閑話休題;日々雑感:
登山やハイキングは「緩やかな関係」と「安全確保」で楽しみましょう
【お断り】
本稿の初出は「趣味人倶楽部」です.初出の内容を当ブログ向けに加除修正しています.
2015年9月2日(水)
今年(2015年)の8月25日(火)から2泊3日の日程で,「歩いて巡る善光寺街道(第1回)」を楽しんできました.参加者は6人,全員が60才台後半~80才台です.男性4人,女性2人です.勿論年寄りばかりのグループですので,「無理しない,ユックリ歩く」が大前提です.初日は軽井沢でハイキングを楽しみました.宿泊は小諸で2連泊.2日目は信濃追分から追分宿(中山道),分去れ,馬瀬口間ノ宿,平原間ノ宿まで,3日目は平原間ノ宿,乙女湖公園,小諸宿を一回りしてから小諸駅で解散しました.
旅の詳細は,このブログで順次公開中ですので,宜しかったら下記のURLにお回り下さい.
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/abf8d427f..
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さて,今日は私達のような年配者のグループ活動について雑談したいと思います.
その前に,このグループには,特段の会則もないし,会費もありません.資料を配付するときも,その都度,コピーの実費を頂くだけなんです.ですから,厳密にいえばグループとは言えないかもしれません.
まず最初に,このグループがどんな経緯で発足したかを簡単に説明します.
実は,かれこれ7~8年前に,私がたまたま某旅行会社主催のツアー,「歩いて巡る東海道五十三次」に参加したのが切っ掛けでした.
2008年10月に,延べ88日間にわたる旅が終了しました.その間,同じ釜の飯を食べた仲間達が,このままチリジリバラバラになるのは如何にも惜しいので,もう少し皆で集まるようにしましょうということで,お二人の方の尽力で始まったのが,このグループです.
まず手始めに,たまたま鎌倉に住んでいる私が,1年間だけ,数回,鎌倉案内をしましょうということになりました.
それが,1年のつもりが,ずるずると,もうかれこれ7年ほども続けております.その間,年間6~7回の頻度で,鎌倉散策の定例会を続けています.また,定例会とは別に,有志だけ集まって中山道,甲州街道などの街道歩きも楽しんでおります.最初の手作り旅は中山道でした.此の旅を企画し先導をされたのは,2人のメンバーでした.
もちろん,ご多分に漏れず,歳月の経過とともにグループのメンバーは少し減少して,今は20名を少し切る程度の人数になってしまいましたが,相変わらずグループ活動を続けております.
このグループが,将来,何年程度存続するかは全く分かりませんが,共通する趣味を通じて,年配者が生き生きと活動する事例として多少なりとも参考にしていただければ幸いです.
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ところで.私はなぜグループ活動に参加しているんでしょうか.
答えは至極簡単です.要するに参加するのが楽しいからです.心身共に癒されて気分が良いからです.
余談ですが,私が楽しいから参画していりグループは,街道歩きの他に,里山歩き,鎌倉散策,絵のグループなどいくつかあります.それぞれが,違った雰囲気があって,私には甲乙を付けにくい楽しさがあります.
本題に戻って,では,このようなグループで楽しい活動をするために,具体的に何に注意したら良いかを考えて見ましょう.
注意すべきことは数えだしたらきりがないほど沢山あると思いますが,突き詰めて考えると,山歩きや街道歩きの場合,結局,次に示す2項目に絞られるのではないかと思います.
その第1は,おたがいに「緩やかな関係」に留めておくこと,第2は「安全確保」.万一事故に遭遇したときのことを想定して,「全て自己責任」であることを,お互いにお互いに確認し合っておくことの2点だと思います(あくまで私見です).
■第1のポイント;緩やかな関係
まず最初のポイントの「緩やかな関係」って,どういうことでしょうか?
これは,言い換えると,お互いに適当な距離を置くということです.これが長続きのコツだと私は思います.
