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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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趣味三昧:水彩画『鏡平から槍ヶ岳を望む』(40号)

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      趣味三昧:水彩画『鏡平から槍ヶ岳を望む』(40号)

             2014年11月7日(金) 晴

 北アルプスの山々は訪れる度に違った表情を見せてくれるので,とても魅力的だ.
 この日,残念ながら雲が湧いていて,風景を十分に堪能することはできなかったが,ひときわ標高が高い槍ヶ岳が,雲海から穂先を突き出すように見えていた.私はその雄大な姿に感動した.早速,ポケットから小さな手帳を取り出して,槍の雄姿をスケッチした.
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 あの日から,もう数年が経っている.
 私の手許には,まだ水彩画にできないまま居眠りをしているスケッチがごまんとあるが,今秋の神奈美展では,あの槍のスケッチを水彩画に仕上げようと思った.迷いに迷いながら描いた結果,冒頭の絵である.
 私としては,雲間に見える槍ヶ岳に抱いている畏怖の念を絵の中に表現したかった.
 過去,私は槍ヶ岳に数回登頂している.最初に槍ヶ岳に登ったときの感激は,今でも忘れられない.実は山登りを始めた頃,抱いていたていた最大の夢は,
 “あの槍ヶ岳へ登ってみたい…”
だったからである.もっと言えば槍ヶ岳に差へ登れればもう山登りは止めても良いとすら思っていた.そんなこともあって,私の手許にはいろいろな方向から眺めた槍ヶ岳のスケッチが沢山残っている. 
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 さて,冒頭の絵につていの”疑問…”,というか”迷い”が,展覧会が終わってからもまだ続いている.
 実際の景色では,下の方にカラマツかスギ(樹木に疎い私にはどっちか分からないが)が見えている.素直に考えれば見えているとおりに,絵の右下に近景の樹木を書き入れるべきかもしれない.でも,そうすると雲の流れが遮られてしまうような気がして書き入れるのを躊躇してしまう(左下の写真).
 展覧会場で絵の先輩に当たるITさんの批評を受けると,
 「いや,この絵では左下に近景の木を入れるべきだ…」
とのこと(右下の写真).


 展覧会も無事終わって,昨日(11月6日),搬入業者が出展していた絵を自宅まで届けてくれた.
 私は改めてこの絵を眺めながら,いっそのこと,絵の下の部分に,樹木をズラリと並べて画いた方が,絵として落ち着くんじゃないかと思うようになった.
 なお,説明が前後するが,これらの樹木は,PowerPointというソフトを使って簡易的に付け加えたもので,水彩絵の具で画いたものではない.線画で2~3本の木を画いて,コピペする.そしてそれぞれの木に適当な色を付けて,拡大あるいは縮小しただけの代物である.これらの作業は,実に簡単で,ほんの3~4分もあれば全て終わる.

 画面下方にズラリと樹木を並べてみると,絵に何となく奥行きが出たような気がしてくる.でも,同時に,視線が,どうしても近景の方に行ってしまい,肝心の槍ヶ岳が遠い存在になったような気がする.
 こうなると私にも拘りがある.私はどうしても自分の足で登った感覚,つまり弾む息遣い,流れる汗,地底深くのマグマから伝わるような響きのようなものを絵の中に持ち込みたい.だから収まりの良い遠景としての山の絵は画きたくない.
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 まあ,こんなことを思案しながらも,私の関心事はもう来年3月の展覧会に向けて何を画こうかに向かっている.
 そんなわけで,今日,午前中に仕事を全部終わらせて,午後から来年の展覧会用の画用紙を買いに大船までブラブラ歩きをしようと思っている.
 そして,明日,土曜日.どうやら天気は持ちそうなので,定例の塔ノ岳詣でをしよう…と,平和ボケした私は,自分勝手なスケジュールを立てている.
 それにしても…
 来年の展覧会に向けて,どんな絵を画こうかと迷いに迷っている.

「セピア色の画集」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e0b960582609f67fc4d6ed9a279aa23a
「セピア色の画集」の次回の記事
(なし)


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