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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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残雪の中富士山を眺めながら登る丹沢;塔ノ岳(今年9回目)

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                          <塔ノ岳山頂から富士山を望む>

  残雪の中富士山を眺めながら登る丹沢;塔ノ岳(今年9回目)
            (単独山行)
       2014年2月26日(水) 晴


■1番バスは大賑わい
 今日は暖かい一日になりそうである.
 何時ものように,早朝4時10分,真っ暗な中,自宅を出発して塔ノ岳に向かう.大船へ向かう道の残雪も殆どなくなり,道路の凍結もない.それに早朝の寒さも多寡が知れているので,もう春が間近なことを予感する.
 今日の渋沢発大倉行1番バスは,平日にもかかわらず,沢山の立ち席が出るほど混雑している.乗り合わせたご常連は韋駄天のNMさん,TGさん,TDさん.YUさん,TMさん,MTさん,TZさん,Hさん,HMさん,
 1番バスは,6時58分に大倉に到着する.バスが大倉に到着すると同時に,NMさんは早々とバス停から歩き出す.その後も常連の皆様は次々と出発する.出だしで何時もモタモタしている私は,7時10分,居合わせたTGさん,HMさんと一緒に大倉から歩き出す.

■見晴山荘でアイゼン装着
 大倉から登山口まで,舗装道路脇の残雪も殆どなくなっていて,路面もまあまあの状態である.歩き出してから10分ほど経ったところで,TGさんから<
 「自分はリハビリ中,…ユックリ登るので,どうぞ先に行って下さい…」
と先を譲られる.丁度その頃,先発のTGさんにも追い付く.そして,観音茶屋を過ぎる辺りから,一人旅になる.
 7時50分,雑事場ノ平に到着する.ここで衣服調整をしているTGさんとHMさんに追い付く.とりあえず,私は先に行かせてもらう.
 7時52分,見晴山荘に到着する.私より先に見晴らし山荘に到着したYUさんがアイゼンを装着している.私もここでアイゼンを装着することにする.私のアイゼンは,つい先日,コージツ(藤沢)で購入した最新のワンタッチ6本爪である.今日が使い初めだが,実に装着しやすいので,内心で,
 “シメタ! 良い買い物をした…でも一寸高かった!”
と思う.
 リュックからアイゼンを取り出して,装着を済ませて,アイゼン袋をリュックに入れて出発するまでの時間がわずか5分で済んだ.これなら上々である.
 すぐに見晴階段に差し掛かる.何時も通りに坂を見上げる写真を撮る.ご覧の通り,数名の登山者の後ろ姿が見えている.

<見晴階段>

■駒止階段
 やがて大量の雪が残っている駒止階段に差し掛かる.1週間前に比較すれば残雪は随分と少なくなったとはいえ,まだ,まだ,大量の雪が残っている.こんな場所を登るときには,アイゼンがとても役に立つ.私は身体に無理が来ないように,極力体力をセーブしながら登り続ける.
 7時30分,漸く駒止茶屋に到着する.大倉からの所要時間は1時間20分.随分余計に時間が掛かっているが,まあ,アイゼン装着のためのタイムロスが5分あることを考慮すれば,こんなところかなと思いながら,駒止茶屋を通過する.

<まだ残雪が多い駒止階段>

■堀山の尾根からの富士山
 やがて堀山の尾根道に入る.今朝は気温が高いためか,まだ早朝なのに路面に凍り付いた泥が少し融け始めている.
 “この分だと,下りは泥道に悩まされるな…”
と思いながら,トボトボと尾根道を歩き続ける.
 尾根道の途中から,山麓まで雪で真っ白になった富士山が良く見えている.早速,ここで富士山の写真を数枚撮影する.

<堀山の尾根道からの富士山>

■小草平
 8時50分,小草平に到着する.
 今日は平日なので,堀山の家はお休みである.杉林の先に富士山が見えている.辺りには人影がない静まり返っている.
 私もここで富士山の写真を数枚撮っただけで,休憩は取らずに,そのまま登り続ける.
 今日は小草平から花立山荘まで,45分ほど掛けて登る積もりである.平素は40分を目標にしているが,今日は雪道なので,5分余計に掛かるだろうと想定する.

<小草平>

■戸沢分岐の道標
 小草平からの坂道をマイペースで登り続ける.とにかく安全第一に徹して,無理は絶対にしないと自分自身に言い聞かせながら登り続ける.途中で数組の若い登山者に追い抜かれるが,ジッと我慢の子である.
 前回,土曜日に登ったときに比較すると,残雪は随分と少なくなっているが,それでも階段道の相当な部分はまだ雪の中である.
 途中で私の後から登ってきたYUさんに追い抜かれる.
 9時07分,戸沢分岐に到着する.
 この辺りは雪の吹き溜まりになっていて,まだまだ大量の残雪がある.ただ,1週間前には完全に雪の中だった戸沢分岐の案内杭が少し顔を出すまで雪が減っている.ただ,戸沢へ下る登山道には全く踏み跡がない.

