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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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今年の登り納め;富士山・霧氷・ネコの丹沢:塔ノ岳(今年30回)

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                            <塔ノ岳山頂から大山方面を望む>

  今年の登り納め;富士山・霧氷・ネコの丹沢:塔ノ岳(今年30回)
           (リハビリ単独登山)
       2015年12月30日(水)  晴

■常連さんが少ない
 いよいよ師走も押し迫った.今年も後2日で終わりである.
 私は年賀状に「今年の塔ノ岳詣では30回」と書いて既に投函してしまっている.ところが先週土曜日の塔ノ岳を入れても,今年は29回にしかならない.1回少なくても別にどうと言うこともないが.自分自身の気持ちとしては何とも気色が悪い.そんなこともあって,本来ならば年末の雑事をしなければどうも具合が悪いが,半日だけカンベンして貰って,塔ノ岳に出掛けることにした.
 自宅を出てから路線バスで登山口の近くのバス停大倉までの様子は毎度同じようなものなので,今回はクドクドと書くのはヤメにしておく.
 今日30日からは多くの交通機関は休日ダイヤである.渋沢からのバスも,臨時バスが出るほどではないが,平日にしては,随分と混雑している.
 1番バスに乗り合わせた常連は,TGさん,TNさん,キャベツのTZさん,駈けっこのHYさん,IwIさんだけ.一寸寂しい.
 リハビリ登山中の私は,余り早く歩くのは無理なので,常連の皆様より少し早く.7時03分に大倉から歩き出す.

■見晴茶屋
 7時10分,克董窯手前で,早々とランナーHさんに追い越される.
 “林の中を失速するHさん!” なんだか韻を踏んでいるのがおかしくなり,一人で含み笑いをする.
 克董窯の先で舗装道路から土道に入る.今日は路面が乾いている.歩き易いので有り難い.天気予報は晴だったが,今のところ上空に雲が掛かっている.
 何時,TGさんやTNさんが私の追い付くんだろうと思いながら,7時32分,観音茶屋を通過する.歩きながら,どうやら今日の体調はそれほど悪くなさそうだなと思う.
 7時46分,見晴茶屋に到着する.
 
<林の中をHさんが行く>                         <見晴茶屋>

■風物詩;光る海
 見晴茶屋の前で立ち止まって,海を眺める.太陽は黒い雲に遮られ見えないが,相模湾の水面が日光を反射して鈍い黄金色に輝いている.これも風物詩である.
 私はここで数枚の写真を撮るが,後で見るとどれもこれもボケている.その中でいくらかマシなのが下の写真である.

<見晴茶屋から光る海を眺める>

■見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.
 何時ものように階段の登り口で,階段を見上げた写真を撮る.今日の登山者の後ろ姿は1人だけ.何時もより空いているのが分かる.
 ここを張り切って登ると後で必ずバテルので,ユックリ登るのも修行だと自分に言い聞かせながら,登り続ける.

<見晴階段>

■駒止階段
 モミジ坂に差し掛かる.この坂も長いので途中でウンザリするが,8時03分,一本松を通過する.ここまでのラップは,前回,土曜日に登ったときと同じである.今日もマイペースで登って,2時間50分台で塔ノ岳山頂に到着できるなと確信する.
 やがて,駒止階段に差し掛かる.ここも嫌な所だが,ひたすらゆっくり登るしかない.
 8時18分,漸く駒止茶屋を通過する.
 大倉から駒止茶屋までの所要時間は1時間15分,今の私の体力では,まあ,この程度が丁度良いということだろう.
 ”それにしても…TGさんやTNさん,なかなか追い付いてくれないな…”
 
<駒止階段>                               <駒止茶屋>

■富士山が良く見える
 駒止茶屋から一寸長い木道を経て,堀山の尾根道に入る.この辺りが大倉尾根で一番楽しく歩けるところである.
 やがて富士山が良く見える場所に到着する.
 ”おお,今日はとても良く見えるぞ…シメ,シメ”
 私はデジカメを取りだして,色々条件を変えて沢山の写真を撮る.その中で富士山がどうやら写っているのが下の写真である.雪化粧した富士山はやっぱり見応えがある.
 富士山の写真撮影で,少々時間を無駄にしたが,8時28分,堀山を通過する.

