<蛇骨岳山頂から群馬県側を望む>
紅葉の軽井沢・小諸・浅間連峰周遊;第4日目(1);裏コースを登る
(塔ノ岳常連グループ・地元グループ)
2014年10月8日(水)~11日(日)
第3日目;2014年10月10日(金) (つづき) 晴
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<ルート地図>
※後日,最新版のエリアマップで,この裏コースが2013年12月以降通行止めになっていることを知った.
私達は通行できないことを知らずに歩いてしまったが,このコースは推奨できない.
<まずは高峰高原ホテルへ>
■簡素に朝食
昨夜は実家の弟の家で1泊.寝床が変わったせいか,夜中に何回か目が醒めてしまい,熟眠はできなかった.
6時頃,起床.さすがに標高が高く海が遠い信州である.海沿いの鎌倉にある我が家に比較すると,かなり寒い.正確な気温は分からないが,多分,鎌倉より3~4℃ぐらいは低いような気がする.
少々遅めの6時半頃,弟の手料理で簡素な朝食を済ませる.ピーマンは自家製とのことだが,なかなかの美味である.
<簡素な朝食>
■高峰高原ホテルへ
7時22分,弟の自家用車に分乗して,まずは高峰高原ホテル駐車場を目指して出発する.
途中,小諸市内の北国街道沿いにあるコンビニに立ち寄って,昼食用の食料を調達する.このコンビニは初日(10月8日)に立ち寄ったところである.
昨日,タクシー相乗りで下ったチェリーパークラインを,今朝は逆方向に登る.ジグザグ道を登って,7時50分に高峰高原ホテル駐車場に到着する.
<高峰高原ホテルに到着>
<裏コース;最初は長閑な遊歩道>
■まずは中コースを歩く
高峰高原ホテルには下山後立ち寄ることにして,まずは軽くストレッチ.
8時丁度に,駐車場から歩き出す.今日は,若い頃から,一緒に浅間山界隈を登り下りしている弟と一緒の行動なので,まことに気が楽である.
それに,裏コースはここ2年ほど登っていないが,これまで何回となく登り下りしているところである.2人で注意して歩けば,迷う心配もない.仮に多少迷ってもすぐ引き返せる自信がある.
私達はごく気楽な気分で…とはいっても行動中は事故がないように細心の注意をするつもりである.何しろ“安全第一,無理をしない”が私達のモットーだから…
まずは中コースに沿って登り続ける.私達は,ごく,ごく,ユックリとした速度で歩いているので,途中で何人かの登山者に追い抜かれる.
沿道のカラマツの紅葉が朝日を浴びて光って見える.なんとも美しい.
<紅葉の中コース>
■いよいよ裏コースへ
8時14分,裏コースと中コースの分岐に到着する.
2年前に裏コースを通ったときに比較して,分岐付近が随分と荒れているように思えるが,私の気のせいだろうか.
分岐から裏コースに入る.荒れているのは分岐点付近だけで,少し進むと以前と同じのどかな散策路になる.
進行方向左手,カラマツ林の先からスキー場関連の施設や駐車場からの物音が聞こえてくる.
<中コースの案内板>
■素晴らしいカラマツ林
やがて黄金色に紅葉したカラマツ林の中に入り込む.なんとも形容のしようがないほどの美しさである.
急ぐ旅ではないので,カラマツ林の紅葉をしっかりと楽しみながら,ごく,ごく,ユックリと歩き続ける.
“やっぱり,高い所の自然は良いな…”
さらに先へ進むと,深い森の中に入り込む.まるでアンデルセンの童話に出てくる森の小人がその辺りから出てくるんではないかと錯覚してしまうほど神秘的である(下のサムネイルをクリック).
<黄金色のカラマツ林を行く>
←画面をクリックすると拡大します
<深い森>
<倒木と荒れた道の連続>
■急に山道になる
裏コースに沿って,ところどころに営林署が設置した菱形の目印板が置いてある.中コースの分岐辺りが,多分,1番かと思われるが,最初の数枚はどこにあるのか分からないまま通過した.
25番の目印を過ぎる辺りから一変して急な勾配の山道になる.さらに先に進むにつれて,かなり荒れた道に変わる.
<途中から荒れた道に変わる>
■累々と重なる倒木
さらに先へ進むと,朽ち果てて大きな倒木が幾重にも道をふさいでいる.倒木を乗り越えたり,潜ったりしながら先へ進む.
足場も次第に悪くなる.
二人で雑談をしながら,悪路を登り続ける.
気のせいか,後ろの方からかすかに人の話し声が聞こえてくるような気がする.
「…なんだか人の話し声が聞こえないかい…?」
「うん…誰か居るのかな…」
浅間山だけでなく,丹沢の塔ノ岳を歩いているときに,自分の後ろには誰も居ないのに,何となく人の気配を感じることがある.
「多分,気のせいだろうね…裏コースを歩く人なんて滅多にいないもの…」
<沢山の倒木が登山道をふさいでいる>
■だんだんと秘境っぽくなる
9時03分,22番の標識を通過する.
