<堀山の家のコーヒー>
涼しい山小屋でノンビリ過ごす丹沢;塔ノ岳(今年20回目)
(単独山行)
2016年8月6日(土) 曇後晴
<ルート地図>
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■夜明けが大分遅くなった
天気予報では,今日も猛烈に暑い日になるとのこと.そんな日に丹沢塔ノ岳に登るのは少々躊躇するが,登らないのも癪なので,何時ものように,4時10分,自宅を出発する.外はまだ真っ暗.夏至の頃なら辺りはすっかり明るくなっていた時間である.アスファルト道路にまだ昨日の熱気が残っていて,早朝からムッとする湿った熱気が伝わってくる.
自宅のある尾根筋から,平地の山崎まで下山すると,さらに蒸し暑くなり,歩いている内にだんだんと汗ばんでくる.早朝からもう汗ばんでいるようでは,この先思いやられるなと思いながら,大船駅に到着する.
大船駅から東海道本線下り初電熱海行の電車に乗車する.そろそろお盆のシーズンを迎えるためか,電車は何時もの土曜日と比較すると幾分空いているようである.
■富士山は見えない
5時51分,電車は小田原駅に到着する.
小田原駅で小田急電車急行新宿行に乗り換えるために,ホームの階段を登る.この階段を登るのがどの程度きつく感じるかで,その日の体調が大体分かるが,今日は意外とサッサ登れるので,体調は良さそうである.
小田急線電車の車窓から富士山と矢倉岳が見えるかなと期待するが,残念ながら富士山は雲の中.残念.折角,カメラを構えたんだ.癪だから矢倉岳の写真だけでも摂っておこう…ということで撮ったのが下の写真である.
<小田急線の車窓から矢倉岳を撮る>
■ネコが出迎えるバス停大倉
6時11分,渋沢駅に到着する.まだ早朝だというのに気温は25℃にも達している.今日も蒸し暑い1日になりそうである.
大倉行バス停に並ぶ.前から3人目.何時もの土曜日と比較すると今日は登山者の人数が大分少ないようである.そのためこのところの土曜日とは違って,珍しく臨時バスはなく,定期バスだけである.それでも押し合いへし合いにならない程度の混雑である.
乗り合わせた常連はTGさん,KMさん,TDさん,MNさん,STさんと息子さん他.何時もの土曜日の半分以下である.
バスの中でKMさんが,
「…この暑い最中は,皆さん北アルプスや八ヶ岳辺りへ行っているんでしょうね…」
と言う.
正にその通りだと思う.私も4~5年前だったら,今の時期,間違いなく涼しい山へ出掛けていただろうに…
私はKMさんの言葉を聞きながら,今の自分が北アルプスへ行こうという気にもならないのは,それだけ自分が精神的に老化した証拠だろうなと,心の中で密かに思う.
6時58分,バス停大倉に到着する.
バス停では,馴染みのネコが私たちを出迎える.
私は早速カメラを撮りだして,このネコの写真を何枚か撮影する.
その間,TGさんは先に大倉から歩き出す.
<バス停大倉のネコ>
■順調に歩き始める
多少モタモタしていた私は,7時06分,NMさん,STさんと前後しながら,バス停大倉から歩き出す.
私は前後の方々のペースには巻き込まれずに,終始,自分のペースで登ろうときつく自分自身に言い聞かせながら登り続ける.歩き進む内に,何時の間にかNMさんと2人だけになる.
「…どうぞ先に行って下さい…私はユックリペースでしか登りませんので…」
と何回かお薦めするが,私のペースが長途良いと仰るので,そのまま2人で歩き続ける.
今日は高温にも拘わらず,湿度が多少低いのか,あるいは自分の体調が良いためなのか,その辺りは良く分からないが,この時期にしてはまあまあ歩き易い.路面も良く乾いていて,この分だと山ヒルに出会うこともなしに登れそうである.
雑談をしながら,登山口を通過して山道に入る.
克董窯を通過して間もなく,これまでの舗装道路が終わって,玉石が敷き詰められた歩きにくい道に変わる.なぜかこの辺りに敷き詰められた石は濡れていて結構滑りやすい.
7時50分,雑事場ノ平に到着する.ここから見晴茶屋までのちょっとの間は尾根道になる.この尾根を越える微風が顔や首筋に付きまとっているベトベト空気を取り除いてくれるので,いくらか涼くなる.
■見晴階段
7時52分,見晴茶屋に到着する.
茶屋の前で立ち止まって,相模湾を見下ろす写真を撮るが,薄雲が掛かっていて海は全く見えない.
見晴茶屋を通過して,見晴階段に差し掛かる.
「…私,ごくごくユックリ登りますので,何時でも追い越して下さい…」
とくどいようにNMさんに言うが,私のペースが丁度良いとのことなので,
「それならばどうぞ…」
坂の下から何時ものように坂を見上げた定点観測の写真を撮る.
今日も坂の上の方に数名の登山者の後ろ姿が見えている.