お互いにあまりに近づき過ぎると鬱陶しいです,それに気に入らないこともでてきます.これではグループに所属する意味がなくなります.
それに上から目線で断定的な物言いをしたり,いたずらに卑屈な態度を取ったりでも,お互いにシンドくなります.
一言で言えば節度を保つ必要があります.それと,多少カチンと来ることがあっても,当該グループに留まりたいのだったら,引くところは引くだけの度量が必要かと思っています.
ときどき年配の男性で,昔の肩書きを笠に着て,上から目線で,エラソーに,断定的な物言をしたり,強圧的なリーダシップを取ろうとします.そんなの会社だけで充分です.今の私は“桑原々々”でこの方からは遠ざかります.概して言えば,このような方は,大抵,グループ内で孤独になってしまいます(これ勿論私の私見ですよ).
■第2のポイント;安全確保
第2のポイントは「安全確保」です.
お互いに歳を重ねると何時も健康のことが気になり始めます.何時熱中症に罹るかもしれません.何時足を捻挫するかもしれません.このような突発的な事故をできるだけ防ぐ必要があります.
旅行社主催の旅とは違って,個人旅行の場合は,旅先で突発的な事故に遭遇したときに,相談すべきバックオフィスがありません.だからこそ,その場で自分たちだけで,何とか対処する覚悟が必要です.
旅の前に,”すべて自己責任でお願いします”と確認し合ったとしても,だからといってケガをした人を放置することはできません.
そんな諸々から,私達は次に示す覚書を互いに取り交わしております.これは某山岳ガイドに相談しながら作成したものです.
私見ですが,お互いに親しくなればなるほど,この程度の覚書を取り交わすべきだと思っています.
勿論,このような覚書は法律的には何の効力もないでしょう.でも,少なくとも自立した登山者としてのお互いの気持ちを引き締めるのには役に立っていると思います.
山歩きや街道歩きの皆さんと取り交わした覚書の事例を紹介したいと思います.なお,街道歩きの皆さんと交わした事例では,(5)の山岳保険の項目は除外してあります.
大切なことは,参加される本人だけでなく,ご家族にもこの覚書にあらかじめ目を通していただくことが必要かと思います.
余談になりますが…
山行やハイキングに出掛けるときに,地図をお配りします.その地図をいきなりリュックに仕舞い込んでしまい,ただ闇雲に前を歩く人の後ろに付いて歩くだけの人とは,私は一緒に行動しないようにしています.
参加者全員が一緒になって地図を見ながら,今何処を歩いているか,間違ったルートを歩いていないかなど,常に一緒にチェックする…これこそが自己責任の一環だと思っています.
************覚書の事例**************
登山参加に関する覚書
私たちは楽しくグループ登山を行うために,下記の各項目を合意していることを,署名の上,確認いたします.
なお,この覚書の有効期限は,参加者が集合した時点から解散した時点までとします.それ以外の時間帯における個人的行動は,各自の自主的な行動ですので,グループ登山に関する当該覚書の適用範囲外です.
記
1.対象となる登山計画
① 行 先 ○○山
② 日 程 20YY年MM月DD日(W)の集合から解散まで.
2.合意事項
(1)自分の行動は,100%自己責任で行うことを確認します.
(2)行動中はリーダの指示に極力従います.
(3)しかし,万一,行動中に事故があっても,その責任は自分自身にあり,リーダおよび他の参加者には何ら責任がないことを,事前に確認しておきます.
(4 )前項(1),(2)および(3)を,事前に家族にも徹底しておきます.万一,事故があっても,リーダおよび他の参加者に対して訴訟を起こすことは致しません.
(5)山岳保険に加入していることを,参加の条件にします.
(6)装備は,各自自己の責任で準備します.
(7)万一,行動中に事故があった場合には,互いに積極的に協力しあいます.
(8)不測の事態に遭遇したときには,互いに協力し合って,事態の解決に努力します.
以上
20YY年MM月DD日
(署名)
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(なし)