<堀山の尾根道から富士山を望む>

■光の中のオレだ!
 堀山を通過してなだらかな下り坂に差し掛かる.下り坂を歩いているとき,雲間から急に日が射してくる.なんと偶然にも,私が陽だまりの中心に立っている.
 ”こりゃあ~すごい!”
 早速,陽だまりの中の自分の写真を撮る.
 ”なんだか昇天するみたいだな…”
と,フト嫌なことを連想する.

<光の中の私>

■小草平
 8時38分,小草平に到着する.堀山の家はお休みかな.まだ開いていない.気温+2.5℃.ちょっと寒い.
 小草平から富士山が良く見えている.
 私が小草平でモタモタしていると,私より後から大倉を歩き出したTGさんとTNさんが私に追い付く.お二人は小草平で休憩を取るようなので,私は一足先に小草平を出発する.

<小草平>

■戸沢分岐
 8時48分,小草平からガレ場を通過して階段道に差し掛かるところで.TMさんが私に追い付く.
 「では,ぼちぼち先に登っています…」
と言いながら,私を追い越して行く.
 8時51分,下山してくるKSさんとバッタリ会う.
 「ヤア,ヤア,…FHさん,久しぶりだね…」
と言いながら握手.KSさんに勇気をもらう.
 いつの間にか,私のすぐ後ろに,TNさんが迫っている.
 戸沢分岐直前で,若者の集団が私を追い越して行く.

<戸沢分岐手前の階段道>

■萱場平
 8時59分,萱場平に到着する.
 ここで定点観測の写真を撮る.戸沢分岐手前で私を追い越した若者の集団がベンチで休憩を取っている.私はそのまま休憩を取らずに登り続ける.
 土曜日に登ったときは,この辺りから先は残雪があったが,今日はもう雪は残っていない.
 木道から先の平坦地は,日中泥んこになっていたらしく,無数の凸凹足跡が凍結している.

<萱場平>

■花立山荘
 今のところ体調はまあまあのようである.色々なことを考えながら,マイペースで登り続ける.
 9時15分,後七分坂に到着する.例によって,ここでも坂を見上げた写真を撮る.
 丁度そのとき,先ほど一本松上のベンチで休憩を取っていた若者達に,また追い越される.
 彼らを見送ってから,私も花立階段を昇り始める.何も考えずにひたすら足許を見ているだけで階段を登り続ける.毎度のことながら階段登りはシンドイ.その内に登り切れるさと開き直るしかない.
 9時23分,ようやく花立山荘に到着する.結局,後七分坂を8分掛けて登ったことになる.今日は平日だが,花立山荘は,もう,開店している.さきほど私を追い越した若者集団は,ここでも休憩を取っている.
 大倉から花立山荘までの所要時間は2時間20分.ヤッパリ遅い.2時間10分程度で歩けるようになりたい.小草平からの所要時間は45分.こちらも欲を言えば40分ぐらいで歩きたいところである. 

 
<後七分坂>                                  <花立山荘>

■花立山
 花立山荘を過ぎると気候が一変して寒くなる.
 花立山荘から花立山の途中までは,踏み高の大きな階段が続く.私にとって大倉尾根で一番辛く感じる場所である.ここさえ通過してしまえば,花立山山頂はもうすぐである.
 階段が漸く終わって,ガレ場に入る.
 富士山が次第に雲に覆われ始めている.まだ富士山が見えている内に…と思って,富士山の写真を数枚撮る.
 9時31分,花立山山頂に到着する.花立山荘から花立山山頂までの所要時間は8分.これは今の私には満足の速さである.

<花立山山頂から富士山を望む>

■霧氷の蛭ヶ岳遠望
 花立山から蛭ヶ岳が良く見えている.山全体が霧氷に覆われている.朝日で霧氷が輝いている.良いものを見たので得をした気分になる.
 気温が一段と下がって,ますます寒くなりはじめる.
 9時39分,金冷シを通過する.
 金冷シから最初の階段あたりから残雪が現れ始める.

<花立山から蛭ヶ岳を望む>

■塔ノ岳山頂
 山頂付近に新設の木階段のお陰で,この辺りは随分と登りやすくなった.
 山頂に近付くにつれて,霧氷が見え始める.”ラッキー…”と思いながら,霧氷の写真を撮り続ける.
 9時53分,塔ノ岳山頂に到着する.微風ながら冷たい風が吹いている.山頂の気温はマイナス1.6℃.土曜日よりはほんの少し温かい.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間50分.土曜日のラップとほぼ同じである.まあ,3時間を切ったので,こんな所が,今の私の現実だと思うしかない.花立山荘からの所要時間は32分.あと2分速く登れるようになりたいものだ.同じく金冷シからは15分.こちらはまあまあ.
 山頂では,まずは景色を写真に収めるのが私の儀式.今日は,特に大山方面を望む霧氷の風景が見事である.

