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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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晩秋の箱根;屏風山・恩賜公園・箱根古道周遊

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                             <箱根恩賜公園から富士山を望む>

     晩秋の箱根:屏風山・恩賜公園・箱根古道周遊
           (山旅スクール5期有志)
         2014年11月19日(水) 晴

<ルート地図>



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■箱根恩賜公園

※箱根恩賜公園の案内板を撮影

<屏風山縦走>

■箱根湯本から甘酒茶屋へ
 どんな経緯があってかは忘れたが,山旅スクール5期有志プラスαで箱根屏風山へ行くことになった.屏風山はあまりポピュラーな山ではないので,多分私が言い出しっぺなのかも知れないが,とにかく屏風山へ出掛けることになった.でも最初に予定していた日はあいにく天気が悪くて延期,そして11月19日の今日になって,やっと実現することになった.
 9時丁度に箱根湯本駅集合である.ところが出掛ける間際になってわが家の電気製品に一寸したトラブルがあって,その対応で予定していた出発時間を大幅に遅延してしまった.途中で,今日はドタキャンしようかと思ったが,小田原からロマンスカーに乗り継げば集合時間より2分遅れの9時02分には箱根湯本に到着することが分かった.乗車を予定していた箱根湯本9時10分発路線バスにも十分間に合う.
 “ならば,行くことにしよう…”
 私は,東海道本線の車中で同行の方々に予定より2分遅れて箱根湯本に到着することを携帯メールで伝える.
 今回の参加者は私を含めて5名.4名が女性である.
 予定していた9時10分発のバスに乗車する.今日は平日にもかかわらず.バスは何人かの立ち席が出るほどの混雑である.
 バスは曲がりくねった旧東海道の坂道を登り続け,9時41分,甘酒茶屋に到着する.
 茶屋前の広場で,登山の支度を整え,各自軽くストレッチを終える.そして,9時52分,甘酒茶屋前から歩き出す.
 雲が多いものの天気は上々である.気温が何度あるか良く分からないが少々寒い.
 
<甘酒茶屋>                                  <屏風山登山口>

■薄暗い林を抜ける
 9時58分,屏風山登山口に到着する.登山口入口には立派な案内杭が立っている.
 案内杭の所で左折して谷間に降りる.薄暗い杉林の中の道を辿る.最近雨が降ったのか登山道はジメジメとしている.
 すぐに半ば朽ちかけた木橋を渡る.そして暫くの間は谷沿いの緩い登り坂が続く.登山道が山の斜面に突き当たると,急に勾配がきつくなる.暫くの間,ジグザグの階段道の坂が連続する.ところどころに案内杭が立っているが,行き先の表示だけで,そこまでの距離が記載されていないのが物足りない.
 急坂を登り切る頃,杉林から広葉樹林帯の入る.この辺りから先は長閑で雰囲気の山道に変わる.足元に厚く降り積もった落ち葉を踏みながら,ノンビリと歩き続ける.路傍に苔むしたベンチが設置されている.すばらしい散策路である.
 途中で,数分,立ち休憩を取る.
 
<薄暗い杉林の中を行く>                         <急登を過ぎると長閑な散策路になる>

■屏風山山頂
 再び急な登り坂になる.坂道を登り切って,10時53分,屏風山山頂(標高940メートル)に到着する.山頂には笹や樹木が繁茂していて,眺望は全くない.
 山頂の標識には,ここが小田原北条氏の出城であったという主旨の説明が書いてある.
 山頂で10分足らずの休憩を取った後,11時02分に山頂を出発する.
 
<屏風山山頂>                                 <所々に標識が立っている>

■心地よい散策路
 山頂から尾根道を縦走する.ところどころに綺麗に紅葉した木々が見え隠れする.暫くの間は実に心地よい散策路が続く.
 枯れ木の間から富士山が垣間見える.
 11時26分,竹のトンネルを通過する.繁茂する竹がうまい具合にトンネルになっている.正に奇観.
 「このトンネル自然にできたんかしら…?」
と不思議がりながら通過する.
 
