<花立山山頂付近のツツジ>
見頃のツツジとボッカ大会で大賑わいの丹沢;塔ノ岳(2019年17回目)
(単独山行)
2019年6月2日(日) 曇
<ルートマップ>
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▆今日も蒸し暑そうだ
いよいよ夏の到来である.
塔ノ岳詣では何時もは土曜日と決めているが,今週の土曜日は在宅していなければならなかったので1日遅れの今日,日曜日に塔ノ岳に出掛けた.今日の天気予報は曇り,昨日ほどでもないが日中はやっぱり高温で夏日になりそうとのことである.先週は余りに蒸し暑かったので山頂までは登らずに花立山から引き返してしまったが,今日は果たして山頂まで登れるかいささか不安である.まあ,無理をせずに登れるところまで登ろうと思う.
▆渋沢駅の様子が変だ
何時ものように大船から東海道本線下り初電に乗車する,土曜日に比較して日曜日の電車はかなり空いているようである.小田原で小田急新宿行急行電車に乗り換える.今日は曇りなのでどうせ富士山は見えないので矢倉岳との重なりを写真に撮ることができないのが残念である.
6時11分,渋沢駅に到着する.ところが渋沢駅が何時もと違ってやたらに若い人が多い.今日はやたらに若い人が多いなと思いながらバスの到着を待つ.都合の良いことに6時40分前に大倉行臨時バスが出る.
バス停大倉に到着する.広場に大きなテントが数張り設置されやたらに人が多い.
”あれ! 何かお祭りかな”
鈍感な私はまだ気がつかない.
▆バス停大倉付近のアジサイ
6時53分,バス停大倉から歩き出す.今日は周囲に顔見知りの常連は居ないので,心の動揺もなく,登り下りともに全くのマイペースで歩ける.今日も蒸し暑くなりそうなので,状況を勘案しながら,完全にマイペースで安全登山に徹しようと自分に言い聞かせる.
まずは歩き出しは超ユックリで・・・
でも,このところの運動不足で,歩き出しから全く気勢が上がらない.
”今日も塔ノ岳山頂まで登るのは無理かな・・・”
と最初から弱気である.
歩き出して直ぐの道端にアジサイの花を見付ける.花が咲き出して入りがまだ見頃には早い.でも,もうすぐ来る梅雨の季節を予感させる.
<バス停大倉付近のアジサイ>
▆ボッカ駅伝の横断幕
路面が濡れている.ちょっと歩きにくい.沢山の若者・・・岳でなく年配者にも追い越されながら,7時20分,やっと観音茶屋を通過する.何時もならばこの辺りまで登ると体調が安定して足取りが軽くなるはずだが,今日はまだすぐに息が切れそうになりとても不安定である.
観音茶屋から先のジグザグな坂道を登るのもまだ超低速のままである.
7時38分,やっと雑事場ノ平を通過する.雑事場ノ平のベンチには同じ色のジャンバーを着た人達が腰掛けられないほど沢山集まっている.
”今日は何だか変な日だな・・・”
と思いながら通過する.
すると目の前に「丹沢ボッカ駅伝競技大会第2区中継所」と大書した横断幕が張られている.この横断幕を見れば鈍感な私でも今日ボッカ駅伝が開催されていることが分かる.
<雑事場ノ平に張られた横断幕>
▆賑わう見晴茶屋
7時40分,やっと見晴茶屋に到着する.
何時もなら,この時間は閑散としている見晴茶屋にも沢山の客が集まっている.ボッカ駅伝の関係者だろうか.
見晴茶屋の前から相模湾を見下ろす写真を撮るが,曇り空と霞む下界が見えるだけのつまらない写真しか撮れない.
<賑わう見晴茶屋>
▆見晴階段
見晴階段に差し掛かる.何時ものように階段を見上げた写真を撮るが,写真に写る人影が随分と少ないようである.どうやら土曜日に比較して日曜日は登山客が少ないようである.
ここを張り切って登ってしまうと後でバテるのが必定なので,とにかく息が切れないようにユックリと登り続ける.
<見晴階段>
▆駒止茶屋に真っ赤な幟旗?
見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.ここもユックリ登って,8時05分,やっと一本松を通過する.すでに大倉から歩き出して1時間13分も経過している.少々情けない気もするが,”まあ・・・いいか”で諦める.