<霧氷の向こうに大山が聳えている>

■霧氷の並木
 塔ノ岳山頂東側は白い花が一気に咲いたようhな霧氷並木が続いている.これも写真に取る.
 凍えるような寒さだが,写真を撮るのに手間取ってしまい,なかなか尊仏山荘には入れない.

<山頂東側の霧氷並木>

■未公認山猫
 霧氷の下に未公認山猫が一匹,寒そうに座っている.今年の初め頃から山頂に住み着いている.登山客が餌を与えるのか,ちょっとの間に,随分と大きくなった.でも,どうも愛嬌がない.

<樹氷の下に野良猫>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に入る.
 ストーブが焚かれていて温かい.
 戸沢分岐付近で私を追い越したTNさんが先客.その他に数人の見馴れない客が居られる.小屋番はW林さんとW田さん.
 W林さんが私ノ顔を見るなり,300円のお茶でいいかとボデーランゲージで私に確認する.もちろんお茶でOK.

<尊仏山荘に入る>

■公認山ネコ華伊達美弥雄君
 ストーブ前の特別席は華伊達美弥雄君(ネコのミャ~君のこと)専用.気持ちよさそうに暖を取っている.まるで山荘の親分のようだ.
 W林さんが,私に,
 「(このネコ)FHさんと同い年でしょう…」
と真顔で冗談を言う.ボソッと.
 「こいつ17歳でしょう.俗に犬の1年は人間の7年に相当するっていうでしょう.ネコも犬と一緒だとすれば,17歳×7で…119歳か! ちょっと勝てないね」
ということで暫くの間はネコ雑談.
 TNさんが,
 「こいつ,昔は,土間から番台まで,ヒョイと飛び乗っていたな…今は飛び乗るなんてむりだな」
と昔話を始める.
 「今は番台にノソノソ這い上がっているんでしょう.」
 ここから昔話.
 「このネコも5~6歳の頃は,なかなかの美男子だったですね,その頃の写真,沢山ありますよ」
と私.
 すかさず,
 「今でも美男子ですよ…」
とW林さん.
 なるほど!
 その通りだ.こんな気立ての良いネコは他には居ないなと私も思っている.
 10時を少し廻った頃,ようやくTGさんが尊仏山荘に到着する.
 「随分遅かったですね…誰かと立ち話していたんですか…」
とTNさんがTGさんに聞く.
 「ちがうよ…途中でエンストしたんです」
 なるほど,エンストとは面白い表現である.要するに歩き出しで若くて足の速いTNさんと一緒に高速で歩いたので途中でバテたんだろう.
 ”お互いに年は取りたくないな…”
と思う.

<公認山ネコ華伊達美弥雄君>

■風景を楽しみながら下山
 私は大倉発13時11分のバスに乗りたいなと思っている.それには,そろそろ下山しなければ…
 「私,13時11分のバスに乗ります,足が遅いので先に下山します…」
と挨拶して,10時15分,下山開始.
 わずかな時間の間に,山頂には沢山の登山客が詰めかけている.
 土曜日に登ったときに比較すると,木道の残雪も殆どないので,随分と歩き易い.
 山頂直下の階段道で,登って来るキャベツのTZさんとすれ違う.
 続いて,山頂から2番目の階段道で,登って来るMSさんとバッタリ.
 「昨日は富士山がとても良く見えましたよ…」
とMSが言う.MSさんは2日連続で塔ノ岳に登っている.
 「今日は山頂の霧氷が綺麗ですよ…まだTGさん達が尊仏山荘に居ますよ」
 「そうですか! じゃあ楽しみに登ります」

<塔ノ岳山頂から真鶴半島方面を望む>

■泥んこ道
 気楽な一人旅が続く.
 10時42分,花立山荘に到着する.沢山の登山客が休憩を取っている.以前,堀山の家に居たカナブン氏が花立山荘に務めているので,立ち寄りたくなるが,バスに間に合わなくなるので通過する.
 リハビリ中,一番厄介なのが後七分坂の下りである.私は登りと同じぐらいの時間を掛けてゆっくり,ゆっくり下山し続ける.
 後七分坂に続くガレ場や階段道を何とか下って,萱場平に差し掛かる.案の定,往路では凍結していた泥んこ道が融け始めている.路面いっぱいに泥んこなので,泥を避けようもない.
 ”仕方がない…泥は後で洗えばいいか”
で泥道を通過する.

