Quantcast
Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2690

雲間の富士山と紅葉を眺めながら登る丹沢;塔ノ岳(今年53回目)

$
0
0

                              <小田急の車窓から富士山と矢倉岳を眺める>

   雲間の富士山と紅葉を眺めながら登る丹沢;塔ノ岳(今年53回目)
              (単独山行)
         2014年11月5日(水) 曇


■寒くて真っ暗!
 悪天候や神奈美展の開催があったり,箱根の低山登りなどをしていたために,半月ほど塔ノ岳に登っていない.このままではだんだん塔ノ岳に登れなくなるぞという強迫観念に襲われ続けている.
 先週の神奈美展も無事終わった.開催期間中,沢山の知人,友人に会場までご来場いただき感無量である.その中でも,11月1日に,雨の中,多数の塔ノ岳常連の皆様に会場までお越し頂いたことにこの場を借りて深甚なる謝意を表する次第である.同時に,例え開催中であっても,
 “私も一緒に,雨の中を塔ノ岳に登りたかったな…”
という思いが強まる.
 開催期間中に停滞していた日常業務などは,月,火の2日間で無事終わった.そして今日は塔ノ岳登山日と決めている水曜日.私は,例え天候がどうであれ,2週間のブランクを埋めるために,塔ノ岳に行こうと思っている.
 11月ともなれば,朝晩はめっきり寒くなる.私はスムーズに朝起きられるように,前の晩,登山用の衣服に着替えてから,シュラフに潜り込む.
 早朝3時30分に起床する.すでに登山着を来ているので,あまり寒さも感じずにスッと起きられる.
 4時10分に家を出る.外は真っ暗.冷たい風がビュウビュウと吹いている.2週間前には微かに聞こえていたコーロギの声はもう全く聞こえなくなっている.わずか2週間の間に季節はぐっと進んだようである.

■富士山と矢倉岳
 山の尾根にある自宅から,夜道を2キロメートル余り下って大船駅5時10分発東海道本線下り初電に乗車する.小田原で小田急線6時03分発新宿行急行電車に乗り換える.その頃になると,ようやく辺りが明るくなり始める.
 電車が新松田に近づく.今日は富士山と矢倉岳が良く見えている.早速,デジカメを取り出す.どうやら富士山は8合目辺りまで雪が積もっているようである.

<富士山と矢倉岳>

■見晴階段
 渋沢6時48分発大倉行1番バスは,平日にもかかわらず大勢の立ち席が出るほどの混雑である.乗り合わせた常連は韋駄天のNMさん,TGさん,TDさん,KMさん,SSKさん,YUさん,YKさん,MTさん,IWさん他.
 バスは,7時頃,大倉に到着する.
 2週間も間が空いているので,私は終始マイペースで一人登山をしようと思う.今日の目的はとにかく無理をせずに塔ノ岳山頂に到着すること.所要時間は3時間程度掛かっても良いということで,7時07分に大倉から歩き出す.どうやら今日は風が少々強いようである.
 私の前後に,一般の登山客に混じって,常連の皆様の姿が見え隠れしている.歩き出して間もなく,私より少し後に歩き出したTGさん,SSKさんに追い越される.一瞬,お二人の後について登ろうかとも思ったが,付いて行けないに決まっている…ヤメタッ!
 7時50分,見晴茶屋を通過する.大倉から歩き出して43分経過している.
 “2週間のブランクの割には,マアマアじゃないか…”
 私は自分の体調がまあまあなことを確認して,少し安心する.
 引き続き,見晴階段に差し掛かる.階段の上の方に,先ほど私を追い越して行ったTGさんとSSKさんの後ろ姿が小さく見えている.
 見晴階段付近の樹木は,まだ青々としていて,紅葉はまだまだ先のようである.