一本松の少し上からの平坦道もゆっくり歩いて,駒止階段に差し掛かる.ここもユックリ登るに如かず.やがて駒止茶屋が見え出す.茶屋の周囲に真っ赤な幟旗が立っているのかと思ったら,ボッカ駅伝の関係者が揃いの赤いジャケットを着ているのを幟旗に見間違えたようである.
8時25分,漸く駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は,1時間30分.
”こんなに時間が掛かるなんて・・・マイッタナ”
<駒止茶屋>
▆小草平(堀山の家)
8時42分,漸く小草平に到着する.大倉を歩き出してから実に1時間52分も掛かっている.
”いくら慎重に歩くと言っても,ちょっと時間のかけ過ぎだな”
と自己反省.堀山の家の温度計は18℃を指している.登山には高温すぎるが,めちゃめちゃ高温というわけでもない.
小草平はボッカ関係の皆様であふれかえっている.ここがボッカ大会の第2中継点のようである.赤いジャンバーの方々だけでなく,多少縁がありそうな駆けっこの若者も沢山屯している.堀山の家を覗いてみるが溢れんばかりの客である.私ごとき部外者は恐れをなして入れない.・・・ということで堀山の家は割愛して登り続ける.
<堀山の家の前はボッカ関係者で溢れている>
▆ツツジに癒やされる
小草平を過ぎると進行方向左手に今が見頃なツツジが1本鮮やかに咲いている.勿論立ち止まって写真を撮る.
そこへ花立山荘の小屋番,愛称カナブン氏が空身で下山してくる.
「ボッカ大会に参加するんですか?」
「いえいえ,ただ様子を見に来たんですよ」
とのこと.さすがに若い.花立山荘からこんな下までわざわざ様子を見に来るなんて‥率直に若狭が羨ましい.
ツツジには色々な種類があるらしくそれぞれ名前が違うことは分かっているが,私にはなかなか覚えられない.仕方がないので,当ブログでは,色々な種類のツツジを単にツツジと表記することにしよう.
<小草平から少し登ったところで咲くツツジ>
▆萱場平
急坂をノロノロと登り続けて,9時15分,萱場平に到着する.
ここで,3~4分立ち休憩を取って,呼吸を整える.登山開始直後は,今日の終点は萱場平にしようかと漫然と思っていたが,これまでユックリ登ってきたこともあって,疲労感は全くない.
”ならばとにかく花立山荘まで登ろう!”
ということでまた登り始める.
<萱場平>
▆見えない富士山の写真
登るにつれて登山者の人数が次第に少なくなる.何となく気分が落ち着いてくる.
相変わらず何人かの若者においこされながら,まあ,根気よく登り続ける.珍しいことに,このノロノロの私が追い越すことも時々ある.
”人それぞれだなあ~”
と思いながらも,やっと花立階段下にたどり着く.ここは富士山ビューポイントのひとつだが,今日は近場の鍋割山稜しかみえない.まあ,折角だからということで見えない富士山の写真を撮ってから,やおら花立階段を登り始める.そのとき階段下で休憩を取っていた60歳代後半と思われる夫婦の方から話しかけられる.
「ええ,まあ‥雨でなければ週に1回ほど登っています‥」
「えぇ~! 週に1回もですか!」
と驚かれる.むしろ,当の本人,つまり私は,週に数回登られている常連ばかりの中で過ごしているので,週に1回なんて少なすぎる‥だから,登の②時間ばかり掛かってしまうとコンプレックスを持っているのに‥
<花立階段下から見えない富士山の写真を撮る>
▆大賑わいの花立山荘
9時49分,やっと花立山荘に到着する.
どうやらここがボッカ大会の終点のようである.平素見馴れない人達が沢山集まっている.大変な賑わいである.
花立山荘の温度計は14.5℃を指している.まあ,それほど蒸し暑いという気温ではない.大事を取って,花立山荘でもちょっとの間立ち休憩を取る.
大倉からの所要時間は2時間06分.情けないラップだが,疲労感がないだけマシと言うことにしておこう.もちろんここで登山を止めるつもりはない.
<大賑わいの花立山荘>
▆霧の中で見え隠れする鍋割山稜
体力を消耗しないように気を遣いながら登り続ける.花立山荘から先の階段道を過ぎると一気に視界が開けるはずだが,今日は雲に覆われていてダメ.
雲間に近場の鍋割山稜の山麓が見え隠れする.
