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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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香港トレイル50km大踏破;第3日目(3);展望のセクション5

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                                     <渣甸山展望台からの眺望>

  香港トレイル50km大踏破;第3日目(3);展望のセクション5
           (アルパインツアー社)
      2016年1月28日(木)~2月1日(月)
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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b8e6a4866693fd0c2c03cf7928a7a7bd

第3日目;2016年1月30日(土)(つづき)  曇時々晴

<ルート地図>


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<バナナと香港ネコ>

■セクション5の出発点
 11時39分,ランニング大会の休憩所に到着する.大会関係者らしい人達が沢山集まっている.
 現地ガイドのMKさんが,
 「…50キロメートルを走る人達の先頭グループはそろそろこの辺りまで来ますよ…」
という.
 11時40分,セクション5の出発点に立っているゲートに到着する.辺りに規制のためのロープが張られていて,標識H052(起点から26.0キロメートル)に近付けない.私は,近くにいる係員に,下手くそな英語で,
 「…あの標識の写真を撮りたいので,中に入れてくれ…」
とお願いする.
 「良いですよ…」
とのことなので,規制線の中に入れてもらう.ところが肝心のH052と書いてある所に,誰かがバナナを置いているので邪魔になる.まさか余所様のバナナをほかしてしまうわけにもいかないので,H052が見えるように動かして写真を撮る.
 その後,急いでゲートを潜って,少し低い所で休憩を取っている仲間に合流する.
 私が少し遅くなったことに気が付いた同行者が,
 「…なにかあるんですか?」
と私に聞く.
 私が斯く斯く云々でH052の標識の写真を撮ったと説明すると,数名の方が,
 「じゃあ…私も撮ってくる」
ということで,短い坂道を駆け上がる.

<標識H052>

■あつ! 香港ネコだ
 丁度そのとき,近くの茂みでゴソゴソと動いているもの見つける.
 ”あつ! 香港ネコだ!”
 私は出会ったネコの写真は必ず撮ることにしている.特に香港に来て最初に出会ったネコである.私は懸命にシャッターを押すが,どうもシャッターが切れるのが1テンポ遅くなり,結局,ヤブに消えていくネコの後ろ姿しかとれない.
 “このバカカメラめ…!”
 私は自分の腕の未熟さを棚に上げて,愛用のカメラを叱りつける.そして,
 “バカだな…! オレは…!”
と自分自身に呆れる.
 あまり正確には数えていないが,私はこれまで十数カ国で,ネコの写真を撮っている.不思議なことに,どこの国のネコも,「ニャ~ン…」と鳴く.
 “猫の世界では,「ニャ~ン…」が世界共通語なんだろうか…?”
 私は,また,例により碌でもないことを考え始める.そして,ネコの鳴き声のことが暫く頭の中にこびり付いて離れない.
 ”そう言えば,モンブランのグーテ小屋に実に可愛いネコが居たな…このネコと尊仏山荘のネコを引き合わせたら,お互いに共通ネコ語で会話できるんだろうか…”
 これ是非やってみたいが,無理だな…

<香港ネコ第1号>

■しまった! デジカメ電池切れだ
 標識H052から少し下ったところに吾妻屋付きの広場がある.広場で休憩.私はランチボックスからスイーツを取り出して,ソソクサと食べる.
 12時09分,現地ガイドのMKさんが,
 「…そろそろ出掛けますよ…」
と一同の尻を引っぱたく.
 私は出発間際に,広場の写真を撮ろうとする.すると,私のバカカメラの液晶画面に,
 「バッテリーがなくなりました」
という表示が出る.
 “この期に及んで,バッテリーが空だと! このバカカメラめ!”
 私は無性に腹が立つが,無いものは無いので致し方ない.

■いきなりの急坂
 ここからは,いきなり急な登り階段である.階段の登り口には,何やら注意書きを書いた看板が立っているが,書いてある漢字が読めるような読めないような…でも,何となく,「ここから先は道幅が狭い悪路が連続するので注意」というようなことが書いてあるんだろうと想像する.
 私は,デジカメの電池を取りだして両手でゴロゴロと回して電池を暖める,暖めれば電池は少し回復する.電池がチョッピリ回復したところで,急坂の写真を撮る. 
 私達が歩き始めると,坂上から2人の男性が降りてくる.この2人とすれ違いにやり繰りしながら,先へ進む.セクション5は香港トレイルの他に奕信径とかいうトレイルが重なっているためか,今まで歩いてきたところと比較すると,ハイカーの数が格段に多くなる.
 階段道はそれほど長くはなく,すぐに緩やかな登り下りのある尾根道に変わる.沢山のハイカーとすれ違う.
 マラソン大会の参加者が,次から次へと私達を追い抜いていく.狭い道なので随分と危険である.
 ”日本だったら,多分,一般のハイカーの通行を禁止してから,大会を実行するだろうな…”
と想像する.
 小さな登り下りが連続する狭い道で普通のハイカーがすれ違う.そこをランナーが私達を追い立てるように後ろから迫ってくる.とてもではないが,安心して歩くことができない.特に足場の悪いところでは,ランナーに道を譲るのに苦労する.

