<熊本空港の”くまもん”の土産品>
閑話休題;久々に国内線飛行機で熊本トンボ返り
(日本良さ再認識の旅)
2016年10月1日(土) 鎌倉は雨,熊本は晴
親族の突然の弔事で,日帰りで熊本まで往復した.自分と同年齢の方が旅立った.
"また1人,旅立ってしまった…”
正直なところ,同年配の方に先に旅立たれると,正直なところ.ガックリと気落ちする.
”明日は我が身か…”
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さて,今日の話題は,弔事の湿っぽいことではなく,久々の国内飛行機の旅の印象である.
平素,国内の旅行は専ら鉄道に頼っている私は,飛行機で国内の旅をするのは,それこそ10数年ぶりのことである.毎年,1~2回,海外の山に出掛けている私にとって,飛行機の旅と言えば国際線ばかり.そういえば,つい1週間前もペルーから国際線を乗り継いで帰国したばかりである.
<久々に国内線の飛行機に乗る>
■いきなりの訃報
9月30日(金),早朝,いきなり訃報を聞かされる.長女の嫁入り先の義父が旅立ったという.
「…今夜通夜,明日(10月1日),葬儀…」
という連絡である.
葬儀は熊本市郊外の某所.
長女側の親族代表として,急遽,私が葬儀に出席することになる.塔ノ岳へ出掛けようと思っていたのに…
私は,早速,インターネットを利用して,ソラシドエアーとかいうLCC朝一番の搭乗を予約した.
平素,国内の移動は専ら鉄道の私には,国内線の飛行機に乗るのは,それこそ20年ぶりのことである.年に1~2回,海外に出掛けている私は,国際線の空の旅は,そこそこ頻繁に経験しているが…今回もつい1週間前に,ペルーから帰国したばかりである.
■大船から東京(羽田)国際空港へ
10月1日(土).本当は塔ノ岳に行くつもりだった.残念.
早朝3時30分に起床する.喪服を着て,4時10分に自宅を出発.真っ暗な路をコーロギの啼き声に見送られながら大船駅へ.約2.5キロメートルの山下りである.当山装備での歩きなら何の問題もないが,喪服と普通の靴を履いて歩くのは,ちょっと何時もとは勝手が違う.
大船駅前の某ファストフード店で軽く朝食を済ませてから,大船発5時25分羽田行の高速リムジンバスに乗車する.早朝のバスなのに結構利用者が居る.
大船から,羽田第2ターミナルまでの所要時間は約1時間.
私にとって,羽田第2ターミナルを利用するのは初めての経験である.全く勝手が分からない.
■面倒な搭乗手続き
まずは搭乗手続きをしなければならない.
ズラリと並んだ自動搭乗手続機に並んで順番を待つ.やっと手続きである.機械のディスプレーに表示されているガイドに従って予約番号を入力する.すると,
「…この番号は自動搭乗機では扱えません.人の居る窓口を利用しなさい」
という主旨の注意書きが表示され,小さな紙切れが出てくる.
この紙切れを持って,どこに有人窓口があるのかとウロウロする.
やっと窓口を見つける.係員は1人.
「…ああお客様は高齢者割引の搭乗券なので自動搭乗手続きはできません.年令を確認できる免許証,保険証などお持ちですか…」
…ということで簡単に発券してもらう.
「そのままお進み下さい…」
とのことなので,いきなりセキュリティチェックを受ける.
他の人がセキュリティチェックを受けるのを見ていると,飲みかけのペットボトルもOKのようである.
セキュリティチェックは,どうやら海外渡航のときより,楽なようである.
出国審査がないのは当たり前だが,何だか拍子抜けする.そのまま搭乗口へ.
■随分と遠い搭乗口
搭乗口までの距離が長いのなんのって…正確な距離は分からないが体感的には1キロメートルほども歩いた気がする.
指定された待合室に到着する.窓口表示が日本語.当たり前.見やすいのでとても気分が楽.それに待合室の雰囲気がとても静かである.大声で話す人,尊大な態度で辺りを闊歩する人,激太りの人,珍妙な出で立ちの人などが全く居ない.全員が静かに搭乗開始を待っている.
周囲を見廻しても,ゴミが全くない.清潔そのものの待合室に感激する.
搭乗開始.
乗客が2列に並んで静かに順番を待つ.乗客が全員フロアアテンダントの指示通りに行動している.割り込む人も居ない.したがってストレスなしに静かに手続きを済ませる.
搭乗口からさらにバスに乗って,かなり遠くまで移動してから,やっと飛行機に搭乗する.
中央に通路.通路の両側に3列の座席がある細長い飛行機である.私の席はかなり後ろの通路側.
所々にキャビンアテンダントが立っていて,
「只今,○○番付近の座席です…」
とさりげなく言っている.
このようなサービスは始めて受けたような気がする.
<閑静な待合室>
■何もない,でも静かな機内
機内にはスクリーンなどの設備は全くない.拍子抜けする歩とアッサリ,サッパリとしている.
客死出入口のドアーが閉められる.出発準備が始まる,キャビンアテンダントが,荷物入れの扉を,一つ一つ開け閉めして,しっかり閉まっているかを確認している.私が今迄乗った国際線の飛行機に比較しても,その確認振りは一際徹底している.
定刻,7時10分に,飛行機は羽田空港を飛び立つ.