<木の間から富士山が見え隠れ>                     <笹のトンネル>
 
■急坂を下る
 笹のトンネルを通過してから,距離は短いが急な登り返しがある.
 登り坂を過ぎて,11時30分,登山道が直角に右折することを示す案内板がある.
 「これから,箱根で一番急傾斜の下り坂が始まりますよ…気を付けて下りましょう…」
と案内する.
 ここはクサリ付きの急傾斜である.ただ,シッカリした階段が取り付けられているので,中有をして降りれば,それほど危険ではないが,応分の高度感がある.
 一同慎重に下山開始.
 
<急坂の手前にある案内板>                         <急坂の始まり>

■工事現場に降りる
 私が先頭に立って階段道を降り始める.全神経を階段道に注いでいるので,後ろに気遣う余裕がない.慎重に一歩一歩下り続ける.
 11時41分,急な階段道を下り終える.下り終えたところにある広場には何台かの車が駐車している.近くでは道路工事と建物の建築工事が始まっている.
 今下ってきた階段道を振り返って見る.
 “ありゃ~ぁ…っ! 後続が居ないぞ!”
 私自身,随分と慎重に降りてきたつもりだが,ちょっと間が空いてしまったらしい.どうせ一本道なので,近くの材木に腰を下ろして,一行の到着を待つ.待ちながら,
 “さて,どこで昼食を摂ろうか…”
と迷い始める.
 
<急坂を見上げる>                                <工事現場>

■眼下に芦ノ湖
 5分ほど待っている間に全員が揃う.ここで一呼吸.休憩を終えて,11時50分,歩き出す.
 11時54分,登山道の標識と注意書きが立っているところを通過する.注意書きには,体力に自信がない人は近付かないようにという趣旨のことが書いてある.
 12時01分,突如,前方の視界が開ける.集落の屋根の向こうに芦ノ湖が見え始める.
 「すぐ先で,いきなり観光客で一杯の関所跡に飛び出ます.お互いに迷子にならないようにしましょう…」
 
<注意書き>                                      <急に視界が開ける>

<関所跡と箱根恩賜公園>

■喧噪の箱根関所跡
 12時02分,箱根関所跡前の道路に飛び出るようにして到着する.「屏風山40分…」と書いてある案内板が立っている.ここで私達の屏風山縦走は終わりである.
 取りあえずは,関所入り口でトイレ休憩.
 私は一同が用事をしている間,近くのベンチで,リュックの中を整理する.次々に用事を済ませた方々が集まってくる.ベンチで私のすぐ隣に座っていた老人の男性が,その様子を見て,
 「あんた,沢山の女性の友達がいて良いですね…」
と私に話しかける.山登りで男も女もないと思って居る私は,この男性の問いかけにちょっと意外な感じを持ったが,
 「どうぞ,お分けしますよ…」
と咄嗟に珍妙な返事をしてしまう.
 「…で,どこで食事をしましょう…山の中の様子は私にも分かるけど,街中に入ってしまうとサッパリ様子が分からないんです…」
これ私の本心.
 だれからともなく,近くの恩賜公園で昼食にしましょうということになる.勿論,異論などない.
 
<関所跡前の登山口>                                 <箱根関所>

■素晴らしい富士山の眺め
 喧噪の箱根関所跡を抜けて,恩賜公園の駐車場から,階段道を登って恩賜公園の丘に登る.
 12時24分,公園の高い所にある広場に到着する.ここからの富士山の眺めは実に素晴らしい.あいにく山裾に雲が湧き始めているが,それはそれでなかなかの風合いである.
 ここは「関東の富士見100選」の一つに選ばれたところのようである.
 例によって私の写真術は下の下,それともバカカメラのせいか良く分からないが,毎度のことながら富士山の写真は失敗する.自慢ではないが,ろくに撮れたことがない.今回は時間もタップリあるので,焦点距離を変えたり,露出を変えたりで,実に沢山の写真を撮る.そのなかで,まあ,まあ,何とか富士山が写っているのが下の写真である.