<いきなりの急坂>
 
<展望を楽しむ>

■まるで瀬戸内海のようだ
 12時08分,標識H053(起点から26.5キロメートル)を通過する.標識H053の直ぐ近くに標識W009がある.Hマークの標識とデザインが良く似ているので,状況が良く分かっていない私は少々混乱する.要するにWマークの標識は奕信径のことのようだ.したがって標識W009は奕信径起点から4.5キロメートル地点であることを示している.
 稜線からの眺望は実に素晴らしい.進行方向右手には沢山の島が重なるように連なっている.まるで日本の瀬戸内海のようである.
 あいにく厚い雲が空を覆っているが,どうやら雨は落ちてこないようである.

←クリック拡大

■ダムが見える
 12時27分,右手前方に,ダムが見下ろせるところで,ちょっと立ち止まる.
 MKさんが,
 「…あそこにダムが見えているでしょう.ぐるっと回って,あそこのダムまで居ります…」
という.
 一瞬,随分遠いところまで歩くんだなと思う.
 12時35分,標識054(始点から27.0キロメートル)を通過する.

<右手前方にダムが見える>

■畢拿山まで1.5キロメートル
 12時39分,立派な標識の前を通過する.標識には「畢拿山(Mount Butler)1.5キロメートル」という表示がある.
 地図で確かめると畢拿山の少し先にセクション5の終点,大風坳(Tim Fung Aui)がある.

<立派な標識>

■渣甸山展望台
 引き続き,展望の良い尾根道が続く.
 12時40分,渣甸山展望台(Jardines Lookout,標高433メートル)に到着する.リュックを降ろしてカメラの電池を取り出す時間が取れないので,残念ながら写真は撮れない.
 ここは一寸した広場になっていて,腰の高さぐらい四角い台座の石の上に直径約50センチメートル,高さ1.5メートルほどの円筒形の塔が乗せてある.塔の廻を沢山の観光客が取り囲んでいる.
 塔の脇の茂みの間から,銅鑼湾(Causway Bay)方面(間違っているかもしれない)と思われる風景が広がっている(冒頭の写真).

<渣甸山展望台>

■展望台で休憩
 私達は,沢山の観光客と交わりながら,展望台近くで,12時44分まで休憩を取る.
 休憩を取った場所の直ぐ側に三角点がある.文字通り三角形をしているのでビックリする.これが本当に三角点かどうか,私には良く分からないが,とにかく日本の三角点とは異なる.
 12時51分,標識H055(始点より27.5キロメートル)を通過する.見晴の良い尾根道が連続する.私達は畢拿山に向かう尾根道を東の方向に歩いている.
 
<渣甸山展望台>                                                              <三角点>

<採石場沿いの道>

■前方に採石場
 12時46分,前方に採石場が見え始める.
 MKさんが,
 「…これから,あそこの採石場を目指して下ります.その後,採石場の脇を登ります,そして右に見えている尾根筋を下ります…」
と説明する.
 ”うぇ~…,随分遠いな”
 かなり急な階段道が連続する.そこを次から次へとマラソンランナーが後ろから追い抜いていく.切りがないほど沢山のランナーが,次から次へと降りてくる.危険きわまりない状態である.
 続いて,13時04分,標識H056(始点より28.0キロメートル)を通過する.

<採石場の大下りが始まる>

■眼下にダムが見える
 石切場の反対側を見ると,足許にに大きなダムが見えている.その先は森林,さらにその先にはビル群が広がっている.あいにくの天気で残念だが,なかなか広大な展望である.
 地図で確かめると,私達はこれから足許に見えているダムの所まで急坂を下るようである.

<眼下のダムが見える>

■起伏が連続する展望の尾根道
 13時04分,標識H056(始点より28.0キロメートル)を通過する.
 13時10分,また登り階段に差し掛かる.
 13時17分,道幅が開けて,道の両側が少し広くなる.MKさんが,
 「…休憩しましょう.ここでちょっと食べ物を口に入れて下さい…」
と私達を促す.
 私達は,三々五々,土手に寄りかかって軽く昼食を済ませる.
 13時22分,再び歩き出す.
 13時28分,標識H057(起点から28.5キロメートル)を通過する.
 何時の間にか,青空が広がっている.眼下に入り組んだ入江とビル群が見下ろせる.一体,何処を見ているんだろう?
 
<尾根道からの素晴らしい眺望>

<畢拿山から大風坳へ>

■畢拿山山頂
 13時43分,畢拿山山頂(Mt.Butler,標高417メートル)に到着する.
 山頂には,円柱の標識が立っている.標識の周辺は,相変わらず沢山の登山客で賑わっている.
 畢拿山での休憩を終えて,13時45分,山頂を出発する.

<畢拿山山頂>

■セクション5の終点,大風坳に到着
 畢拿山山頂からは長い下り階段を一気に下る.
 昨年3月に右膝を痛めた私には,長い下り階段は慎重に降りなければならない.とても周りの風景の写真など撮っている余裕がない.ひたすら同行の皆様の歩調に合わせながら下り続ける.
 13時54分,突然,賑やかな広場に到着する.大風坳(Quarry Gap;標高340メートル)である.ここはセクション5の終点である.
 広場の周辺には何張かのテントがある,沢山の観光客が集まっている.
 広場の片隅に標識H059(始点から44.5キロメートル)が立っている.

<大風坳の広場>
                              (つづく)
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「香港トレイル50km」の目次
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/66e122691315c1628f0ac6b16c47b250
「香港トレイル50km」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0c78d4a15e2d1fb5ee7dd88c5d0bad50

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