この辺りまで登ると,まさに深山幽谷の趣が漂い始める.
“でも,ここは谷ではないので幽谷はおかしいな…”
と私は1人で勝手に色々なことを連想する.
<所々にある標識>
■岩の割れ目に掛かる丸太橋
進むにつれて登山道はますます面白くなる.
巨石累々.所々に割れ目や空洞がある.半ば朽ち果てた丸太橋がある,2人一度に乗ると折れそうなので,1人ずつ注意して渡る.
<所々に丸太橋>
<累々と続く倒木>
■ルート不明瞭
9時24分,31番標識に到着する.この辺りはルートが至って不明瞭である.目を凝らすと,そのまま直登するような踏み跡と,大きく左に曲がる踏み跡がある.正式な裏コースは,ここで左に曲がらなければいけない.直登したら,多分,蛇骨岳の南側の稜線に出られるかもしれないが,途中で行き止まりになるかもしれない,直登の踏み跡は,私達も歩いたことがない.安全第一の,私達は素直に右折する.
9時35分頃,またもや苔むした倒木が登山道をふさいでいる.倒木を乗り越したり,潜ったりしながら先へ進む.
いちいち倒木を乗り越えるのは面倒だが,逆に変化があって面白い.
“トウネントッテ,さらにトウネントッテ,還暦を過ぎたロートルが,年甲斐もなく,何をやっているんだろう…”
と可笑しくなるが,まあまあここは楽しく通過する.
<苔むした倒木>
■土が見えないほどの倒木の山
倒木を潜ったり乗越たりしながら先へ進むと,今度は踏み跡の土が見えなくなるほどの倒木の山に突き当たる.
大雑把に短く切断された倒木が雑然と積み重なっている.その上を乗り越えて,倒木の山を通過する.
ここの倒木の山は,常に鮮明に覚えている.
<倒木の山>
<巨石とシャクナゲ林>
■若手二人連れに追い越される
モタモタと登っている内に,後ろから来た二人連れが私達に追い付く.
「あれ…ヤッパリ…,後ろの方から人の話し声のような音が聞こえていたけど貴方たちでしたか…」
「…前の方で,皆さんの話し声が聞こえていたので,安心して登ってきました…」
どうやら,あまり裏コースを歩いていない方々のようである.
「まだ,尾根までは大分あるんですか…」
「いえ…もういくらもないですよ.この先,暫く登るとシャクナゲの林に入ります.そこを抜けると蛇骨岳ですよ…」
私達ロートルは到底若手には付いて行けない.
「どうぞお先に…ここからは一本道です…」
ということで先に行ってもらう.
■巨石の上で一休み
10時35分,お馴染みの巨石に到着する.高さ3メートルほどの巨石で,上が畳3枚ほどの広さがある.
この石は私達のお気に入りの場所である.巨石の上に這い上がって,10分ほど休憩を取る.石の上に立つと,周囲の眺望がいくらか開ける.
カラマツの間から,昨日縦走した七千尺コースの山脈が見えている.
<巨石の上からの眺望>
■シャクナゲの林
休憩を終えて,10時44分,巨石の上から登山道に降りて再び歩き出す.この辺りから先は,明瞭な登山道になる.登山道は第2外輪山の稜線に沿うように北に向かって登り続ける.
位置から見て稜線はすぐそこのように思えるが背丈以上の高さに繁茂するシャクナゲが視界を遮っている.
シャクナゲの枝に阻まれながら山道を登り続ける.
<シャクナゲのトンネルを進む>
<蛇骨岳山頂>
■公徳心のない登山者
蛇骨岳山頂に近付くと,登山道の両側に,おびただしい数のトイレットペーパーが散乱している.トイレットペーパーの大部分は,山陰で用を足した女性達が後始末をしないで,そのまま放置したものと思われる.
“こんなに自然が美しいところを,トイレットペーパーで汚して良心がとがめないんだろうか…こんな人には山に来て貰いたくない…”
この惨状を目の当たりにして,私は言いようもない憤りを感じる.
■蛇骨岳山頂に到着
10時51分,洞穴から明るい所に飛び出るような感じで,蛇骨岳山頂に到着する.
今日は土曜日.沢山の登山客が訪れている.どうやら若い人達が多いようである.
車坂峠を歩き出したのが8時丁度だった,したがって,蛇骨岳の山頂までの所要時間は2時間51分である.エリアマップによる標準時間は休憩時間を含めないで2時間10分である.
1ピッチ50分で10分休憩を取ると仮定すれば,休憩回数2回,それどれ10分の休憩時間として,合計20分の休憩時間になる.したがって,2時間10分+20分,つまり2時間30分が,標準所要時間となる.したがって,私達は,標準所要時間より20分余り余計な時間を費やしてやっと蛇骨岳山頂まで登ったことになる.
トウネンフタツトッテカンレキのよぼよぼ老人2人旅である.とにかく途中で落伍せずに第2外輪山のリブまで登れたんだから,これで良しとしなければ罰が当たる.
<蛇骨岳山頂>
(つづく)
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(編集中)
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