<霧に見え隠れする鍋割山稜>
▆花立山山頂
10時丁度に花立山山頂に到着する.目の前に塔ノ岳山頂が見えるはずだが,濃い霧に覆われていて殆ど何も見えない.
何時の間にか,ずっと汗ばんでいた肌がカラカラに乾いている.涼しくて実に気持ちが良い.もちろん,ここで登山を止める気にはならない.もちろん何の躊躇もなく金冷シへ向かう.
<花立山山頂から霧で見えない塔ノ岳山頂を望む>
▆ツツジが見頃の馬の背
馬の背に差し掛かる.
登山道の両側に自生するツツジが見頃を迎える.実に綺麗で見事である.写真を取り付けていると,私より何本も後のバスで来られたヤングのMMさんが私に追いつく.
「おや,FHさん.今日は随分とユックリですね‥」
それもそのはず,何時もなら下山途中でMMさんとすれ違っているからである.
「ええ,まあ‥ツツジがとても綺麗なんで写真ばかり撮っていて遅くなっちゃいました‥」
と答えるが,本当のところは,バテそうなので速く歩けないからである.
まあともかく折角撮った写真なのでその中の2~3枚を披露しておこう(冒頭の写真も).
<馬ノ瀬付近のツツジ>
▆金冷シ
10時05分,金冷シに到着する.山頂まであと600メートル.バス停大倉から登山口まで700メートルあるから,それより100メートル短い.そう思うと金冷シから塔ノ岳山頂までは大した距離ではないと思える.
最近,綺麗に整備された木道道の階段を登り始める.結構長い登り坂である.この坂を登り切ると鞍部になっている.鞍部を通るときにちょっと息抜きができる.
いずれにしても塔ノ岳山頂まであと僅かである.
”なんだかんだ言っても,今日はともかく塔ノ岳山頂まで登ったぞ‥”
これは結構気分の良いものである.
<金冷シを通過>
▆塔ノ岳山頂
最後の木道は結構急坂で登るのが結構厳しい.
なんとか自分の体を騙し騙し登って,10時33分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.山頂は濃い霧に覆われていて近くに建っている尊仏山荘もおぼろげに見えるか見えないかの感じである.しばらく山頂で建っていると,ほんの数秒,栗の中から尊仏山荘が見える.その瞬間を狙って撮ったのが下の写真である.
山頂の気温は13℃.ちょっと高めである.無風.休憩を取るには丁度良い気温かも知れない.
バス停大倉からの所要時間は実に3時間40分を要した.誠に嘆かわし記録である.花立山荘から塔ノ岳山頂まで54分も掛かっている.この記録は,いくら途中で沢山の写真を撮ったとは言え,この記録は,屈辱的である.でも仕方がない.これが実力というものである.
<塔ノ岳山頂>
▆山頂からの眺望
今日の山頂からの眺望はペケ.
でも,ジッと風景を眺めていると.大きな山並みが霧の中で幾重にも連なっているのが見下ろせる.雲が多いながらなかなかの風景である.
<塔ノ岳山頂からの眺望>
▆下山開始
山頂からの見晴は今ひとつだが,暑くも寒くもないのが有難い.空いているベンチに座って,軽めの食事を摂る.
食事を終えて,10時45分,塔ノ岳山頂から下山開始.何時もより30~40分遅い下山開始である.
”目標は大倉発13時10分のバスだな.このバスに間に合うように手山しよう‥”
全くの独り旅の良さは,当面の目標を適当に設定できることだ.急階段やガレ場は転倒しないように,また,膝に余計な負担を掛けないように細心の注意をしながら下山し続ける.
▆花立山荘;ボッカ大会の余韻
ホトトギスの啼き声を聞きながら,霧の中を下山し続ける.
10時57分,金冷シを通過する.目立った渋滞もなく,11時03分,花立山を通過する.霧がますます濃くなり始める.山麓からツツドリの啼き声が木霊する.
花立山荘が近づくとガヤガヤと人の声が聞こえてくる.やがて霧の中に広場を覆い尽くすほどの沢山の人が集まっている.ボッカ駅伝関係者である.
11時12分,ようやく花立山荘へ.
まだ,大会が続行中らしく,役員らしい人が大声で何か指示している.つぎつぎにゼッケンを付けた選手が到着している.大会のことは良く分からないが,どうやら40キログラムほどの荷物を背負っているようである.比較するのも烏滸がましいかもしれないが,私が何時も背負っているリュックの重さはせいぜい7キログラム.それでも重くて閉口する.
