<諏訪大社下社秋宮>
歩いて巡る甲州道中四十四宿(第8回);第3日目(6);下諏訪宿到に無事到着
(五十三次洛遊会)
2014年4月18日(金)〜20日(日)
第3日目;2014年4月19日(日) (つづき)
<ルート地図>
■中山道中下諏訪宿
※再掲
■下諏訪宿の詳細図
[甲州街道下諏訪宿の記事]
下諏訪宿の詳細は,拙稿『歩いて巡る中山道中六十九次』の次の記事で記述しているので,参照願えれば幸いである.
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/88e4d94bc513a33253fd3d804870291e
<承知川を渡って下諏訪宿へ>
■下諏訪宿の概要
資料3(p.162)によれば,下諏訪宿の宿内人口は1,345人.内,男706人,女639人.宿内惣家数315軒.内,本陣1軒,脇本陣1軒,旅籠40軒の規模だった.
中山道中で江戸日本橋から29番目の宿場町である.
資料4の記事によると,下諏訪宿は中山道中と甲州道中の合流点にあるが,参勤交代のときは甲州道中を通ることはできなかったという.
私ども五十三次洛遊会では,2010年に中山道中の旅で訪れている.
■若宮神社石碑と承知川橋
富部一里塚前を通過した私たちは,12時35分に若宮神社石塔の前を通過する.引きつづき富部の集落の中を歩き続ける.
12時31分,小さな川を渡る.地図で確かめると,この小さな川が承知川らしいが,本当に承知川かどうか私には自信が持てない.もし,この小川が承知川なら,右下野写真の橋は承知川橋ということになる.
まあ,真偽は良く分からないが,何れにしてもこの辺りから下諏訪宿に入ると思っても大差なかろう,まあ…いいや,である.
<若宮神社> <承知川橋?>
■承知川橋の記
小さな橋を渡ってすぐの所に,「承知川橋の記」という案内板が立っている.
この記事を読んで,先ほどまで抱いていた“これ本当に承知川?”の疑問が解けた.要するに,承知川の川幅は,大きな一枚岩が橋になる程度だったということである.
この案内板には,武田信玄が川中島合戦に赴くときの俗説が紹介されている.
<承知川橋の記>
■承知川の一枚岩
承知川に架かっていた一枚岩は,今,壁面として保存されている(下の写真).なるほど大きな石である.
当時の橋は,この一枚岩だけだったんだろうか.もしそうならば随分と幅が狭い橋だったということになる.その辺りが良く分からないが…まあ,いいか.
<承知川橋の一枚岩>
■承知地蔵尊
12時41分,承知地蔵尊に到着する.
立派なお地蔵さんである.綺麗な花が飾られている.折角だから地蔵尊の写真を撮ろうとしたが,丁度顔の位置に電球がぶら下がっていて,どうも良い写真が撮れない.まあ,仕方がないか…と,すぐに良い写真を撮るのを諦める.
この地蔵の由来などは,手許の資料では不明.
<承知地蔵尊>
<諏訪大社下社秋宮>
■諏訪大社に到着
12時46分,私たちは,無事,諏訪大社下社秋宮に到着する.いよいよ甲州道中の旅も終わりになる.甲州道中を完全に踏破できたことは,率直に嬉しい.他の参加者も多分私と同じ気持ちだろう.
一同の足取りも,心なしか軽いようである.
“やっと着いたぞ…!”
と心の中で雄叫びを発しながら,下社秋宮の鳥居を目指す.
<諏訪大社下社秋宮に到着>
■下社秋宮の境内
大鳥居を潜って下社秋宮の境内に入る.木立の囲まれた境内には凛とした雰囲気が漂っている.沢山の参拝客が訪れている.
私たちは,まずはさておき,無事に下諏訪まで辿り着いたことを感謝するために,秋宮を詣でる.清々しい気分である.
<諏訪神社下社秋宮の鳥居>
■拝殿
まずは拝殿に進む.もの凄く太い注連飾りに驚かされる.
拝礼を済ませて,拝殿の裏手に回ってみる(冒頭の写真).境内の左右に御柱が立っている.
<拝殿>
<甲州道中完歩記念>
■完歩の挨拶
13時04分,境内の一角に集合する.他の参拝客の迷惑にならないように配慮しながら,小さく円陣に並ぶ.
リーダーのONさんから,締めくくりの挨拶がある.神聖な境内で万歳などと蛮声を発するのも非常識なので,お互いに一礼をして締めくくりの儀式を終える.
“長い間,本当にご苦労さまでした…”
私は口には出さないが心の中で,同行の皆さんを祝福する.
<完歩の挨拶>
■記念写真
境内片隅で,神様の通り道を避けて,記念写真を撮る.
皆さんに持って頂いている文字入りの紙は,私が四苦八苦して作ったものである.当初,WORDを使って作り始めたが,どうも手順が面倒なので,PowerPointを使って作ったものである.
