<長閑な散策道>
初春の三浦三山;三浦富士・砲台山・武山縦走
(K大OM先生グループ定例会
2014年2月1日(土) 晴
<ルート地図>
<京浜急行津久井浜へ>
■元勤務先KG大OM先生に誘われて…
新年が明けて間もない1月3日,私が数年前まで勤務していたKG大の同僚であったOM先生から,突然呼び出されて,大船付近を散策したことがある.
そのとき,OM先生から,先生が所属する年配者ばかりのハイキンググループの定例会に,是非,私ことFHも参加して貰いたいと言われた.私は特にお断りする理由もないし,逆にお誘いを受けたのがとても嬉しくて,二つ返事で,
「OK…!! 参加します.」
とお返事した.
ところが,月日が過ぎ去るのが意外に速く,まだ,まだ先のことだと思っていたが,定例会が開催されるつい2〜3日前になって,
“おや…,今度の土曜日が,件(くだん)の定例会の日だ!”
と気が付き愕然とする.
うっかりしたら,日常の惰性に従って,何の疑いもなく,
土曜日=>塔ノ岳
の方程式に従って,のこのこと塔ノ岳に出掛けてしまうところだった.
そういえば,このごろ,うっかり何かを見過ごして仕舞いそうなことが,度々起きるのは,やっぱり加齢のせいだろうか.まことに情けない次第である.
■京急津久井浜へ
さて,今日,2月1日はこの定例会当日である.
OM先生からは,13時丁度に京浜急行津久井浜駅に来るように言われている.自宅から津久井浜まで行くルートが沢山あるので,どこを経由したら一番良いのか迷うが.シンプルイズベストということで,鎌倉駅から横須賀線で久里浜まで行き,京急久里浜から京浜急行に乗り換えて津久井浜へ行くのが一番良いなと思う.
2月1日と言えば節分である.鎌倉のあちらこちらのお寺で,いろいろな催し物が行われる筈である.そちらの方にも気を取られながら,自宅近くのバス停から,まずは鎌倉駅に向かう.
今日は少々寒いものの素晴らしい天気である.鎌倉駅前には和服を着飾ったご婦人方の一連隊,登山姿の方々など色々な出で立ちの観光客で賑わっている.
乗り合わせた電車は残念ながら逗子行である.ホームで久里浜行電車を待っていても仕方がないので,とりあえずは逗子まで.逗子でまた10分ほど待って,ようやく久里浜行の電車に乗り換える.
逗子から先の横須賀線の電車は,日中は20分に1本しか走っていないので,東京から逗子間に比較すると随分と不便だなと実感する.
<鎌倉駅前の賑わい> <京浜急行の電車>
<津久井浜から三浦富士へ>
■津久井浜駅集合
京急久里浜駅から京急の電車に乗車する.車内は進行方向に2人ずつ座れる座席が中央の通路を挟んで並んでいる.座り心地が素晴らしい椅子である.言ってはまずいかも知れないが,この電車に乗車すると横須賀線の電車が如何にも見窄らしく感じてしまう.
12時40分に津久井浜駅に到着する.
改札口でOM先生とバッタリ.初めての参加なので多少不安感のある私は,OM先生にあって,一寸救われた気分になる.
定刻になる.
参加者は,正確には数えなかったが13〜14人程度.全員が60歳代以上と思われる男性である.女性が一人も居ないというので,ある意味で,私はこのグループに好感を持つ.
私の予想では,せいぜい4〜5人のグループかと思っていたが,意外にも沢山の参加者が集まっているので,大変驚く.それと同時に,なぜ私がOM先生から参加するように言われたのか良く分からなくなる.でも,いつもの口癖ではないが,
「まあ,…いいか」
ということにしておこう.
参加者の素性など詮索しても仕方がないことなので,私は何も質問しなかったが,OM先生の話によると,電力会社,商社,石油会社など大手企業の然るべき地位に居られたOBの方々,大学の非常勤講師の先生方が大半のようである.まだ現役の方もちらほら居られるようである.
参加者の顔ぶれを見て,OM先生の交友関係の幅広さに改めてビックリする.
このグループのリーダーは某大手企業のOBの方である.
集合時間の9時になる.私はOM先生から参加者に紹介して貰う.
「では,浅間神社でもお参りして,ストレッチをしてから出掛けましょう…」
ということで,まずは浅間神社に向かう.
■浅間神社
津久井駅の直ぐ北側に位置している浅間神社を詣でる.
長くて急な石段を登り詰めたところに社殿がある.いきなりの長い石段なので,結構厳しいものがある.
各自お参りを済ませた後,OM先生が,いきなり私に,
「ストレッチの音頭を取って下さい.」
と言う.
いきなりのご指名で,私はビックリするが,気を取りなおして,
「では…ご指名なので,10分ほどの間,ストレッチの音頭を撮らせて貰います.」
ということで,全身の筋を伸ばすストレッチ,つまりウオームアップ体操の音頭を取る.音頭を取るなどと言ったら“エラソー”に聞こえるが,まあ,登山学校で習ったことの受け売りである.
