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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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歩いて巡る中山道中六十九宿(第9回):第2日目(3):もうすぐ和田峠

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[改訂版]歩いて巡る中山道中六十九宿(第9回):第2日目(3):もうすぐ和田峠
           (五十三次洛遊会)
       2010年9月11日(土)〜13日(月)

※本稿の初出は2010年12月30日である.
 初稿の地図を差し替え,本文の加除修正を行った.

第2日目:2010年9月12日(土) (つづき)

<ルート地図>



<和田峠キャンプ場と遺跡群>

■和田峠キャンプ場
 9時40分に,江戸日本橋から52番目の広原一里塚を通過する.緑一杯の広い谷間の道が続く.なだらかな登り勾配の道である.
 9時43分,和田峠キャンプ場に到着する.進行方向左手には,自炊場と広い幕営場が広がっている.今はオフシーズンのためか,辺りに人影は全くない.幕営場は夏草に覆われている.





<和田峠キャンプ場>

■和田峠ロッジと和田峠遺跡群
 9時47分,キャンプ場の一角にある和田峠ロッジを通過する.三角の尖った屋根が印象的である.
 和田峠ロッジの近くに「和田峠遺跡群」と書いた案内板が立っている.この案内板によると,「旧石器時代の石器の材料とされた黒曜石が和田峠周辺で多く産出されている.1990〜1991年(平成2〜4年)の分布調査により,黒曜石の露頭が10カ所ほど確認された.さらに和田川の段丘には数多くの後期旧石器時代の遺跡群が形成されていたことが明らかになった.特にキャンプ場から一里塚,そして湿原の周辺にたくさんの遺跡が集中している.出土した石器は黒曜石石器資料館に保管されている」という.

<和田峠ロッジ>

<東餅屋跡>

■「ドライブインお餅」に到着
 9時48分,東餅屋に到着する.青色の屋根が目立つ大きな店構えである.ここで,しばらくの間,休憩を取ることにする.
 店に入る.店内は結構広い.威勢の良い店主が,力餅について,いろいろと饒舌に説明をしてくれる.
 店の側にある案内板によると,「標高1531メートルの和田峠は急坂が多く,降雪の際はもとより,雨や霧の日も旅人は渋滞した.この峠の唐沢,東・西餅屋,樋橋,落合に茶屋があり,人馬の休息所になっていた.この東餅屋では5軒の茶屋が名物の餅を売っていた.1624〜1643年(寛永年間)より,1軒に1人扶持(1日玄米5合)を幕府から与えられ難渋する旅人の救助にもあたっていた.幕末には大名休息のための茶屋本陣も置かれ土屋氏が務めていた.鉄道が開通するとともに往来も途絶え,5軒の茶屋も店をたたみ,今は(ドライブイン以外家はなく)石垣を残すのみである.」

<ドライブインお餅>

■力餅を賞味
 一行のどなたかが,名物の力餅を購入して,皆に振る舞う.私も1個ご相伴する.モッチリとした歯応えの美味しいお餅である.よほど土産に買って帰ろうかと思ったが,重たいし,まだ,明日もこの餅を持って歩かなければならない.結構なお荷物になるので諦める.
 食べる前に,写真を撮ろうとしたが,気の早い人が,私が制止するのを待たずに1個取ってしまう.そのためお持ちが1個欠落した写真になってしまったが,これもお愛嬌である.

<力餅>

■店内で一休み
 ご主人の甲高い声の説明を聞きながら,店内をグルグルと見て回る.このご主人の話し方に信州訛りがある.この訛りが信州生まれの私にはとても懐かしい.
 ただ,親切だが饒舌な説明に辟易とする.

<ドライブインお餅の店内>

<和田峠はもう近い>

■登り勾配の道が連続する
 10時丁度に,ドライブインお餅を出発する.
 旧中山道は,相変わらず道草が生え繁る自然豊かな道が続く.歩き進むにつれて,次第に登り勾配がきつくなる.
 途中に,例の青色の案内板が立っている.

<ドライブインお餅を出発>

■次第に深い森の中に入る
 私達は緑豊かな登り道を楽しみながら歩き続ける.物音一つしない静かな森の中の道が続く.
 なだらかな登り勾配がずっと連続する.足が丈夫な人と弱い人の差がだんだんハッキリとしてくる.先頭を行くグループが,もうすこし後ろの人に気を遣ってくれればいいなと思うが,なかなかそうはいかない.

<緑陰の草道を歩く>

■ビーナスラインを横切る
 途中,ビーナスラインの道を4回ほど横切りながら,坂道を登り続ける.ビーナスラインの舗装道路に出る度に,自然の中を歩いている気分が阻害される.仕方がないことだが・・・何とも残念である.

<自動車道路ビーナスラインに合流する>

■和田峠が間近
 10時25分,前方に峠が見え始める.尾根沿いに映えている木が途絶えているところが,どうやら峠らしい.私は地図で現在地を確かめて,あそこが峠だと確信する.
 「皆さん,もうすぐ和田峠ですよ・・」
と一同を鼓舞する.
 前方に,何か小屋らしいものと,人の集団が見えている.

<和田峠はもうすぐそこだ> 

[参考資料]

資料1:今井金吾,1994,『新装版今昔中山道独案内』日本交通公社
資料2:『完全調査街道マップシリーズちゃんとあるける中山道六十七次』五街道ウォーク事務局
資料3:岸本豊,2007,『新版中山道69次を歩く』信濃毎日新聞社
                                             (つづく)
[加除修正]
2013/8/13  地図の差し替えと本文の加除修正,山行引用文献などの追加

「中山道中六十九宿巡り」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0cfa3904ab0d9e54612663c5c63d8293
「中山道中六十九宿巡り」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2ef7dca12e1cdff4782a34b65ae3eec7
「中山道中六十九宿巡り」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b0fff7ecf75b54c3f443aa58cfa9424e

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