<稲荷山宿「蔵し館」>
善光寺西街道;第3回;第1日目(5);迷いながら歩く稲荷山宿
(五十三次洛遊会)
2015年6月26日(金)~28日(日)
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第1日目;2015年6月26日(金) (つづき) 雨
<ルート地図>
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<ビショビショ道をトボトボと>
■石の祠と石塔
13時31分,桑原間ノ宿の標柱を通過する.標柱の近くに,石塔群がある.向かって一番左に小さな祠がある.その脇に道祖神か馬頭観音か私には見分けが付かないが4基の石塔が並んでいる.
石塔を過ぎると,前方には降りしきる雨でビショビショに濡れた街道が,ず~っ…と先まで続いている.それを見ていると,
”まだ,こんな所歩くの…”
と,正直,ウンザリした気分になる.でも,歩かなければ先へ進めないので,黙々と歩くしかない.とにかく,今日は篠ノ井線稲荷山駅まで歩かなければ帰れない.
ただ幸いなことに自動車の交通量はきわめて少ないので,イライラ感は少なくて済む.
<石塔群> <濡れた道をトボトボ歩く>
■信号治田小学校前
13時36分,一里山集荷場(集会場?)に到着する.建物の前に木の案内杭が立っているがペンキが半ば落ちていて集荷場か集会場か良く分からないが,とにかくここの空き地を使わせて頂き,給水のために,暫時,立ち休憩を取る.
13時43分,信号治田小学校前を通過する.
<一里山集荷場> <信号治田小学校前>
■ドラグストアで休憩
いやいやながら,雨の中を歩き続ける.13時45分,進行方向左手に突然広々とした駐車場に到着する.ウエルシア,TSUTAYAなどが入っている大規模複合施設の駐車場である.
ちょっと前に立ち休憩を取ったばかりだが,気分転換のためとトイレ休憩のために,
「…あそこで一休みしましょう…」
と提案する.勿論,だれも異論はない.
店内に入る.ばかでかい店舗である.店の入口近くの休憩所で一休み.休憩所に設置されている自販機でお茶のボトルを1本購入して,無賃休憩ではないなと自分に言い聞かせる.
休憩中に,同行のHTさんの姿が見えないなと思っていたら,ナント,ガリガリ君を沢山買ってきて,私達に1本ずつプレゼントしてくれる.
大分蒸し暑い思いをしているところにガリガリ君である.素晴らしいプレゼントである.
<ドラグストアに到着> <休憩所で一休み>
<稲荷山公民館>
■馬つなぎ石と道標
14時15分にドラグストアでの休憩を終えて歩き出す.
再びトボトボと雨の中を歩き続けるが,途中から,どこを歩いているのか,地図の上で正確に確認することができなくなる…と,いうのも地図には記載されていない新しい道や住宅地が広がっているからである.とくに新しい住宅地に入り込むと,とたんに方向感覚がおかしくなる.
どこをどう歩いているのか不確かなまま,意図しないまま,多分こっちだろうということで右へ曲がったり左へ曲がったり,同じ道を行ったり来たりを繰り返す.
14時47分,偶然,稲荷山公民館に到着する.立派な建物の前に,手入れの行き届いた庭が広がる,
その一角に「馬つなぎ石」がある.足元には石が幾つか置いてある.案内板の記事によると,稲荷山は商業の中心地として栄えていた,稲荷山西部の山間部から物産品を馬に積んで運んできたが,そのときこれらの石を馬つなぎに使ったとのことである.
馬つなぎ石の近くに「道標」という案内板がある.これは治田神社大鳥居付近から掘り起こされたものだという.この道標を含めて写真を撮ったつもりだったが,パララックスのためか,私の腕の悪さのためか分からないが,道標の頭部分しか写っていないのが残念である.
<馬つなぎ石> <道標>
■舟繋石
道標を隣に船着石がある.近くにある案内板の説明文によると,鎌倉時代には,荒町の湯の先付近に船着場があった.川岸には舟を繋ぐ石がいくつもあったという.荒町の湯の先といっても,一見(イチゲン)の旅人である私にはどのあたりかは見当も付かないが,多分,ここからそんなに遠いところではないだろうなと想像するしかない.
<船繋石>
<ふる里漫画館>
■火の見ヤグラ
14時51分,火の見ヤグラの下を通過する.相変わらずシトシト雨が降っている.火の見ヤグラを通過した直後に「ふる里漫画館」という屋根付きの立派な案内板が眼に入る.
“こんな立派な案内板が立っているからには素晴らしいところに違いない”
と思った私は,
「ちょっとだけ行ってみようか…」
ということで,街道筋(かどうか分からないが…)から左折して路地に入る.
<火の見ヤグラの脇を通過する> <ふる里漫画館の立派な案内板>
■有料ということでパス
どこに記念館があるのか良く分からないままウロウロしていると,それらしい白壁の建物を見付ける.辺りには人影がない.
建物の入口まで行ってみる.
「…休館中かな…」
と雑談をしていると,私達の気配を感じたのか,建物の中から中年の女性が出てくる.
