<セクション1の1km地点から香港島ビル群を眺める>
香港トレイル50km大踏破;第2日目(2);雨の中,セクション1を歩く
(アルパインツアー社)
2016年1月28日(木)~2月1日(月)
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第2日目;2016年1月29日(金) 雨のち曇
<ルート地図>
■トレッキング1日目の概要
■ルート図(セクション1)
ピークトラム山頂駅(標高400メートル)近くにある香港トレイル出発点から歩き出す.址旗山(ビクトリアピーク;標高552メートル)を半周して,薄扶林(ボクフーラム)水塘道を歩く.
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<雨降りしきる散策路>
■3台の携帯無線
九龍側にあるホテルからスターフェリーとピークトラムを乗り継いだ私達は,9時41分,頂上駅近くにある香港トレイルの出発点に到着する.雨が降り続く最悪のコンディションの中を.そのまま歩き出す.
グループには携帯無線が3台ある.先頭を行く現地案内人MKさんが1台,最後尾を歩くツアーリーダが1台.
ツアーリーダーが,
「…誰か1台,持って,列の真ん中を歩いてくれませんか…?」
と一同に話しかける.
先頭を行くMKさんの説明を全員が聞き取れるためである.
誰も手を上げないので,やむなく私が持つことになる.男だというだけのことで目線が私の方に向いているので…
■雨の中,歩き続ける
いよいよ香港トレイルセクション1のウォーキングの始まりである.まずは址旗山(ビクトリアピーク)中腹に作られたトラバース道を北に向けて歩く.舗装された立派な道路である.
ツアーリーダーが,
「狭い道ですけど,車が通ることもありますので注意して下さい…」
という.
進行方向右手には手すりが取り付けられている.手すりの先の樹木の間から雨に煙るビル群が見え隠れする.
10時45分,最初の標識H001の前を通過する.この標識の所で,出発点から,丁度,500メートル歩いたことになる.
この標識は,500メートルごとの設置されているので,自分が歩いている場所を特定するのに大変役に立つ.
<雨の中歩き出す> <H001の標識>
■沢山のポスター
9時52分,Y字型分岐に到着する.私たちが歩いているトレイル左手の断崖に向かって道幅が狭い急坂の道が分岐している.その道の上の方で何か工事をしているようである.
分岐点には漢字ビッシリのポスターが沢山貼ってある.
「ここは何ですか…?」
と現地案内人のMKさんに伺ってみる.
「これらは建築反対のポスターですよ.この坂上で建物が建てられようとしているんです.危ないから工事を止めるように反対しているんです…」
ポスターの漢字を見ると,中国本土で使われている略字とは違って,昔の漢字のままである.不思議に思って,MKさんに伺う.
「香港が中国に返還された後でも,漢字は旧字のままなんですか…?」
「香港では,台湾と同じように旧字の漢字を使っています」
<建築反対のビラ> <急坂が分岐>
■ニヨキニョキと立っているビル群
9時54分,標識H002を通過する.出発点から丁度1キロメートル歩いたことになる.ここまでほぼ水平なトラバース道が続いている.
相変わらず小雨が降り続いているが,進行方向右手の樹木の間からときどき香港島のビル群が見える.相変わらず雨で煙っているために,遠くは見えないが.ニョキニョキと立っているビル群には空恐ろしさすら感じる(冒頭の写真).
MKさんの説明が続く.
「…ビルが建っているところと,緑の所がクッキリと分かれているでしょう.実は緑の所は自然保護のために建築規制がかかっているんです.ですから,建物を建てて良いところギリギリまで建物が建っています…」
「なるほど…」
ここから見下ろすと,まるで地下から竹の子がニョキニョキ生えてきたような錯覚に陥る.
<ビル群を見下ろす>
<亜熱帯植物を見ながら…>
■インドゴムの木
10時11分,道標H004の前を通過する.ここが歩き出し地点から,ちょうど2キロメートルの地点である.
10時12分,2キロメートルから少し進んだ地点にあるゴムの木の前を通過する.傍らにある説明板によると,これはインドゴムである.ただ説明が漢字ばかりなので,何が書いてあるのか一寸目では分からない.
ゴムの木以外にも.珍しい草花があると,MKさんが細かく説明してくれるが,樹木のことはからっきし分からない私はチンプンカンプン.言われるままに,何枚か写真を撮るが,後になって何を取ったのか全く分からない.
<ゴムの木>
■トイレ休憩
10時19分,標識H005(つまり2.5キロメートル)を通過する.
10時21分,標識H005を過ぎてすぐの所にある公園風の所で,トイレ休憩を取る.相変わらず雨は降り続いている.
降りしきる雨で,次第に何だか惨めな気分になってくる.
<トイレ休憩>
■亜熱帯植物が繁茂するトレイル
特にトイレを利用する人が居ないので,立ち休憩をとっただけで通過する.
沿道の両側には亜熱帯特有の植物が繁茂している.MKさんが,珍しい植物があると,立ち止まって説明する.私は植物がまるでダメ.せっかく伺ったことも,すぐに忘れてしまう.馬耳東風ってこのことだなと,自分を卑下しながら,黙って黙々と歩く.
10時27分,道標H006(視点から3キロメートル)の前を通過する.
相変わらず雨が降っている.私たちは雨の中を黙々と歩き続ける.
<道標H006> <亜熱帯植物が繁茂するトレイル>
<立派な公園>
■吾妻屋で休憩
10時32分,広い通りに突き当たる.10時34分,すぐその先にある道標に到着する.道標には,「簿扶林水塘道(Pak Fu Lam Reservoir Park)3.1/3公里(km),山頂䌫車站(Peak Tram Terminal)3.1/4公里(km)」と書いてある.
