閑話休題;胆石症闘病記(12);第7日目;退屈な日曜日
2016年4月3日(日) 曇
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<7日目の朝;面白いほど自力で…>
■「大」「小」正常に…
「大」「小」が曲がりなりにも自力でできたので,気が楽になったためか,昨夜は悪夢にうなされることもなく,割合に良く眠れた.
5時30分,共催所のトイレに行く.「小」が面白いほど良く出る.
尾籠な話で恐縮だが,「小」を受けるのに用意されているコップが小さくてすぐに一杯になってしまう.仕方がないので「小」を一旦中断しで,コップの中の「小」を大瓶に空ける.そしてまた,便器に戻って「小」を続ける.
こんなことを点滴棒を引っ張りながらやらなければならないので,両手の扱いがかなり煩雑になってしまう.そうこうしながら,本日朝の「小」は750立方センチメートルである.「小」の色も正常に戻っている.
昨日まで「小」が詰まっていた私には上出来な量である.
■血圧体重などの測定
7時過ぎに,看護師が廻ってくる.看護師はKBさん.
例によって血圧,脈拍,血中酸素濃度と体重を量る.体重は××.×キログラム.平素自宅で量っている体重より一寸重い.でもBMIを計算すると,楽々標準値の22近傍の値になる.
ついで,本日担当の看護師TNさんが,熱々の蒸しタオルを2枚持ってくる.
「…熱いですよ気を付けて…顔を拭いて下さい.」
と言いながら私に手渡す.
■朝食
8時10分,朝食である.
今日の朝食は,何だか学校給食のようなお皿にネーベンが盛りつけてある.それに味噌汁が付いている.もちろん塩気がほとんど感じられない薄味である.
朝食後,昨日の朝と同じように4種類の薬を飲む.
<4月3日の朝食>
<本業が気になる>
■パジャマを着替える
8時35分,今朝,2度目の血圧,脈拍,血中酸素濃度の測定を行う.
続いて,9時20分,生理的食塩水の点滴が始まる.
9時30分,看護師の助けを借りて,パジャマ(病院衣と言った方が良いかな)を着替える.着替える前に熱々の蒸しタオル2枚で全身をザッと拭く.気持ちが良い.
点滴の袋をつけたままの着替えは結構技術を要する.いきなり独りでは一寸無理.
9時43分,生理的食塩水の点滴が始まる.
■本業をほんの少し…
今日は日曜日.担当医の見回りもない.ときどき看護師が血圧などを測りに来る以外に特に用事もない.
「大」「小」が自力で出来るようになったので,気分も最高.開放感に浸る.ただ残念なことに,相変わらず点滴が続くので,点滴棒付きである.
私は気分良く某大学研究所から拝命されている論文のシナリオを考え続ける.思いついたことを,雑記帳にランダムに書き留めるので,雑記帳は雄猫ムル状態になっている.
でも,雑記帳に,いろいろと描き込んでいる内に,この雑記帳は私にとって無くてはならないものに変わってくる.
このまま雑記帳にランダムに画き続けたら,退院日までに,多分,大学ノート一冊では足りなくなるかもしれない.ならば,今日の内に,売店でノートを買っておいた方が良いかな…と思い立つ.
<病院内ツアー>
■見事な絵画
10時35分,私はナースステーションに立ち寄って,
「…A棟の売店へ行ってきます…」
とお断りしてから,売店へ買い物に出掛ける.
A棟とB棟の間には,3階に渡り廊下がある.
まずはエレベーターを使って,B棟3階へ上がる.エレベータを降りたところに,飲み物の自動販売機があるのを見つける.
つづいて,一寸方向音痴になりかけながら,A棟への渡り廊下を渡る.
前々から,病棟の壁に素敵な絵が飾ってあるのに気が付いていたが,渡り廊下に沢山の絵が飾ってあるのにビックリする.
”まるて美術館のようだ…”
もともと,私は自分でも下手くそな絵を画いているので,絵には関心がある.
”後で病院中に飾ってある絵を全部見て回ろう”
と思う.これで,貴重な時間を有意義に過ごすことができそうである.
私は,入院中,暇さえあれば,院内の絵を見て回った.これらの絵の素晴らしさは,稿を改めて記録したいと思っている.
<院内の絵が素晴らしい>
■売店にて
A棟にはどうやらリハビリ施設があるらしい.曲がりくねった廊下を過ぎて直進,突き当たりのエレベーターに乗って,1階まで降りる.そして,A棟入口近くの売店へ向かう.
折角,渡り廊下を伝って,はるばる売店まで来たのに,売店が閉まっている.
