<満開のサクラを愛でながら歩き始める>
歩いて巡る甲州道中四十四宿(第8回);第1日目(1);万休院前から台ヶ原へ
(五十三次洛遊会)
2014年4月18日(金)〜20日(日)
****************************
今回もお天気にマアマア恵まれ,見頃のサクラを堪能しな
がらの旅を楽しむことができた.
1年半にわたる甲州道中の旅も,今回を以て無事完歩した
ことになる.
また,機会があったら,新たな街道散策の旅に始めたいな
と思っている.
楽しい旅ができたことも,ご同行の皆様のお陰である,
この場を借りて謝意を表する次第である.
****************************
<第8回行程の概要>
■第1日目;2014年4月18日(金)
今回は2泊3日で,次の行程を歩いた.
第1日目は,中央本線日野春駅に集合.タクシー相乗りで,第1日目の出発点である万休院下の公園に移動する.
第1日目は,万休院から歩き出して,台原宿(41),教来石関(42)を経由して,塩沢温泉入口の清水橋まで,水平距離14.9キロメートルを歩く.
清水橋からJR信濃境駅までタクシー相乗りで移動,信濃境駅から中央本線普通電車に乗って上諏訪へ移動する.
今夜から明後日まで連泊するホテルルートイン上諏訪にチェックイン後,ホテル近くのレストランで会食をする.
■第2日目;2014年4月19日(土)
ホテルロビーに集合.上諏訪駅から日野春駅まで移動する.タクシー相乗りで,昨日の終点,清水橋まで移動する.
清水橋から歩き出して,金沢宿(44)を経由して,JR茅野駅までの水平距離17.6キロメートルの道のりを歩く.
茅野駅から中央本線各駅停車の電車で上諏訪まで戻る.
ホテルルートイン上諏訪に連泊.
■第3日目;2014年4月20日(日)
ホテルルートイン上諏訪ロビー集合.一旦,上諏訪駅から中央本線の電車に茅野駅まで戻る.
茅野駅から歩き出してから,上諏訪宿(45)を経由して,諏訪神社下社近傍の中山道中との合流点で,無事,甲州街道を完歩する.3日目の水平歩行距離は11.7キロメートル.
諏訪神社下社前で解散.
*******************
第1日目;2013年11月16日(土) 晴
<ルート地図>
■第1日目ルート地図
[第1日目の概要]
水平歩行距離 14.5km
累積登攀高度 349m
累積下降高度 118m
■ルート地図(詳細)
<出発点の万休院前へ>
■集合場所の日野春駅へ
2013年3月3日(日)に日本橋から歩き出した甲州道中の旅も,第8回目の今回の旅でいよいよ終わりである.今回も前回同様に2泊3日の旅である.最終日の3日目には,双六の上がりに当たる諏訪神社下社に到着する予定である.長い間,苦楽を共にしてきた仲間達とも今回の旅でお別れになる.甲州道中完歩達成の喜びと同時に仲間達とのお別れでもある.嬉しくもあり寂しくもありの複雑な心境である.
正直なところ,今回は出発前の準備段階で,私の身の回りには色々なことが重なって,十分な時間が取れなかったこともあって,何となく準備不足気味な気分を引きずったまま,不安な初日の朝を迎える.
“…クヨクヨしても始まらないな…”
と自分の気持ちを持ち上げるようにしながら,6時25分に自宅を出発する.塔ノ岳詣でのときは何時も4時10分に自宅を出発しているので,6時25分は私の取ってはかなり遅い時間である.そのためか,大船駅周辺の人の多さにまずビックリする.
大船駅前で,食料品,嗜好品などを少しばかり購入してから,駅前のマクドナルドに立ち寄る.まずはコーヒーを賞味しながら,これから歩く3日間のコース地図を眺めながら,歩行距離や標高差のデータなどの復習をする.
