<陣馬山山頂からの富士山>
物凄い泥濘とツルツル残雪に悩まされた陣馬山・高尾山縦走
(塔ノ岳常連「大人のハイキング」)
2015年2月12日(水・建国記念日) 晴後曇
<ルート地図>
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<陣馬高原下から陣馬山へ>
■バス停陣馬高原下を出発
塔ノ岳常連「大人のハイキング」第3回は陣馬山から高尾山を縦走するやや長距離のトレッキングである.幸いなことに天気予報が好転して,今日の天気はまあまあ良さそうである.
集合はJR高尾駅8時05分.私は少々早めに集合場所に到着するように,余裕を持って自宅を出発する.大船駅から浜駅,東神奈川駅で乗り換えて,7時23分に八王子駅に到着する.八王子駅のコンコースで偶然TGさん,SSKさんとバッタリ.3人で高尾駅に向かう.高尾駅では土地勘のある方が既に私達を待っている.
8時10分,陣馬高原下行の臨時バスに乗車する.沢山の立ち席が出るほど臨時バスは混雑している.8時43分,バス停陣馬高原下に到着する.
準備を整えて,8時57分,バス停陣馬高原下から歩き出す.
バス停付近には土産店などが建ち並んでいて,如何にも観光地らしい雰囲気である.
<バス停陣馬高原下> <バス停付近の商店街;三叉路を右折>
■舗装道路から登山口へ
暫くの間,緩やかな上り勾配の舗装道路を登る.途中で数台のタクシーとすれ違う.
9時19分,舗装道路から左折して登山道に入る.途端に深い杉林の中の静かな土道に変わる.
<暫くの間舗装道路が続く> <左折して登山道に入る>
■滑りやすい雪道
登山道を暫く歩くと,次第に雪道に変わる.最初は軽アイゼンを装着しなくても何とか歩ける程度の雪道だったが,途中からは踏み固められた滑りやすい雪道になる.参加者の大多数は途中で軽アイゼンを装着する.
10時14分,登山道は大きく右折してトラバース道に入る.残雪が一段と深くなる.
<歩き出して程なく雪道になり,勾配がきつくなる> <登山道が右カーブしてトラバース道になる>
■凍結した坂道を登って陣馬山へ
途中で,下山して来た2~3人の若者とすれ違う.彼らは山頂付近が凍結していて登れないので引き返してきたという.
このときは随分と大げさだなと感じていたが,なるほど山頂に近付くにつれて,ツルツルと滑りやすい急斜面になる.私は軽アイゼンを装着したので,何の苦もなく登れるが,アイゼンを装着していない人は多分登るのが大変だろうと思う.
急斜面を登りきると,勾配がなだらかになる.
山頂に近付くと,残雪が消える.その代わりに大変な泥んこ道に変わる.この猛烈な泥んこ道には,ホトホト迷惑する.
10時27分,陣馬山山頂に到着する.
山頂には茶店がある.茶店の周囲にはテーブルやベンチがあるが,茶店で何か1品購入しないと使えないようである.この辺りが丹沢小草平の「堀山の家」とは大分違うなと一人密かに思っている.
一行のどなたかが,
「お腹が空いた…」
とおっしゃるので,ここで軽く食事を摂ることになる.私も釣られるようにして,オニギリを1個食べることにする.
<山頂近くなると緩やかな勾配になる> <猛烈な泥んこ道を登ると陣馬山だ>
<陣馬山山頂>
■白い馬の立像
私は過去に,山旅スクール5期の山行やらで,数回,陣馬山を訪れているが,そのときの記憶は殆ど残っていなかったが,山頂に到着した途端に,なんとなく思い出す.
それにしても久々の神馬山である,懐かしい.
足元の泥んこは気に入らないが,馬の立像を中心に数枚の写真を撮る.
<陣馬山山頂>
■陣馬山山頂から富士山を望む
気候が春めいてきたためか,薄い春霞が掛かっているらしく,多少茫洋としているが,富士山の眺望が素晴らしい.
富士山の手前に,幾つもの山脈が見下ろせるが,一体,どこの山なんだろう?
”お前さん…山旅スクールで山座同定を教わったろう.サッサと自分で調べたら…”
と私の体内に巣喰っているもう一人の私が,すかさず私に嫌みを言う.
”そう言うなよ,面倒だよ…”
実際の所,敢えてそんなことをしてまでも,山脈がどこかなど知りたくもない.
<陣馬山山頂から富士山を望む>
<景信山から小仏峠へ>
■明王峠
11時05分,陣馬山山頂を出発する.ここからは小さなアップダウンが連続するだけで,しかも気温が上がっているので,アイゼンは必要ないかなと思ったが,とんでもない.根雪が踏みつけられ滑りやすい登り下りが連続する.
