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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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泥んこ道と野良ネコに出会った丹沢:塔ノ岳(今年10回目)

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                             <馬の背付近から鍋割山稜を望む>

   泥んこ道と野良ネコに出会った丹沢:塔ノ岳(今年10回目)
             (単独山行)
       2015年2月25日(水) 曇

■温かい朝だ
 一昨日辺りから暖かい日が続いている.今朝も暖房なしでもスッキリと起床できるほどの暖かさである.朝の気温が温かいと,”塔ノ岳へ行くぞ!”という決断も迷うこともなくできるので大助かりである.
 4時10分,未だ寝ている家内を起こさないように,音を立てずにそっと家を抜け出す.今日も上空に月はなく真っ暗.途中で新聞配達のバイクにあっただけで,住宅地を抜けて大船駅へ向かう.歩きながら今日の体調をジッと観察する.
 小田原で小田急線に乗り換えて,6時21分に渋沢駅に到着する.バス停に並ぶ先客は数名.その中に常連のNGさんが居られる.2月も下旬ともなれば,日の出が随分早くなり,辺りはすっかり明るくなっている.
 大倉行1番バス(6時48分発)は,沢山の立ち席が出るほどの混雑である.乗り合わせた常連は超韋駄天のNMさん,毎日登山のTGさん,NGさん,編集長のYKさん,三角髭のTDさん,YUさん,SSKさん,NMさん,KIさん,IwIさん,MTさん,OTさん他.
 バスは6時59分に大倉に到着する.
 待合室で,登山の準備をされているご常連の皆様に,第38回神奈川美術協会公募展の開催案案内をお渡しする.開催期間中の水曜日にでも会場にお越し頂ければ有り難い.もちろんそのときは,私もご一緒させていただくつもりである.

■TDさんと一緒に大倉から歩き出す
 7時07分,ちょうど居合わせたTDさんから,
 「さあ…行きましょう!」
と声を掛けられたので,大倉から歩き出す.私達の数メートル先をTGさんが歩いている.
 「自分のペースで歩かないと遅くなっちゃうんで…」
とTGさんが言う.その後,私達二人とTGさんとの間の距離は次第に大きくなっていく.
 TDさんの歩く速度は,私にとって少々速い感じがするが,今日は路面の状態もまあまあなようだ.それならば,暫くは,TDさんの後を付けて歩こうと思う.
 7時30分,観音茶屋を通過する.大倉からの所要時間は23分.前回(2月22日)登ったときは25分掛かっているので,今日は2分ばかり速いようである.この辺りから路面は次第に濡れが増していくようである.
 7時35分,高原の家分岐を通過する.分岐の手前で,長身の常連さん(名前ド忘れ)を追いつく.
 「私,マイペースでユックリ登ります…」
とのことなので,先に行かせてもらう.
 7時44分,雑事場ノ平を通過する.TDさんがここで衣服調整をされるかと,ふと思うが,そのまま通過する.勿論私もTDさんの後を付けたまま通過する.

■見晴階段
 7時46分,見晴茶屋を通過する.そして見晴階段に差し掛かる.
 例によって,階段下から階段を見上げた写真を撮る.晴れていれば朝日が射し込んで気持ちの良い階段だが,今日は雲が低くたれ込んでいるらしく遠くが霞んで見えている.
 階段を見上げると,平日にもかかわらず沢山の登山者の後ろ姿が見えている.
 私は相変わらずTDさんの後ろに付いたまま登り続ける.結構速い速度のままなので,シンドイが,まあ私の体力の許容範囲のようなので,そのままの速度で登り続ける.
 階段を登るにつれて汗ばんでくる.
 私は,汗が流れるようになったり,呼吸が荒れ始めたら,無条件で歩行速度を遅くするという鉄則を守っている.大切な自分の五臓六腑を傷つけたくないからだ.
 TDさんの後を付けて歩きながら,そろそろこの条件に近付いているかなと思い始める.