<見晴階段>

■駒止階段
 モミジ坂をエッチラホッチラと登り続ける.
 8時05分,ようやく一本松を通過する.大倉からの所要時間は58分.できれば50分程度で一本松を通過したいところだが,今の私には1時間を少し切る程度で精一杯のようである.
 一本松からの平坦な尾根道を通り抜けて,いよいよ駒止階段に差し掛かる.階段の中程をよろめきながら極々ユックリの速度で登っている長身の男性の後ろ姿が見えている.私も決して速い速度で登っているわけではないが,階段を登り切る頃には,この男性に追い付く.
 8時19分,駒止茶屋を通過する.長身の男性に会釈をしてから追い越させて貰う.この男性は顔見知りだがお名前は分からない.今日はヤビツ方面に下山するとのことである.

■堀山の尾根道からの富士山
 堀山の尾根道に差し掛かる.相変わらず風が強い.
 駒止茶屋のすぐ先から続く長い木道を通過すると,いよいよ尾根道である.ここは平坦な道なので,少しピッチを上げて歩き続ける.
 やがて,富士山が良く見える場所に到着する.今日は幾分雲が掛かっているが,何とか富士山が見えている.私はここで立ち止まって,デジカメを構える.数枚の写真を撮るが,何とか富士山が見えるのはこの一枚だけ.
 8時05分,堀山を通過する.

<堀山の尾根からの富士山>

■枯れ葉舞う尾根道
 堀山の尾根道には,沢山の枯れ葉が落ちている.絨毯のように降り積もった枯れ葉を踏みながら歩き続ける.
 もう,冬も間近だなと実感.
 それにしても,今日の風はやけに冷たい.

<枯れ葉舞う堀山の尾根道>

■小草平
 8時35分,小草平に到着する.
 堀山の家は,閉まったまま.1人の男性がベンチで休憩を取っている.
 小草平からも富士山が見えている.ここでも色々と条件を変えながら数枚の写真を撮る.その中でやっと富士山が写ったのが下の写真である.
 大倉から堀山の家までの所要時間は1時間28分.かなり遅いが,2週間ブランクの私には,まあ,こんな所だろう.

<小草平からの富士山>

■萱場平
 今日は小草平から花立山荘まで40分掛けて登ろうと思う.勿論,マイペース厳守である.マイペースとは,流れるような汗はかかないこと,呼吸が乱れないことが条件.
 誰にも追い越されず,誰も追い越さずに,至って平常心のまま登り続ける.気温が次第に下がっているのか,汗が引っ込んだだけではなく,幾分寒いなと思いながら登り続ける.
 8時54分,萱場平を通過する.
 木道の間に繁茂しているアザミが大分萎れてしまい元気がない.そろそろ今年のアザミは見納めかな.

<萱場平>

■後七分坂からの富士山
 9時08分,後七分坂(花立階段)の下に到着する.
 ここで久々に下山してくるITさんにバッタリ.
 「…あいかわらずお元気ですねェ~…オーストリアへ行ってきたんでしょ…?」
 「ハァ,マア…オーストリアには行ってきましたが…」
私は,自分が元気かどうか判断が付かないのでシドロモドロ.
 もっとも,どこも痛いところがなくて,平凡に息をしている状態を元気と言うんだったら,確かに私は元気である.
 ITさんとお別れしてから,ここから見える富士山の写真を撮る.少し雲が棚引き始めたがまだ富士山が良く見えている.
 偶然同じ場所で富士山を眺めている2人連れが,困惑顔で後七分坂を見上げている.
 「実は,私の足で,この階段を登るのに7分かかりますよ…」
とお話しする.
 「はあ…7分ですか!」 

<後七分坂の下から富士山を望む>

■賑わう後七分坂
 後七分坂を登り始める.私の前後に階段を登る登山客が何人か居られる.後ろを振り向くと,渋沢の街並みや相模湾がとてもよく見えている.
 階段を半分ほど登ったところで,下山してくる韋駄天のNMさんとすれ違う.何時も通りの場所ですれ違ったので,私の歩行速度もそれほど遅くもないなと思い直す.
 階段をそろそろ登り終える頃,後ろから来たYUさんに追い抜かれる.これも致し方ないことである.