<今日の見晴階段>
■駒止階段
私としては比較的順調に見晴階段を登りきって,モミジ坂に差し掛かる.私の今日の体調は良いらしくて,余り減速せずにモミジ坂を登り続ける.
8時07分,一本松を通過する.
大倉からの所要時間は,1時間01分.最近の一本松までの所要時間が1時間10分前後掛かっているのに比較すれば,今日はまあまあ快調と言えるだろう.
一本松から先の尾根道をノンビリ歩いて,8時21分,駒止階段下に到着する.
相変わらずMNさんと一緒に,階段を,結構,順調に登り続ける.そして,8時27分,駒止茶屋に到着する.
大倉から駒止茶屋までの所要時間は1時間21分.
”ありゃ~ぁ! また,遅くなっちゃった!”
一本松からの平坦道をユックリ歩きすぎたためか,駒止茶屋までのラップは意外によくない.
駒止茶屋上のベンチで,常連のMTさんが,休憩を取っている.
「…もうちょっと先の堀山の家まで行って休憩しましょうよ…」
とお誘いするが,
「いえ,いえ,とてもとても…」
ということなので,先に行かせてもらう.
<駒止階段>
■堀山の尾根道
駒止茶屋を通過して,堀山の尾根道に差し掛かる.
毎度のことながら,大倉尾根のコースの中では,この尾根道が一番愉しいところである.
ここまで登れば,まず蒸し暑さはなくなるし,平坦な土道が連続するので,心地よく歩くことができる.
途中,富士山が良く見えるところを通過する.私は富士山が見えても見えなくてもここで写真を撮ることにしている.したがって,今日も見えない富士山の写真を撮って自分の課業を済ませたような気分になる.
9時29分,堀山の標識前を通過する.
<晴れていれば木の間から富士山が見えるはずだが…>
■ちょっとしたアクシデント(?)
堀山の尾根道に入ってから,NMさんの歩きが何時もとちょっと遅いことに気が付く.ちょっとしたアクシデント(かな?)
8時47分,小草平に到着する.
まずは,小草平のベンチで一休み.
そうこうしていいると,どこからともなく,KIさんが現れる.さらにちょっと遅れて,MTさんも到着する.
休憩をしている内に,NMさんは,ここから下山することになる.そうなると,私にも伝染して,これから先へ登る気がしなくなる.
登ろうという気力が萎えるともうダメ.
「私も,今日はここが山頂です…」
…ということで,何だかここでお仕舞いにするのも惜しいなという気持ちが40パーセントはあるものの,小草平を本日の終点にすることにする.
そうこうしている内に,カメラマンのMMさん,大倉からの歩き出しが一緒だったSTさんが,小草平に到着する.
<小草平に到着>
■堀山の家
小草平が終点と決まったら,ジタバタしても始まらない.
「…じゃあ,ここでユックリしていきましょう…」
ということで,ベンチにリュックを置いたまま,ノンビリと休養することにする.
暫く休んでいると,少し寒いぐらいの涼しさである.正に下界とはかけ離れた別天地である.
そうこうしている内に,次のバスで来られたTTさんが小草平に到着する.TTさんは堀山の家で一休み下後,山頂へ向けて歩き出す.物凄い速度で登っていくTTさんの後ろ姿を見送りながら,TTさんの脚力をつくづく羨ましいなと思う.
まだ大分早いなと思いながらも,ベンチで早々と昼食を始める.NMさんから手作りのネーベンのお裾分けを頂戴する.
そうこうしている内に,どこからともなく三角髭のTDさんが現れる.
「…このところ,塔ノ岳山頂へ入っていませんよ…」
とTDさんは仰るが,私など聞いても良く分からない秘所を廻って来られたにちがいない.TDさんも堀山の家で休憩を取られるようである.
私も,そろそろ堀山の家の開店準備ができたかなと思って,小屋に入る.そして,お湯が沸いた頃を見計らって,オヤジ殿にコーヒーを入れて貰う(冒頭の写真).
コーヒーを飲みながら,皆様方と雑談.
その内に,堀山の女主人が山荘に到着する.途端に辺りが華やいだ雰囲気になる.
TDさんの質問に答えている内に,図らずも私の登山歴を披露することになってしまう.
雑談をしていると,突然,KMさんが小屋に入ってくる.塔ノ岳山頂から早々とご到着である.素晴らしい俊足に私は内心でビックリしている.
「塔ノ岳山頂の気温は28℃でしたよ…」
■雑談をしながら下山
11時05分,そろそろ下山しようか…で,TDさん,KMさん,MNさん,それに私の4人が,堀山の家を出発する.
出発するときに,女主人が,
「…皆さんの写真を撮りましょう…」
ということで,紅一点のMNさんを中心に4人並んだ写真を撮る.
この写真,多分,来週の木曜日の「堀山の家」HPの更新時に掲載されるだろう.
11時13分,堀山の標識前を通過する.その少し先で,TDさんとKMさんは別ルートを歩かれるとのことなので,ここでお別れする.それ以降はNMさんと二人で下り続ける.