伺うと拝観料がお一人ウン百円とのこと.申し訳ないが漫画にはあまり興味がないので,入館は諦める.
「案内のチラシのようなものがあったら頂けないでしょうか…」
と伺うが.入館しないとダメとのことなので諦める.
ここは地元出身のナントカ(名前はどこかにメモしたはずだが分からない)という有名な漫画家の資料を集めたところのようである.
手塚治虫の資料館なら絶対に入ったところだが…ゴメンナサイである.
<ふる里漫画館>
<稲荷山宿の中心部>
■栗島大明神
街道筋を歩くとき,私は四六時中地図を見ながら現在地を確認している.しかし,この辺りの様子は,もう手持ちの地図では手に負えないほど変わってしまっている…というよりは,もはや何処を歩いているのかサッパリ分からなくなっている.
私は,
”もう,いいや…要するに本日の最終目的の稲荷山駅は,そっちの方向だから,駅に向かって,適当に歩こう…”
と決める.
これで,気分は随分と楽になる.
14時53分,栗島大明神の前を通過する.少々小振りの建物だが立派なお社である.残念ながら私の手許にある資料では栗島大明神の社歴などは全く分からない.
<栗島大明神>
■たまち蔵道と蔵し館
14寺54分,たまち蔵道という場所に到着する.なるほど白壁の蔵が立ち並んでいる.時間の余裕があれば,ちょっと散歩してみたい雰囲気である.
続いて,14時58分,蔵し館の案内板が立っているところを通過する.相変わらず雨がシトシトと降っている.
”どうせだから,「蔵し館」とやらへ行ってみるか…”
<白壁の蔵が続く> <蔵し館>
■長雲寺と蔵し館
15時丁度に長雲寺に到着する.威風堂々の立派な本堂が見えている.本来ならば参拝,見学すべきだが,終日雨の中を歩いてきたので,何となくその気になれない.残念ながら参拝は省略して通過する.また,長雲寺の由来なども,まだ調べていない.
15時01分,蔵し館に到着する.入場料ウン百円と聞いて,何となく入る気がしなくなる.特に見学したいという人も居ないし,時間も押しているので,見学はパス.
<長雲寺> <蔵し館>
■長谷寺参道
15時23分,長谷寺参道に到着する.長谷寺は,ここから1キロメートルほど離れた所にある.雨の中,時間も押しているのに,1キロメートルの道のりを往復するのはちょっと酷である,そんなわけで,参道の写真を撮っただけで通過する.
資料1によると,「養和元年(1181年),木曾義仲の兵火で焼失したが,将軍久明親王が再興した.木曾義仲の軍師,西仏法師が開基した寺である.西仏法師は義仲没後,親鸞の門に入る.親鸞筆浄土三部経などを残している.」とのこと.
<長谷寺参道>
<稲荷山駅へ>
■四之宮公園と馬頭観音
15時33分,四之宮公園に到着する.残念ながら手持ちの地図には四之宮公園の記述がないので,自分が歩いている位置が今ひとつハッキリ分からない.ただ,学校帰りの小学生が一定方向から次から次へと歩いてくるので,小学校の位置だけは推定できる.
小学校の位置を頼りに,稲荷山駅方面にひたすら歩く.途中で左折して,15時36分,馬頭観音のある場所で直行する路地に突き当たる.右折.
<四之宮公園> <古い馬頭観音>
■細い路地と陽神廿六夜碑
適当に細い路地を稲荷山駅方面と思われる方向に向かう.
15時37分,陽神廿六夜碑の前を通過する.私の第六感では稲荷山駅はもう間近である.
<狭い路地を行く> <陽神廿六夜碑>
■駅前通に飛び出る
15時43分,狭い路地からいきなり広い自動車道路に飛び出る.稲荷山駅の駅前通である.ここを左折して,約400メートルほどで稲荷山駅の筈である.
左折する.
“ありゃ~っ…! もう,稲荷山駅だ!!”
私は損をしたような,得をしたような奇妙な感じになる.どうやら,何時の間にか,正規の善光寺街道から1本駅寄りの道を歩いていたようである.
<突然駅前通に出る>
■稲荷山駅到着
15時43分,無事…と,いうか“何とか”第1日目の終点,篠ノ井線稲荷山駅に到着する.
“ヤレヤレ~ぇ…,全員無事で,ナントカ,稲荷山駅に到着したぞ…!!”
というのが,稲荷山駅に着いた瞬間の私の率直な気持ちである.
稲荷山駅は小さな駅である.でも,高級ソバ屋のような雰囲気の建物である.
<稲荷山駅に到着>
(つづく)
[参考資料]
資料1;完全踏査街道マップシリーズ『ちゃんと歩ける善光寺街道』五街道ウォーク事務局
資料2;今井金吾,1994,『今昔中山道独案内』日本交通公社
資料3;http://chikuma-hakkenden.com/kyodo.html
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(編集中)
「善光寺西街道」の目次
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「善光寺西街道」の索引
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