<塔ノ岳山頂から富士山を望む>
涼風と富士山の眺望を楽しみながら登る丹沢;塔ノ岳(2019年29回目)
(単独山行)
2019年9月28日(土) 晴
<ルートマップ>
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■夜明けがますます遅くなった
春分の日が過ぎて数日経った.今日は土曜日.丹沢の塔ノ岳に登る予定日である.幸いなことに今日は夕方までは雨の心配はなさそうである.
”ならば,当然,塔ノ岳だ!”
予定通り3時に起床する.少し寒い.適当にソソクサと朝食を済ませて,4時10分に自宅から出発する.外は涼しい.いや,少し寒いぐらいである.でも尾根から平地に下るとやっぱり少し蒸し暑く感じる.どうやら気温はマアマアのようだが湿度が意外に高そうである.
何時ものように大船から東海道本線下り初電に乗車する.まだ真っ暗.電車が平塚を過ぎる頃,ようやく辺りが少し明るくなり始める.天気予報では夕方まで多少雲が多いが雨の心配はないとのことだったが,案の定,富士山は朝霧に中なのか残念ながら富士山と矢倉岳の重なりを見ることはできなかった.
6時11分,電車は渋沢駅に到着する.
6時40分頃,大倉行臨時バスがでる.勿論立ち席は出るが.車内はそれほど混雑していない.乗り合わせた常連はKMさん,IWIさん,AIさん,YDさん他.TGさん,MGさんなど多くの常連さんの姿はない.
臨時バスは,6時50分にバス停大倉に到着する.
■大倉から歩き出す
6時53分,バス停大倉から歩き出す.今回も初めから独り旅である.
今日はこれまでと比較して幾分涼しいとはいえ,まだまだ高温である.いい気になって最初から飛ばすと途中でへばること必定である.今回は幾ら時間を掛けても,とにかく塔ノ岳山頂まで登りたいなと思う.そのために,歩き出しはことのほか歩行速度を落として,のそり,のそりと歩き続ける.当然のことながら,ほぼ同じ時刻に大倉から歩き出した常連の皆さんや,若い方々にどんどん追い抜かれる.一昔前の私だったら,”・・・ん,ニャロメ!”と向きになって追いかけただろうに・・・今の私は随分と悟ったものである.
7時02分,ようやく登山口を通過する.大倉からここまで,もう9分も掛けていることになる.
”ドンマイ,ドンマイ・・・これで良いんだよ”
と自分に言い聞かせる.
<克董窯を通過>
■日の当たる坂道
克董窯のすぐ先から礫を敷き詰めた歩きにくい道に入る.相変わらず次から次へと若い人に追い抜かれる.一方では歩き出し直後に私を勢いよく追い抜いていった年輩の方が,早々と疲労されているらしく,立ち休憩を取っている.
7時14分,丹沢ベースを通過し,ほどなく日の当たる坂道に差し掛かる.ここまで登ると朝日が射し込んでいて気分も晴れ晴れする・・・が,今日もほとんど無風である.それほど高温とは思わないが,やっぱり今日もかなり湿度が高そうである.
<日の当たる坂道>
■観音茶屋を通過
7時23分,観音茶屋を通過する.先ほど物凄い勢いで私を追い抜いていったグループがここで早々と休憩を取っている.
観音茶屋から先のジグザグの登り坂に差し掛かる.この辺りまで登ると体も馴れてくるので,かなり早足で歩けるようになるが,今日は自重し努めてユックリと登り続けるように心掛ける.
<観音茶屋を通過>
■雑事場ノ平
7時27分,三叉路に到着.右の道を辿って,7時42分,雑事場ノ平に到着する.ここでも私を追い抜いていった人達が汗びっしょりになり早々と着替えをしている.
雑事場ノ平で海風が吹き抜けるのを期待していたが,残念ながら無風である.
ここから見晴茶屋までの平坦道を楽しみながら歩き続ける.
<雑事場ノ平>
■見晴茶屋からの眺望
7時44分,見晴茶屋に到着する.
茶屋前からの眺望をデジカメに収める.やはり大気が高温らしく一面に霞んでいて海と陸の境目が良く分からない.眼下に秦野の市街地が霞んで見えている.
<見晴茶屋からの眺望>
■見晴階段
見晴階段に差し掛かる.例によって階段下から階段を見上げた写真を撮る.写真には何人かの登山者の後ろ姿が写っている.
