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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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富士山・南アルプスのすばらしい展望と年貢の納め時を悟った丹沢;塔ノ岳(2019年35回目)

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                                  <塔ノ岳山頂から富士山と南アルプスを望む>

 富士山・南アルプスのすばらしい展望と年貢の納め時を悟った丹沢;塔ノ岳(2019年35回目)
             (単独山行・一部常連と一緒)
           2019年11月30日(土) 快晴

<ルート地図>


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■ちょっと無理かなと思ったが…
 昨夜(11月29日)は旧職場仲間との楽しい懇親会に参加した.ドイツビールを飲みながら,楽しく過ごした2時間ほど.年甲斐もなく興じてしまった.
 そして今日土曜日.もちろん恒例の塔ノ岳登りに出かけるつもりである.でも,懇親会で興奮したためか4時間ほど眠ったような眠らないような時間を過ごした後,いつも通りに4時に自宅を出発する.
 外は寒い.もちろんフリースを羽織って,防寒用の帽子を被っているので寒さ対策は十分だが…
 外は真っ暗.今日の月齢はどのくらいか知らないが,とにかく真っ暗な夜空を仰ぎながらショボショボと大船駅に向かう.なんだか体が重たい感じである.
 ”今日の丹沢詣では,やめておこうかな”
と思ったが,先週の土曜日も雨のため山登りをやめている.山行の間を2週間も開けてしまうと,確実に体力がなくなってしまうので,まあ,今日のところは「堀山の家」辺りまで登って無理せずに下山することにしたい.

■三々五々,大倉から歩き出す
 6時11分,小田急線渋沢駅に到着する.
 大倉行バス停へ直行する.前から4人目.程なくKM夫妻,YSさんなどの常連が現れる.程なく下り電車が渋沢駅に到着したらしく,たちまちの内に長蛇の列になる.その中にはAIさん,IIJさん,TBさん,KIさん,IIさん,KMさんなどたくさんの常連さんが居られる.
 1番バスは超満員.どうやらすぐに臨時バスが出るらしい.今日の塔ノ岳もたくさんの登山者で賑わいそいである.
 7時04分,大倉から歩き始める.もちろん単独山行である.朝日がまぶしく背後から照りつけている.
 気温が何度あるのか分からないが,ちょっと寒い.寒いと勢い歩く速度も速くなってしまう.5~6年前ならばいくら歩行速度を速めても少しの時間休憩を取ればすぐに回復したものだが,この年になったらそうはいかない.一度草臥れてしまうと,ちょっとやそっとのことではとてもではないが回復しない.そんなことは百も承知だが,寒さでどうしても歩行速度が速まってしまう.
 7時10分,登山口を通過する.朝日が真後ろから当たっている.たくさんの若い人が次々に私を追い越していく.山は若者の天下.年配者,特に後期高齢者の類いの人はきわめて少ないようである.

<登山口>

■観音茶屋を通過
 7時31分,観音茶屋を通過する.ここからジグザグの上り勾配の山道が始まるが,調子がいいときはこの辺りから足も呼吸も楽になるはずだが,今日はダメ.やっぱり昨夜のドイツビールと寝不足が祟っているようである.
 ”無理することはない…今日の終点は小草平の「堀山の家」にしよう…!”
と心に決める.

<観音茶屋>

■光る海;見晴茶屋からの眺望
 7時43分,見晴茶屋に到着する.丹沢ベース付近で私を追い越していったAIさんが見晴茶屋のベンチに座り込んでいる.どうやら足の具合がちょっと…とのこと.
 茶屋前からの見晴をデジカメで撮る.海が光っている.光る海が冬の風物詩である.
 「では,ゆっくり登っています…」
とAIさんに挨拶してから,先に行かせてもらう.

<見晴茶屋からの眺望>

■見晴階段と一本松
 見晴階段にさしかかる.いつものように階段下から階段を見上げた写真を撮る.たくさんの登山者の後ろ姿が写っている.この階段を見上げるたびに,
 ”やれ,やれ,…この階段を上るのか”
と心の中でため息をつく.
 見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.体が重い.それでもユックリ,ユックリ登って,8時11分,一本松を通過する.大倉からの所要時間は1時間07分.決して速くはないが,今の私の体調では意外に速い感じである.