さらに具合が悪いことに,滑りやすい根雪の道が続くと思うと,いきなり田んぼのような泥んこ道に変わる.
そんな歩きにくい道を歩き続けて,11時49分,明王峠に到着する.
<踏み固められた残雪の道> <明王峠>
■底沢峠を経由して景信山へ
暫く立ち休憩をして,明王峠を出発する.
12時15分,底沢峠を通過する.相変わらずの尾根道が連続する.途中,堂所山は山頂の南側にあるバイパス道を経由して,少し楽をする.
12時47分,それほどの急坂ではないが,前方に長い登り道が見え始める.
<底沢峠の案内標識> <長い登り道>
■景信山山頂で昼食
長い登り道をひたすら登って,12時55分,ようやく景信山山頂に到着する.途中の泥んこ道のお陰で,登山靴には重くなるほどの泥が付着している.気分が悪い.
景信山山頂で,食事を摂ることになる.一同,近くのベンチで車座になって昼食である.私は大船駅前のコンビニで購入したオニギリ2個プラスあんパンの昼食である.食べすぎかな.
<残雪と泥んこの景信山山頂> <景信山で昼食>
■景信山山頂からの眺望
昼食を食べながら景信山山頂からの眺望を楽しむ.どうやら見えているのは高尾山方面の山脈のようである.その向こうには広々とした関東平野が広がっている.実に雄大な眺望である.
土地勘のある方に伺うと,晴れていて見通しの良いときは東京スカイツリーも見えるとのこと.
<景信山山頂からの眺望>
■小仏峠へ下る
昼食を終えて,13時30分,景信山から歩き出す.
相変わらず滑りやすい泥んこ道と残雪道が交互に現れる.
13時56分,小仏峠に到着する.ここで小休止.
余談になるが…
私は,以前,甲州道中四十四宿巡りで,2回,この小仏峠を訪れたことがある.懐かしい.今回は,顔同歩きのときに歩いたコースとほぼ直行するコースを歩くことになる.
街道歩きをしているときに,近いうちに小仏峠周辺の景信山や城山を是非訪れて見たいなと思っていた.それが,今日,実現している.感無量である.
街道歩きのときは,東から小仏峠に登って,西へ下った.今回は北から下って,南へ登った.この対比が面白い.
余談だが…
この両方のコースを立体的に眺めると,いわゆるサドル型になっている.
<小仏峠>
[参考資料]
*もう一つの小仏峠
過日,私は五十三次洛遊会の皆様と甲州道中歩いた.下記のURLはそのときの様子である.今回とはまた違った雰囲気の小仏峠が見えてくる.
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4a1ab8bec40109024e6d2b4dcf364332
<城山から一丁平へ>
■城山山頂
14時丁度に小仏峠を出発する.
何人かの方々は小仏峠でアイゼンを脱着するが,私は,もう少しの間,アイゼンを装着したまま歩こうと思う.
短いけれども,滑りやすい坂道を登って,14時19分に城山山頂に到着する.山頂には茶屋がある.塔ノ岳以外のよその山へあまり行っていない私は,このコースの至る所に茶屋があるのに驚いている.
ここでも山頂からの眺望を楽しむ.
<城山山頂> <城山山頂からの眺望>
■一丁平
14時25分,城山山頂を出発する.
ここから先は,登山道の整備が随分進んでいて,歩き易い木道が連続する.それでも泥んこは,折角の木道台無しにするほどの凄さである.
14時40分,一丁平に到着する.
ただ,何人かの方々はイチョウ平をバイパスする道を選んだため,ここには立ち寄らないようである.
<整備された木道> <一丁平>
■一丁平からの眺望
一丁平からの眺望を楽しむ.
春霞が少し濃くなってきた.そのためか富士山はほとんど見えなくなっているが.丹沢大山と表尾根の山々が良く見えている.
<一丁平からの眺望>
<高尾山山頂>
■もみじ台
12時45分,一丁平を出発する.
暫くの間,下り坂が連続する.標高が低くなったためか,残雪はほとんど見当たらないが,泥んこの下に凍結した根雪があって,結構滑りやすい.そんなこともあって,何人かの方々が滑って転倒する.
私は何時とはなしにTNさんと二人で先頭になってしまう.
”どうせ,もうすぐ高尾山だから,このまま登ってしまおう…”
ということで,長い階段道に差し掛かる.
TNさんが,独り言のように.
「うえ…長い階段だな…何段あるんだろう…」
と言う.それを聞きつけた通りがかりの男性が,
「後,200段ありますよ…」
と教えてくれる.
「(大倉尾根の)後七分坂が3百○○段で,7分だから,200段なら○○分で登れるな…」
とTNさんが如何にも技術屋さんらしいことを言う.
