<電線が邪魔する素晴らしい夕焼け>
閑話休題;暴風雨で,終日,家に籠もる
(閑な半日を過ごす)
2016年8月22日(月) 暴風雨
一昨日辺りから,台風9,10,11号が三つ巴になって北海道,本州地方に襲来している.
昨日は,台風の合間を縫って,塔ノ岳詣でを済ませてしまい本当に良かったナと思っている.山頂まで行かずに途中の花立山荘までだったが…
今日は朝から終日強い風雨に見舞われている.
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私の平日の日課は,早朝から午前中の約7~8時間は家で雑務,午後から鎌倉市内を歩き回ることにしているが,いくら何でも今日のような猛烈な風雨のときには,外出を差し控えている.
そうすると午後からが退屈である.
暇潰しに何をしたら良いかに迷う.昼食後,暫くボンヤリとテレビを見ていたが,どうも面白くない.仕方がないので,2階の作業場(体よく言えば多目的アトリエ)に籠もって,制作忠の2枚の水彩画を眺めている.その内に,まだ,未完成ながらちょっと額にでも入れてみようかという気になる.
まだ,展覧会で発表する前なので,ここで絵の全部を披露することは差し控えるが,ちらりズムで写したのが下の写真である.どちらも額に入れているので,作業場の絵と反対側の書棚がアクリル板に反射してしまい見づらくなっている.まあ,これもご愛敬である.
<描きかけの水彩画2枚;完成度85パーセント>
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奥の方の絵は大きさF40号.これが私の小さな作業場で画ける最大の大きさである.
この絵の元絵になるスケッチは,もうかれこれ14年も前になるが,鎌倉近隣の山仲間と一緒に,北アルプスの表銀座を初めて縦走したときに,東鎌尾根から朝日に輝く槍ヶ岳を見上げながら画いたものである.その後も,数回,同じコースを歩いているが,これほど朝日が美しい槍ヶ岳を見たのは,このとき一度だけである.
この絵の完成度は,85パーセントという所だろうか.まだ,締め切り日には間があるので,もう少し描き込みたいなと思っている.
手前の絵は,大きさF20号.
今から12年前,私は山学校の同窓生と一緒に某登山専門会社にツアーに参加して,初春の爺ヶ岳,鹿島槍ヶ岳に登った.重登山靴に12本アイゼン,それにピッケルの重装備である.実にシンドイ山行だった.でも,雪山は神々しいほどに素晴らしかった.
私はこのときのことを思い出しながら,透明感のある絵に仕上げたいなと思いながら頑張っている.
この絵の完成度も,ざっと85パーセント.もう少し細部に手を入れたいなと思っている.
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描きかけの2枚の絵を眺めている内に,夕方が迫る.
正午過ぎに館山に上陸した台風9号も,どうやら通過したらしく,何時の間にか風雨治まっている.
PCメールを開く.
沢山のPRまかいのメールに混じって,2通の重要メールが着信している.
一通は,塔ノ岳常連のお一人からのメールである.内容は塔ノ岳常連6名で,今月末に1泊2日の予定で,御殿場口から富士山に登らないかというお誘いである.勿論,参加する積もりである.
来月初旬から中旬にかけて,アンデス・ブランカ山脈トレッキングに参加して,標高4800メートルの高所に登る予定である.今度の富士山登頂は,高度順応に丁度良い機会である.
もう一通は,某大学研究所からの定例会開催の件である.
このメールを見て,私は,
「ドキッ…!」
とする.
…というのも,この頃,サボりがちで,手が回らないままに放置しているからである.
”こりゃあ,マズイナ.”
反省すること頻り.
”ちょっとサボっていたかな…,定例会までに,もっと頑張って精かを出さなければ…”
こうして,私の毎日の実家業務はますます忙しくなる.
それでも仕事がある内が花だと思いながら,何とか成果を上げたいなと思っている.
こんなことを考えている内は,ボケることもなかろう…
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夕方,雨が上がった.
わが家2階の西に面した窓から,何気なく西の空を見る.素晴らしい夕焼けの空に富士山がシルエットになって見えている(冒頭の写真).
物凄い風景である.
ただ,滅多矢鱈に富士山を横切る電線が,とてもうるさくて残念である.
”もうすぐ,あの富士山に登るんだ…高性能の望遠鏡があれば,富士山からわが家が見えるかな…”
私は,シルエットの富士山を眺めながら,子供じみた馬鹿なことを連想する.
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暗くなってから,家内と二人きりで夕食.
明日の夜は娘一家5人がわが家に来る予定.1泊する.したがって,明日の夕食は賑やかになる筈である.
…というわけで,二人だけの静かな夕食は,当面,今夜だけかな?
テレビを見ながら,夕食.
テレビではリオのオリンピックが終わったことをテーマにした番組が流れている.
オリンピックに参加した選手達は,異口同音に,
「…4年後の東京オリンピックを目指して頑張ります…」
と決意の程を披露している.
若い彼らには,4年後の東京オリンピックのときに,間違いなく生きてることは当然なのだろう.
でも,私達のような老人はちょっと違う.
これを聞いた家内がポツリ,
「若いって良いですね,4年後も確実に生きているという確信があるから,あんな決意が言えるんでしょうね…」
一息入れてから.
「私達のような年寄りには,4年後果たして生きているかどうか分からないのに…」
私は家内の言葉に,妙に共感する.
私は,今,そこそこ元気に生きている.でも,4年後に,まだこの世に居るかどうか,全く自信がない.
できれば,4年後も元気で,東京オリンピックを楽しんだり,その頃開通する超伝導の新幹線にも乗ってみたい.
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…ま,それはともかく,取りあえずはブランカ山脈トレッキングと某大学関係の仕事,それに10月の展覧会の準備に専念して,4年後の不安など考えないことにしよう.
そう!
結局,充実した毎日を続けて過ごせるかどうかが大切なんだと改めて思う.
(おわり)
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(なし)