<塔ノ岳山頂から大山を望む>
今年最高の炎暑日に何となく山頂まで登ってた丹沢;塔ノ岳(2019年第24回目)
(単独山行)
2019年8月17日(土) 晴・猛暑
<ルート地図>
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▇月煌々
天気予報では,今日がこの夏最高の猛暑日になるとのこと.いい歳をしてこんな猛暑日に丹沢へ行くのはどうかなと思ったが,まあ無理をせずにユックリ登るんなら,予定通り出掛けようかと思う.下手に登山の間を空けてしまうと目に見えて体力が低下してしまうからだ.
何時ものように4次少し過ぎに自宅を出発する.アスファルト道には昨日の余熱がたっぷり残っていて,たちまちの内に汗がではじめる.これでは先が思いやられるなと思いながら大船駅に向かう.
西の空に,ほぼまん丸な月が煌々と輝いている.それにしても8月も中旬ともなると随分と夜明けが遅くなったなと実感する.
<月煌々>
▇先週土曜日よりましかな・・・
6時11分,小田急線渋沢駅に到着.バス停大倉の先客数名,その中に常連のNGさん,KM夫妻,AIさん,KMさんなどが居られる.今日もバス停には登山客が長い列ができる.臨時バスが出る.少しでも早く登山口の大倉に到着すると登山の時間に余裕ができて有難い.
6時54分,大倉から登山開始.今日も独り旅である.
歩き出してすぐに,今日はこの夏最高の猛暑日とのことだが,先週土曜日より幾分歩きやすい感じがする.そのため歩き出しから前回よりも少し速いピッチで歩いて見る.
7時丁度に登山口を通過する.バス停大倉からここまで所要時間が6分.前回より1分短い.
”ちょっと速すぎるかな・・・?”
<塔ノ岳登山口>
▇日の当たる坂道
登山道に入ると,湿度の高い空気が淀んでいるのか,実にムシムシしていて嫌な雰囲気である.克董窯を通過して,礫を敷き詰めた土道に入る.敷石の表面がヌルヌルと濡れていて滑りやすくなっている.
”これでは帰りが思いやられるなぁ・・・”
と思いながら,歩きにくい道をひたすら登り続ける.
7時11分,丹沢ベースを通過する.やがて礫道が終わり,日の当たる坂道に入る.日の光が右手から真横に射し込んでいる.弱い風が麓が吹き上げてくる.これだけでほんの少しホッとした気分になる.
<日の当たる坂道>
▇観音茶屋
7時21分,観音茶屋を通過する.
1週間前よりは登りやすいとはいえ,やっぱり蒸し暑いのでなかなか気勢が上がらない.もうこんなときはノソノソ登るしかないなと思いながら,ユックリのんびりペースで登り続ける.私とほぼ同じ時刻に登山を開始したNGさんとAIさんが,そろそろ私を追い越すのではないかと思うが一向に姿が見えない.ひょっとして私より先を歩いているのかなと思いながら,歩き続ける.
<観音茶屋>
▇雑事場ノ平
7時41分,やっと雑事場ノ平に到着する.ここからほんの少し平坦な尾根道が続く.尾根を吹き抜けるそよ風が実に心地よい.
<雑事場ノ平>
▇見晴階段
7時42分,見晴茶屋を通過する.大倉からの所要時間は48分.やっぱり遅い.
すぐに見晴階段に差し掛かる.例によって階段を見上げた写真を撮るが,”この階段登るの! ウェー!”とため息が出る.
<見晴階段>
▇一本松
見晴階段を登り終えてモミジ坂に差し掛かる.どんなにゆっくり歩いても汗がダラダラ.こんなに蒸し暑い日にはジッとしていても汗をかくから,どだい汗をかかずに登るなんて不可能だ.それでも余計な汗はかかないように注意深く登り続ける.ハイドレーションシステムから水を絶えず口に含ませるように心掛ける.
ノソノソと登り続けて,8時02分,やっと一本松を通過する.大倉からの所要時間は1時間08分.蒸し暑さを考慮すれば,今の私にはまあこんなところかなと思う.
<一本松>
▇駒止茶屋
8時18分,下山してくるKSさんとバッタリ会う.
「やあやあFHさん・・・」
で何時もの通り握手.KSさんが元気を頂戴する.
やがて駒止階段.これがまた急階段で登るのがシンドイが,ノソノソと登り続けて,8時23分,漸く駒止茶屋に到着する.大倉からの所要時間は1時間24分.情けない記録である.
<駒止茶屋>
▇堀山の標識
駒止茶屋を通過して堀山の平坦道に入る.ここまで登るとヤレヤレ感を感じる.ホッと一息入れながら尾根道をノンビリと歩く.
上空は青空だが,周囲に雲が湧いていて,残念ながら富士山も雲の中である.8時35分,堀山の標識を通過して下り坂に入る.
<堀山の標識>
▇小草平(堀山の家)
下り坂が終わって,登り返しを喘ぎながら登って,8時45分,やっと小草平(堀山の家)に到着する.大倉からの所要時間は1時間51分.気温22℃.やっぱり暑い.