今回はそれほどの急坂もないし,山道もなさそうなので,休憩時間込みの計算で,何とか時速3キロメートル弱程度の速度で歩けそうだなと確信する.
大船駅から横須賀線,京浜東北線,?浜線を経由して,7時42分に八王子駅に到着する.
私は特急スーパーあずさ5号八王子発8時34分の電車に乗るつもりである.八王子駅の構内は何時来ても随分と乗降客が多いところだなと思いながら,ホームで電車を待つ.私と同じようにリュックを背負った沢山の登山客が電車を待っている.そのうちに3日間ご一緒する仲間の皆様の姿もチラホラと見え始める.
今朝は吉祥寺付近で人身事故があったとかで,電車が13分程遅延している.
甲府駅で普通電車に乗り換えて,10時17分,集合場所のJR日野春駅に到着する.今回の参加者は13人(男性7人,女性5人)である.集合時間前に全員が顔を揃える.
<日野春駅に集合>
■タクシーで出発点へ移動
日野春駅からタクシーで万休院前まで移動する.
駅前にはタクシーは2台しかないので,2台のタクシーでピストン輸送をして貰う.そのために移動に少々時間が掛かるが致し方ない.
私は成り行きでタクシー先発組.タクシーは10時28分に日野春駅を発車する.タクシーで曲がりくねった急坂を下り続ける.話好きな運転手さんが,運転中ずっと色々なことを説明してくれる.
10時39分,万休院下の公園に到着する.私たちが乗車していたタクシーがピストンで残りの同行者を運んでくるまで,少々時間があるので,公園の中を見て回る.
天気予報では,今日の天気は余り良くないようである.上空には今にも降り出しそうな雨雲が低く垂れ込めている.もし晴れていれば,ここから中央アルプスの山々の勇姿が拝めるはずだが,教は残念.ただ公園内のサクラが満開を迎えている.この見事な桜を眺めながら,後発の方々が到着するのを待つ.
<万休院近くのサクラが満開だ>
<下三吹から上三吹へ>
■万休院から歩き出す
全員が集合したところで,私が音頭を取って約10分ほど念入りにストレッチをする.音頭を取るなんていうと格好が良すぎるが,要するに山岳ガイドから教わったことを“猿まね”しているだけのこと,要するに大したことをしているわけではないが,全然ストレッチをせずに歩き出すよりはマシだなとというだけ.
ストレッチを終えて,11時丁度に,第1日目の行程を歩き始める.
<万休院下から歩き出す>
■庚申塔
11時02分,出発点の直ぐ近くの十字路の路肩に安置されている庚申塔など石塔の前を通過する.
庚申塔の後ろにある土手上のサクラが満開になっている.私たちはサクラを見上げながら歩き始める.
<庚申塔の前を通過>
■黒ネコ1匹
現在地を確かめるために,私は絶えず地図を眺めている.そのために沿道の一寸したものを見落とすことがある.私は手許の地図の上で,今歩いているところを確認していると,同行者のお一人が,
「あっ…ネコだ!」
と私に教えてくれる.
旅に出ると,私が電車とネコの写真を好んで撮ることを知っている同行の方がわざわざ教えてくれる.
なるほど.直ぐ側の農道のど真ん中で真っ黒なネコが1匹,うずくまったままジッとしている.勿論,私は立ち止まって,この黒ネコの写真を撮る.
「おい,ネコや…写真を撮るからこっちを向けよ…」
とネコに声を掛けるが,ネコは掛け声など完全に無視している.そこがネコらしくて良いところでもある.
ネコに気を取られている内に,列の最後尾になってしまう.
<農道の真ん中で蹲る黒ネコ>
■三富貴神社(諏訪大明神)
進行方向左手(南西側)は山,右手(北東側)は釜無川沿いの平野になってる.
11時07分,右手に三富貴神社の森を見下ろしながら通過する.この神社は,甲州街道から少し離れた位置にあるので,立ち寄るのは省略する.