200段の階段を登り切って,15時09分,もみじ台に到着する.ここで後続の方々が到着するまで数分待つ.
15時20分,高尾山山頂に到着する.ここで休憩.
高尾山は有名な観光地である.沢山の観光客で賑わっている.でも登山姿の観光客は皆無に近い.泥だらけの私達は何となく浮いている感じである.
<もみじ台> <高尾山山頂で休憩>
■高尾山山頂からの眺望
高尾山山頂からの眺望をデジカメに収める.
ここからの眺めも相変わらず素晴らしい.
<高尾山山頂からの眺望>
<高尾山口へ>
■広い境内の薬王寺
15時28分,高尾山山頂から歩き出す.
まずは薬王寺の広い境内の中を通過する.ビックリするほど沢山の観光客で賑わっている.
15時45分,薬王寺本堂(だろうと思う)で御参りを済ませる.
<薬王寺本堂>
■立派な山門
15時47分立派な山門を潜る.
この辺りで沢山の外国人観光客を見かける.
<立派な山門>
■商店街を抜けて山道へ
山門を抜けると商店街が続く.
15時2分,道路が三方に分岐する場所に到着する.私達は右側の階段道を降りる.階段のその先は,急な下り坂の登山道になっている.
<商店街を抜ける> <山道に入る>
■山道を下って東京高尾病院へ
山道に入った途端にジグザグの急な下りになる.列がバラケ始める.
TNさんとNMさんが先頭.お二人がかなり高速で下山し続けるので,私はどうしようかと迷うが,終点の高尾山口まで一本道.迷うこともない.私もお二人の後を付けることにする.
15時24分,東京高尾病院に到着する.
<急な下り坂> <東京高尾病院>
■石仏群とケーブル駅
病院から先は,川の右岸沿いの舗装道路である.舗装道路を下りながら,何処か適当なところで,河原に降りて靴の泥を洗い流そうということになる.
3人で河原に降りて靴を洗っている内に,後続の方々に追い抜かれる.
15時36分,七福神など沢山の石仏が並ぶ石仏群の前を通過する.
15時37分,ケーブル駅の横を通過する.前のめりに傾いたケーブルの車体を見ている内に,自分の平衡感覚がどうにかなってしまったような錯覚に陥る.
<石仏群> <ケーブル駅>
■高尾山口駅
16時38分,仏心寺の前を通過する.再び沢山の観光客と遭遇する.
16時41分,高尾山口に到着する.
こうして,水平歩行距離16.1キロメートルのロングトレイルを6時間44分掛けて歩き通したことになる.
<仏心寺> <高尾山口>
<こうして今日も無事終わった>
■JR高尾駅で解散
高尾山口17時01分発普通電車新宿行の電車に乗車する.
17時05分,高尾に到着.全員がJR中央線に乗り換える.
17時21分,八王子駅着.ここで解散.
私は浜線快速磯子行電車に乗り換える.
■今日も”良かった!良かった!”
浜線電車で運良く腰掛けられる.何時の間にかうたた寝.気持ちが良い.
快速電車なので途中で通過した駅も沢山あるが,何時何処の駅を通過したか分からない内に浜駅に到着する.
本来ならば浜駅で東海道本線下り電車に乗り換えるのが当たり前だが,面倒なのでそのまま根岸線磯子駅まで乗車する.磯子駅で大船駅行に乗り換えて,18時58分に大船駅に到着する.
バスの接続が少し悪かったが,19時30分頃無事帰宅する.
泥んこと滑りやすい道路に少々閉口したが,楽しい登山だった.
…というわけで,今日も”良かった!良かった”.
<ラップタイム>
8:57 バス停陣馬高原下歩き出し
9:19 舗装道路から山道に入る
10:29 陣馬山山頂(11:05まで休憩)
11:42 明応峠
12:15 底沢峠
12:55 景信山(13:30まで昼食)
13:56 小仏峠(14:00まで休憩)
14:19 城山山頂(14:25まで休憩)
14:40 一丁平(14:45まで休憩)
15:08 もみじ台
15:20 高尾山山頂(15:28まで休憩)
16:36 七福神他石仏群
16:37 ケーブル駅
16:41 高尾山口駅
[山行記録]
■水平歩行距離 16.1km
■累積登攀高度 1072m
■累積下降高度 1212m
■所要時間(休憩時間込み)
陣馬高原下発 8:57
高尾山口 着 16:41
(所要時間) 6時間44分(6.73h)
水平歩行速度 16.1km/6.73h=2.39km/h
(おわり)
「中央沿線の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4a5e24a29cb9665c479146cfd68fb623
「中央沿線の山旅」の次回の記事
(なし)