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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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 歩いて巡る甲州道中四十四宿(第2回);(2)仙川から布田五ヶ宿へ

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                                <昇福稲荷の前で>

 歩いて巡る甲州道中四十四宿(第2回);(2)仙川から布田五ヶ宿へ
            (五十三次洛遊会)
       2013年4月14日(日)  (つづき)

<ルート地図>


※再掲;ご同行の皆さん;この地図はお配りした地図を加除修正したものです.

<金龍寺>

■金龍寺の山門
 10時33分,金龍寺参道入口に到着する.参道の長さは数10メートルあり,その先に立派な赤門がある.赤門の先に本堂が見えている.
 境内に入る.人気がなく静まり返っている.赤門を潜った右手に寺の縁起の説明文が掲示されている.
 資料3によると,この寺は曹洞宗.山号は大雲山.本山は永平寺・総持寺.本尊は釈迦牟尼仏・脇侍仏は文殊菩薩と普賢菩薩.創建は建永元年(1200年),開基は岳応守英大和尚である.
 説明文の内容を要約すると以下の通りである.
 建永元年(1206年)栄西禅師により開基され,金子弁財天社内に安置,南光坊という堂宇であった.治承年間,梶原景時の讒訴により,源義経,弁慶が,奥州へ落ち延びる途中,この地に来訪した.この時,一行は弁財天に祈り.大般若45軸を書写した.後にここを写経の地と呼び,山号を写経山と称した.
 文禄3年,岳応守英大和尚により曹洞宗の寺となった.
 慶安2年,徳川3代将軍家光が狩猟の途中で,この寺で休憩.そのとき寺の裏にある五本松を見たことから深谷山の号を付し,朱印を寄せた.この写真の山門は当時のまま残存しているものである.

<金龍寺の山門>

■閻魔十大王石像
 金龍寺境内に閻魔十大王石像がある.
 境内の説明文によると,この石像は,源頼朝の祈願によるもので,現在も十王街道(川越から鎌倉街道に出る拠点)の名称が残っている.
 寛文5年再建の時,山号を大運山の改め,堂宇の全てが現在地に移転した.
 昭和46年旧堂を建て替えた.

<閻魔十大王石像>

■十八阿羅漢尊者像
 境内に十八阿羅漢尊者像がある.
 傍らの説明文によると,阿羅漢は,「人々の供養を受ける資格のある人」「価値のある人」「悟りを得た人」で,釈尊とその弟子を指し,道元禅師は「自由自在の世界を創造的に生きている人」を示し,「呼吸は鼻から無心に出入りしているこの姿こそ真の阿羅漢である」と表現しているという.
 十八羅漢の内,第一から第十六を境内へ,第十七,第十八は本堂内にそれぞれ建立安置されているという.

<阿羅漢の像>

■高札場
 境内の片隅に高札場跡がある.復元された高札場が建っている.

<高札場>

<つつじヶ丘・柴崎周辺>

■路傍の石像
 10時50分,進行方向右手に石像を見付ける.
 これが妙円地蔵かなと思ったが,どうも様子が違う.石像の前には新しい草花が飾られている.どうやらご近所の方に手厚く管理されているようである.
 結局,この石像が何かは分からないまま,通過する.

<路傍の石像>

■妙円地蔵
 10時50分,路傍の石像の直ぐ近くにある地蔵菩薩立像(妙円地蔵)に到着する.小さな祠の中に石像が祀られている.傍らにある案内板の説明によると,この地蔵は調布市指定郷土資料(民俗資料)に登録されている.
 案内板の説明によると,妙円は女性.金子村の新助に嫁いだが両眼を失明した.その後,自ら悟るところがあって尼になり寿量妙円(じゅりょうみょうえん)と号した.妙円は村人のために毎日路傍で鉦をたたき,念仏を唱え続け,多くの人から受けた浄財をもとに文化2年(1805年)この地に地蔵菩薩像を建立した.
 妙円の墓は深大寺にあり,鉦は調布市郷土博物館で保管されているという.

<妙円地蔵>

■コンビニでトイレ休憩
 10時59分,通りすがりのコンビニでトイレ休憩.飲料水などを補給する.