<雪の中から顔を出した戸沢分岐の道標>

■萱場平
 引きつづき萱場平を通過する.萱場平前の吹き溜まりの雪山を越えると,萱場平には殆ど雪がなくなっている.
 前方には雪化粧した鍋割山稜が見えている.
 萱場平付近の登山道は,雪が消えて完全な泥んこ道である,ただ,この時間はまだ融け始めたばかりなので,なんとか泥まみれにならずに通れるが,帰りが思いやられる.
 萱場平で,,跡から来られたTDさんに追い抜かれる.

<萱場平>

■後7分坂の下から富士山を望む
 萱場平を過ぎる頃,TDさんが私に追い付く.私は,とても.とても…じゃないが,TDさんと一緒の速度で登れるほど足が強くないので,
 「お先にどうぞ…」
ということで,先を譲る.
 その後も,暫くの間は,TDさんの後ろ姿が見えていたが,だんだんと距離が開いていく.
 9時26分,漸く後7分坂(花立階段)の下に到着する.TDさんは,今頃,多分,坂の中頃を登っているだろうなと想像しながら,ここから見える富士山の写真を撮る.

<花立階段下からの富士山>

■花立山荘
 後7分坂の下の方は雪が完全に溶けて階段が露出しているが,途中からはまだタップリの残雪が階段を覆ったままである.階段を3分の2ほど登ったところで,下山してくるNMさんとすれ違う.相変わらずの俊足である.
 「4本爪のアイゼンが利かなくて…」
と言いながら,残雪の急坂を慎重に下山していく.
 後7分坂を10分ほど掛けて漸く登る.そして,9時35分,花立山荘に到着する.
 山荘前の広場の雪は完全になくなっている.広場のベンチでは2人の登山者が富士山を眺めながら休憩を取っている.
 大倉からの所要時間は,2時間25分.小草平からの所要時間は,推定通りの45分である. 

<花立山荘>

■花立山
 山荘前で富士山の写真を2〜3枚撮っただけで,山荘を通過する.そして,すぐに大量の雪が富士溜まりになっている雪山を登る.さらに雪が消えたガレ場を登って,9時49分に花立山を通過する.
 今日も花立山山頂から素晴らしい富士山が望める.折角なので,ここで足を止めて,富士山の写真を撮る.
 花立山を過ぎると,登山道の様相が一変して,完全な雪道になる.

<花立山から富士山と鍋割山稜の写真を撮る>

■山頂までの直登道
 9時51分,金冷シを通過する.
 金冷シの案内標識は,まだ分厚い雪の中である.先週水曜日には,この道標が完全に雪に埋まっていたのと比較すると,随分残雪が少なくなったようである.
 金冷シから先の階段は,まだ完全に雪の下になっている.踏み跡道は尾根の稜線を直登するように続いている.直登道だから当然急勾配である.
 私は相変わらず一定速度で登り続けているが,途中で若い登山者に追い抜かれたり,逆に私が登山者を追い抜いたりしながら登り続ける.新品のアイゼンが良く利いている.
 あともう少しで山頂かと思われる所で,下山してくるKSさんとバッタリ出会う.
 「やあ,やあ,…FHさん!」
で固く握手.
 「雪が多くて,自動車が使えないので,1番バスで来ましたよ…FHさんも1番バスに乗っていましたか…?」
 相変わらずKSさんは俊足である.
 KSさんに元気を貰って,さらに登り続ける.
 坂の途中で,2番バスで来られたFTさんに追い抜かれる.
 「(雪に付いた)靴跡でFHさんが居ると分かりましたよ…」
 実は私が掃いている軽登山靴はSIRIO製.この靴底は勿論ビブラムだが,波形と円の足跡が付くのが特徴である.
 山頂直下で,下山し始めたTDさんとすれ違う.

<残雪から顔を出した金冷シの案内杭>

■塔ノ岳山頂
 何時もの登山と勝手が違う感じのまま登り続けて,10時09分に突然塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温はプラス3℃.暖かい.
 誰かが作った小振りカマクラが残っている.このカマクラと富士山を入れた写真を面白がって撮る.それにしても素晴らしい展望である.遠く南アルプスの山々まで見えている.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間59分.たった1分だが3時間を切っている.所要時間は前回と大差ないが.3時間を切るか切らないかで随分と印象が違う.まあ,とにかく,無事に山頂まで登れたので,それで良しということにしておこう.