<見晴階段>

■駒止階段
 そうこうしている内に見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.身体が馴れてきたのか,苦しさが解消され,歩きに何となく余裕が出てきた感じがする.
 途中で何人かの登山者を追い抜いて,長いモミジ坂を登り切り,8時01分に一本松を通過する.大倉からの所要時間は54分.この所,一本松まで1時間ほど掛かることが多いので,
 ”今日のラップはかなり良いぞ…”
と思いながら一本松を通過する.
 やがて駒止階段に差し掛かる.
 TDさんが,
 「あっ…MTさん達が見えますよ…」
と私に言う.
 なるほど駒止階段を少し登ったところに,KIさんとMTさん,そこから一寸は馴れたところでHsさんの後ろ姿が見えている.
 階段を登り始めると,お三方との距離が少しずつ縮まり始める.
 8時15分,駒止茶屋を通過する.大倉かアルノー所要時間は1時間08分.大して速くもないが,1時間10分を切っているので,まあ良しとしよう.
 
<駒止階段>                              <堀山の尾根道>

■小草平
 堀山の尾根道に入る.水平道になったので,私は歩行速度を上げる.そして,堀山の手前で,KIさん,MTさんに追い付く.足許の泥んこが融けている.
 晴れていれば富士山が良く見える場所で,見えない富士山の写真を撮る.
 8時23分,堀山を通過して,下り坂に差し掛かる.例によって私は,この坂道を思いきり飛ばす.
 8時30分,小草平に到着する.今日は平日,堀山の家は休業である.

<小草平>

■堀山の家の掲示板
 堀山の家の掲示板を覗き込む.
 この前の土曜日,堀山の家に立ち寄ったときに,神奈川美術協会公募展の開催案内を掲示板に掲示して頂けるようにお願いしていたが,シッカリと掲示されているのを確認する.とても有り難い.感謝! 感謝!
 掲示板を確認して,すぐに登り坂に差し掛かる.ここから暫くの間は胸突き八丁の急坂が連続する.

<堀山の家の掲示板>

■萱場平
 小草平を通過してから,暫くの間,一人旅が続く.
 今日は自分の体調から判断して,小草平から花立山荘までの所要時間を42~43分ぐらいを目標にしようと思う.決して無理はしないぞと自分に言い聞かせて,登り続ける.
 長い階段道が連続する.路面は濡れていて滑りやすい.
 終始,私は自分の呼吸の具合や,脈拍がどの程度かを見極めながら慎重に登り続ける.何時の間にか,すっかり汗が引いているのに気がつく.
 ”これでイイノダ…”
 私は自分の登攀速度がうまくコントロールされているのに満足である.
 8時50分,萱場平を通過する.
 ”シメシメ…この分だと,塔ノ岳山頂に10時前に楽々到着するぞ…”

<萱場平>

■花立山荘
 その後も,マイペースの1人旅が続くが,後七分坂(見晴階段のこと)にもう少しの所で,KIさん,MTさん,Hsさんが私のすぐ後ろまで接近してくる.
 9時05分,後七分坂下に到着する.坂を登り始めて間もなく私は後ろから近付いてきた常連の皆様の中に埋もれてしまう.万事休す.私はこれ以上速くは登れない.
 階段の途中で,下山してくるKSさんとすれ違う.
 「やあ,FHさん…おや皆さん,頑張ってネ…」
と明るい挨拶.今日もKSさんからエネルギーを頂戴する.
 後七分坂を丁度7分掛けて登って,9時12分に花立山荘に到着する.ここからも富士山は全く見えない.
 大倉からの所要時間は2時間05分.できれば2時間を切りたいところだがそうは問屋が卸さない.小草平からの所要時間は42分.こちらは予定通りの時間である.
 花立山荘から塔ノ岳山頂までの私の標準所要時間は30分.ということは,10時前には楽々塔ノ岳山頂に到着できそうである.
 
<後七分坂>                                 <花立山荘>

■花立山
 KIさん,MTさん達は花立山荘で一休みするようである.その間,私は休まずに花立山荘を通過する.丁度そのとき,下山してくる韋駄天のNMさんとすれ違う.
 これまでまいぺーすを厳守してきたので,花立山荘を通過しからも全く疲労感がない.そのまま,かなり速いピッチで花立山手前のガレ場を登り続ける.
 平素は花立山荘から花立山まで約10分ほど掛けているが,今日は8分で登って,9時20分に花立山山頂に到着する.
 前方の霧の中に,寒々とした塔ノ岳が見えている.
 花立山から先は,気温も路面も一変して真冬らしい風景になる.凍結した泥だらけの残雪が増え始める.