花立階段を降りる.登ってくる選手,応援する人,その関係者,一般の登山客,階段を駆け下りようとするランナーが入り交じってやや混乱状態の階段を急かされるような,気まずいような思いをしながら下り続ける.そんな状態階段から下のガレ場でも続く.とにかく忙しない.
<ボッカ駅伝の関係者で大賑わいの花立山荘>
▆駆け下る若者と思わぬ渋滞
登ってくる人の数は土曜日より少ない感じだが,駆け下ろうとする若い人達がやたらに多いので危なっかしくて落ち着かないまま下山し続ける.後ろから足音が聞こえる度に先を譲るのでなかなか埓があかない.
やっとの思いで,11時42分,小草平に到着する.ちょっとだけ堀山の家に立ち寄りたいなと思ったがボッカ関係者で相変わらず混雑しているので通過する.
相変わらずツツドリやホトトギスの啼き声が聞こえを聞きながら,堀山の稜線歩きを楽しむ.尾根道を吹き抜ける涼風が何とも心地よい.私は時計を見ながら歩行速度を調整する.
12時05分,駒止茶屋を通過する.茶屋が営業している.
”ここに立ち寄ってコーヒーを賞味したいな‥”
とフト思うが,もう時間的余裕がないので,そのまま通過する.
乗りたいバスの時間まで後1時間05分.これでは茶屋で道草する時間はほとんどない.
順調に下山し続けて,12時45分,観音茶屋に到着.女主人が店の中から私に,
「お帰りなさい」
と声を掛けてくれる.
「スミマセン! バスに間に合いそうなので,パスします」
と挨拶しながら通過する.
丹沢ベース近くの礫を敷き詰めた道に入る.20~30人ほどの大きな団体が,おぼつかない足取りでノロノロと歩いている.大半が60~70歳代の方々のようである.クラツリかな? この人達と付き合っていたらバスに間に合わないので,
「スミマセン! バスの時間に間に合わないので先に行かせて下さい‥」
とお断りしながら先へ行かせて貰う.
▆大賑わいの大倉
12時52分,克董窯の前を通過する.
”これで間に合った!”
13時01分,バスの時間の9分前に無事バス停大倉に到着する.バス停にはもう20人ほどの行列ができている.何時もと大分勝手が違う.
広場の先のテンド周辺に人集りができている.マイクがなにかがなりたてている.どうやら仏花駅伝の結果を発表しているらしい.
バスには何とか座ることができた.
▆無事帰宅
バスは13時21分に渋沢駅に到着する.渋沢発13時24分の急行新松田駅に乗車,新松田駅で各駅停車小田原行きに乗り換える.
小田原駅での接続が良くて,14時04分発特別快速高崎行に乗車する.大船駅までの所要時間は29分,意外に速い.15時前に帰宅.
私の留守中に,来訪中の長男が家の中や台所を綺麗に掃除してくれたようである.子ども達を育てるのには苦労したけれども,今になると子ども達が居てくれて有難いなとつくづく思う.
まあ,時間は余計に掛かったけれども,疲労感もなく塔ノ岳を往復できたので「良かった! 良かった!」である.
<ラップタイム>
6:53 大倉歩き出し
7:22 観音茶屋
7:43 見晴茶屋
8:25 駒止茶屋
8:42 堀山の家
9:49 花立山荘
10:05 金冷シ
10:33 塔ノ岳着
10:45 〃 発
11:03 金冷シ
11:02 花立山荘
11:42 堀山の家
12:05 駒止茶屋
12:30 見晴茶屋
12:45 観音茶屋
13:01 大倉着
[山行記録]
▇水平歩行距離 7.0km(片道)
▇累積登攀下降高度 1,269m
▇上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:53
塔ノ岳着 10:33
(所要時間) 3時間40分(3.67h)
水平歩行速度 7.0km/3.67h=1.91 km/h
登攀速度 1,269m/3.67h=346m/h
▇下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 10:45
大倉着 13:01
(所要時間) 2時間16分(2.27h)
水平歩行速度 7.0km/2.27h=3.08 km/h
下降速度 1,269m/2.27h=559m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c035177e5952d49b6e577d9a4e554ab7
「丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
お断り;
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