<こぼれ日の見晴階段>

■紅葉の写真を撮りながら駒止茶屋を通過
 途中,紅葉した木々の写真を撮りながら登り続ける…が,今年の紅葉はどうもパッとしないのが残念である.
 一本松から先の平坦な尾根道を過ぎて,駒止階段に差し掛かる.階段を登り始めると,なんだか体中に潜んでいた疲れがドッと現れるような感じがする.ここはともかくユックリと登るしかないな…それに,今日は堀山の家が終点だから,まあ焦ることもないぞ…と,自分に言い聞かせながら登って,8時25分にようやく駒止茶屋を通過する.

<紅葉の写真を撮りながら…駒止階段の手前>

■堀山の標識
 駒止茶屋から先は,なだらかな上り勾配の木道が連続する.木道が終わるとほぼ水平な土道になる.ここが大倉尾根で一番楽しくて気分がいいところである.周囲の景色を眺めながら,急ぐでもなく,遅くでもなく,気ままな速度で歩き続けて,8時35分,堀山の標識前を通過する.
 進行方向右手には表尾根の山々が朝日を浴びて明るく聳えている.

<堀山の標識>

■小草平(堀山の家)で休憩
 堀山の標識から先は緩やかな下り坂になる.いつもなら快調に歩く下り坂だが今日は規制が上がらない.ちょっとした登り返しをあえぐように登って,8時45分,小草平(堀山の家)に到着する.大倉からの所要時間は1時間41分.馬鹿みたいな所要時間である.小草平の気温は堀山の家の寒暖計で4℃.登山には最高の気温である.
 ふとベンチを見ると,何人かの常連が私に「おいで,おいで,…」をしている.SSKさん,ISIさん,TDさんのお三方である.私も皆さんとしばらく雑談して下山しようと思って,仲間にジョインする.そのうちに,AIさん,YSさんも小草平に到着する.

<堀山の家>

■小草平からの富士山
 8時55分,先着のお三方から,もう少し登りましょうということになる.AIさんとYSさんは,ここから下山するとのこと.もともと今日の私は小草平を終点としようと思っていたが,何となく欲が出て,ではとにかく茅場平までは登ろうということになる.下山後に反省すると,これが間違いの始まりだった.
 「出かける前に富士山の写真を撮りましょう…」
ということで,ご草平から見える富士山の写真を数枚撮る.

<小草平からの富士山>

■ガレ場の途中からの富士山
 小草平の少し先のヤセ尾根を過ぎると,かなり急なガレ場が続く.登山道が尾根の上で大きく右に迂回するところが富士山のビューポイントである.もちろんここで数枚の写真を撮る.
 さらにもう少し登ったところで,SSKさんが,自分は後からユックリ登るから先に行ってくれと言う.皆さん,塔ノ岳のベテランなので独り登山でも心配ないので,”では…”ということで,残りの3人で登り続ける.
 お二人はまだ若い.したがって,老害の私にはちょっと速すぎるかなという感じがしたが,まあ大丈夫だろうと言うことで一緒に登り続ける.

<ガレ場からの富士山>

■萱場平を通過
 9時23分,萱場平に到着する.
 本当はここを終点にするつもりだったが,茅場平の水平道を歩いている内に,せっかくここまで登ったんだからとりあえずは花立山荘まで登ろうと思う.
 萱場平で下山してくるチャンピョンとすれ違う.

<茅場平>

■樹間の富士山
 茅場平から先の坂道も,多少オーバーペースかなと思ったが,付いていけない速度ではないので.そのままお二方と一緒に登り続ける.
 途中,林の向こうに富士山が見える場所を通過する.思わず写真を撮る.