資料1によると,この三富貴神社に祀られているのは諏訪大明神のようである.
<三富貴神社遠望>
<万休院ゆかりの場所>
■万休院北口甲子塔と南無阿弥陀仏名号
沿道の至る所でサクラが満開である.私たちは桜を眺めながらごくユックリとした速度で歩き続ける.
11時12分,万休院北口甲子塔と南無阿弥陀仏名号に到着する.広場の片隅にこの二つの大きな石塔の廻りに小さな石塔が立ち並んでいる.
石塔群の後ろのサクラが満開である.
<万休院北口甲子塔と南無阿弥陀仏名号>
■信号上三吹の火の見ヤグラ
11時18分,信号上三吹の交差点を通過する.
ここに武川村消防団第二部火の見ヤグラがある.火の見ヤグラを左手に見ながら,道幅が狭い道路の方に入る(下の写真の右側).
<火の見ヤグラの前で交差する>
■万休院撰佛場
11時27分,万休院撰佛場に到着する(多分,下の写真).
なお,資料3によると「選仏場とは座禅の修行をする僧堂のこと.」である.したがって,多分,この場所に万休院の選仏場があったのだろう.
<万休院選仏場>
■三吹の一里塚
11時32分,三吹の一里塚に到着する.サクラの木の下の風情ある場所である.
資料1によると,この一里塚の位置は甲府から丁度7里目にあるために,七里塚ともいわれているようである.
同じく資料1によると,ここは,日本橋から42里10丁目に位置している.
<三吹の一里塚>
<古道「はらぢ道」>
■尾白川橋を渡る
三吹の一里塚付近で,国道20号線に合流する.途端に自動車の往来が激しくなり,喧噪で,危険になる.イヤな道である.
11時43分,尾白川に架かる尾白川橋を渡る.
<尾白川橋を渡る>
■石仏石塔群と馬頭観音」
橋を渡って間もなくの11時38分に「甲州街道古道入口」と刻字してある標石に到着する.この標石の左端には「はらぢ通」と刻字されている.
この標石の場所から,喧噪な国道20号線から,左説して長閑な道に入る(最初の写真).
<標石「古道入口」>
■石仏石塔群
11時44分,進行方向左手にある石仏石塔群の前を通過する.
この辺りから,草道はなだらかな登り坂になる.
11時54分,先ほどの標石「古道入口」とは反対側にある標石「古道入口」に到着する.ここで長閑な古道は終わりになる.
資料1によると,この辺りに「信玄あぶみ屋」(廃業)があったらしいが,私たちにはその痕跡すら見付けられなかった.
ここから先,暫くの間は果樹園の中を歩いてから,林の中の道に変わる.
<古道入口>
■横山の道標
石塔群の脇に立っている説明文によると,ここは台ヶ原村への入口だったようである.
…ということは,私たちも間もなく台ヶ原宿(江戸から41番目)に到着するだろう.
<横山の道標の説明文>
[参考文献]
資料1;完全踏査街道マップシリーズ「ちゃんと歩ける甲州道中四拾四次」五街道ウォーク事務局
資料2;今井金吾,1998,『今昔三道中独案内 日光・奥州・甲州』日本交通公社
資料3;http://www.kcn-net.org/kokenchiku/engakuji/senbutsujo.html
(つづく)
「甲州道中」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2f2710535035728ecce907b01ad89ebd
「甲州道中」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/fc72b7147ee6ee4063449535c020a73d
「甲州道中」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a622a87fbc7f4454e3e837fc990ece58
※お願い
この記事はあくまで個人的趣味,仲間との情報共有を目的としたものであり,第三者を読者の対象にはしておりません.
記事の正確性は保証しかねます.なるべく誤字脱字転換ミスは少なくするように努力しますが,不具合は多々残っているでしょう.これらがご不快に思われる方は,どうぞ当ブログへアクセスしないようにお願いします.