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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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アパチャ山登頂記;第3日目(2);アパチャ山から下山

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                             <アパチャ山山頂>

[復刻版]
    アパチャ山登頂記;第3日目(2);アパチャ山から下山
           (アルパインツアー)
      2004年8月10日(火)〜8月17日(火)

第3日目 8月12日(木);

前の記事 ↓
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c0ffdd53c3302d37252e90b86afd08e3

<ルート地図>



<山頂を半周>

■火口壁の一角で休憩
 15時40分にやっとアパチャ山山頂に到着する.
 山頂直下のザレた急坂は,正に3歩登って2歩ずり落ちるといった感じである.この急坂を登るには登山技術もヘッタクリもない.正に四輪駆動車のように,自分の手足をフル回転して這い上がるしかない.
 山頂にやっと這い上がったときはさすがに息が切れそうになる.
 昼食の残り物をほおばりながら暫く休憩を取る.
 暫くすると,体調も正常に戻る.そこで,休憩時間を利用して,山頂付近を少し散策することにしよう.

■アパチャ山の最高地点 
 休憩後,火口壁を少し散策しようと思う.前方には赤茶色赤い色の小ピークが見えている.反対側にも火口壁が連なっている.
 火口には溶岩が固まった礫が重なっていて,至る所から湯気が上がっている.小ピークの反対側には,ひときわ高く湯気が立ち上る噴気口が見えている(冒頭の写真).
 火口壁を見回すと,完全に一回りすることはできそうもないが半周ぐらいは回れそうである.
 とりあえずは,外輪に沿って少し下り,赤い山の山頂までガレ場を這い上がってみる.山頂の向こうは急角度の断崖になっている.のぞき込むと身の毛がよだつ.
 私はこの山頂から先へ行くのは諦めて,今,登った道を引き返す.
 火口壁の内側は,火口からの噴出物が累々と連なっている.軽石状態の真っ黒な岩礫である.
 下の写真で明るい茶色の所が火口壁,その先の黒いのが噴出物の岩礫である.
 これらの岩礫に触ってみたい気もする.この写真の辺りで火口壁は一番低くなっているが,それでもなお火口原に飛び降りるのは困難な高さである.無理をしても仕方がないので,火口原は見るだけにしておこう.

<真っ黒な噴出物で埋まった火口原>

■立ち上る白煙
 今度は小ピークと反対側の火口壁を歩いてみる.
 進行方向左手には,盛り上がるように堆積した噴出物が見えている.
 噴出物の隙間の至る所から白煙が立ち上っている.多分,硫化物が混じった湯気だと思うが,私の鼻が馬鹿なせいかどうか分からないが,火山特有の臭いは全く感じない.
 火口原のリムは先へ進むにつれて次第に荒れてくる.これ以上先へ進むのは大変だし,同行者に迷惑を掛けてもいけないので,最初の場所に温和しく戻る.
 大量な湯気を噴出している場所は,今私が居るところから,さらにずっと離れた所にある.

<火口原から立ち上る湯気>

<往路を下山>

■下山開始 
 16時35分,アパチャ山山頂から下山開始.
 今度は急坂のザレ道下りである.転げ落ちそうになるのを我慢して慎重に下り続ける.私たちは,標高2,011mの測候所跡付近までは,登ってきた道をそのまま引き返す.
 急傾斜のザレ道を慎重に下る.
 雪渓を幾つか渡って,測候所跡に辿り着く.ここで小休止する.

<雪渓の間を縫うように下山し続ける>

■霧の中の下山
 下山途中に,雲の中に入る.辺りが薄い霧で覆われる.
 急な下り坂の雪渓を下りながら,薄い霧を通してカリヤーク山を眺める.これもまた綺麗な風景である.

<霧の中の下山>

■楽しい雪渓歩き
 測候所跡を少し過ぎたところで往路と分岐して,西側の尾根道に入る.
 この辺りからは,山頂付近よりはずっとなだらかな下り斜面になる.
 もう大分時間は押しているが,長い雪渓歩きになると,気分が変わって楽しくなる.雪渓の中で時々立ち止まって,周辺の景色を写真に収める.
 この雪渓だが,下り始めの傾斜は緩やかだが,下るにつれて次第に傾斜が急になる.雪渓のおしまいの方は,油断していると,オットット…となりそうになる.

<楽しい雪渓下り>

■サドルロックマウンテンを眺めながら…
 やがて,昨日のトレッキングコースと合流する.
 ここからは,一般的なハイキングコースになる.私たちは,昨日登ったサドルロックマウンテンを,進行方向右手に眺めながら,ベースキャンプを目指す.
 悪天候だった昨日に比較して,今日は実に良く晴れている.

<サドルロックマウンテンを眺めながら…>

■振り返るとアパチャ山
 間もなくベースキャンプというところで,下山してきた道を振り返る.
 真っ青に晴れ渡った空をバックにアパチャ山が聳えている.つい先ほどまで,あの山頂にいたのかと思うと感慨一入である.
 改めてアパチャ山を食い入るように眺める.
 “ウン…この山は,なかなか美形だな…”
 アパチャ山の格好と雪渓の取り合わせがなかなか魅力的である.私は,何時かこの山の姿を水彩で画きたいなと思っている.

<振り返るとアパチャ山が聳える>

■無事ベースキャンプへ
 19時57分,ようやくベースキャンプに戻る.
 下山所要時間は,休憩時間込みで3時間22分(3.37h).従って,下山速度は,
                    1,940m/3.37h=575.7m/h
ということになる.かなり速い下降速度である.
 1日の所要時間は,実に10時間を超えている.軽登山なら2日分に相当する量を,今日1日でこなしたことになる.
 ここは高緯度の場所である.20時でも外はまだ十分に明るい.
 すぐに食事棟で夕食を摂る.残念ながら夕食の写真は撮れなかったが,昨日の夕食と大同小異である.
 夕食後,蒲鉾テントに戻って,早速就寝する.

<ラップタイム>

 7:00  朝食 ※濃い霧雨で視界が悪い
 8:20  歩き出し(800m)
 8:38  川を渡る(810m)
 9:25  1075m地点(9:35まで小休止) 気温6℃
10:28  1450m地点(10:40まで小休止)
11:29  1750m地点(11:38まで小休止)
       ※途中から雲海の上に出る
12:27  2011m地点:測候所跡(13:11まで昼食:晴天になる)
        ※3カ所の雪渓を渡る
14:05  2265m地点(14:15まで小休止)
14:58  2480m地点(14:59まで立ち休憩)
15:40  2670m地点(15:44まで小休止)
16:03  アパチャ山山頂(2670m) (16:10まで休憩)
       ※外輪山を半周
16:15  アパチャ山山頂に戻る
16:35  下山開始
17:00  2310m地点(17:06まで小休止)
17:26  2140m地点(17:35まで小休止)
17:51  2011m地点;測候所跡(18:01まで休憩)
       ※登りと異なる経路の下山道
18:23  1660m地点(18:30まで小休止)
19:03  1100m地点(19:13まで小休止)
       ※昨日のらくだの背と同じ道を辿る
19:57  ベースキャンプ着
20:30  夕食

[山行記録]

※後刻掲載.    
                                   (つづく)

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目次と索引  ↓
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