音頭を取りながら,皆さんの様子を見ていると,結構身体が硬い方が多いようで,
“これは一寸問題だな…”
という感想を持つ…が,そんなことを今更言っても仕方がないし,参加された方の自尊心を傷つけても困るので,黙っていることにする.
参拝とストレッチを終えて,13時17分,浅間神社前から歩き出す.
私は内心で,
“塔ノ岳に出掛けていたら,もうとっくに山から下りて,帰途についているな…多分,小田原ぐらいまで戻っている時間だな…”
と思いながら,時間的には何となく“ちぐはぐ”な気分になっている.
<津久井浜駅近くの浅間神社>
■梅薫る長閑な散策路
京急のガードを潜ってから,すぐに右折して民家の間をクネクネと続く路地に入る.
とある民家の庭先の紅梅と白梅が咲いている.
“何だかんだ言っても,もう春が直ぐそこまで来ているな…”
と思いながら,梅の花の写真を撮らせて貰う.
“そうだ…! 塔ノ岳ご常連の観梅散策を早く計画しなければ…”
私は梅の写真を撮りながら,少々,焦り出す.
長閑な里の道を北に向けて歩き続ける(冒頭の写真).
<民家の庭先の紅梅と白梅>
■十字路の石塔
13時33分,道幅がやや広い道路と交わる十字路に到着する.京急長沢駅から高田橋へ向かう道路との交差である.
十字路の南西角に,何やら大きな石塔が立っている.
“この石塔は,一体,何だろう…?”
と気になるが,わざわざ石塔の立ち寄って,一行から遅れてしまうのも憚られるので,遠くから写真を撮るだけに留める.新参者は気を遣うのである.
<十字路の石塔>
■東光寺
13時37分,東光寺に到着する.
ここは三浦一族の墓所がある寺のようである.参加者のお一人から,この寺にちなんで三浦道寸の話などが出る.
三浦道寸といえば,鎌倉と逗子の間にある住吉城や住吉神社を連想する.
そんなことから,私は後で東光寺の由来などを詳しく調べてみようと思いながら,参拝を済ませる.
<東光寺本堂>
■紫頭巾の地蔵
13時40分,東光寺の参拝を終えて,再び歩き出す.相変わらず長閑な雰囲気の散策路が続く.
13時59分,横須賀警察犬訓練所に到着する.ここで舗装道路は途絶え,いよいよ草道の登山道になる.同時に,これまでの水平道から,やや急な山道になる.
山道になった途端に,グループがバラケ始める.
リーダーが,
「先に行く人は,三浦富士の山頂で待っていて下さい…」
と指示する.
私は新参者.気を遣って,前でもなく後ろでもない位置に終始しながら坂道を登り続ける.平素,大倉尾根を登るときの半分ぐらいの速度である.
14時06分,地蔵の前を通過する.紫頭巾と黄色の襟巻きをした立派な地蔵である.
地蔵を通過すると,やや急な登山道になる.
<紫頭巾の地蔵>
<三浦富士>
■三浦富士山頂
14時09分,先頭グループは三浦富士山頂(標高163m)に到着する.最後尾の方が到着するまでに,なお数分掛かるが,全員が無事である.
山頂には見覚えのある祠,石塔群が立っている.
京浜急行発行の案内によると,ここは浅間神社奥宮のようである.
思い返してみると,前回,三浦富士に登ったときから,もうかれこれ数年は経過しているように思う.久々の三浦富士山頂に懐かしさが込み上げる.
<三浦富士山頂の祠と石塔群>
■三浦富士山頂からの眺望
山頂からの眺望が実に素晴らしい.南から西に向けての三浦半島の眺望が開けている.
天気は良いものの遠くは霞が掛かっていて良く見えないが,冬の日射しを浴びて海が光っている.海の様子を見ても“春遠からじ”のようである.
<三浦富士からの眺望>
<砲台山(大塚山)>
■鞍部に咲く水仙
14時11分,三浦富士山頂を出発,次の砲台山へ向かう.
山頂からほんの少し急坂を下った後は,なだらかな下り坂が連続する.私たちはかなりユックリとしたペースで歩き続ける.新参者の私は遠慮して,数名の先頭グループの後ろに付いて歩く.
先頭のグループは14時30分頃,鞍部に到着する.ここで後ろのグループが到着するのを数分の間待つ.
路傍に咲く水仙の花が,実に可憐で美しい.
<路傍に咲く水仙>
■砲台山山頂
14時58分,砲台山山頂に到着する.ここには高射砲陣地跡が残っている.
高射砲が据え付けられていた穴が,まるで噴火口のような形で残っている.この穴の縁にある階段にひな人形のように座り込んで,どなたかなのカメラで記念写真を撮る.
15時05分,砲台山山頂を出発する.
<砲台山山頂>
<武山>
■武山山頂
砲台山から武山に向かう.暫くの間はなだらかな下り坂が続く.武山に近付くと前方に鉄塔と展望台が見え始める.
山頂直前になると,上り勾配がほんのちょっときつい階段道になる.
15時23分,武山山頂(標高200m)に到着する.山頂には展望台と武山不動尊が祀られている.
