<中央公園の花壇>
雨上がりの鎌倉中央公園
(ぶらり独り散策)
2015年4月19日(日) 曇時々小雨
今朝のニュースで,キンキンの訃報を聞いた.享年80歳.
「…まだ若いのに,あの世に旅立っちゃったね…」
と私が朝食を食べながら独り言を言う.
それを聞いていた同居人が,
「傘寿ならもう十分に年配者でしょう…」
と言う.
言われてみれば,世間的には決して若すぎる旅立ちとも言えないかもしれないが,そんなことを言っている同居人だって,キンキンと同い年である.
不遜なことだが,そんなやり取りをしている同居人が,自分が十分に年配者だっていうことを自覚していないように思えて可笑しくなる.
最近,我が家の会話も,加齢とともに,あっちが痛い,こっちが痛いという内容が多くなってきたことに気がつく.だんだんとシミッタレタ内容に変わってきた.まあこれが世間並みっていうことなんだろう.
私が右膝の故障で,山に登れないと愚痴る.
「何を贅沢なこと言っているのよ…日常生活が不自由なく暮らせているんだからそれで良いじゃないの.それ以上望むのは贅沢よ…」
と窘められる.
…あそこのだれそれは,私より若いのに車いす使っているだの,そっちの誰そればどうのこうの…
まあ,確かにそれはそうなんだけど,ヤッパリつい1ヶ月前までは一人前に塔ノ岳に登っていたのに急に登れなくなったんだから,私にとっては大変なショックである.
そんなショックを唯一やわげてくれるのが,4月1日からの某大学の客員研究員になったことである.しかし,こちらもさて与えらえた研究課題にどのように対処しようかと考えている内に,これまで平素から使っていなかった脳味噌の一部が”もやもや熱”で沸騰しそうになる.さらには,体中の血液が,突然,酢味噌が混じった液体に変わってしまったような気分になる.
PCをオンにして,PoserPointを立ち上げる.そして,ああでもない,こうでもない…と,作りかけた資料を弄っている内に,瞬く間に午前中がお終いになる.
「…もう,12時か…!」
昼食を摂りに2階の作業場から,1階の食堂へ…
山へ行かなくなってから,朝食,昼食,夕食と3食を同居人と顔をつきあわせて摂ることが多くなった.これも運命のなせる業で,仕方がないといえば,仕方がないことである.
いくら膝の調子が悪くても,どんなに雨が降ろうとも,脚力の減退を少しでも食い止めたいので,昼食後は必ず散歩に出掛けることにしている.
毎回,散歩に出掛けるときに,
“さて,今日はどの辺りを廻ろうか…”
と一応は考えるが,そのうちに考えるのが面倒臭くなり,結局は,近場の鎌倉中央公園を彷徨くことになる.
13時頃,外に出る.
小雨が降っている.傘を差すのが面倒臭い程度の雨である.気温は高いのか低いのか一寸分からない…と,いうことは丁度良い気温なのだろう.
清水塚口から鎌倉中央公園に入る.
4月も下旬近くになると,青葉が一層目立つようになる.
今日は日曜日.そのためかこんな曇り空でも,ご近所にお住まいと思われる家族連れで賑わっている.
公園の新緑がとても瑞々しくて綺麗なので,園内を彷徨きながら何枚かの写真を撮る.
<上の池>
上の池から山崎口方面に向かう.
何という種類のサクラ(?)か,花オンチの私には分からないが,まだまだ見頃.周囲の新緑と良く調和している.
この花を眺めていると,登山自粛で荒(スサ)んだ私の気分もいくらか和らいでくる.
どこへ行くという特段の宛もない私のブラブラ歩きは,結局の所,大船駅方面に向かうことになる.
”まあ,毎度のことながら,何も考えずに大船駅まで歩こう…”
私は,山崎口から公園の外に出る.そして,ゆっくりした速度で大船駅に向かって歩きはじめる.
<山崎口付近の桜>
山崎の集落を抜けて,バス通りの裏道を歩く.途中で何人もの人が,次から次へと私を追い抜いていく.若い人に追い抜かれるのは全く苦にならないが,結構な年配者に追い抜かれると,やっぱり頭にくる.
“よぁ~しっ…! 逆に追い越してやろう…”
と一瞬思うのだが,今の私には無理は禁物,ジッと堪える.正直なところ,私にとって,これが一番辛い.
公園から歩き出して30分ほどで大船駅に到着する.とくに用事はなし.どこかでコーヒーを賞味しようかと思うが,午前中に考え事をしながら,今日はもう許容量の3杯のコーヒーを飲み終えている.そうはいっても,このまますぐに踵を返すのも癪である.そこで,私はルミネを適当に彷徨いてから,自宅近くを通るバスを利用して帰宅することにする.
まずは,5階のユニクロだ.
店内をグルグル回っていると,結構,欲しいものが沢山ある…が,“ダメ,ダメ,無駄買いはダメ…”と自分に言い聞かせて,ユニクロを出る.そして6階の本屋に入る.
本屋でも買いたいなと思う本が数冊あるが,買ってもどうせ読まないだろうと予想できるので,ここもパス.
”そろそろバスの時間だな…”
ということで,バス乗り場に向かう.
ところがバス待ちの人はゼロ.
“おかしいな,どうしたんだろう…”
“あっ!…そうか! 今日は日曜日だ…”
私はついウッカリ,平日のダイヤに合わせて,バス乗り場に来てしまった.
だから,
”○○は死ななきゃ治らない”
って言うんだな.
“ひょっとすると,私がキンキンさんの後を追う日も近いのかな…”
と,新緑の候にもかかわらず,“萎れた葉っぱ”のようなことを考えている.
(愚痴おわり)
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