<恩賜公園から見た富士山>

■広場で昼食
 12時25分,湖畔展望観前の広場で昼食を摂ることにする.
 私は例によって,大船駅前のコンビニ出購入したオニギリ2個,ヨーグルトなどで至って簡素.これで十分.
 広場には遠足で来た小学生で賑わっている.私達が車座になって食事をしている側で,「達磨さんが転んだ」を楽しんでいる.
 広場に座り込むと,すぐに寒くなる.
 12時40分頃,昼食を終える.少しの間,公園内をブラブラする.

■屏風山全景
 まずは展望台に向かう.
 展望台に立って振り返ると,さきほど登った屏風山が聳えている.こうしてみると,屏風山は低山ながら威風堂々の山容である.
 私達は写真に写っている屏風山の裏側から登って稜線伝いに屏風山の山頂を通過し,右側の給付斜面を下山したことが分かる.

<展望台から見た屏風山全景>

■200階段と藤棚広場
 そろそろ公園をおさらばしようと思う,同行者のお一人の先導で階段道を約百段ほど下りたところで道を間違えたことに気がつく.往路を登り返す.そのシンドイこと,はあ,はあ…
 改めて200階段とやらを降りる.長いけれども緩やかな階段である.
 13時24分,200階段を下り終えて藤棚広場に到着する.内心では,
 “藤棚広場なんて平凡なな名前だな,もう少し風流なな名前にすれば良いのに…”
と思うが,余計なお世話だねと言われそうだ.
 
<200階段>                                     <藤棚広場>

■芦川橋を渡る
 13時25分,藤棚広場の先にある芦川橋を渡る.この橋は「かながわの橋100選」に入っている名橋のようである.
 橋の上から眺める芦ノ湖の入江がなんとも素晴らしい.橋の上で足を止めて,沢山の写真を撮る.

<芦川橋からの風景>

■杉並木と一里塚
 芦川橋を渡ると湖畔沿いの自動車道路に突き当たる.
 私達が歩きたいのは自動車道路ではなくて,その奥にある杉並木である.近くに横断歩道がないので,やむなく交通量の多い自動車道路を横切って,杉並木に入る.途端に閑静な雰囲気になる.
 杉並木をぞぞろ歩きする人達と時々すれ違う.
 13時37分,箱根一里塚跡を通過する.そういえば数年前に東海道五十三次を歩いたときに,この辺りも通過したな…と,あのときのことを懐かしく思い出す.
 
<箱根杉並木>                                   <一里塚>

<箱根旧街道>

■興福院
 一里塚を過ぎて間もなく,杉並木が終わりバス通りに合流する.11時38分,進行方向右手の高台に見事に紅葉した木があるのを見付ける.すかさず写真を撮る.
 13時45分,三叉路を右折して路地に入る.路地の入口からほんの少し入ったところに曹洞宗の興福院がある.この寺の由来などは全く調べていないが,どんな寺なのか少々気になっている.
 寺の前を通過すると,間もなく箱根旧街道である.
 
<素晴らしい紅葉>                           <興福院>

<箱根旧街道>

■大きな木製の跨線橋
 13時49分,箱根旧街道入り口に到着する.路傍に「箱根旧街道」の案内板が立っている.この辺りから閑静な街道道に入る.
 すぐに大きな木製の跨線橋を渡る.跨線橋の下には交通量の激しい自動車道路が走っている.
 この辺りから旧街道の雰囲気が濃厚になる.
 
<箱根旧道案内標識>                            <木の跨線橋>

■権現坂
 跨線橋を過ぎて,暫くの間は山道が続く.
 13時52分,石畳道の入口に到着する.やや急な登り坂である.路面は意外に乾いているので,予想していたより,随分と歩き易い.私は内心でホッとする 
 直ぐ近くに鳥居が立っている.鳥居から先は石畳道にほぼ並行して参道が続いているようである.一瞬,この参道を登ってみたいという衝動に駆られるが,今日は石畳道を歩くのが主目的である.鳥居の先の参道を歩くのは別の機会にしようと思う.
 13時57分,権現坂を通過する.傍らに案内板が立っている.
 
<石畳道>                                   <権現坂>

■お玉が池分岐と天ヶ石坂
 14時02分,お玉が池分岐に到着する.ここからお玉が池までのルートも,ここ数年歩いていないので,近々,再度歩いてみなければと思いながら通過する.でも,一寸,回り道してみたいとフト思う.
 続いて14時18分,天ヶ石坂と刻字された石柱の前を通過する.天ヶ石坂の由来などは調べていないので分からない.
 