参加者の人数を勘案すると,1人に1枚以て貰うとなると,2人だけこの紙を持てない人がでる勘定になる.1人がカメラのシャッターを押すとしても,1文字分紙が不足する.困り果てた私は,文字と同じ大きさの赤い■を印刷して不足する1文字を補うことにした.
だれが,この“赤い■”の紙を持つかはそのときの運.
“余り物には福がある”
と俗に言う.だから,“赤い■”の紙を持った方が一番“福”に恵まれるということにしておこう.
境内の目立たない場所で記念写真を撮っているが,それでも何人かの参拝客が見物のために立ち止まる.そして何かささやいている.
<完歩記念の写真;この写真を写した人は残念ながら写真には入っていない>
■個人別の写真
続いて,小さな横断幕を掲げた写真を個別に撮影する.
この横断幕は私が作成した原案を元に,印刷のプロであるアンパンマン氏に作って頂いたものである.紙ではなくビニール製の本格的なものである.折角良いものを作ったんだから日にちを入れない方が良かったかもしれない,そうすれば,この横断幕を旅行社に寄付すれば何回も使えたのに…
各人が自分のカメラで交代で撮って貰う.結構,時間が掛かる.その脇で私が記録用の写真を撮る.ときどき雑務が入るので,全員の写真を摂ることは不可能だが,取れたものだけズラズラと並べておこう.
<中山道中との合流点へ>
■老舗の「新鶴」
13時20分,参拝と記念行事を終えて,中山道中との合流点を目指して歩き出す.
途中,「新鶴」という老舗に立ち寄る.私は,この店で何を売っているのか知らないし,全く興味もないが,店内は沢山の観光客で混雑している.
当然,私たちのグループの中でも,この店で買い物をしたいという人が居る.
買い物には全く興味がない男どもは苦笑しながら,買い物が済むまで辛抱強く待つ.
<新鶴の店舗全景> <新鶴は買い物客でごった返しだ>
■下諏訪宿甲州道中中山道合流之地
13時31分,「下諏訪宿甲州道中中山道合流之地」という案内標石が立っている場所に到着する.道を挟んでシックな日本風の建物「燕来莊」が建っている.
これから先,終点までの僅かな距離は,既に歩き終えている中山道中と同じ道を歩くことになる.
<下諏訪宿甲州道中中山道合流之地>
■記念写真
下諏訪宿甲州道中中山道合流之地の標石の前で,成り行きの小休止を取る.
各自,思い思いに下諏訪宿甲州道中中山道合流之地の標石をデジカメに収めている.
13時31分!
2013年3月3日(日),9時13分に日本橋から歩き始めて,今,この時間に甲州道中と中山道の合流点に達する.
<下諏訪宿甲州道中中山道合流之地で記念写真>
■問屋場跡
甲州道中と中山道中の合流点に下諏訪宿問屋場跡を示す標石が立っている.その奥には「かめや」という案内板が立っている.
隣には「神話と伝説綿の湯」の案内板が取り付けられている.
<問屋場跡>
■完歩万歳!
13時33分,甲州道中終点で,最終ミーティングを行う.
リーダーのONさんから最終挨拶.お互いに労苦を労い合う.これで,長い間,ご一緒した仲間達ともお別れである.嬉しくもあり寂しくもある.
<完歩挨拶>
■思わぬ贈り物
リーダーの挨拶が終わった後,長老格のアンパンマン氏から,今回の旅の企画や下準備などを行った3人は,思いがけずもお礼の品を手渡される.私も3人の内の一人.
“お礼など貰おうとしてやってきたんではありません…”
という気持ちがとても強いが,このとき,田舎の曹洞宗の坊さんから,
「施しをするのも善行,施しをするのも善行」
という言葉を頂戴したことを思い出す.
私は遠慮なく感謝の気持ちを込めて頂戴することにする.実に嬉しいことである.
中味は,あの有名な印傳屋製のパス入れである.甲府で印傳屋の前を通ったことをしっかり覚えている.
“この旅に,実に相応しい贈り物だ…!”
私は,この場を借りて心からの謝意を表したい.
<感謝の品物を頂戴する> <印傳屋の定期入れ>
[参考文献]
資料1;完全踏査街道マップシリーズ「ちゃんと歩ける甲州道中四拾四次」五街道ウォーク事務局
資料2;今井金吾,1998,『今昔三道中独案内 日光・奥州・甲州』日本交通公社
資料3;今井金吾,1994,『今昔中山道独案内』日本交通公社
資料4;http://www.manji-sekibutsu.com/history/shimosuwajuku/05-shimosuwa.html
(つづく)
「甲州道中」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f1a3b1f98cecdc84f35aa5a16956e530
「甲州道中」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8020fe7e19943502198bf993d0cbc6a8
「甲州道中」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a622a87fbc7f4454e3e837fc990ece58
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