<木の間に見える富士山>

■花立階段
 花立階段の下に到着する.
 いくら何でも,この階段を若いお二方と一緒に登ったらへたばるに決まっている.
 「どうぞ先に登ってください…私は後ろからユックリ登ります…」

<花立階段>

■花立山荘
 この階段を上るのに何分かかっただろうか.とにかく登り切って,9時58分,ようやく花立山荘に到着する.先に到着したお二方が私を待っている.とりあえずは花立山荘からの富士山の写真を撮る.花立山荘の気温は9℃.大倉からの所要時間は2時間54分.
 本当はここを終点にすべきだったが,ついついもう少し登ろうかという気になる.

<花立山荘>

■花立山山頂
 花立山荘から,写真を撮りながら,15分掛けて,9時13分,花立山山頂に到着する.
 すばらしい光景が目に入る.
 雪を被った富士山と南アルプスの山々がくっきりと見えている.まさに絶景である.右手手前には丹沢の蛭ケ岳が見えている.
 もちろん,山頂付近でたくさんの写真を撮る.

<花立山山頂からの眺望>

■馬の背でNMさんとバッタリ
 馬の背の下坂で,下山してくるNMさんとバッタリ.
 NMさんは長い闘病生活の末に,見事にカムバックされた.今回は,昨日丹沢山のみやま山荘に宿泊して,下山してきたとのこと.
 ”全く凄い…!”
としか言いようがない.”以て他山の石とすべし”である.
 NMさんと比較したら私などまだまだ努力と執念が不足しているなとつくづく思う.

■塔ノ岳山頂
 10時23分,金冷シを通過する.ここまで登れば速く歩いても遅く歩いても5分と差が付かない.ここまで何とかお二方の後に付いて登ってきたが,ここからは完全な一人旅になる.
 当初は小草平までしか登らないはずだったのに,ちょっと無理をして,10時48分,塔ノ岳山頂まで登ってしまった.大倉からの所要時間は3時間43分と惨めったらしい記録である.
 山頂の気温は6.0℃.無風.
 とにかく疲れた.
 まずはへたへたと座り込んで休憩だ.なんだか知らないが,体の心底から疲れた感じである.

<富士山の眺望>

■鳥瞰;光る海
 そろそろ下山しようかと思う.
 あまりユックリしていると,下山中に日が暮れるかもしれないから…
 11時丁度に下山開始.登りには使わなかったストックを下山では使うことにする.
 下山口に立つ.目の前には相模湾が広がっている.海が太陽の光を反射して光っている.実に見事な風景である.当然,何枚か写真を撮る.写真で白く見えるのはつい先日降った残雪である.

<塔ノ岳から相模湾を望む>

■塔ノ岳山頂から大山を望む
 目を右手に転じると,丹沢の名峰大山が聳えている.大山は江戸時代から信仰の対象となった山だけあって姿/形が実に宜しい.
 大山の向こうに大きな街が茫洋と見えている.横浜だろうか.それとも東京?

<塔ノ岳山頂から大山を望む>

■四苦八苦の下山
 山頂からちょっと長くて急な木道を下る.たくさんの登山者とすれ違いながら…
 でも途中から足の疲労感が強くなる.こんなことは今までになかったのに…
 ”これはまずいな…”
ということで,歩行速度をいっそう落とす.
 11時29分,ようやく金冷シを通過する.馬の背の登り返しが結構つらい.そして花立山からの下りも調子が出ないままズルズルと下って,11時33分,やっと花立山荘に到着する.花立山荘のベンチは登山者であふれている.長い花立階段をやっとの思いで下る.長い階段下りは足の負担が大きいので,さらに疲労感が増大する.ここは安全第一.たとえ暗くなってもヘッドランプを持っているのでかまわない…とにかくゆっくり無理しないで下山しようと決心する.
 花立階段を下り終えてから,岩場を下山しているときに,後から下山開始のISIさんとTDさんに追い抜かれる.これも致し方ない.
 これ以降も,私の難行苦行は連続する.少し下っては休憩を取るを繰り返しながら,少しずつ下山し続ける.
 12時28分,堀山の家に到着する.本当はここでユックリ休憩を取りたいところだが,そう簡単には疲労は直らないので,そのまま休憩を繰り返しながら下山し続ける.12時52分,駒止茶屋を通過する.この下り階段が疲労している足には地獄である.ずいぶんと時間を掛けて下り続ける.いつもなら平気で下る階段が,今日は実に長く感じる.