<お玉が池分岐>

<甘酒茶屋の甘酒>

■甘酒茶屋に戻る
 比較的急な下り坂を下って,14時26分,箱根旧街道の看板に到着する.これで石畳道が終わりになる.
 目の前の自動車道を横切って,さらに山道を下る.そして,14時37分,無事,甘酒茶屋に戻る.
 甘酒茶屋発14時40分箱根湯本行のバスに丁度間に合う.でも,
 「…甘酒飲んでいかないの…」
とのことなので,主体性のない私は,すぐに付和雷同.
 
<箱根旧街道>                              <甘酒茶屋>

■やっぱりひと味違う甘酒
 1杯400円也の甘酒を所望する.さすがに有名な甘酒茶屋の甘酒である.何というか昔を思い出させる懐かしい味である.
 “う~ん…やっぱり! これが本当の甘酒だ!”
 私は内心で,昔,昔,味わった甘酒の味を懐かしく思い出している.
 茶屋の中は,わざとだろうが証明が無く薄暗い.何となく落ち着いた雰囲気である.店内には沢山の観光客が居る.
 “この分だと,バスが混みそうだな…”
 そう思った私は,少々早めにバス停で並ぼうと一同を促す.
 
<美味しい甘酒>                              <バス停甘酒茶屋の紅葉>

<箱根湯本から無事帰宅>

■バスと電車で小田原へ
 甘酒茶屋15時10分発箱根湯本駅行のバスは2分ほど遅延する.バスは混雑しているが私は何とか座れる.
 毎度のことながら乗り物に乗ると,すぐに眠くなる.居眠りをしている内に箱根湯本に到着する.箱根湯本駅は観光客でごった返している.
 箱根湯本駅は平日にもかかわらず観光客で大混雑である.箱根登山鉄道(小田急かな?)の小田原行の電車に乗車する.
 小田原駅で解散.小田急で帰る方々,JRで帰る方々に分かれる.

■無事帰宅
 小田原始発の快速アクティに乗車する.
 帰宅したときはトップリと日が暮れている.塔ノ岳に出掛けるときは何時も昼下がりには帰宅している私には,日が暮れてからの帰宅には少々違和感がある.午後遅い帰宅だと,午後に何かしようとしても,ほとんど時間が無くなる.だから,何となく今日一日が短くて損をしたような錯覚に陥ってしまう.
 帰宅して,すぐに夕食になる.
 “いろいろとやりたいことがあるのに,もう夜か…!”
 夕食後,まとまったことは何もできないうちに,20時を過ぎて“お眠む”になる.
 “しょうがないな~ぁ…! でも,眠くて仕方がない.寝るとするか…!”
 とはいえ,今日一日,無事で楽しかった.だから”良かった!良かった!”である.

<ラップタイム>

 9:52  甘酒茶屋歩き出し
 9:58  屏風山登山口(甘酒茶屋)
10:53  屏風山山頂(11:02まで休憩)
11:02  竹のトンネル
11:30  急な下り坂始まり
11:41  急な下り坂終わり(11:46まで休憩)
12:02  屏風山登山口(箱根関所跡)
12:24  箱根恩賜公園広場(12:40まで昼食)
13:25  芦川橋を渡り杉並木へ
13:37  箱根一里塚跡
13:45  興福寺
13:49  旧街道入口
13:52  石畳道
13:57  権現坂
14:02  お玉が池分岐
14:18  天ヶ石坂
14:37  甘酒茶屋着  

[山行記録]

■水平距離        6.1km

■累積登攀高度           430m

■累積下降高度           430m

■所要時間(休憩時間込み)
  甘酒茶屋発               9:52
    〃   着             14:37
  (所要時間)            4時間45分(4.75h)
  水平歩行速度          6.1km/4.75h=1.28km/h
                                  (おわり)
「伊豆箱根の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/eeea26cf1d0552cb30802834e78cdaf2
「伊豆箱根の山旅」の次回の記事
(なし)










 


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