<登山客で賑わう後七分坂>

■花立山荘
 9時15分,花立山荘に到着する.山荘前にベンチには誰も居ない.つい先ほどまで見えていた富士山はもう雲の中である.
 大倉からの所要時間は2時間08分.2週間のブランクがあったことを考慮すれば,まあ,まあ,というところだろう.ちなみに小草平からの所要時間はジャスト40分.こちらは予定通りだったので100点.ちなみに後七分坂は,丁度7分で登っている.

<花立山荘>

■花立山
 花立山荘で写真を撮りながらモタモタしている内に,つい先ほど私を追い越したYUさんの後ろ姿が遠くなってしまう,もう,追い付くのは不可能である.
 私はノソノソと花立山へ向かう階段道を登り続ける.階段をやっと抜けて,ガレ場に差し掛かる頃,YUさんはもう少しで花立山山頂というところを歩いている.
 9時24分,花立山山頂に到着する.また富士山が見え出す.雲が幾重にも棚引く素晴らしい富士山である.
 “これは是非水彩画にしたいな…”

<花立山から富士山を望む>

■霧と鍋割山稜の紅葉
 花立山を通過すると,俄に霧が掛かり始める.
 花立山から先の紅葉はもう終わりのようだが,谷間の紅葉はこれからのようである.今年はもう見納めになるかもしれない紅葉の風景を,何枚も,何枚も,デジカメに収める.もうこうなるとラップタイムがどうなろうと問題ではない.
 冷たい風が絶えず吹いている.体感温度は一体何度になっているんだろう.とにかく寒い.

<霧の鍋割山稜>

■馬の背の紅葉
 馬の背に差し掛かる.もうここまで登れば,塔ノ岳山頂までも後僅かである.相変わらず紅葉の写真を撮りながらノロノロと歩き続ける.
 “この辺りの今年の紅葉は,もう終わりだな…”
と思いながら歩き続ける.

<馬瀬近くの紅葉>

■霧の塔ノ岳山頂
 9時29分,金冷シを通過する.花立山からの所要時間は5分,花立山荘からは14分.ここは正常範囲.
 金冷シを通過すると,ちょっと気が抜ける.ここから先は山頂まで後僅か,
 9時45分,無事,塔ノ岳山頂に到着する.山の気候は変わりやすい.山頂は濃い霧に覆われている.すぐ目と鼻の先の尊仏山荘も霧に遮られていてハッキリとは見えない.山頂の気温は+4℃.予想通りの気温である.ただ,冷たい風が吹いていて,退官気温はもっと寒い.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間38分.花立山荘からは丁度30分.全体を総括すると,駒止茶屋から山頂までの所要時間は,まあ,こんなもの.ただ,歩き出しから見晴小屋までの所要時間が長すぎるということだろう.でも,2週間のブランクがあったことを考慮すれば,まあこの程度だなと自己評価する.

<霧の塔ノ岳山頂>

■尊仏山荘
 山頂でモタモタしていると,尊仏山荘からTGさんが出てくる.
 「寒いので,先におります…」
ということで早々に下山していく.
 “さて,どうしよう…”
 私は,このまま下山するか,短時間だけでも尊仏山荘に立ち寄るかで迷うが,まあ急ぐ旅でもないので,久々に尊仏山荘に立ち寄ることにする.
 山荘に入る.
 先客は,同じ1番バスに乗っていたMTさん,SSKさん,それに後七分坂で追い抜かれたYUさん.小屋番はオーナーのHDさん.ネコは残念だが当然居ない.
 何時も300円也のお茶を所望しているので,HDさんがお茶の用意をし始める…が,温かい甘酒が飲みたかったので,400円也の甘酒を所望する.
 甘酒を飲み終えたらすぐに下山する積もりだったが,何となくズルズルと時間を過ごす.その内に,水曜日常連のNMさん,2本後のバスで登って来られたFTさんが山荘に到着する.
 関西から来られたという2人連れの方も加わって雑談.ズルズルと時間を過ごす.