相変わらず無風.
この階段で張り切ると後が続かないので,心してユックリ,ユックリと登り続ける.
<見晴階段>
■一本松を通過
見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.この坂は途中で登るのがイヤになるほど結構長い.この坂を辛抱しながら登り続けて,8時05分,漸く一本松を通過する.大倉からの所要時間は1時間12分.予想より5分ほど余計に時間を掛けているが,疲労感が全くないのと相殺してドンマイ,ドンマイで納得.
一本松上の水平道散策を楽しむ.
<一本松上の水平道>
■駒止階段
いよいよ駒止階段.
ここで下山してくるKSさんとすれ違う.
「やあやあFHさん!」
で挨拶と握手.
「今日は(何時もの土曜日より)登山客が少なくて空いていますよ.富士山がバッチリ見えましたよ」
と教えてくれる.しばらく立ち話.
「では,気尾付けて登ってらっしゃい」
と勇気づけられる.
何人かの方々が私を追い抜いていく.私も自重しながらマイペースで登り続ける.実は階段道が一番の落とし穴だと実感している.なぜなら階段道はとかくオーバーペースになりやすいからである.私ごとき高齢者は特に心してユックリ階段道を登る必要があると思っている.
<駒止階段>
■駒止茶屋を通過
足に疲労が溜まらないように注意しながら階段を登り切って,8時25分,漸く駒止茶屋前を通過する.大倉からの所要時間は1時間32分.超ユックリだが,足に疲労感がないので,
”コレデイイノダ・・・”
と自分に言い聞かせる.
駒止茶屋の休憩所で,先ほど私を勢いよく追い抜いていったグループが呼吸荒く汗びっしょりになって休憩を取っている.無理が利く若さ(・・・といっても40歳代かな)が羨ましい.
堀山の尾根道に差し掛かる.
ここまで登るとさすがに涼しい.気分良く尾根道歩きを楽しんで,8時37分,堀山の標識を通過する.ここからは下り坂である.
<堀山の標識>
■小草平(堀山の家)
8時40分,小草平に到着する.大倉からの所要時間は1時間47分.これくらいの速度で歩くと疲労感が全くないことを確認する.
堀山の家はまだ開店前.堀山の家の温度計は19℃を指している.これまでの極暑のときに比較すれば確かに涼しいけれども,まだまだ高温である.
今回は特に疲労感もないので,ここでの休憩はなしにして登山を続けることにする.
<小草平に到着>
■小草平からの富士山
小草平から富士山がとても良く見えている.ただ,山頂付近で雲が巻いているのがちょっと残念である.
でも久々の富士山に感激.
<小草平からの富士山>
■萱場平
小草平から先は長い登り坂が続く.最初はガレ場,その後は延々と続く階段道だ.階段道は油断するとすぐに歩行テンポが崩れてしまう,ついついオーバーペースになりがちである.数年前までは多少のオーバーペースでもすぐに体力が回復したが今はそうはいかない.慎重に登り続けて,9時15分,漸く萱場平に到着する.
欲を言えば9時前に萱場平を通過したいところだが,今回は,まあ,これで良しとしておこう.ラップタイムはあまり良くないが,これで塔ノ岳山頂まで4時間は掛からないことだけは確実である.
萱場平でも休憩を取らずにそのまま通過する.そして,萱場平の平坦道を歩いている間に,山頂まで登るぞという気持ちを高揚させる.
<萱場平>
■花立階段下からの富士山
萱場平からの坂道を単調に登り続ける.
大岩に突き当たる手前で,MTさんとTTさんが私に追いつく.勿論,お二人に先を譲る.そして,花立階段下に到着する.ここからの富士山の眺めもなかなか見応えがある.立ち止まって,富士山の写真を数枚撮る.
<花立階段下からの富士山>
■やおら花立階段
さて,いよいよ花立階段・・・である.2~3年前まではこの階段を7分で登っていたので「後七分坂」と勝手に呼んでいたが,いまは到底無理.10分ほど掛けてユックリと登り続ける.
<ウンザリする花立階段>
■花立山荘
花立階段を何とか登り切って,9時45分,花立山荘にたどり着く.花立山荘はもう開店している.山荘前のベンチで数名の登山客が休憩を取っている.
大倉からの所要時間は2時間46分.実に情けないラップだが仕方がない.花立山荘の温度計によると,気温は24℃.随分と高温である.小草平から花立山荘まで59分も掛かっている.坂道でのスタミナがえらく減退していることがこの数字からも明らかである.