■常連に次々に追い越される
 13時05分,やっと一本松を通過する.ここからモミジ坂を下るのも大変.さらにその先の見晴階段はもっと大変.階段の途中で休憩を取りながら,少しずつ下る.階段の途中で,KMさんが私を追い越していく.
 「下りは注意して降りてください…」
と哀れむような調子で私に声を掛けてくれる.
 13時37分,やっと見晴茶屋に到着する.ここで3分ほど休憩を取る.疲れが少し引いたのでまたユックリと歩き始める.ここから先は,急勾配の下りはないので助かるが,ちょっと歩くとまた疲労感が沸いてくる.雑事場ノ平らからの分岐道が合流するところで,またヘタヘタと座り込んで休憩を取る.
 そこへ,常連のKMさんが降りてくる.
 「おや,どうしたんですか…?」
 「いえ…ちょっと休んでいます.14時40分のバスに間に合うように降りたいと思ってます…」
 「(塔ノ岳の)山頂まで登ったんですか?」
 「はい.どうぞお先に」
 
■礫道に一苦労
 14時01分,やっと観音茶屋に到着する.観音茶屋の女主人に,今日は遅いので寄らずに下山しますと挨拶して通過する.本当はお汁粉食べたかったのに…
 さらにその先,丹沢ベース前後の礫を敷き詰めた道を歩くのに一苦労する.疲労した足には,礫の凸凹への対応が困難で,すぐにふらつく.勢いストックに力が入る.すると体勢がどうしてもねじれてしまう.そのねじれのために腰が痛くなり始める.
 たくさんの若者に追い抜かれながら,長い長い道のりに感じる凸凹礫道をやっと通過し,14時28分,ようやく登山口に到着する.ここから先は舗装道路である.ここまで下れば普通に歩けるので実にホッとする.
 14時35分,やっとバス停塔ノ岳にたどり着く.

■大混雑のバス
 バス停には長蛇の列.
 どうやら私は14時40分発のバスに乗れたが,乗車口にへばり付くような姿勢である.手にぶら下げたリュックがとても重く感じる.
 ”10分ちょっとの辛抱だ…”
と自分に言い聞かせる.その10分あまりの長いこと,長いこと.
 バスは,14時51分に渋沢駅に到着する.
 大急ぎで乗り換えれば,14時52分発の快速急行小田原行に間に合うが,とてもではないがそんな気力はない.次の15時03分発急行新松田行に乗車する.新松田からは各駅停車である.長いこと塔ノ岳に登っているが,帰りがこんなに遅くなったのは初めての経験である.

■老醜は晒したくない!
 今回は,最近経験したこともない疲労感を味わった.いつも何気なく下山していた大倉尾根も,疲れた足では大変な思いをしないと下山できないところだと気付かされた.
 ”もう山登りは自粛しなさい”
との警告だろう.私には塔ノ岳はもう無理なんだ.
 こんな危なっかしい姿で下山しているのを見た人は,ずいぶん心配するに違いない.それにも老醜を何時までのさらけ出すのは不本意である.
 ”今年一杯で塔ノ岳詣では打ち止めにしようかな…”
と思い始めている.

[山行記録]

▇水平歩行距離      7.0km

▇累積登攀下降高度   1,269m

■上り所要時間(休憩時間込み)
 大倉発             7:04
 塔ノ岳山頂着      10:47
   (所要時間)      3時間43分(3.72h)
  水平歩行速度       7.0km÷3.72h=1.88km/h
  登攀速度            1,269m÷3.72h=341m/h

■▇下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳山頂発        11:00
   大倉着              15:35
    (所要時間)     3時間35分(3.58h)
  水平歩行速度         7.0km÷3.58h=1.96km/h
  下降速度           1,269m÷3.58 h=354m/h
                             (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
 https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a535645274aa37d7432370799317129a
 「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)

  お断り;
 これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
 また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します.




 

 


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