<花立山山頂>

■金冷シ
 馬の背付近から先は,温かいにもかかわらず結構残雪が増え出す.
 9時27分,金冷シを通過する.後,15分もあれば塔ノ岳山頂に到着する.今日は楽々10時前に山頂にご到着である.
 まずは金冷シから最初の階段に差し掛かる.まだ凍結したままの泥混じりの残雪がベッタリと残っているようである.軽アイゼンを装着するほどでもないが,結構滑りやすい.
 
<泥んこの凍結道>                           <結構な残雪>

■塔ノ岳山頂
 塔ノ岳山頂直下の階段を登っているときに,後ろからKIさんの話し声が聞こえてくる.私の直ぐ近くまで来ているようである.
 9時41分,塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温はマイナス2℃.大倉からの所要時間は2時間34分.久々に2時間30分台のラップである.花立山荘からの所要時間は29分,同じく金冷シからの所要時間は14分である.
 山頂からの眺望は皆無.
 KIさん達よりも先に尊仏山荘に入るのはゲンが良くない.そこで,山頂でKIさん達のご到着を待つ.ほどなく,KIさんが山頂に到着するが,ご同行はナントMTさんではなくMNさんに入れ替わっている.
 ”あれ~っ! 何時,奥さんを変えたんですか?”
とKIさんに悪い冗談を言おうとしたが,ぐっと腹に収めて口に出さない.
 山頂のベンチに白い野良猫が居る.登山者が食べ物をあげるらしくて毛並みが良い.結構人懐こくて良いネコである.さっそくこの白ネコの写真を撮る.
 そうこうしていると,2番バスで来られたFTさんが山頂に到着する.FTさんは,相変わらずの俊足で羨ましい.
 一同揃って,尊仏山荘の方に移動する.途中で.NMさんからお友達のOTさんを紹介される.名前を覚えるのが苦手な私は,OTさんの名前を覚えようと努力する.後で伺うとOTさんも,NMさんと同じ藤沢の某所○○にお住まいとのこと.そういえば先日紹介されたTNさんも○○にお住まいである.私はすかさず”○○のダンゴ3兄弟”というキャッチフレーズを連想する.
 ”紹介されたOTさんの名前から,何となく鎌倉の英勝寺を連想する…ということは七重八重…実の一つつだに…”ということで私の頭の中では”OTさんはヤマブキさん”ということにしておこう.
 
<深い霧の塔ノ岳山頂>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に入る.先客は,先ほどほぼ同時に大倉から歩き出したTGさんだけ.今日の小屋番はオーナーのHDさん.300円也のお茶を所望する.
 程なくMTさん,KMさんがご到着.お茶を飲みながら雑談.10時少し前にSSKさん,続いてYUさんがご到着.入れ替わるようにTGさんが下山開始.
 看板ネコの華伊達美弥雄さんは,どこかに行っていて姿を見せない.
 ネコの写真を撮りたかったが,ネコが居ないのでは仕方がない.ネコの代わりに居合わせた人間の写真を撮る.
 10時24分,KMさん,FTさん,MTさんと一緒に下山開始.入れ替わるようにNGさんが尊仏山荘に到着する.