<塔ノ岳山頂からの眺望>

■尊仏山荘
 山頂からの展望を一回りデジカメに収めてから,尊仏山荘に入る.
 私より先に山荘に到着したYUさん,KIさん,MTさん,FTさんが先客である.
 私が山荘に入ると,KIさんが,
 「あれ,あんたも来ていたの…」
 今日の小屋番はオーナーのHDさん.ネコのミャ〜君は,どこかに行っているらしく姿を見せない.
 私も先客の近くに座って,300円也のお茶を所望する.
 雑談をしている内に,前回私が履いていた刃こぼれアイゼンが話題になる.
 「あのアイゼンはひどかったね…一体,何年使ったの…」
 「そうですね,大体,20年ぐらいでしょうか…」
 「じゃあ…新しいアイゼンも20年ぐらいは使えるね…」
 私は頭の中で,
 “20年!?…それはいくら何でも無理だな”
と,この先,一体何年,こうして塔ノ岳詣でができるだろうかと思い巡らす.20年も使ったら私の年令は大台を超えてしまう,まあ,せいぜい,後4〜5年が限界だろうなと思っている.
 雑談をしながら,同じバスに乗車していたTGさん,TZさん,HMさんが
 アイゼン談義をしていると,Hさんが山荘に到着する.
 それからやや置いて,HMさんがご到着.
 「TGさんを置いて来ちゃったの…?」
とHMさんに質問する.
 「…先に登ってくれと言われたので,先に来ちゃいました」

<登山客で賑わう尊仏山荘>

■アイゼンの利きを楽しみながら下山
 下山速度が遅い私は皆さんより一足先に下山しようかと思う.そろそろ腰を上げようかと思って居る頃,TGさんが山荘に到着する.さらに遅れてTZさんも無事到着する.
 10時56分,TGさん,HMさんが下山を開始する.私もその直後に下山を開始する.山荘の玄関前でアイゼンを装着している間に.TGさん達を見失ってしまったので,私一人で下山し始める.
 いよいよ山頂から下山し始めると,何時の間にかKIさんが私の直ぐ近くを下山している.暫くの間,KIさんと一緒に結構な速度で下山し続ける.
 11時05分,金冷シを通過する.
 花立山手前の登り返しで,KIさんが用事があるというので,ここからは一人旅である.私は周囲の写真を撮りながら,ユックリと下山し続ける.新品の6本爪アイゼンはなかなか利きがよいので,下山が随分と楽である.
 標高が下がるにつれて,泥んこ道に悩まされる.特に萱場平手前の一面の泥んこには参ってしまう.
 11時47分,堀山の家を通過する.
 堀山の尾根道は,泥んこドロドロ.ついついノソノソ歩きになる.
 12時10分,ようやく駒止茶屋を通過する.ここで,フト,後ろに人の気配を感じたので,振り向くと,てっきり私の前を下山していると思っていたHMさんである.ご一緒の筈のTGさんは,ユックリ下るとかでまだ後ろの方のようである.私もここからは余り道草をしないでHMさんと一緒に下山し続ける.
 私が下山する後ろ姿を見ていたHMさんが,
 「FHさんの歩き方は綺麗ですね…」
とお世辞を言う.私,ドギマギ.
 「そうですか…足にお化粧しているわけではないんですが…」
と下手な冗談を言って,その場をしのぐ.
 “オレって! 冗談が下手だな…!”
と密かに赤面する.
 12時30分,見晴山荘に到着する.ここでアイゼンを脱着する.
 見晴山荘で,先に下山していたYUさんに追い付く.ここから先はYUさんと雑談しながら一緒に下山し続ける.
 13時02分,無事,大倉に到着する.
 今日の下り所要時間は,2時間06分.意外に速く下山できたのはアイゼンのお陰である.

■無事帰宅
 大倉発13時22分渋沢行のバスに乗車する.
 今朝1番バスに乗り合わせたYUさん,MTさん,Hさん,HMさんのご常連は,皆,結局は同じバスに乗車している.
 渋沢駅では電車が車で10分ほど待たされたが,小田原駅,大船駅での乗り物の待ち合わせはスムーズ,15時過ぎに無事帰宅する.
 今日も良かった! 良かった!

<ラップタイム>

 7:10  大倉歩き出し
 7:35  観音茶屋
 7:52  見晴山荘(7:57までアイゼン装着)
 8:30  駒止茶屋
 8:50  堀山の家
 9:35  花立山荘
 9:51  金冷シ
10:09  塔ノ岳山頂着(3.0℃)
10:56      〃  発
11:05  金冷シ
11:17  花立山荘
11:49  堀山の家
12:10  駒止茶屋
12:30  見晴山荘
12:48  観音茶屋
13:02  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:10
  塔ノ岳  着      10:09
  (所要時間)  2 時間59分(2.98h)
  水平歩行速度   7.0km/2.98h=2.35km/h
  登攀速度    1,269m/2.98h=425.8m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発      10:56
  大倉   着      13:02
  (所要時間)  2時間06分(2.10h)
  水平歩行速度     7.0km/2.10h=3.33km/h
  下降速度     1,269m/2.10h=604.3m/h
                                      (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/01b8255fdca8f52e10baade7fe26c65e
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

※誤字脱字転換ミスご容赦





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