私より先に堀山の家に到着したKIさんと1~2分,雑談.
「とりあえずは,萱場平ぐらいまで登ってきます・・・」
<堀山の家>
▇見えない富士山の写真を撮る
数分の休憩後,小草平から歩き出す.
歩き出して暫くの間,ガレ場が続く.その途中で富士山が良く見える場所で,雲に隠れている富士山の写真を撮る.ちょうど富士山と思える場所に白い雲がまとわりつくように湧いている.上空は青空なのに富士山が見えないとは残念である.
<富士山の廻りに白い雲が纏わり付いている>
▇萱場平
9時05分,萱場平の手前で,1本後のバスで来られたMGさんが私に追いつく.
9時12分,今日の終点と思っていた萱場平に漸く到着する.前方に広がる青い空を見上げている内に,どうせなら花立山荘まで登ろうかなと気が変わる.
<萱場平>
▇花立階段
萱場平から先は,もう何も考えずにひたすら自動運転のように登り続ける.もう惰性だ.
やがて,花立階段に到着する.ここで一息.
”そろそろNGさんやAIさんが私に追いついても良いはずだが・・・”
と少々気になる.
階段下も富士山鑑賞の絶好のポイントだが,やっぱり残念.
<花立階段下から見えない富士山を撮る>
▇花立山荘
花立階段を喘ぐようにして登って,9時40分,漸く花立山荘に到着する.大倉からの所要時間は2時間46分.夏の間は花立山荘まで3時間と思っていたが,今日の炎暑にしては,まあ,まあ・・・この分だと塔ノ岳まで4時間以内に確実に登れるなと思う.そうなると俄然塔ノ岳山頂まで登りたくなる.
花立山荘の気温は24℃.やっぱり高温である.
<花立山荘>
▇荒れたガレ場
最近大雨が降ったらしく,雨水の流れのために登山道はかなり荒れていて歩きにくくなっている.ただでさえ花立山荘から花立山中腹までの階段道は私にとって鬼門だが,今日は荒れているのでさらにシンドイ.まあ逆らわずにノソノソと登り続ける.
このところ,途中で下山することが多いので,花立山に登るのは数週間ぶりのこと.相変わらず富士山は見えないが,ガレ場から鍋割山稜を眺めていると,やっぱり嬉しくなる.
<花立山山頂近くで鍋割山稜を望む>
▇花立山山頂
喘ぐようにユックリ登って,10時04分,花立山山頂に到着する.
前方には少しガスが掛かっている塔ノ岳山頂が見えている.ここまで登れば,塔ノ岳山頂まではあと僅かである.この辺りは風通しも良いので蒸し暑さもほとんど感じないが,その代わりに直射日光がジリジリと肌に突き刺さる.
花立山山頂で立ち止まり,周囲の風景をデジカメに収める.
<花立山山頂>
▇金冷シ
四方の風景を楽しみながら馬ノ背を通過する.どこからともなくウグイスの啼き声が聞こえてくる.実に良い気分である.
10時11分,金冷シを通過する.そして最初の階段で下山してくるYSさんとバッタリ.
「あれ,1番バスに居られましたか・・・?」
「今日は自家用車で来ました・・・」
とのこと.
「この調子だと,10時30分頃には間違いなく(塔ノ岳)山頂に到着できそうなので,山頂まで行ってきますよ・・・」
ということでお別れする.
<金冷シ>
▇塔ノ岳山頂
金冷シから最初の階段はスタスタと登れた.2番目の階段もマアマアの調子で登りつづける.そして最後の階段に差し掛かるところで下山してくるMGさんとすれ違う.
「(大倉発)13時10分のバスは無理かも知れませんが,13時38分には間に合うように下山しますよ・・・」
「たまには,(渋沢で)お茶しましょうよ・・・待っていますよ」
とのこと.
結局,山頂直下の急な登り階段は息が切れて途轍もなくシンドイ.何度も立ち止まって深呼吸をしながら,10時35分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は3時間31分.不本意なラップだが,夏場は4時間と決めていたので,それに較べればマアマアかな.山頂の気温は22℃.
<塔ノ岳山頂>
▇山頂からの眺望
辺り一面にガスっていて,富士山を始め遠くの山は殆ど見えないが,儀式として周囲の景色をデジカメに収める(冒頭の写真).
山頂でオニギリ1個を頬張り,冷たい水を飲んで,体温を下げる.
<塔ノ岳山頂からの眺望;富士山はガスの中>
▇ソソクサと下山開始
オニギリ一個を食べ終えて,10時45分,下山開始.私の胸算用では下山に2時間15分掛かるとして,13時頃には大倉に到着する・・・ならば13時10分のバスに間に合うなと計算する.
下り始めは快調だった.山頂から急な木の階段を下り終えて,金冷シから2番目の階段の途中で,登ってくるNGさんとすれ違う.