<花立山荘>
■花立山荘からの富士山
今日は花立山荘からも富士山がとても良く見えている.勿論,ここでも富士山の写真を数枚撮る.先ほどまで掛かっていた雲が漸く取れて山頂までスッキリと見えている.
花立山荘でも,富士山の写真を撮っただけで休憩を取らずにそのまま登り続ける.
<花立山荘からの富士山>
■花立山山頂
花立山荘から先はちょっと歩きにくい階段道が暫く続く.私にとって大倉尾根で一番きつく感じる場所だが,今日はこれまでゆっくり歩いた甲斐があって,何とか順調に登り続ける.
階段が終わってガレ場に差し掛かると四方の視界が開け,気分最高である.
あちらこちらの写真を撮りながら,ガレ場を登り続けて,9時59分,花立山山頂を通過する.前方にはこれから登る塔ノ岳の山頂が見えている.
<花立山山頂から塔ノ岳を望む>
■塔ノ岳山頂
馬ノ背を経由して.10時05分,金冷シを通過する.ここまで登ればもう塔ノ岳山頂は目の前である.
”この期に及んでもう急ぐこともあるまい・・・”
といことで,ユックリ,ユックリ登り続ける.
金冷シから最初の階段を半分ぐらい登ったところで下山してくるチャンピョンとすれ違う.チャンピョンがまたテレビに出演するので見てくれとのこと.勿論,見るつもりである.
塔ノ岳山頂直下のジグザグの急階段に差し掛かる.ここが私にとって一番急で嫌いな階段である.後ろから追い立てられるのがイヤなので.何人かの登山者を見送ってから,止まりそうな速度で少しずつ少しずつ登り続ける.
山頂直下で下山してくるAIさん,YDさんとすれ違う.
10時27分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は3時間34分.金冷シから先でちょっとノンビリしすぎたかな.でも,まあ,ラップタイムはさることながら,何とか無事に塔ノ岳山頂に辿り着けただけで良しとしておこう.
山頂の気温は17℃.結構高めだがとても涼しくて気持ちが良い.
<塔ノ岳山頂>
■山頂からの眺望
山頂からの眺めの写真を何枚か撮る(冒頭の写真).
富士山も良く見えている.ただ山頂にちょっと雲が巻き付いているが・・・
ただ,まだ気温が高いためか全体に靄が掛かっていて,残念ながら南アルプスの山々は全く見えない.
写真を撮った後,給水とちょっとした食べ物を食べてから,早々と下山することにする.
<塔ノ岳山頂から富士山を望む>
■下山開始
10時36分,塔ノ岳山頂から下山開始.
つい先ほど,顎を出しながら登った階段道も下りは実に楽ちんである.
金冷シに近い階段を途中まで降りたところで,塔ノ岳山頂を先に出発したAIさんYDさんとこれから登るヤングのYSさんが立ち話をしている.
「あら,もう追いつかれちゃった・・・」
とYDさんが独り言のように言う.
ここから先は大倉までこのお二方と一緒に下山し続けた.
10時55分,金冷シを通過する.馬ノ背を通過して,11時02分.花立山を通過する.
11時07分,花立山荘を通過.山荘周辺のベンチは休憩を取る登山者で一杯である.
■堀山の家
花立階段の途中で登ってくるNMさんとバッタリ.またここで数分の立ち話.こんな具合なので知り合いに会う度に立ち話をするので,なかなか埓があかない.でもこれが楽しいのだ.
その後もユックリと下山し続けて,11時26分,萱場平を通過する.ここから先は階段道でもいくらか歩きやすいので,内心,ホッとした気分になる.3人一緒でごくゆっくりペースで下り続けて,11時40分,堀山の家に到着する.
外のベンチにKIさんが座っている.私達3人も立ち止まって雑談を開始.その間を利用して,私一人山荘に入る.女主人が愛想良く出迎えてくれる.私は250円也の冷たいジュースを所望する.
飲み終えてから,
”あっ! 写真を撮るのを忘れたぞ!”
そこで捨てた缶を拾い上げる.ところが間違って誰かが飲んだ甘酒の缶だ.
”まあ,これでも良いか・・・大差ないな”
ということで,他人が飲んだ甘酒の缶の写真を撮る.