<尊仏山荘のネコに代わって撮影した群像>

■ご常連と前後しながら下山
 下りもノーアイゼン.尊仏山荘を一緒に出た常連の皆さんと前になり後ろになりながら下山し続ける.
 10時51分,花立山荘を通過する.後七分坂を過ぎてから,泥んこのガレ場や階段道を下り続ける.途中で何か仕事をしていたKIさんが一緒になる.
 泥んこ道にウンザリしながら,11時22分堀山の家を通過.少々長い登り坂を過ぎる頃から,私が何となく先頭になる.皆さんあちらこちらで道草をされるので,惰性で歩き続ける私がドンドン先に出てしまう.
 11時50分,一本松を通過する.この辺りから,完全な一人旅になる.雑事場ノ平を過ぎて.から,前方にTDさんの後ろ姿が見え始める.
 私は歩くときに地球の引力に逆らわない.逆らうと面倒だ.だから,下り坂では,どうしても歩行速度が増してしまう.
 程なくTDさんに追い付く.後ろに人の気配を感じたTDさんが,私に道を譲る.私はTDさんより先に行くつもりはない.TDさんは後ろを振り返って,
 「なんだ…FHさんか」
と言ってニヤリ.
 暫くTDさんと一緒に下山するが,途中でTDさんは”自然が呼ぶ”とのことで脇道に逸れる.また私は一人旅.あるいは,TDさんは,余りに後ろにピッタリの私に嫌気がさして,私を先に行かせたのかな?
 とにかく,またもや一人旅.
 ”もう,何でもいいや…”
で破れかぶれの下り坂.12時25分,登山口を通過,自動車道路に出る.
 登山口近くで,春の息吹が一杯の大倉を見下ろす.素晴らしい風景である.私は何時もこの辺りに住みたいなと思う.叶わぬ夢だが…

<春の気配一杯の大倉>

■バス停大倉の可愛いネコ
 14時30分,バス停大倉に到着する.今度の渋沢行バスは12時52分.靴などに付着した泥を洗い落とす時間が十分にある.
 洗い場の近くの物置台にリュックを下ろす.すると可愛い斑猫が近付いてくる.まだ若いネコである.飼い猫らしく実に人懐こい.あまりに可愛いので,泥洗いは後回しにして,ネコの写真を撮る.今日は華伊達美弥雄さんには会えなかったが,山頂とバス停で,合計2匹のネコに会えたので,私は満足である.
 時間がタップリあるので,軽登山靴とスパッツを脱着して,時間を掛けて泥洗いを済ませる.丁度そのとき,先ほどまで御一緒した方々がバス停大倉に到着する.
 
<バス停大倉の可愛いネコちゃん>

■一杯のコーヒー
 大倉12時52分発のバスに乗車する.乗客は常連ばかり.KIさん,MTさん,FTさん,KMさん,TDさん,Hsさん.帰りのバスに乗ったときのホッとした気分は実に良い.最高!
 バスの渋沢着が少し遅くて,渋沢発12時06分の小田原行電車に間に合わない.その結果,小田原での電車の接続も,少々悪くなる.さらに大船でもバスに乗るのに30分近く待たされる.
 それを口実に,ルミネ1階の某コーヒー専門店に入って,レギュラーサイズのコーヒーを所望摺.220円也.店内は満席.30~40人ぐらいだろうか.ほぼ全員が中年女性.その賑やかなこと.ソッと辺りを見回しても,男性は私を入れて2人だけ.さすがに場違いな感じがして居ずらい.

<ルミネ1階のコーヒー>

■今日も”良かった!良かった!”
 漸くバスに乗車,今度は年寄りばかり.
 15時少し過ぎに無事帰宅する.早速身ぐるみ一式洗濯をする.風呂を沸かして,長風呂に浸かる.
 風呂に入りながら,早く水彩画の手入れをしなければと焦り始める.
 でも,今日は久々に2時間30分台のラップで塔ノ岳山頂まで登れた.率直に嬉しい.だから今日も”良かった!良かった!”である.

<ラップタイム>

 7:07  大倉歩き出し
 7:30  観音茶屋
 7:46  見晴茶屋
 8:15  駒止茶屋
 8:30  堀山の家
 9:12  花立山荘
 9:27  金冷シ
 9:41  塔ノ岳 着(-2.0℃)
10:24     〃  発
10:40  金冷シ
10:51  花立山荘
11:22  堀山の家
11:40  駒止茶屋
12:00  見晴茶屋
12:12  観音茶屋
12:30  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1,269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉  発        7:07
  塔ノ岳 着         9:41
  (所要時間)       2時間34分(2.57h)
  水平歩行速度    7.0km/2.57h=2.72km/h 
  登攀速度        1,269m/2.57h=493.8m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
 塔ノ岳 発         10:24
 大倉  着         12:30
  (所要時間)   2時間06分(2.10h)
 水平歩行速度   7.0km/2.10h=3.33km/h
 下降速度      1,269m/2.10h=604.3m/h
                                    (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6fb8ef5c88d33b1a4b835bbc7ad689da
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)


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