”ありゃ,りゃ,…”
私は落胆して,往路を戻ろうとする.
すると,中年の女性が駆け寄ってくる.
「日曜日の営業時間は,11時からですが,折角来て頂いたんですから,今,店を開けます…一寸待ってて下さい…」
正規の開店時間まで,まだ,20分近くもあるのに,私のためにお店を特別に空けてくれる.
多分,点滴棒を引っ張って来た私を哀れに思ってくれたんだろう.
「狭いけど,どうぞ,ここから入って下さい…通れるかな…」
と心配する.点滴棒を工夫しながら店内に入る.開店したら外に並べる棚も,開店前なので店内に置いてある.素のためただでさえそれほと広くない店内がさらに狭くなっている.
私は,狭い店内を移動しながら.
パンツ 1枚
センベイ 小さな袋1袋
週刊誌「サンデー毎日」
朝日新聞
ボールペン 1本
を購入する.
<A棟の売店までブラブラ>
■週刊誌
売店の店員に丁寧にお礼を言ってから,往路を辿って自分のベッドまで戻る.
早速,週刊誌を斜め読みする.折しも大学受験シーズンが終わったところである.今週のサンデー毎日は全国主要高校の大学別合格者数の一覧が掲載されている.
平素,自分の出身校の大学進学状況などに余り興味を持っていないが,たまたま,このサンデー毎日を見ると,東大3人,京大2人,東北大13人,北大3人,名大2人など,田舎高校にしては結構頑張っていることが分かる.
■センベイ3枚
遂に我慢できなくなり,昼食前に,センベイを1枚だけ食べようと思う.
ところが1枚食べると,ついついもう少し食べたくなり止められない.ついに3枚も食べてしまう.
”3枚も食べちゃって…ちょっとまずいかな…”
と反省しながら,センベイ袋を,一寸手の届かない所に置いてあるリュックに仕舞い込む.
<久々のセンベイ3枚>
<お昼時>
■点滴チューブに血液が逆行
11時30分,気が付くと2本ある点滴用のチューブの1本の中に血が逆流しているのに気が付く.何時,逆流したのか分からないが,まるで赤いアルコールの寒暖計を見ているようである.
早速,看護師に見て貰う.今日の担当はTNさん.
「…血液が逆行してから時間が経ってしまったので,血液がチューブの中で凝固してしまいました.このチューブは使えなくなりましたので,外しましょう」
ということで,2本ある点滴用に針のうち,使えなくなった針を外す.外した針には血液がベッタリと付いている.
■血圧など測定
11時40分,給食担当の方が暖かいお茶を配る.
看護師が巡回.血圧,脈拍,血中酸素濃度を測る.いずれも正常値を示している.
看護師から昼食後に,セルフール,ハルナール,ロキソニンをそれぞれ1錠ずつ服用するように指示される.
■昼食
12時10分,昼食.
相変わらす主食はお粥.ネーベンは塩が少ない薄口のグラタン風.食べ物に疎い私には,食べ物の正式な名称は分からない.
白菜をクタクタに煮込んだ感じの酢の物,それにカンズメの果物.この果物は何なんだろう.黄色でちょっと歯応えがある.
お粥は美味しいので,副食なしでも食べられる…が,さきほどセンベイを3枚も食べてしまったので,調整のために,お粥を半分残す.
<4月3日の昼食>
<午後をノンビリ>
■新しい点滴と血圧測定
12時40分,看護師のTNさんが見回りに来る.
新しい点滴の袋を点滴棒に吊す.小振りの袋である.
「…これは何の点滴ですか…?」
と伺う.
「脾臓のお薬です…」
とのこと.
看護師が,
「…昼食は全部食べましたか…」
と聞く.
私は,センベイを3枚食べたので,お粥は半分残したと報告する.
「…FHさん(私のこと)は,血圧が高めですので,塩気のあるセンベイは控えた能が良いですよ…」
と真顔で心配する.
「どうも,スミマセン.実は何とも口が寂しくて,ついつい…一応,主治医のDT先生の許可を得ていますが…」
「勿論,先生の許可があるんでしたら,結構です.スミマセンでした」
と謝られてしまう.
私,逆に恐縮,そして反省.
”事前に看護師にも「センベイ食べます」と伝えるべきだった.”
■「小」が快調
13時05分.トイレで「小」.500立方センチメートル.本日の累計1,600立方センチメートル.
自力で「小」が出来るようになって2日目.まだ夕方なので,まあまあ快調.
内心で,私はホッとしている.
”どうやら小便袋の世話にならなくても済みそうだ.”
