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Channel: 中高年の山旅三昧(その2)
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閑話休題;薄氷を踏む思いの健康だ

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         閑話休題;薄氷を踏む思いの健康だ
         2013年12月24日(火) 晴

 師走も迫った24日.
 私は数週間前に突如健康を害した家内が,川崎にある某整形外科で2回目の診察を受けるのに付き添って出掛けた…と,言っても命に別状はない怪我の治療である.
 年末が押し迫っていることもあって,病院の待合室は溢れんばかりの患者で,まるで混雑する電車の中のような状態である.
 ここ数週間,家内は背中から胸にかけての痛みを訴え続けていた.切っ掛けは趣味のダンスをしているときに相手の方が転倒したときに,その方を助けようとして,自分も一緒に転倒したことにある.当初,近所にある某医院で手当を受けたが中々治らないので,整形外科,某総合病院の神経外科,内科と医者をハシゴした.でもいくら検査をしても痛みの原因が突き止められない.
 そんな憂鬱な毎日を繰り返しているとき,伝(ツテ)を頼って,川崎の某整形外科医の診断受けた.痛みの原因は,この医師の診断でハッキリと分かった,そして,治療方針も極めて明確で,医師の説明は付き添いの私にも十分に納得のできるものだった.
 原因が分からない痛みほど,患者の気持ちをシュリンクさせてしまうものはない.同じ痛みでも原因がはっきりしていて,治療の見通しがつけば,どれだけ救われた気持ちになれるかを,家内の怪我を通じてとても良く分かった.
 ただ残念なことに,この医師の診断を受けるまでに,あちこちの病院をウロウロしている間に,痛みが慢性化してしまったことである.慢性化するとそれだけ治療にも長い時間が掛かるようになる.結果論だがシマッタナと思っている.ただ幸いなことに痛みはあるが,どこかに障害があるということではない.
 何れにしても,年明け早々にMRIで患部のチェックを受けてから,今後の治療方針が確定する.
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 診察待ちの患者で一杯の待合室で,つくづく考える.
 今,痛みで悩んでいる家内も,転倒する瞬間までは,健康であった.私たち夫婦は,外観上は年の割にはとても健康そうに見えていた.ところが,一寸した弾みで家内は痛みで四苦八苦するようになってしまった.
 私だって,今は健康そうに塔ノ岳詣でをしているが,何時一寸した弾みで怪我をするかもしれない.いくら私が健康そうでも,内臓も骨も年相応に使い古されたものばかりである.一寸した切っ掛けで何時もろくもこわれてしまうか分かったものではない.
 そう考えると,いくら自分は健康だと言っても,薄氷を踏んでいるような脆(もろ)い見せかけの健康だということが良く分かる.
 “御身大切に…”
と自分に言い聞かせる次第である.
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 診断を終えて,病院近くのレストランでかなり遅い昼食を摂る.
 久々に家内と二人だけで摂るささやかな昼食である.
 改めて人生を振り返って見ると,何だかんだと多忙で,二人だけで静かに昼食を摂るなんて,これまで全くなかったような気がする.本当に何年ぶりかのことである.
 今更…ではないが,新婚時代のことをフト思い出すが,そんなロマンチックなことを考えているなんて,目の前に座っている家内には悟られたくない.私は平然と何事もなかったかのような顔つきのまま,黙々と食事を摂る. 
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 一日がかりの診察を終えて,川崎から鎌倉の自宅まで戻る.
 電車は師走を迎えてか混雑している.柄にもなくグリーン車を奮発した.勿論,家内の疲労に配慮してのことである.
 折しも,今夜はクリスマスイブ.
 大船駅近くでは,クリスマスイブ用のケーキを売る店が賑わっている.如何にも師走を思わせる慌ただしさである.
 クリスマスのケーキの代わりに,パンや惣菜を駅近くの商店街で購入してから帰宅する.
 我が家は仏教.クリスマスイブには無関係だが,子供達が家に居た頃は,人並みにクリスマスイブを賑やかに楽しんだ.今となっては,あの頃のことが無性に懐かしい.
 そして今は…
 近所に住む長女が,昼間の間に作ってくれた夕食を,夫婦二人だけで,静かに摂っている.勿論,クリスマスイブの飾りなどもない.食事をしながらの話題は,専ら孫達のことや病気のこと.
 もうすぐ新年.
 孫達が入れ替わり立ち替わり我が家を訪れることになっている.平素は老夫婦二人だけでひっそりとした我が家も,束の間の賑わいを取り戻す.
 家内が療養中とはいえ,こんな穏やかな年末を,後,何年続けられるんだろうか.そんなことを考えると,何となく過ごしている毎日がとても貴重なものに思えてくる.
 夜.
 明日までに投函しなければならない年賀状の作成に追われる.肩の痛みで年賀状の宛名書きが苦痛な家内の年賀状を含めて,400枚ほどの宛名書きをパソコンで作業する.使用するソフトは「筆まめ」.
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 20時頃,やっと宛名印刷が終わる.それにしてもプリンターの調子が悪く,1枚ずつ手差しで給紙しながらの面倒な作業だった.
 こうして,ナントカカントカ,年末の慌ただしさを凌いでいる.嗚呼…暇のような慌ただしいような,これもまた人生なのだ.


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