山頂に立てられている案内地図を見ながら現在地と周辺の様子を頭に入れる.
<武山周辺案内図>
■アザリアハウスの展望台
山頂に到着して左手にあるアザリアハウス(AZALEA HOUSE)に立ち寄る.そして,アザリアハウスの上に建っている鉄塔の展望台に登ってみる.
展望台からは360度の展望を楽しむことができる.
私は儀式として,デジカメでぐるり一周の写真を撮る.残念ながら春霞が掛かっていて,富士山,丹沢,箱根などの山々は全く見えない.
私は一同より少し早く展望台から降りて,広場の片隅にあるベンチに腰を下ろす.そして,小腹が空いているので,リュックからコンビニ弁当を取り出して,遅めの昼食をソソクサと食べる.
<展望台からの眺望>
■武山不動尊
展望台からの眺望を楽しんだ後,山頂広場を横切ってから,数十段の階段を登って武山不動尊を参拝する.
本堂脇に武山不動尊の由来を説明する案内板が立っている.
本来ならば,ここで,この説明を引用して,武山不動尊の簡単な説明を記述すべきだろうが,冗長になるので省略する.
<武山不動尊>
<バス停武山へ下山>
■展望台から光る海を見下ろす
15時42分,武山から下山開始.ここからは単調な歩道道路が連続する.終始なだらかな下り坂である.
15時48分,展望の良い場所に到着する.ここで休憩を取って,ばらけてしまった後ろの方々を待つ.
眼下に光る海が見えている.
<展望台から光る海を見下ろす>
■武山登山口
16時00分,武山登山口に到着する.三叉路になっている.登山口入口には「武山山頂1.3km」と書いてある案内杭が立っている.
三叉路を右へ行くのか左に行くのか分からないので,暫くの間,後続の方々の到着を待つ.
2〜3分過ぎた頃,後続のグループも到着する.
ここで右折する.
ここからは,やや急な舗装道路をひたすら下る.そして,やがて民家が点在する平地に到着する.
<武山登山口>
<横須賀線経由で帰宅>
■バス停武
16時12分,バス停武に到着する.私たちがバス停に到着すると同時に京急バス横須賀駅行が到着する.ここで流れ解散.
ほぼ全員がこのバスに乗車する.バスは少し混んでいるが全員無事に席に座れる.ところが,途中から乗車してくる乗客が多くて,たちまちの内にバスは大混雑になる.
バスに乗車した仲間の大半は,途中のナントカというバス停で下車する.近くにあるスパで一風呂浴びてから,横浜に出て新年会を開くという.
OM先生と私は温泉も新年会もパスする.
やがてバスは横須賀中央に到着する,OM先生とはここでお別れである.大半の乗客もここで下車してしまう.バスはガラガラになる.
■横須賀駅
バスは横須賀中央を発車してから,随分と賑やかな通りを走る.余談になるが,私は街道歩きの途中で宇都宮,甲府,高崎,岐阜などの地方中核都市を歩いているが,これらの街のどこよりも横須賀の方がずっと活気があるような気がしている.
16時40分,バスは漸く終点の横須賀駅に到着する.
<横須賀駅>
■鎌倉駅経由で無事帰宅
横須賀線横須賀駅16時52分発東京行電車に乗車する.
17時丁度に逗子駅に到着する.
「鎌倉,大船,?浜,新宿方面にお急ぎの方は,2番線の湘南新宿ラインの電車をご利用下さい…」
というアナウンスがある.
「ナ,ナニ〜ィ…」
私は反射的に電車から飛び降り,跨線橋を渡って2番線に到着している湘南新宿ラインの電車に飛び乗る.息はハアハアである.
17時08分,鎌倉駅で下車する.
鎌倉市役所前17時30分発山の上ロータリー行のバスに乗車,18時前に帰宅する.辺りはもう真っ暗.
“一寸しか歩かないのに,随分と時間が掛かったな…”
というのが率直な感想である.
でも,まあ,…OM先生の紹介で,また新しいグループに参加することになったので,このグループがどんな活動をしているのか興味津々である.
まあそんなわけで,今日も“良かった! 良かった!”である.
<ラップタイム>
13:00 津久井浜発
13:03 浅間神社(ストレッチ 13:17発)
13:37 東光寺(13:40まで参拝)
13:59 横須賀警察犬訓練所
14:06 地蔵尊
14:09 三浦富士山頂(14:11発)
14:58 砲台山山頂(15:05発)
15:23 武山山頂(15:42発)
16:02 武山登山口
16:12 バス停武(解散)
[散策記録]
■水平歩行距離 6.1km
■累積登攀高度 366m
■累積下降高度 337m
■所要時間(休憩時間込み)
浅間神社発 13:17
バス停武着 16:12
(所要時間) 2時間55分(2.92h)
水平歩行速度 6.1km/2.92h=2.09km/h
(おわり)
「関東・上信越の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a8f4599d2c5f421f85a0b22abc76363e
「関東・上信越の山旅」の次回の記事
(なし)
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初春の三浦三山;三浦富士・砲台山・武山縦走
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