<塔ノ岳山頂から富士山を望む>
季節外れの雪山と富士山の展望を満喫する丹沢;塔ノ岳(2019年第13回目)
<<平成最後の塔ノ岳>>
(単独山行)
2019年4月28日(日) 快晴・早朝真冬並の寒さ
▇夜明けが早くなった
2日前の4月26日は初夏を思わせるような好天気だった.ところが昨日は終日雨.そして今朝は厳冬期を思わせるような寒さである.何時も塔ノ岳には土曜日に登っているが,昨日が雨だったので一日遅らせて,今日の日曜日に塔ノ岳に登ることにした.
何時ものように4時10分に自宅を出発するが,とにかく寒いのでビックリする.それでも大船5時10分発の東海道本線下り電車に乗車する頃にはすっかり夜が明けて辺りが明るくなっている.1週間前と比較しても夜明けが早くなったことがはっきりとわかる.
<5:00の大船駅東海道本線下りホーム>
▇富士山と矢倉岳
小田原で小田急電車に乗り換える.電車が開成駅に到着する直前で,富士山と矢倉岳が重なって見えている.
4月下旬にしては珍しく富士山の麓まで新雪で真っ白になっている.
<小田急電車の車窓から富士山と矢倉岳を望む>
▇渋沢駅からの富士山
6時11分,渋沢駅に到着する.駅のコンコースから富士山が良く見えている.
今日は10連休の初日とあって,大倉行バス停は何時もより随分と人が多いので臨時バスが出る.臨時バスも超満員.乗り合わせた常連は,KMさん,YSさん,AIさん,IIJさんなど土曜日組の方々である.
<渋沢駅から富士山を望む>
▇新緑の見晴階段
6時55分,バス停大倉から歩き出す.寒い.
毎度のことながら,大勢の登山者が私を追い越していく.さすがにこの頃は悟ったので,追い越されても口惜しいという気分は失せたが,加齢とともに体力が減退していくのが情けない.
舗装道路が途絶えて礫や石を敷き詰めた道に入る.昨日の雨で路面が濡れていて歩きにくい.
7時20分,観音茶屋を通過する.観音茶屋から先のジグザグの坂道を登っているときに,今日の体調はあまり良くないことに気がつく.どうも体が重たい感じがする.
7時37分,ようやく見晴茶屋を通過する.そして見晴階段へ.新緑がトンネルのようになって階段の上空を覆っている.
毎度のことながら,この階段を登るのに一苦労する.
<見晴階段>
▇小草平(堀山の家)
やがてモミジ坂に差し掛かる.
途中で数名の若者と一緒になる.
「・・・失礼ですがおいくつですか?」
と私に聞く.私は正直に自分と年を伝える.
「ひぇー・・・俺たちはもっと頑張らなければ・・」
その後,彼らが休憩を取っている間に私が追いつくが,また追い抜かれる・・・ということを何回か繰り返している内に,何時の間にか見えなくなる.
8時10分,駒止茶屋を通過する.そして,新緑が爽やかな堀山の尾根道をノンビリ歩いて,8時29分,小草平にある堀山の家に到着する.大倉からの所要時間は1時間32分.ちょっと遅いが,まあ今日の体調ならばこんな所だろうと思う.堀山の家の温度計は9.7℃を指している.
<堀山の家>
▇ガレ場からの富士山
堀山の家から先,暫くの間はガレ場の登り坂が連続する.ガレ場に入って直ぐの所に富士山のビューポイントがある.ここで富士山の写真を撮りながら立ち休憩を取る.
<堀山の家上のガレ場からの富士山>
▇萱場平から残雪
8時50分,萱場平に到着する.
”これで間違いなく10時前に塔ノ岳山頂に到着できるな”
と確信する.
”ならば,ユックリ登るに限る‥”
別に10時前に山頂に到着しなければならないということもないが・・・気持ちの目安である.
萱場平の木道辺りから残雪が目立つようになる.平地で昨日降り続いていた雨がこの辺りから上ではどうやら雪だったようである.4月の下旬,しかももうすぐ5月というこの時期に,ここで雪に遭うとは・・・ここ20年ほどの間,頻繁に塔ノ岳に通い続けているが,初めての経験である.
<萱場平>
▇花立階段下からの富士山
9時08分,花立階段に到着する.
ここも富士山を冊家居する絶好の場所である.富士山の上空に薄らと雲が掛かってはいるが,この時期にしては珍しくスッキリと富士山が見えている.
<花立階段下からの富士山>
▇花立山荘
喘ぐようにしながら花立階段を登って,9時17分,ようやく花立山荘に到着する.ここで下山途中のチャンピョンとバッタリ.
「やあ,やあ,・・・FHさん,元気そうですね」
と話しかける.チャンピョンから元気を頂戴する.
花立山荘前では沢山の若い登山者が休憩を取っている.ここからも富士山が良く見えているが,富士山の写真を撮っても手前に人ばかり写ってしまうので,写真は諦める.
大倉からの所要時間は2時間32分.
”ちょっとユックリしすぎたかな・・・?”
花立山荘の気温は9.0℃.
<花立山荘>
▇花立山のガレ場
花立山荘でも休憩は取らずにそのまま登り続ける.途中で2番バスで来られたNGさんが私を追い越していく.