<余所様が飲んだ缶を代わりにパチリ>
■観音茶屋
その後も順調に下り続けて,12時50分,観音茶屋に到着する.茶屋に立ち止まらずに急いで下山すれば,大倉発13時10分の路線バスに間に合う筈.でも,小屋の中を覗くと,顔馴染みの常連が3名居られる.引き寄せられるように観音茶屋に入り込む.
お一人は,明治天皇と乃木大将を混ぜたような高貴な顔立ちの方(う~ん・・・親しいのに名前が出てこない).
「やあ,やあ,お久しぶり・・・」
で握手.すぐに雑談開始.
”13時40分のバスに間に合えばいいや・・・”
<観音茶屋>
■観音茶屋のかき氷
私はとりあえずかき氷を所望する.
私より少し遅れてAIさん,YDさんも到着する.お二人はコーヒーを所望したようである.先客3人と私達3人,計6名で話題は大いに盛り上がる.
私が一寸愚痴ると,その年で登れるだけで良いじゃないかという別の方向に話がずれ込む.
<観音茶屋のお値打ち氷水>
■皆で揃って下山
13時10分,観音茶屋を出発する.「(明治天皇+乃木大将)÷2」の方も一緒.途中で先ほど金冷シ手前で雑談したMSさんも私達に追いつく.さらにMTさん,TTさんも一緒になる.
登山口を通過して大倉の集落に入る.畑の土手に植えられている彼岸花が見頃を迎えている.猛暑のためか彼岸花の見頃が例年より少し後ろにずれ込んでいるような気がする.
一同賑やかに下山し続けて,13時32分,バス停大倉に無事下山する.
予定通り大倉発13時38分の路線バスに乗車する.バスはかなりの立ち席が出るほどの混雑である.渋沢で流れ解散.
<大倉付近の彼岸花>
■大船駅前でコーヒー
渋沢から私一人小田原方面の電車に乗車する.ところがこの電車,次の駅止まり.そこで各駅停車に電車に乗り継いで,14時26分,やっと小田原駅に到着する.小田原では少し待ち時間があって上り快速アクティに乗車する.ところが大船で路線バスまで30分も待ち時間がある.往路と同じように歩いて帰れば良いのだが,さすがにその元気はない.そこで,ルミネ1階の某コーヒーショップに入って220円也のホットコーヒーを所望する.
熱いコーヒーをユックリ賞味していると心身が癒やされる.
<ドトールのホットコーヒー>
■息子や孫で賑やか
16寺頃帰宅.
駐車場に長男の車が停まっている.私が帰宅する一寸前に息子が来たらしい.
「やあ,来てたんか・・・?」
「うん,一寸前に・・・」
ばあさん,息子と3人でまたコーヒー.
”・・・ん,なら,ドトールの珈琲止めておけば良かったナ”
「夕方,〇〇ちゃんが来て泊まるって・・・」
と家内ウキウキ.
〇〇ちゃんは次女の長男.今夜はすき焼きだと家内が張り切っている.
毎週,週末になると,親族のだれかが来訪してくれる.本当に有難いことである.家族が私の家近くに居を構えてくれて本当に良かったなと思っている.
<ラップタイム>
6:53 大倉歩き出し
7:23 観音茶屋
7:42 見晴茶屋
8:25 駒止茶屋
8:43 堀山の家
9:15 萱場平
9:45 花立山荘
10:04 花立山
10:05 金冷シ
10:27 塔ノ岳着
10:36 〃 発
10:55 金冷シ(途中で雑談)
11:02 花立山
11:07 花立山荘 (途中で雑談)
11:26 萱場平
11:40 堀山の家(11:49まで休憩)
12:23 駒止茶屋
12:35 見晴茶屋
12:50 観音茶屋(13:10まで休憩)
13:32 大倉着
[山行記録]
▇水平歩行距離 7.0km
▇累積登攀下降高度 1,269m
▇上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 6:53
塔ノ岳着 10:27
(所要時間) 3時間34分(3.60h)
水平歩行速度 7.0km÷3.57h=1.96km/h
登攀速度 1,269m÷3.57h=355m/h
▇下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 10:36
大倉着 13:32
(所要時間) 2時間56分(2.93h)
水平歩行速度 7.0km÷2.93h=2.39km/h
下降速度 1,269m÷2.93h=433m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bc4bc40168085556c9ba8dfd67a3e4eb
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
お断り;
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