<通りすがりのコンビニで休憩>

■金剛夜叉明王
 地図で確かめると,私たちが居参る場所は,旧大町村に位置している.どうやら,この辺りに金剛夜叉明王が祀られていると思われるので,
 「見落とさないように注意して歩きましょう」
と一同に声を掛ける.
 すると仲間の中で,この近くに住んでいる方が,
 「ああ,それならば,直ぐ先にありますよ」
と言いながら,路地を左に,ヒョイと曲がる.
 成るほど,曲がり角からほんの数メートル入った道端に金剛夜叉明王の像が置かれている.
 この像の由来などは良く分からない.
 ちなみに,資料4によると,「金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)は,人間界と仏界を隔る天界に位置する明王の中でも特に中心的役割を担う五大明王の1人で、北方の守護神.金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)は,人間界と仏界を隔てる天界に位置する明王の中でも特に中心的役割を担う五大明王の1人で,北方の守護神であろ.」
 
<金剛夜叉明王>

<国領宿に到着>

■国領宿の概要と調布の由来
 東から順に国領宿,下布田宿,上布田宿,下石原宿,上石原宿の5宿を纏めて布田五ヶ宿という.国領宿は布田五ヶ宿の一番東側に位置している.
 資料2(p.265)によれば,国領宿の宿内人口は308人.内,男168人,女139人.宿内惣家数61軒.内,旅籠1軒.
 布田五ヶ宿のひとつである.
 11時11分,野川に架かる馬橋を渡る.いよいよ布田五ヶ宿の一番東に位置している国領宿に入る.
 この辺りは調布.資料1によると,平安初期この地の長者が布多天神のお告げにより木綿織りを習得,この布を多摩川に晒し,朝廷に貢物(調)として献上したところ,天皇はこの布を調布(てづくり)と命名したという.その後.この地は調布の里と呼ばれるようになったらしい.
 なお,資料1によれば,国領という地名は,ここが古代国衙(こくが)直轄地であったことに由来するもので,江戸時代まで天領だったという.

■稲荷社
 11時19分,国領駅近くの稲荷社に到着する.小さなお社の前の立派な鳥居が立っている.
 この稲荷社の由来などは,調べた範囲では不明である.
  
<稲荷社>                               <稲荷社の前で立ち休憩>

■圓福寺
 11時28分,進行方向左手にある圓福寺に到着する.
 現代風の建物の寺である.寺と言えば古びた木造の建物をイメージするので,立派な現代風の建物に遭遇すると,何となく寺のイメージが湧かず,少々ガッカリする.もっともこんな感じを持つのは私だけの勝手な話で,私の感想など他愛もないことである.
 資料5によれは,「浄土真宗本願寺派寺院の円福寺は,山号本誓山.円福寺の創建年代は不詳だが,北条泰時の舎弟開壽丸が開山となり鎌倉の切通に創建,武田信玄(法性院機山居士)が中興したと伝えられる.鎌倉より多摩川沿いに移転の後,中興二代胎玄(寛永元年1624年)の時に当地へ移転した.」という.本尊は阿弥陀如来.

<圓福寺>

<常性寺>

■広い境内の常性寺
 11時31分,常性寺に到着する.円福寺と甲州街道を挟んで反対側にある寺である.
 広い境内の先に本堂がある.時節柄,本堂前に大きな鯉幟が数匹,強い風に乗って泳いでいる.
 資料6によれば,「常性寺は京王線布田駅の北,徒歩2分.旧甲州街道に面して建つ古刹.鎌倉時代の創建と伝えられ,もともとは多摩川沿いにあったが,慶長年間に現在地に移転したと伝えられる.江戸時代には祐仙法印が上総国成田山新勝寺から成田不動尊を勧請して中興したといわれる.厄除け調布不動尊として知られており,境内の奥には本堂のほか不動堂,地蔵堂が隣り合うように建ち並ぶ.また境内には調布市の民俗文化財に指定されている石仏馬頭観音がある.調布七福神の一つに数えられている布袋尊が祀られていて,「調布七福神巡り」で訪れる参拝者も多い.」と紹介されている.
<常性寺の本堂>

■敷石碑
 資料1によれば,明治11年(1878年),布田五ヶ宿の女郎屋が境内に敷石を寄進したときの碑である.

<敷石碑>

■成田山
 本堂右手に成田山の建物がある.
 ここは,前出の通り,祐仙法印が成田不動尊を勧請したものである.

<成田山>

■馬頭観音
 境内右手にある馬頭観音は,調布市民俗文化財に指定されている.資料1によると,「馬主が文政7年(1824年)供養に建立したもの」だという.
 11時35分頃,常性寺の参拝と見学を終えて,再び西へ向かって歩き出す.

<馬頭観音>
                                         (つづく)

[参考資料]

資料1;完全踏査街道マップシリーズ「ちゃんと歩ける甲州道中四拾四次」五街道ウォーク事務局
資料2;今井金吾,1998,『今昔三道中独案内 日光・奥州・甲州』日本交通公社
資料3;http://www.kinryu.com/
資料4:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%89%9B%E5%A4%9C%E5%8F%89%E6%98%8E%E7%8E%8B
資料5;http://www.tesshow.jp/tama/chofukomae/temple_chofu_enfuku.html
資料6;http://www.portaltokyo.com/guide_tama/contents/c31016josyoji.htm


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