ岳3000回登頂達成のTGさん
の順番に挨拶がある.
私は出席者35人の盛況にまずは驚く.
この集まりには,正式名称もない.そればかりか会則,会費なども一切ない.唯一の結びつきは塔ノ岳で顔見知りになったというだけである.
ただ,この会が例年賑やかに懇親会を開いたり,1泊旅行ができるのは,熱心な数人のボランティアが居るからである.
丁度私が今某大学の客員研究員としてある研究に参加しているが,この集まりは格好の研究対象になると思っている.
<沢山の参加者で盛り上がる>
■美味しい料理
次々に料理が運ばれてくる.どの料理も実に美味しい.
平素,塔ノ岳に登られている方々である.勿論年令は還暦を過ぎた年配者の方ばかりである.平均年令は,多分,60才台後半あるいは70才台前半ぐらいだろうと思う.男女比はほぼ半々.これほど男性の比率が多い集団は少ないのではないかと思う.
勿論,出席者は総じて健康である.つまり健啖家,食欲旺盛.最近,年配者が集まるいくつかの会合に出席しているが,今回ほど元気溌剌の年寄り集団に会ったことがない.
”やっぱり山登りは良いな…”
と実感している.
<次から次へと美味しい料理が出てくる>
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■今日も無事終わった
15時40分頃,お開きになる.
ほぼ全員の方々が東海大学前から上り電車に乗車する.
私は上り下りのどちらの電車に乗ろうかと迷ったが,結局,独り小田原行下り電車に乗車する.
電車に乗車した途端に眠くなる.山登りの疲れと満腹感からついつい居眠りをしてしまう.
「…間もなく急行電車新宿行が発車します…」
という駅のアナウンスで目が覚める.
何時の間にか電車は小田原駅に着いている.
「しまった…!」
私は電車から飛び降りる.その直後,電車の扉が閉まって発車する.
JR小田原駅から上り快速アクティに乗車.17時02分に大船駅に到着する.
こうして愉しい土曜日は無事終わった.
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/5dc80163d0a960f358f67927dc31566b
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
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霧の中の紅葉を楽しむ丹沢;塔ノ岳(今年27回目)
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