荒れた階段道を過ぎると,一気に視界が開ける.もちろん沢山の写真を撮りながら登り続ける.私が写真撮りに夢中になっている間に,ここまで,とほぼ一緒に登ってきたNGさんとの距離が空いてしまう.私はすぐにNG三一緒に登るのを諦める.
<花立山のガレ場>
▇富士山と鍋割山稜
ガレ場の途中から富士山と鍋割山稜の写真を撮る.遙か先に真っ白な南アルプスの山々が見え隠れしている.
この写真を撮りながら,ふと,ペルーでお世話になったコップ山荘のオーナーのことを思い出す.真冬の塔ノ岳に登っているときに,この辺りで一緒になったなあ・・・
彼はワスカラン登頂中に雪崩で遭難した.
<富士山と鍋割山稜>
▇花立山山頂
9時27分,花立山山頂を通過する.
前方にはこれから登る塔ノ岳が見えている.この辺りから先は,残雪が多くなり,完全に冬景色になる.
<花立山山頂>
▇真冬のような残雪道
9時31分,金冷シを通過する.ここから先は完全な残雪道である.水を含んだ腐れ雪が木の階段にべったりと付着しているので滑りやすきなっている.
”これでは下りが大変だなあ・・・”
と思いながら,実にユックリ登る.
周囲の雪景色は実に綺麗だが,これが4月下旬とは思えない違和感がある.
<4月下旬の雪景色>
▇塔ノ岳山頂
9時53分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.正直なところ”参った! 参った!”である.そろそろ塔ノ岳に登るのも体力的に限界かも知れないなと,ちょっとメランコリックになる.
大倉からの所要時間は2時間58分.奇しくも前回と全く同じラップである.2分ほどチョッピリ3時間を切っているのがご愛敬である.山頂の気温は7℃.
山頂には沢山の登山者が屯している.ほとんど全員が若者である.
<若者で賑わう塔ノ岳山頂>
▇
早速周囲の景色をデジカメに収める.目の前には富士山が聳えている(冒頭の写真).
<塔ノ岳山頂からの富士山>
▇南アルプス遠望
富士山に向かって右側に南アルプスの山々が見えている.この時期に南アルプスまで見えるのはとても珍しいことだと思う.
<南アルプス遠望>
▇信仰の山大山
塔ノ岳山頂から大山方面を望む.
塔ノ岳と大山の標高差は僅かだが,どうやら大山には残雪は余りなさそうに見える.大山の先に三浦半島方面の眺望が開けている.
<塔ノ岳山頂から大山方面を望む>
▇下山開始
10時04分,下山開始.
下山口から相模湾を望む.眼下に秦野の市街地が広がっている.
山頂直下は残雪の階段道で滑りやすい.自分か高齢者だと言うことを,十本に自覚しながら慎重に下り続ける.
<塔ノ岳山頂から相模湾を望む>
▇下界は新緑
金冷シ手前の階段道で,カメラマンのMMさんとすれ違う.
10時27分,金冷シを通過する.ヤングのMSさんとすれ違う.
10時39分,ようやく花立山荘を通過する.山荘前は夥しい人数の登山者で賑わっている.
花立階段とその下のガレ場も.登ってくる登山者で数珠つなぎになっている.すれ違うのに苦労しながら,萱場平,小草平と下り続ける.堀山の尾根道まで降りると,新緑が鮮やかになる.山頂付近の残雪の冬から,初夏を思わせる新緑まで,ほんのちょっとの間に両方経験してしまう.
このまま順調に下れば,12時40分の路線バスに間に合いそうである.
<堀山の尾根道は新緑>
▇無事下山
12時15分,観音茶屋に到着する.女主人に,今日は12時40分のバスに間に合いそうだから立ち寄らないと挨拶して通過する.その後,下山速度を少し速めて.12時31分,バス停大倉に到着する.
待合室には先に下山した常連が屯している.今日の私は,帰宅途中の辻堂で所用があるので,常連の皆さんより1台前の12時40分のバスに乗車する.バウは何時もの土曜日より大分混雑していて,立ち席になってしまう.
渋沢で小田急電車に乗り換えて,小田原方面へ向かう.
<ラップタイム>
7:01 大倉歩き出し
7:26 観音茶屋
7:42 見晴茶屋
8:10 駒止茶屋
8:29 堀山の家
8:53 萱場平
9:23 花立山荘
9:39 金冷シ
9:59 塔ノ岳着
10:07 〃 発
10:22 金冷シ
10:36 花立山荘
11:13 堀山の家
11:32 駒止茶屋
11:52 見晴茶屋
12:05 観音茶屋
12:27 大倉着
[山行記録]
▇水平歩行距離 7.0km(片道)
▇累積登攀下降高度 1,269m
▇上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 7:01
塔ノ岳着 9:59
(所要時間) 2時間58分(2.97h)
水平歩行速度 7.0km/2.97h=2.36 km/h
登攀速度 1,269/2.97h=427m/h
▇下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 10:07
大倉着 12:27
(所要時間) 2時間20分(2.33h)
水平歩行速度 7.0km/2.33h=3.00 km/h
下降速度 1,269m/2.33h=545m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/393f315799957f9c5ead5e2229d2d6fd
「[丹沢の山旅」の次回の記事
(なし)
お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します.