「あれ! 早いですね」
「(登り4時間のつもりが)3時間半ぐらいで登れました・・・」
続いて金冷シから最初の階段でカメラマンのMMさんとすれ違う.
11時05分,花立山山頂に到着する.前方には相模湾の鳥瞰が広がっている.素晴らしい眺めである.ここでも立ち止まって何枚かの写真を撮る.
11時14分,花立山荘に到着する.山荘前のベンチは休憩を取る登山者であふれかえっている.登山者の間を抜けるようにして,花立階段を下り始める.
<花立山から相模湾を望む>
▇あれ~ぇ・・・,何だか調子が悪いぞ
花立階段を下ってガレ場に入った頃から,風がぴたりと止み,次第に蒸し暑くなる.こうなると調子が悪くなり動作が鈍くなる.気勢も上がらなくなり意気消沈.歩行速度はますます遅くなる.
12時54分,漸く萱場平を通過する.長い階段道を”長いなあ・・・”と思いながら下り続けて,12時丁度に漸く小草平(堀山の家)に到着する.堀山の家のベンチにKIさんが座っている.私に,
「山頂まで行ってきたの・・・?」
と聞く.
「結局,山頂まで登りました.今日は遅くなったんで,(堀山の家には)立ち寄らずに下山します・・・」
▇なんだか熱射病になりそう
堀山の登り返しが長くて辛い.蒸し暑くて何時もより気勢が上がらない.漸く,12時23分,駒止茶屋に到着する.駒止階段を下り始めると,一段ごとに湿気が強くなり蒸し暑さが増す.平坦な道を抜けて一本松を通過する頃,顔が火照って頭がクラクラし始める.
”これはイカン! 熱射病の前駆症状だな・・・”
と判断した私は,山ヒルが居なさそうなところを探して休憩を取る.リュックから冷たい水を入れた魔法瓶を取り出す.気休めに過ぎないが,冷水で湿らせたタオルを首筋に当てて冷やす.5分ほどでほてりは幾分収まったので,超ユックリペースで下山を開始する.
ぎこちなく見晴階段を下って,12時53分,やっと見晴茶屋を通過する.ここで韋駄天のKMさんが私に追いつく.勿論,KMさんには先に行って貰う.勿論,13時10分のバスは到底無理.
▇渋沢駅前でコーヒーブレーク
12時27分,漸く登山口にたどり着く・・・が,その先,バス停大倉までは日陰が全くないアスファルト道である.直射日光と照り返しで,またもや頭がクラクラ.これではジッとしていても熱射病になりそうである.
”大丈夫かな,大丈夫かな・・・”
と体調を気にしながら歩き続ける.
13時33分,やっとバス停大倉にたどり着く.
程なくバスが到着する.冷房の効いたバスに乗車する.ところが冷房が効いているはずなのに何時までも汗が噴き出てくる.
13時56分,渋沢駅到着.
早速,渋沢駅ビル1階のミスタードーナッツに立ち寄る.先着の2人,MGさんとYSさんが私を待ちわびている.ホットコーヒーと氷入りの水を所望する.
冷たい水を飲んで暫くすると,吹き出るような汗も収まり,体調も普通に戻った.
<渋沢駅前でコーヒーブレーク>
▇やっと帰宅するが・・・
14時20分頃,コーヒーブレークを終える.
渋沢駅から小田原経由で帰宅するが接続が悪く,大船で25分ほど炎天下でバス待ち.その間,蒸し暑いの何のって・・・
16寺過ぎにやっと帰宅.早速シャワーを浴びて,さて昼寝・・・と思ったところに乗除一家4人が来訪.どこかの何とか山という観光地からの帰りだという.眠いけど賑やかなのも有難い.
何時もより早めに就寝・・・と,ここまでは良かったが,夜中に両足の臑から足先まで攣ってしまう.痛い! やっぱり炎暑の登山は無理だったんだろうか.
<ラップタイム>
6:54 大倉歩き出し
7:21 観音茶屋
7:43 見晴茶屋
8:23 駒止茶屋
8:45 堀山の家
9:12 萱場平
9:40 花立山荘
10:04 花立山
10:11 金冷シ
10:35 塔ノ岳着
10:45 〃 発
10:54 金冷シ
11:05 花立山
11:14 花立山荘
11:26 萱場平
12:00 堀山の家
12:23 駒止茶屋
12:13 見晴茶屋
13:10 観音茶屋
13:33 大倉着
[山行記録]
▇水平歩行距離 7.0km
▇累積登攀下降高度 1,269m
▇上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 6:54
塔ノ岳着 10:35
(所要時間) 3時間31分(3.52h)
水平歩行速度 7.0km÷3.52h=1.99km/h
登攀速度 1,269m÷3.52h=361m/h
▇下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 10:45
大倉着 13:33
(所要時間) 2時間48分(2.80h)
水平歩行速度 7.0km÷2.80h=2.50km/h
下降速度 1,269m÷2.80h=453m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/778be44c3cb919b00e0b61faa5a0f677
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
お断り;
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