<萱場平の泥んこ道>

■常連に追い付かれる
 10時22分,小草平に到着する.
 堀山の家は閉店したまま.バスが休日ダイヤでも堀山の家は平日ダイヤということだろう.若い登山客が,小草平のベンチで,大声を出してはしゃいでいる.
 ここまで下山すれば,後は大した難所もないので,時計を見ながら,ゆっくり歩くことにする.
 11時40分,駒止茶屋を通過する.
 ”少し急いで下山すれば,12時40分のバスに間に合うな…”
と思ったが,
 ”早く帰ってどうするんだ…”
と別の声が私の体内から聞こえてくる.
 ”それもそうだな…”
ということで,わざと12時40分には乗れない歩行速度にして,邪念を払いのける.
 丹沢ベース付近を下山しているときに,山頂付近ですれ違ったMSさんが私に追い付く.凄い速度である.MSさんが,
 「…現役で塔ノ岳に登ってくる常連の中ではFHさんが最高齢ですね…」
と私に聞く.私に聞かれても困るが,
 「そんなことないでしょう.例のKM女史,無線のSTさん,それに写真家の方など…」
 「でも定期的に登っておられる方の中では,多分,最年長ではないですか…」
と困ったことをいう.
 暫く,一緒に下山し続けるが,
 「ではお先に…」
ということで,MSさんは韋駄天の如く私の視界から消えていく.
 丹沢ベースを過ぎたころ,私より後から尊仏山荘を出発したTNさんが私に追い付く.
 「あれ…? TGさんは?」
 「駒止茶屋まで一緒でした…」
 ここからはTNさんと一緒に下山する.
 そろそろ舗装道路というところで,登って来るKIさんとバッタリ.KIさんは,今夜山荘で止まりとのこと.
 予定通り12時43分にバス停大倉に到着する.

■失態!
 結局,皆さん私と同じバスに乗車する.MSさんと前後の席.渋沢まで雑談.
 「電車の中で眠くて仕方がないです」と私.
 「乗り越したことないですか…」
 「不思議と大船で目が覚めるので,乗り越したことはないですね…」
 「お酒が入っていたら,東京まで行っちゃいますね…」
 「私,酒飲めないんで…それはないです.でも,今は上野東京ラインで東京が終点ではないですよ」
 「お酒飲んでたら高崎まで乗り越しちゃいますね」
 バスは13時24分に渋沢駅に到着する.
 うまい具合に13時27分発急行小田原行電車に間に合う.上野新宿ライン宇都宮行電車に乗車,窓側の席に座る.たちまちの内に眠くなる.
 うつらうつらしながら平塚駅に到着するまでは覚えている.その後,ちょっと深い眠りになる,
 ”はっ!”
と気がついたときは,大船駅.降りようとしたら電車の扉が閉まった.
 バスの中で,乗り越したことはないなんて大口を叩いた矢先に,見事,乗り越してしまう.
 眠気はいっぺんにすっ飛んだ,
 隣の戸塚駅で折り返して大船駅に戻るが,その間,30分のロス.実に情けない.

<ラップタイム>

 7:03  大倉歩きだし
 7:32  観音茶屋
 7:46  見晴茶屋
 8:18  駒止茶屋
 8:28  小草平(堀山の家)
 9:23  花立山荘
 9:39  金冷シ
 9:53  塔ノ岳山頂着
10:15     〃   発
10:28  金冷シ
10:42  花立山荘
11:04  小草平(堀山の家)
11:40  駒止茶屋
12:08  見晴茶屋
12:31  観音茶屋
12:44  大倉着

[山行記録] 

■水平歩行距離      7.0km

■累積登攀下降高度   1,269m

■登り所要時間(休憩時間を含む)
 大倉発             7:03   
 塔ノ岳山頂着           9:53
 (所要時間)          2時間50分(2.83h)
 水平歩行速度     7.0km/2.83h=2.47km/h
 登攀速度        1,269m/2.83h=448m/h

■下り所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳山頂発        10:16
 大倉着            12:43
 (所要時間)       2時間28分(2.47h)
 水平歩行速度     7.0km/2.47h=2.83km/h
  下降速度        1,269m/2.47h =513m/h
                                                                  (つづく)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/edf9d6931738f47df31c42b965f08730
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)


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