下り道では,結構真面目に人生論を語り合う.かなり年齢差があるものの,お互いに老境期の人生を送っている.ときどき話題は脱線するが…年配者には年配者なりの喜怒哀楽があることが分かる.
当面の結論は,
”もっとも大事なのは,今日1日良かったナと思えるような生き方をすること”
に尽きるような気がする.今日一日の積み重ねが過去であり,未来でもある…ということであろう.
雑談の中で,NMさんが
”…週1回の(塔ノ岳)登山では,登山力は徐々に減退する,週2回でやっと現状維持可能”
という主旨のお話しをする.
私もこの話に同感.
ただ,足腰の軟骨は消耗品なので,登山の回数が増えればそれだけ軟骨も消耗する.軟骨は大切に使わなければならない.それだけでなく登山回数が増えれば,身体のあちこちの部品に金属疲労が蓄積される.このことを考えると登山の回数は少ないほどよいことになる.
結論は,体力維持の視点からもっとも効率の良い登山を必要最小限の回数を繰り返すということだろうが,この解を求めるのはなかなか難しい.
12時05分,観音茶屋に到着する.観音茶屋の女主人と目が合う.
NMさんと,
「…どうします?」
「今日は失礼して通過しましょう…」
という結論,
女主人に,
「…スミマセン,今日は通過させて貰います…」
と挨拶して通過する.
■バス停大倉
その後も,ユックリと下山し続ける.
登山口から舗装道路に出た途端に,ムッとするような蒸し暑さである.これには参った.
大倉付近の野菜無人スタンドを眺めながらの道草をしながら,12時32分にバス停大倉に到着する.
番台にリュックを置こうとしたが,例のネコが長々と横になって,気持ちよさそうに昼寝をしている.ネコに遠慮して,リュックを置くのを諦める.
屈託のないネコを見ていると,気ままなネコが羨ましくなる.
”オレもネコになりたい!”
バス停大倉12時41分発渋沢行バスに乗車する.乗客は疎ら.朝のバスで一緒だったSTさんも同じバスである.
さきほど堀山でお別れしたお二人はこのバスには間に合わないようである.
<昼寝するネコ>
■大船駅Becker'sで仕上げのコーヒー
12時53分,バスは渋沢に到着する.
渋沢から小田原経由で上野東京ラインの電車に乗車する.小田原始発.4人掛け1ボックスを1人で占領してユックリ.
例によって途中で睡魔と戦いながら,乗り越しすることもなく,14時09分,無事,大船駅に到着する.
今日は登山の途中で下山してしまったので,何となく歩き足りない.このまま帰宅するのはちょっと抵抗がある.
”じゃあ…,とりあえず熱いコーヒーでも飲んで,どうするか考えよう”
…という次第で,大船駅構内のBecker'sに立ち寄る.
街道歩きの仲間から頂戴した50円引きの券を使って,190円也の熱いコーヒーを賞味しながら眠気を覚ます.
さすがに入れ立てのコーヒーは素晴らしい味である.
コーヒーを飲んでいる内に,気分が収まったので,路線バスに乗って14時15分頃無事帰宅する.
<Becker'sの美味しいコーヒー>
■賑やかな夕食
帰宅後,すぐにシャワーを浴びる.汗を洗い流して,乾いた衣類に着替えると,実に良い気分になる.
汗臭い衣類もすぐに洗濯してしまう.
そして,暫くの間,昼寝だ.これまた気分最高である.ちょっと歩き足りないが…
夕方,長女一家4人が来訪.
ジイサン,バアサン.長女夫婦,孫2人の夕食.
上機嫌のジイサンは,平素独りでは先ず飲むことのないビールをコップ一杯ほどお付き合いする.
夜は更ける.
楽しい団欒も20時を過ぎると,私はだんだんと睡魔に襲われ始める.堪らず20時30分,
「ジイサン眠くてもうダメ,先に寝るぞ…」
ということで就寝.
長女一家がいつ帰ったのか分からないが,今日も”良かった,良かった”である.
<ラップタイム>
7:06 大倉歩きだし
7:32 観音茶屋
7:52 見晴茶屋
8:27 駒止茶屋
8:47 小草平(堀山の家)着
11:05 〃 発
11:21 駒止茶屋
12:48 見晴茶屋
12:05 観音茶屋
12:32 大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 4.3km(片道)
■累積登攀下降高度 695m
■登り所要時間(休憩時間を含む)
大倉発 7:05
小草平着 8:47
(所要時間) 1時間47分(1.78h)
水平歩行速度 4.3km/1.78h=2.42km/h
登攀速度 695m/1.78h=390.4m/h
■下り所要時間(休憩時間を含む)
小草平発 11:05
大倉着 12:32
(所要時間) 1時間28分(1.47h)
水平歩行速度 4.3km/1.47h=2.92km/h
下降速度 695m/1.47h =472.3m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事(塔ノ岳)
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/06b13f03b76a1e62f8070e74f621b011
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
お断り;
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涼しい山小屋でノンビリ過ごす丹沢;塔ノ岳(今年20回目)
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