特に私が気がついたのは,機内がメチャクチャに静かなことである.ところどころに空席はあるもののほぼ満席に近い状態である.ところがどの乗客もまるで蝋人形のように温和しく席に座っている.話し声も全く聞こえてこない.機内を彷徨く人も居ない.まるで人形の集団と一緒に旅をしているような錯覚に陥る.聞こえてくるのはエンジンの轟々という連続音だけである.
キャビンアテンダントが笑顔をしながら頻繁に客室の様子を見回っている.
<まるで乗客が乗っていないかのような静かな機内>
■立ち居振る舞いが優雅なキャビンアテンダント
機内サービスが始まる.
LCCでは機内サービスは無いと思い込んでいたが,飲み物のサービスが始まる.
キャビンアテンダントは,全員日本人.小柄で立ち居振る舞いがとても優雅に見える.絶えず笑顔を絶やさない.そういっては何だが,外国の航空会社のキャビンアテンダントは,私の眼には,立ち居振る舞いががさつで横柄に見えてしまう.同じ日本人の目から見るから,そう見えるのかもしれないが,日本人のキャビンアテンダントはとても気品があるようにみえる.
乗客から注文を受けるときも,腰を屈めて乗客と同じ目線で話を聞く.上の方から見下ろす用意して聞く外国機ばかりに乗っていた私には,日本人アテンダントの立ち居がとても新鮮に見える.
それにしても,ドリンクサービスのコップがヤケに小さいな.ついこの間乗ったアメリカン航空で振る舞われたプラスティックのコップに比較したら容量は半分程度だろう.
<立ち居振る舞いが優雅なキャビンアテンダント> <小さな紙コップ>
■ディセンバーグ
定刻に熊本空港に到着する.
乗客はディセンバーグの準備が整うまで,実におとなしく待っている.誰一人騒ぎ出す人も居ないし,席を散らかしっぱなしのまま立つ人も居ない.自分のゴミはひとまとめにしてキャビンアテンダントに手渡している.そして,静々と順番にディセンバーグしている.
”日本人の乗客って…! 凄いな!”
私は自分が日本人であることを忘れて感激する.
私たち日本人が,当然のように身につけている公徳心って,とても貴重だなと改めて思う.しかも誰からも強制されてやっているわけではなく,ごく自然にやっていることに過ぎないのだが…
<せっかく熊本に来たのに…>
■地方色豊かな法事
法事は空港からタクシーで10分ほど離れたところにある某斎場で行われた.
私にとって,今年3度目の法事である.最初の法事は信州,2番目は鎌倉,3番目は今回の熊本である.
どこの法事も旅立つ人を弔う目的は同じだが,地方,地方でやり方が随分違うし,宗派によってもかなりの違いがあることを体験する.
告別式の途中で,私を睡魔が襲う.遠方から参列の私は,沢山の人の目に曝されてる.眠ってはダメだ.眠らないようにするのに大変苦労する.
告別式は浄土真宗.「なんまいだ~」の世界である.七拍子のご詠歌のようなお経が延々と続く.皆さんの拝礼を見ていると,本香1回だけで済ます人殆どである.この辺りは地方の差か,それとも宗派の違いか,私には良く分からない.
曹洞宗の坊さんから,
「お香は本香1回だけが基本,ただし,香が消えないように従香を一寸だけ添えても良い…」
と教えて貰ったことがある(ような気がしている).ただ,実際に,信州辺りでは3回香を上げる人が殆どである.どうして3回なのか私には良く分からない.
いずれにしても,13時半頃,告別式が終わる.
私は個人から見たら遠縁で,しかも遠方からの参列なので,出棺を終えたところで,そっと会場を後にする.
せっかく熊本に来たのだから,少し時間を割いて,熊本市内で地震の爪痕を見学しようかともおもったが,礼服を着たままの寄り道もシンドイので,早めの飛行機で帰宅することにする.
■”くまもん”と”おてもやん”
斎場からタクシーを利用して熊本空港に戻る.
飛行機に搭乗する合間に,土産品売場を一回りする.
さすがに熊本である.くまもん関連の商品が多い,それに熊本特産のお土産が多いのに感心する.
”そういえば「おてもやん」も熊本だったな…”
<熊本空港の土産品>
■長い廊下に参った
ソラシドエア便熊本空港14時35分発羽田行に乗車する.帰りも後ろの方の通路側の席である.往路と同じように,薄気味悪いほど静かな機内で,1時間半ほど.無事羽田空港に到着する.
到着してから到着口の外に出るまでが,長い廊下の連続である.正確には測っていないが,多分,10分以上歩き続けたような気がする.
”長い廊下に,参った! 参った!”
<長い廊下が何処までも続く>
■東京は雨
羽田空港で,40分以上待って,高速バス大船行に乗車する.途中,殆ど居眠りをしながら過ごす.
路線バスを乗り継いで帰宅したときには,もうトップリと日が暮れて真っ暗.
なんだかヤケに疲労困憊した一日であった.
それにしても,今年はヤケに法事が多い年である.
”明日はわが身か…”
と,ついつい碌でもないことを想像してしまう.
明日は,神奈美展開催の前日.
沢山の雑務が残っている.明日は天気が良さそうだ.でも残念ながら塔ノ岳に登っている余裕はなさそうである.
(おわり)
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(なし)
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