■自主トレーニング
そちこちを歩き回りたいが,他の入院患者さんの迷惑になるし,点滴棒をひっさげてでは,そう簡単に歩き回ることもできない.
そこで私は自分のベッド脇で,足踏みを続けることにする.
13時35分,足踏みを開始.
最初はユックリ,途中でももを上まであげて歩調取れ! これをずっと繰り返す.少し続けている内に,身体が温かくなってくる.
14時丁度に,看護師が見回りに来る.
カーテンを開けて,私が足踏みをしているのを見て,ニコッとして,カーテンを閉める.
足踏みをしている内に,ネバーギブアップという気分になってくる.
結局,14時40分まで,連続1時間余り足踏みを続ける.
15時頃,看護師が現れる.
「明日,ERCP検査があります.飲み物は明日朝8時までにして下さい.8時以降は飲食は控えて下さい」
とのお達しである.
■暖かいコーヒー
明日,ERCP検査となると,退院は明後日より先になることは必定.そうなると,着替えのパンツが足りなくなる.パンツ以外は病院から貸与されるので問題ないが…
山へ行く思いをすれば,ちょっとの間ぐらい同じパンツを履き続けても良いかナとも思うが私を診て下さる医師や看護師に少しでも不快な気分にならないように,やっぱりもう一枚パンツを買い足しておこうと思う.
15時30分,私は点滴棒を引きずって,3階の渡り廊下を伝ってA棟1階の売店へ.そして,以前に購入したパンツと柄違いのパンツを1枚購入する.序でにノート1冊と,ボールペン1本.
売店からの帰途,B棟3階の自販機で,「ミルクとコーヒー」1本130円也を購入する.
”当分を取り過ぎるかな…”
と心配しながらも,暖かいコーヒーを賞味する.
”美味しいナあ…実に美味しい”
私は,何だか欠食児童みたいだなと,苦笑する.
”早く娑婆に出て,コーヒー専門店のコーヒーを飲みたいな”
<自販機のコーヒー>
<7日目の夕方>
■トイレは快調
16時15分,トイレ.「小」が400立方センチメートル,本日累計2,000立方センチメートル.なかなか好調のようである.
トイレからベッドに戻ると,すぐに眠くなる.暫くの間,居眠りをする.
16時43分,看護師が現れる.そして,ソルファーゼF500ミリリットルの点滴を差し替える.さらにスルバラン18Eという薬も点滴に加える.蛇足ながらソルファーゼFは食事代わり,スルバランは抗生物質である.
私は,新しい点滴が始まったこともあって,暫くの間,ベッドに横になって居眠りをし始める.
■夕食
17時22分,熱いお茶のサービスがある.
17時25分,看護師が来て,脾臓の薬とやらの注射を,点滴の針を経由して注入する.
17時30分から,テレビで「笑点」を観る.
18時02分,夕食.
”おつ,鮭だ!”
私には食べ物の好き嫌いはあまりないが,鮭は好物である.ただ,病院食の鮭は塩気が全くなくてバサバサした感じである.
”塩鮭がたべた~あぃ…!”
”せめて醤油を2~3滴でも掛けられたらなあ…”
<4月3日の夕食>
■トイレに行く
18時30分,歯磨きとトイレ.
トイレでは,「小」600立方センチメートル.快調.
つづいて,21時丁度に500立方センチメートル.本日の累計は3,100立方センチメートルとなる.
本日のトイレ回数は6回.したがって1回当たりの「小」の量は,
3,100cc÷6回=517cc/回
ということになる.
この量が,多いのか少ないのか,素人の私には良く分からない.
[本日の記録]
(時間) 大 小(cc) 小累計(cc)
5:30 … 700 400
8:35 ○(下痢気味) 400 1,100
13:15 … 500 1,600
16:15 … 400 2,000
18:30 … 600 2,600
21:00 … 500 3,100
■やっと顔の髭剃り
夕方点滴が終わる.
やっと,点滴棒から解放される.とはいえ,右手の腕には点滴の針が刺さったままである.それでも.点滴棒から解放されると,本当に気分が良い.
この機会を利用して,久々に洗面所で髭を剃る.
髭を剃りながら,鏡に映る己が姿にジッと見入る.幾分痩せたかな?
ついでに自分の手の爪を見る.入院がこんなに伸びるとは思わなかったので,ついつい爪切りを持参するのを忘れた.入院以来,爪を切っていないので,随分と爪が長く伸びている.長い爪が少々気になり始める.
21時30分,消灯.
こうして,入院7日目が終わる.
(7日目終わり)
(8日目に続く)
つづき(8日目)の記事
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(執筆中)
胆石症闘病記の目次
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「閑話休題」の次回の記事
(なし)
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