■下山開始;とにかく花立山荘まで
 10時38分,“そろそろ下山しましょう…”で,MTさん,FTさん,SSKさんと一緒に尊仏山荘から下山開始.
 山荘の外へ出ると寒い.でも,花立山荘まで降りれば温かくなるのが分かっているので,とにかく花立山荘まではピッチを速めて下山する.
 10時58分,花立山荘を通過する.下界は薄雲がかかっていてハッキリは見えないが,素晴らしい鳥瞰である.思わず立ち止まって写真を撮る.
 後七分坂を下り始める.何時の間にか私が先頭になっている,後ろの3人と距離が開き始めたが,今日はグループ登山ではないので,そのまま下山し続ける.

<花立山荘からの眺望>

■萱場平
 11時15分,萱場平に到着する.登りのときは気がつかなかったが,萱場平周辺の木々も紅葉し始めている.
 途中で立ち止まって,萱場平周辺の紅葉をデジカメに収める.

<萱場平の紅葉>

■YKさんに感動
 11時17分,戸沢分岐を過ぎて階段道を下り始める.
 登りのときは全く気がつかなかったが,この辺りの紅葉もなかなかなものである.私は写真を撮りながらユックリとしたペースで下り続ける.
 戸沢分岐から階段道を3~4分下ったところで,階段道を登ってくるYKさんとバッタリ.会った私の方がビックリする.YKさんは1番バスに乗って居られた.そして私とほぼ同じ時間に大倉から登山を開始している.ここまで約4時間掛けて登って凝られたことになる.
 YKさんの不屈の魂には,心底から感動を覚える.倦まずたゆまず努力をし続ける…なんという清々しさだろう.私は万感の想いを込めて,
 「YKさんを尊敬します…」
という言葉が自然に出てくる.
 何かにつけて,中途半端に見切りを付けてしまう自分が恥ずかしくなる.

<戸沢分岐近くの紅葉>

■紅葉を眺めながら下山
 11時28分,小草平を通過する.
 堀山の尾根道は,左右の紅葉を眺めながらノンビリと下る.まだ紅葉の見頃には少し早いようだが,素晴らしい紅葉に心が洗われる.
 11時46分,駒止茶屋を通過する.
 駒止階段を下り始める.丁度そのとき駒止階段を登ってくる若い数名の女性群とすれ違う.汗ビッショリで疲労困憊気味である.
 「山頂はまだ先ですか…?」
と私に聞く.
 「…まだ,半分,登っていないです.先が長いんで,疲れないように,ゆっくり登られたらいかがですか」
と返事をする…が,余計なお節介だったかな?

<堀山の紅葉>

■予定通り無事下山
 12時10分,見晴茶屋を通過する.前方にYUさんの後ろ姿が見えはじめる.観音茶屋の手前で,YUさんに追い付く.先を譲られるが,急ぐ旅でもないので,そのまま大倉までご一緒する.
 12時40分,無事,大倉に下山する.
 下り所要時間は,2時間02分.まあこんな所だろう.
 大倉12時52分発のバスに乗車する.渋沢,小田原で乗り換えて,14時26分に大船に到着する.15時過ぎに無事帰宅.
 2週間のブランクがあったにしては,何とか無事に塔ノ岳を往復することができた.その意味でも今日は,”良かった!良かった!”である.

<ラップタイム>

 7:07  大倉歩き出し
 7:32  観音茶屋
 7:50  見晴茶屋
 8:19  駒止茶屋
 8:35  堀山の家
 9:15  花立山荘
 9:29  金冷シ
 9:45  塔ノ岳 着(+4℃)
10:38    〃  発
10:48  金冷シ
10:58  花立山荘
11:28  堀山の家
11:46  駒止茶屋
12:10  見晴茶屋
12:21  観音茶屋
12:40  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1,269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
 大倉  発      7:07
 塔ノ岳 着      9:45
 (所要時間)  2 時間38 分(2.63h)
 水平歩行速度    7.0km/2.63h=2.66km/h
 登攀速度     1,269m/2.63h=482.5m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
 塔ノ岳 発     10:38
 大倉  着     12:40
 (所要時間)   2時間02 分(2.03h)
 水平歩行速度     7.0km/2.03h=3.45km/h
 下降速度     1,269m/2.03h=625.1m/h
                              (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8dbecd16613e87309a25402b2f2d403d
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2690

Trending Articles