この道標の近くに建っている吾妻屋で雨をしのぎながら休憩を取る.
<道標> <吾妻屋>
■広々とした公園
東屋の中から外を見廻す.雨が降っているので,なかなか実感が湧かないが,目の前には,なかなか見事な公園が広がっている.こんな悪天候のためか,私たち以外に散策している人は誰も居ない.
もし晴れていれば,多分,ここから素晴らしい展望が楽しめるだろうと思う.
<立派な公園>
<土道と滝>
■下り坂
休憩を終えて,10時39分,再び歩き出す.ここからはコンクリート階段の下り坂である.
坂道を下り出してすぐの10時41分,道標H007(3.5キロメートル)を通過する.
<コンクリート製の下り階段;途中に道標H007がある>
■にわか滝
10時43分,下り階段が終わって水平に近い道に変わる.さらに舗装が途切れて土道に変わる.
10時39分,進行方向左手に一寸見応えのある滝の前を通過する.
MKさんの説明によると,香港島の岩石は火成岩で水を透過しない.そのため降った雨はそのまま表面を流下してしまうという.だから,香港にはかなりの降水があるにもかかわらず,中国本土から水の供給を受けているとのことである.
<にわか滝の脇を通過する>
■やっと山道らしくなる
10時41分,道標H007(3.5キロメートル)を通過する.土道が続く.相変わらず雨は降り続いている.時々,雨水が流下する谷筋を渡る.
私は内心で,
”やっと,山道らしくなったな…”
と悦に入っている.
11時01分,標識H009(4.5キロメートル)を通過する.
私には舗装道路より,このようなゴロゴロ石一杯の道の方が合っている.
雨で増水した谷間を幾つか越える.
<土道になる> <谷筋を渡る>
■渓流脇の道路
11時26分,渓流沿いの土道を行く.
この辺りから暫くの間,同じような雰囲気の小径がつづく.
11時38分,標識H013(6.5キロメートル)を通過する.そのすぐ後で,滝のような川に架かる橋を渡る.ここで右に鋭角に曲がり,西南西の方向に向かう.橋の真ん中で,川の写真を撮る.大きな岩の間をザワザワと流下する川がなかなかの迫力である.
”これは絵になるな…”
と思う.叶うことなら,ここで3分で良いから立ち止まってスケッチする時間があれば有り難いなと思うが,団体行動なので無理である.
湖野川の名前は分からないが,地図を見ると,この川の下流に大きなダムがある.
これまでこの川の右岸を高巻きしながら,次第に川の上流に向かっていたが,この橋を渡ってからは,川の左岸沿いに歩くことになる.
<渓流沿いの道> <滝のような川を渡る>
<広場で昼食>
■舗装道路に合流する
11時46分,標識H014(7.0キロメートル)を通過する.その直後,舗装道路に突き当たる.ここからは,綺麗に舗装された道路をひたすら歩く.
この頃から降りしきっていた雨が弱まり,傘を差さなくても何とか歩けるようになる.
”ああ,やっと雨が上がりそうだな…”
私も何となくホッとした気分になる.
<舗装道路>
■セクション1の終点
11時50分,セクション1の終点に到着する.
各セクションの終端には,屋根付きの案内板が設置されている.この案内板の先は次のセクション2のトレイルになる.案内板にはセクション2の詳細地図が掲示されている.
MKさんが,
「みなさん,ごくろうさまでした.ここでセクション1が終わりです.ここから先はセクション2です.」
と私たちを労う.そしてさらに,
「そろそろ昼時ですが,もう少し先に広場がありますので,そこまで行って昼食にしましょう…」
と言う.
<セクション1の終点>
■いよいよセクション2へ
セクション2に入ってすぐの所に道標が立っている.道標には「貝璐道(PEEL RISE)4.1/2公里(km),置富(CHI FU)」と書いてある.トイレ,吾妻屋,それにベンチのイラストも書いてある.
”なるほど…ここで食事をするのか”
と納得する.
<広場の案内板>
■広場に到着
11時58分,トレイルから右へ曲がった先にある広場に到着する.ここがさきほどの案内板にあった「置富(CHI FU)」かと勝手に合点する.
広場の真ん中に吾妻屋がある.吾妻屋には,私達全員が何とか座れるほどのベンチが備え付けられている.
私達は互いに詰め合ってベンチに座る.
雨はほぼ止んでいるが,気温は香港と聞いて連想するほど高くはなく,むしろかなり寒い.
一部の方はトイレに行くが,トイレはここからかなり離れた高い所にあるらしい.NKさんが,
「昼食後通る道沿いにもトイレがありますので,そこを使った方が良いかもしれません…」
とコメントする.
<広場に到着>
■ランチボックスを広げる
ベンチに腰掛けて,支給されたランチボックスを開く.
まずはメロンパン,次いで胡桃パンを食べる.パンがとても美味しいので助かる.一昨年,オーストリアで食べた固くて不味いパンを連想する.
”今回はパンが美味しいので助かるな…”
と思いながら美味しく頂戴する.
この二つのパンを食べたら満腹になる.もう良い,十分だと思いながらも,リンゴを丸かじりする.このリンゴ,日本で見かけるリンゴに比較するとかなり小粒だが味はまあまあである.
ランチボックスには,まだサンドイッチやバナナが残っているがとてもそんなにはたべられない.
どっちにしても,食べ物が美味しいと,気分も上々である.
<メロンパン> <胡桃パン> <リンゴ>
(つづく)
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「香港トレイル50km」の索引
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